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Posted by ブクログ
正直、裏表紙のこの解説ではあまり惹かれなかったのですが、長編賞受賞という言葉に惹かれて買ってしまったこの作品。ドッペルゲンガーとは異なる、といっても自分そっくりサンと出会って
ドタバタ騒動が起きるんだろうとなめていました。が、が、が!
あらぬ容疑で警官である加納に突き出された忍は、彼の車で高級レストランへと連れて行かれる。
そこでは、自分とまったく同じ容姿で自分の近くを闊歩する謎の存在、バイロケーションに悩まされる人々が会合を開いていた。そこで彼らが語るのは、とても理解できないようなおかしな話。そして胡散臭い会の名前
もう一人の自分であるバイロケーションをなんとかする会
彼らは本当にそのような存在を信じているのか。しかし、その存在を認めれば自身が被った容疑に説明を付けることができる。 そして被害を被った会のメンバーのためには金も権力も惜しげもなく使う謎の主催者の正体とは。
バイロケーションは身が偽物であると自覚していないため、本人がバイロケーションを憎めばバイロケーションももう一人の自分に対して憎しみを抱く。 作中ではバイロケーションを殺したいと思っていた警察官、加納は自分のバイロケーションと出会い、(お互いがお互いを偽物だと思うため)殺し合いにまで発展しそうになる。作中では絶えず『忍』視点で話が進むため、どちらが本物かは見分けがつかず、話を読んでいても何を信じればいいかわからなくなっていく。
二度読み必須の作品。最後は切なく終わります。
Posted by ブクログ
バイロケーションという設定があまりにも作りこまれている感が強くまた説明不足かな、と思うところもあったのですが、いろいろと面白味の多い作品でした。
主人公と同じくバイロケーションに悩まされる人が集う会に主人公も参加するわけですが、その会の秘密主義があまりに徹底されていて謎だらけの展開に導入も早くて話に引き込まれました。
伏線の張り方もばっちりで、また主人公の生活や精神が徐々にバイロケーションに侵食されていく様子の描き方もうまく、話の流れはなんとなく読めたものの、伏線が一気につながるラストは圧巻でした。
その場面での主人公の描き方もかなりの迫力で、後味の悪さがいい感じで尾を引きました。
第17回日本ホラー小説大賞〈長編賞〉
Posted by ブクログ
2010年日本ホラー小説大賞 受賞
「同時両所存在に見るゾンビ的哲学考」 改題
静岡県の焼津生まれということで
小説内は 浜松中心に静岡県内です。
主人公の夫が 牧之原のお茶生産の功労者の家系設定は、地味に面白かったです。
ドッペルゲンガーを もう一段ゾンビ的哲学されたような存在で、期待以上でした。
だって 文庫本なのに書庫保存の注意書きが付いてきたんですから。
しばらく 誰も読んでないな疑惑です。
本物と偽物、その差異を見極める。
そして、その差異の違和感に気づく本物たち。
途中までは、主人公と一緒に混乱と疑惑の渦中に入ることができます。
ファンタジー的な側面もあるため結末の収め方は難しい作品ですが 個人的にはこのラストが好きでした。
Posted by ブクログ
ドッペルゲンガーとか分身的な存在、バイロケーションを巡るお話。ジャンルはホラーだけど中身はホラーというよりミステリな感じ。
ホラーというジャンルにしては、設定が細かく、超常現象への恐怖というより、それに対するそれぞれの考え方に焦点を当てている様に感じた。
読んでいるうちに語り手や登場人物達が本体なのかバイロケーションなのかわからなくなってくる。
どんでん返しの連続なので、ドキドキしながら読めた。(実際に現れたらたまったもんじゃないし)
作者的にも内容的にもオチは読めていたが、それでも切ないラストだった。
買ってからしばらくしたら映画化した。映画版は色々設定がホラー寄りに変えられてるらしい。
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