齋藤勝裕のレビュー一覧
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リチウムイオン電池の特徴に多くのページが割かれているので、初学者にはありがたい内容。電解質が固体(セラミックスやガラス)のリチウムイオン二次電池を全固体電池と呼ぶ。
■リチウムの特徴
・低融点180℃
・水と激しく反応して水素を発生させる
・金属元素の中で最も小さい。比重0.53
■リチウムイオン二次電池
・負極はC6Li(C6はグラファイト)
・正極はLiCoO2(コバルト酸リチウム)
・LiCoO2はレアメタル含みで発火懸念があるのでLiFePO4なども検討されている
・通常のリチウムイオン二次電池の電解質は有機溶剤。揮発性があるので着火爆発のリスクがある。そのリスクを解消するものが固 -
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ちゃんとした研究者が書いているから良い~~p148l6の「②自分で栄養を接種できること」は間違いでしょうね。『摂取』だよ。新潟市の出版社なんだろうけど,そこもリモートで十分な校正ができなかったのでしょう。著者の使っているパソコンの変換履歴上位に『接種』が来ているのもコロナ(あれ,新しい呼び方は何だったっけ? 日本で,コビトという表現が使えないのがネックだったと思います。19はついていたような気がするなぁ)の所為ですよ。p121の思考実験:180ccの水は10モルなので,水分子の数は6×10の24乗:これをどこかの海に流して全世界に行き渡らせて,同じ場所で汲んで入っている分子の数が700個という
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ネタバレキノコの1/3は毒キノコ。
肺炎のチャーチルを救ったのは抗生物質ではなくサルファ剤。
麻黄の成分はエフェドリン。ぜんそくの特効薬。
アセチルサリチル酸=アスピリン。人類史に残る合成薬品。
「石見銀山ネズミ捕り」=江戸時代よく売れた。ヒ素。症状がなく閾値を超えると死ぬ。ヨーロッパでは、ヒ素を検出するために銀食器が使われた。ヒ素では黒くならないが、不純物として含む硫黄に反応して、銀が黒くなる。ナポレオンも胃がんではなくヒ素で暗殺されたという説もある。
現代では、ヒ素の検出法ができたため、犯行がばれてしまう。=ヒ素は愚者の毒。代わりに使われるのはタリウム。
毒性は経口致死量で分かる。水でも大量にと -
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大して化学的な知識がなくとも楽しく読めた。
文系の学生に身近で面白い小話を挟みながら授業をする先生、という印象の本。炭素を軸としつつも、誰かに話したくなるような例示が満載で、段々と炭素の存在を忘れそうにさえなった。
特に薬と毒の章は面白く、スイセン、スズラン、彼岸花など身近な植物の持つ毒のエピソードや、フグ毒とトリカブト毒をかけ合わせてミステリー小説顔負けのトリックが用いられた沖縄の殺人事件といったように、スマホで検索したくなるようなトピックが目白押しだった。
化学兵器のために作られ、他に使い道のない分子を「悪魔の分子」と呼び、「人間の悪意の犠牲になったかわいそうな分子たち」と情感的に表現する