安西徹雄のレビュー一覧

  • マクベス
    すべての物語の根源はシェイクスピアにあり。
    人が悪に染まっていく描写が大胆に、誇張されていて如何にもセリフ!って感じで面白かった。
    悪の道にひとたび脚を踏み入れれば、己の正義を信じてさらに悪で周りを塗り固めていく。
    マクベスの持つ弱さに反比例して肥大する悪。
    私達の中にある弱さも血なまぐさい強さに変...続きを読む
  • ヴェニスの商人
    外国人と話をしていると聖書や古典に関する彼ら共通の知識があることに気付く。シェイクスピアの作品もその典型例だ。今まで戯曲というスタイルが好きになれずなんとなく避けていたのだが、気を決して読んでみた。
    流石に400年以上も読み継がれてきただけのことはある。そんなに深いストーリーでもないが、純粋に話の展...続きを読む
  • リア王
    冒頭から忠臣の命をもかけた直言に心揺さぶられる。
    シェイクスピア四大悲劇の「リア王」
    深い悲しみが全編を通して時折胸を突く。
    その度に読書が止まる。

    時代を経て生き残ったまさに素晴らしい作品。
  • ヴェニスの商人
    悲劇ではないこの作品は、シェイクスピアの中でも最も取っつきやすく話も理解しやすい。あらすじは改めて言うまでもないが、アントーニオ以外のキャラが非常に立っていて、どのキャラも魅力的だ。個人的にはポーシャの機転と行動力がお気に入り。解説にもあるように、シャイロックの立ち位置など様々な解釈があるようだが、...続きを読む
  • マクベス
    再読。訳がこなれていて楽しい感じで読むことができた。作品そのものもなるほどマクベスかという感じ。人の中の悪についての作品。面白かったです。
  • リア王
    シェイクスピアといえば、泣く子も黙る世界最高峰の文学者の一人だが、「リア王」はその中でも四大悲劇の一つとして名高い。残りの三つはいうまでもなく、「ハムレット」「オセロウ」「マクベス」だ。

    「リア王」は4大悲劇の最後を飾る作品で、黒澤明監督の「乱」では、日本の戦国時代を舞台に映画化された。

    ストー...続きを読む
  • ジュリアス・シーザー
    タイトルはシーザーですが、内容は「ブルータス、お前もか」で有名なブルータスを中心としたもの。
    登場する政治家たちの誰もが、市民へのウケを意識しつつ、虚虚実実なやり取りをする。それをセリフだけで表現する戯曲という形式がまたいいですね。以前読んだ、同じシェークスピアの「リア王」あたりより、私はこちらのほ...続きを読む
  • マクベス
    ストーリー紹介のせりふがね。
    別の意味に解釈しているせいで
    もう頭から離れなくなりました。

    まさに悲劇中の悲劇。
    人が持つ「弱さ」を突かれて
    狂気にまみれていく勇将の悲劇です。
    それは自分の夫人を巻き込んでいきます。

    そう、彼は確かに無敵だったのです。
    ただしそれには
    ある大事な部分が満たされな...続きを読む
  • リア王
    人生は不条理まみれ。
    そして、予測外の事態まみれ。
    ふとした「相手をうかがい知る行為」を
    行ったがゆえに起きてしまった悲劇…

    確かにその行動は極端で
    やりすぎだったことでしょう。
    でも人は、たがが外れてしまえば
    その楽に手に入る欲に
    安易に飛びついてくるのです。
    安易にね。

    最後が悲劇のきわみで...続きを読む
  • ヴェニスの商人
    【本の内容】
    裕福な貴婦人ポーシャへの恋に悩む友人のため、貿易商アントニオはユダヤ人高利貸しのシャイロックから借金をしてしまう。

    担保は自身の肉1ポンド。

    商船が難破し全財産を失ったアントニオに、シャイロックはあくまでも証文どおりでの返済を迫るのだが…。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    ...続きを読む
  • ジュリアス・シーザー
    最初にこの本を手にとったときは、
    てっきり、シーザーの暗殺で
    すべてが終わると思っていました。

    だけれども、ある意味いい意味で
    裏切られることとなりましたね。
    メインとしては、シーザーの信頼していた
    ブルータスです。

    彼は彼の怠惰さに
    疑問を覚え、なすがままにシーザー暗殺へと
    加担していくことと...続きを読む
  • ハムレット Q1
    【本の内容】
    デンマーク王が急死し、王の弟クローディアスが王妃と結婚して王の座に就く。

    悲しみに沈む王子ハムレットはある日、父の亡霊と会い、その死がクローディアスによる毒殺だと知る。

    ハムレットは狂気を装い、復讐を誓うのだった…。

    シェイクスピア四大悲劇、最大の問題作。

    [ 目次 ]


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  • 十二夜
    おもしろい!!
    一番好きなのはフェステ。

    舞台とかを見てた方がわかりやすく読めると思うけど見てなくてもいろいろ想像して笑ってしまう(´∀`*)
  • リア王
     良識と思慮にかけた王様と、狡猾で身持の軽い長女次女。そして不器用で天然の入った三女。

     この親子の中で誰に感情移入するかに寄って、善悪が入れ替わってしまう作品だと思う。最初は王様のあまりの放埒ぶりに、長女次女の方に利があるように見える。しかし正しさを身につけると人は残酷になってしまうもので、王様...続きを読む
  • ジュリアス・シーザー
    有名な「ブルータス、お前もか」が書かれていて、世界史に対して興味が湧きました。

    ■歴史は繰り返す■

    聴衆の恣意性、政治家判断基準の不確定性がカエサルを殺す悲劇となったのかもしれない。結果、優秀な皇帝がいなくなり、ローマ人にとっての悲劇をも呼んだのかもしれない。もちろん、このローマ人の恣意性という...続きを読む
  • リア王
    超資産家の老人が「もうそろそろ資産をすべて譲渡し、子どもたちに面倒を見てもらおうと思う。そのために子どもの君達が資産を譲る対象にふさわしいかテストします。資産を譲るから私は私で好き勝手に生活させてもらう」、と言ったら現代のリア王ができあがりますよね、たぶん。(家族全員が死ぬかどうかは別にして)それは...続きを読む
  • リア王
    沈黙は、金ではない。コーディリアは心優しいお姫様かもしれないが、それでも高慢だ。道化の秀逸な用いられ方は現代小説にはなく、興味深い。
  • マクベス
    有名であるゆえに、引用等されることも少なくないマクベス。
    名作と呼ばれる理由がわかった気がしました。

    読んでいるうち、心惹かれる台詞がいくらでも出てくるので、読み終える頃には付箋でいっぱいになっていました。
  • ハムレット Q1
    シェイクスピアによる改訂がおこなわれる過程の作と言われるQ1(クォート1)版。実はちゃんとハムレット読んだの初めてなんですがかなりカットしてるようで…。それでも物語のもっとも濃いエキスで満たされていました。オフィーリアがいとあはれ;;激しい勢いで狂気に陥ってしまいました…。ハムレットの想いはまったく...続きを読む
  • ヴェニスの商人
    友人のために悪徳金貸しから
    自分の肉1ポンドを担保にお金を借りた主人公。

    最後にキレイおさまる結末など
    1時間くらいで読めるのに濃密な内容。