安西徹雄のレビュー一覧
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グラシアーノがネリッサに対して、僕をこんな目に合わせて全く君って人は…「僕は君の貞操を守れるかどうか分かんないよ(どやっ)」 が好き。ロールキャベツ男子なグラシアーノ。最後の美味しい所を持っていくちゃっかり男子。
グラシアーノも男だもんね!据え膳食わぬはなんとやらだもんね(笑)!
アントーニオはタイトル通りヴェニスの商人なわけですが、最初と最後以外はあまりパッとした登場シーンはない。
アントーニオは人望もあって、寛大で、親友の為なら大金も何も、地獄までお供つかまつる!なすごい人。ユダヤ人に対して冷たいなぁ、とは感じたけど時代も時代だし、アントーニオがそこまで優しいと「いやいや、そんなすごい人い -
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ネタバレこの物語も抄訳本ではあるものの、子供時代に最初に出会いました。 当時の KiKi がしていた大きな勘違いが2つあって、その1つは「ヴェニスの商人」≒「高利貸しのシャイロック」と思い込んでいたんですよね。 そしてもう1つの大きな勘違い(というよりこれはシェイクスピア自身がそういう役回りを与えているという側面もある)が、シャイロックを文字通り「冷酷無比・極悪非道人」と思い込んでいたということがあげられます。
そして大学生になってこの物語を全訳本で再読した際に初めて、最初の勘違い「ヴェニスの商人」≒「高利貸しのシャイロック」が間違いであったことに気が付きました。 タイトル・ロールはやたらと印 -
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ネタバレこの作品、KiKi はこれが何度目の読書か、正直なところよく覚えていません。 もちろん原典も学生時代には読んだし、福田恆存の訳本(当時のスタンダード)でも読んだし、当時注目を集め始めていた小田島雄志の訳本でも読んでいます。 もっとも今回の読書でそれらを比較検討できるほどには記憶に残っているわけじゃないんですけどね(苦笑)
ただ漠然と覚えているのは「福田訳」がかなり詩的だったのに対し「小田島訳」はかなり口語調になっていたことと、それと比較しても今回の「安西訳」はそれに輪をかけて言葉としてひっかかるところがなかったこと・・・・・ぐらいでしょうか?? スンナリと目や耳に入ってくるというのはあ -
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■目的
古典を読む。
■見たもの・感じたもの(テーマ)
ストーリーは喜劇。
暗にあるテーマは、「ユダヤ人迫害・人種差別の歴史」、「個人の尊厳・女性の地位向上」。
■感想
当時の人々は、どのような思いでこの劇を観たのでしょうね。
舞台で繰り広げられるドタバタ劇に、大衆は笑いを交え楽しんだだけなのでしょうか。それもまた皮肉なものですね。
こんな一節があります。
「(中略)「愚かなる大衆」の意味ではないのか?愚かしくも、ただ目に見える外見以上は知ろうともせず、内実をさぐろうともせぬのが大衆。」(P90)
観劇しながら高笑いをしている人に鏡をかざしている、そんなシェイクスピアの意図を感じました -
Posted by ブクログ
ローマ人の物語#13からの流れで読んだ。想像以上におもしろい(威光のある作品なだけにあたりまえかもしれないけど)。訳(やく)がいいのか分からないが、臨場感あふれる台詞まわしに場面が手に取るように見えて、アントニーの演説のシーンや、追討の合戦のシーンがとてもリアルに思えて、胸が震えた。
しかしながらあとがきを読むと、ブルータスの演者っぷりや、前半のシーザーの演説→病気で卒倒→回復後のExcuseが中盤のブルータスの演説→アントニーの演説とつながっているとか、色々と「ほぉ〜そうなんだ〜」と思えるところが多々あり、さすが歴史のある文学だなと思い、自分がまだまだの読者だなと再認識した。
これを機会にい -
Posted by ブクログ
■目的
古典を読む。 シェイクスピアの学び直し。
■見たもの・感じたもの(テーマ)
人々の認識する、それぞれの真実、この滑稽さ。
■感想
訳者は安西徹雄氏。
現代人に理解できる言葉で書かれています。とても読みやすいです。
シェイクスピアの作品には、軽いジャブのような「価値の逆転」があるところが好みです。この作品ではそれぞれの認識(真実)がどれほど曖昧なものか、というユーモア。自分だけの世界に囚われているのは滑稽だということですね。
ストーリーでは楽しませていても、その根底にあるテーマは非常にシリアス。最高です。
(余談)
近頃は古典新訳が出版されてきましたね。この傾向は、とてもありが