安西徹雄のレビュー一覧
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シェイクスピアの言わずとも知れた悲劇の名作。良いテンポとユーモアのある表現が心地良い。
コアメッセージとしては「権力は持ち続けろ」「だれかに依存する状況は絶対に避けろ」というところか。
リア王は物分かりの良い風を装って、気前よく娘たちに自らの権力を分け与えた。自分と自分の兵隊を養う財産も放棄して、娘に交代で面倒を見てもらう悠々自適な老後を夢見たのだ。しかし娘たちは養い続けなければならない父親に嫌気が差して、彼を追い出してしまう。リア王は裏切られたショックに発狂し、廃人となってしまう。
あらすじとして悲劇だが、トリガーは王の愚かさにある。例え自分が王であり、頼るのが例え実の娘でも、ずっと依存し -
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戯曲
かかった時間 60分くらいではなかろうか
断片的にのみ知っていたハムレットを読む。みんなが知ってる「ハムレット」と違うのはわかっていたが、光文社古典新訳文庫、活字も訳も読みやすいから…
とはいえ、おそらく他の版(Q2とかFとかいうらしい)に比べれば、シェイクスピアのシェイクスピアたるゆえんが感じられにくいとか、悪質な改作?だとか言われているらしいこの版について、「もの足りなさ」は、たしかにある。
せっかく今回、上演に適したショートバージョンを読んだことだし、ぜひ他の版についても読んでみたいし、訳の違いも見てみたい。
ところで、これ、主役、ホレイショじゃね?笑 -
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シェイクスピアの4大悲劇の一つ。ワケあって2年前に角川文庫と岩波文庫で読み、光文社文庫もその後買ったけど読んでいなかったので、今読んでみた。
「きれいはきたない」の有名な台詞は「晴々しいなら禍々しい」と訳されていた。でも角川文庫のところで書いたけど、おれが見た演劇集団円というところのマクベスは「きれいはきたない」と言っていた気がする。というのも、調べてみると訳者の安西先生はこの演劇集団円の創設や演出に関わった、というから、何かあるんだろうか。
そしてその演劇集団円の代表、橋爪功が(橋爪功はテレビでしか見たことなかった)この本の翻訳作業中に亡くなった著者に関する思い出、ということで文章を書 -
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ネタバレ恋の大混乱、お祭り騒ぎ。
嵐で双子の兄セバスチャンと離れ離れになったヴァイオラは、男装してセザーリオと名乗り、オーシーノに仕えることに。オーシーノはオリヴィアに熱を上げていて、オーシーノを想うヴァイオラは複雑。オーシーノの頼みでオリヴィアのところに行った男装ヴァイオラにオリヴィアが恋してしまったから、話は複雑に……。絡み合った恋の糸はどうなるのか。
登場人物の名前がカタカナだと頭に入らない人は、多分、先に映像や舞台で見た方が飲み込みやすい。メインの登場人物を選ぶなら、ヴァイオラ(セザーリオ)、オーシーノ、オリヴィアでいいだろう。そこにセバスチャンを足す。引っ掻き回す役として、オリヴィアの叔 -
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◎感想
「リア王」、シェイクスピアの4大悲劇の一つとして有名なこの話を一度読んでみたいと思っていた。一つにはシェイクスピアの作品、古典として有名だからという理由もあるが、もう一つには、この光文社新訳古典文庫というシリーズを創刊した編集者の本 を読んだからという理由もある。今ではこの光文社新訳古典文庫は200冊以上のシリーズとなっており、「リア王」はその創刊時の8冊のうちの一つだ。その本を読んだ時に、編集者の思い入れの強いものという印象があり、いつか読んでみたいなと思っていた。
自分は古典を読むうえで一つ意識していることがあり、それはなぜ現代においてもそれを読むのか?という事だ。今に通じる何かが -
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ネタバレ人に人の心が読めるなんて、そんなお話。
娘の愛情をテストしたリア王。ことばに騙され読み間違える。忠臣を追いやり、荒野をさまよう。家臣は野心に満ちた子の計略に嵌り、二心のない上の子を遠ざける。愛を手段に、この世の富と肩書を求める姉妹。結局、心優しいコーデリアも、自分の間違いに気付いた老王も、死ぬ。悲劇。
ハッピーエンドに直した版があるという。それはそれでいい気持ちになれるかもしれないが、悲劇を観る意味がある。悲しい、悔しい、ひどい、そんな激情に身を委ね、心を揺さぶらせる。その中から見えてくるものがあるはずだ。お涙ちょうだいの安易なものにとどまらず、観客を突き放して、呆然とさせて、ひっかかった -
Posted by ブクログ
ネタバレ古典だからなのか?脚本形式だからなのか?
セリフ一つ一つが長く、すごく修飾語が多い、コッテコテの文ばっかり。
すごい新鮮でした。
「近頃の君はよそよそしい態度でどうしたのか心配だよ」
「よそよそしくしたつもりはないんだ。悩んでいて君に思いやりが足りなかったように感じていたならごめん。」
みたいな内容を1ページ近く仰々しいセリフにしてやりとりしてるっていう…。
このお話読んで、嫉妬って恐ろしい…!
って思いました。
領地を拡大して国のトップに君臨するシーザーに嫉妬した部下たちが、シーザー暗殺をもくろむ。
シーザーが昔病気になった事を引っ張り出してきて、国のトップが病気なんて情けない。あい