黒野伸一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
想像以上に良かった…。感動で胸がいっぱいになりました。
優しさと友情がつまった本書。素敵な作品を読み終えた後の余韻が心地いい。
京子と隣人の独居老人・万寿子さんとの友情の物語。
繰り広げられる大人げない悪口の応酬。大の大人の子どもみたいなやり取りに笑ってしまう。
仲が良いんだか悪いんだか…。
ケンカしながら少しずつ絆を深めていく二人。
だけど万寿子さんに認知症の症状が出始めて…。
二人でお酒を飲みながらバカ笑いするシーン。
意地を張り合う二人。
当たり前の光景となった二人が万寿子さんの庭いじりをするシーン。
読んでるうちに全部が愛おしく感じました。
誰しも向き合う“老い”についても考えさせ -
Posted by ブクログ
本屋さんでタイトルに惹かれて即購入!衝動買いでした!
面白かった!
初めは、手探りで有機農業を始めた春菜と和也の成長物語かと思ったけれどそれだけじゃなかった。
近代農業と有機農業が共存共栄しながら先細りの農業界を発展させようと切磋琢磨していく。
自分の事しか考えていなかった登場人物達が次第に大沼の農業の為にと動き始める様子が読んでいてドキドキ、ハラハラ、ワクワク。
後半はこれからど〜なる〜と先が気になり食事も忘れてページを捲りました。
誉田哲也さんの「幸せの条件」や原田マハさんの「生きるぼくら」など農業のお話しは今迄何冊か手にしてきましたがそれらとはまたちょっと違った視点で楽しめました。
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Posted by ブクログ
"仕事柄、農家の方々のご自宅を回って定期的にご挨拶をすることがあった。
玄関の軒先で20分~30分世間話をしていく。
その農家さんいわく、農業に携わっている人間は生産ができても営業ができない。
ぶっきらぼうだし、営業という発想がない。
とコメントしていたのを思い出した。
本書は、限界集落といわれている生まれ故郷に久しぶりに帰郷したところから始まる。
その人物は元銀行マン、企業融資を担当し経営を理解しつくしている。
リフレッシュするだけに帰郷したはずが、村全員を巻き込み村の復興の旗振りをすることになる。様々な障害が立ちはだかる中、どうやって乗り越えるか?
娯楽小説としても楽しめるし、ひ -
Posted by ブクログ
やっと文庫版が出てる!
本屋で見つけたときの喜びったら。
前作を読んだあと、これ絶対に続編書いてほしいなぁと思ってからようやくです。
そしてなぜ本作が【続】でなく【脱】なのか、
読んでみてなるほど!でした。
すべてを利便化、最先端にすることが
地域活性化になるとは限らない。
古き良きはきれいすぎな言い方かもしれないけど、今あるものの価値をどう活かすか。
新しいものが古いものより価値あるものなのか。
新旧の共存共栄はできないのか。
いろんな視点からとても考えさせられました。
これ、シリーズ化してほしい…
少子高齢化の日本でだからこそ
続きという日本の未来が気になる。 -
16万部突破!!の話題作
限界集落大逆転の勃興劇!!老人、フリーター、ホステスに犯罪者・・・かつての負け組たちが立ち上がる!ベストセラー『万寿子さんの庭』の黒野伸一の新境地!
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Posted by ブクログ
前回読んだ「万寿子さんの庭」がとってもおもしろかったので、
同じ著者のこの本を読んでみた。
やっぱりこの人は、人の微妙な心情を言葉で表現するのがとっても上手だなと思った!読み終えるのが惜しい気持ちになったのは久しぶり。
崩壊寸前の家族をなんとか立て直そうと、ひと肌もふた肌も脱ぐ飼い犬のタロウと飼い猫のミケ。
猫の会合の様子や二匹の会話、ミケの視点で描かれる文章や家族からみた二匹の愛らしい姿がたまらない。
動物たちってほんとにこういうことを考えていて、
動物同士でも会話をしているんじゃないかなって思う。
タロウはかわいらしい少年のようなキャラクターがぴったりなのだけど、
見かけに反してどっし -
Posted by ブクログ
まじめなおとうさんと綺麗なおかあさんと
高校生の姉と小学生の弟のごく普通の家族の物語。
小学生のいじめ問題あり、高校生の性の悩みあり、
妻の浮気あり、夫の仕事の悩みあり、
色々なことがてんこもりで展開していく物語。
そして、大切な登場人物がこの家で飼われている
猫ちゃんとわんちゃん。猫ちゃんが主人公かも。
視点がそれぞれの登場人物に代わって物語が展開
するので、とてもわかりやすいし、
どうなるんだろうって先を読みたくて
あっという間に読んでしまった。
(特にねこの視点の部分が好きだった)
最後もすっきり爽快、後味の良い物語。
この作者はあとは読者におまかせっ -
Posted by ブクログ
昔、私も農業をしたいと思った記憶があります。あれは中学の3年生の時。やりたいことや将来の夢など特に思いつくこともなく、祖父や叔父がやっている畜産農家をやってみたいと漠然と思うようになっていました。今思えば、飼育している牛が可愛く、戯れたいと思っていたことが強かったのではと思います。勿論、畜産農家の仕事はただ牛の世話をするだけでないことは承知しております。只、当時の私はそこだけを考え、「いいなぁ」と思い込んでいました。未熟な考えだったなぁと振り返ります。
田圃にはトラクターが必要で、一台用意するのも何百万と必要となるでしょうし、そのために確かな収穫量がなければ赤字になってしまいます。そんな世