あらすじ
永田町を震えさせた問題作!
三世議員の黒部優太郎は、典型的なボンボン議員だ。部会や委員会をさぼってはデートに明け暮れていた。もっぱらその尻ぬぐいをしていた秘書の橋本は、自分が政治家になるという野望を隠さなくなった。優太郎は、自身の相次ぐスキャンダルと、橋本が周到に準備した策略にはまり、議員辞職を余儀なくされる。 橋本は補欠選挙を勝ち抜き、晴れて代議士となった。三権分立のうち、どうして一番大切な立法を構成する国会議員にだけ試験がないのかを疑問に思っていた橋本は、程なく、政治家にも資格試験を義務化する「国会議員基礎テスト」法案の立法に向けて邁進するのだが……。
ベストセラー 『限界集落株式会社』の黒野伸一が国会議員の在り方に一石を投じる、全国民必読の政治エンタテインメント!!
※この作品は過去に単行本として配信されていた『国会議員基礎テスト』 の文庫版となります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
国会議員が普段どんな行動してるのかなんて考えたこともなかったけど、序盤辺りで細かめに描かれていて、なるほどなぁと思った。国会の運営の仕方とか、党議拘束とか、知らないことばかりで、よほど自分は政治に無関心だったのだなと思う。
投票して、あとはその人に任せると思っていたとしても、その行動は何かのタイミングで見る必要があるはずなのに、そのことすらもできていない。
自分の政治への関わり方に関心を持つのに良かった。
200620
Posted by ブクログ
国会議員になるには?議員は普段は何をしているのか?党に所属するということは?などなど小説としてあの人やあの人をモチーフにしたようなストーリーが展開していきスリリングとユーモアさに喜怒哀楽を揺さぶられました
Posted by ブクログ
面白かった!
号泣県議や育休不倫議員、さらに首相のお友達への大学誘致など、リアルな問題も取り上げられていて、改めてこれが実在している日本の政治のどうしようもなさを痛感した。
物語は、「政治家にも試験が必要ではないか?」という問いがメインテーマ。典型的な世襲議員の秘書として苦労した橋本が、「政治家にだけ試験がないのはおかしい!」という思いを持って自らが政治家になろうとする話。
面白いのは、橋本自身が夢と理念だけの政治家ではなく、汚い手を使うことも厭わない、いわゆる政治のプロである側面があること。
そして物語は、橋本と、いわゆる与党の重鎮議員、そして元世襲議員で橋本に地盤を奪われた若手ボンボンの3人が同じ選挙区で争う方向へ、、、
政治について深く考えさせられると同時に、誰が選挙戦を制するのか?というエンターテインメントとしても面白かった!
以下、心に刻みたいと思ったセリフ
・どんな国家でも、その国民一般の平均水準以上の指導者を持つことはできない
・我が国を見てみろ。職業政治家と後援会が莫大な権力を握っていて、一般国民の視点がほとんど入らないじゃないか。こんなものは、民主主義とはいえない。
・政治とは本来、弱者の味方でなければなりません
Posted by ブクログ
国会議員に必要な基礎知識って何だろう。政治の仕組み、経済、今の社会が抱えている問題とその解決策?テストのためにテスト前にだけ猛勉強をすることが本当に必要なのか?今、何が問題なのかを真摯に考え続けること、人々の声に耳を傾けること、それを国会という議論の場に届けること。そして、自分はどう考えるかということを表明できることが大事なのではないだろうか。どんなことも簡単に解決策も対応策も見つからないし、劇的に変化すること、改善することなんて期待してはいけない。ただただよりいいものを見つけられるように、作ることができるようにすることなのではないか。
今の問題は、国会議員が何をしているのかを知らないということ。日々、何をしていて、どんなことに問題関心を持って活動しているのかを選挙の時だけでなく、日常的に知ろうとすることが必要な気がしながら読み終えた。
でも、外務大臣や法務大臣などの大臣になる国会議員は、その分野の専門家であってほしい。
Posted by ブクログ
問題提起をする意味で意義のある作品だと思う。
映像化するなら、優太郎は首相になったこともある父親をもつあの俳優がいい。
テストが必要か?
エリート思想となるから、民主的でない。
では資質とは何か?
結局性悪説だとすると、期待できない。
僕らはヒーローの存在を待ち焦がれ、せめてその時に邪魔をしないでいたい。
しかし、結局のところ、全ての人をたてることはできないのだろうから、いつまでも平行線。
Posted by ブクログ
政治家に選挙の立候補権として「国会議員基礎テスト」を実施してはどうか、と問う本作。
そう言いながら、親の七光で国会議員となり、議会をサボっては女性とイチャイチャしていた優太郎の再起がテーマとなっている。
秘書を務めていた橋本の罠で、政治家としての知識のなさをメディアに露呈させられ、議員を辞職した優太郎は、その後で介護問題や老人の貧困問題に触れ、再び立ち上がる決意を固める。
結局は頭の良さだけでなく、人間性であり、信念だという真っ当な所に落ち着いてしまうのだけど。
でも、私は優太郎のだらしなさに見切りをつけて、自分で国会議員への道を踏み出す橋本は嫌いじゃない。
愚痴や文句で終わらせず、具体的に何かを作ることは時に軋轢を生むし、見返りがあるわけでもない。
だけど、この話は橋本の一手がなければ始まらなかった。
タイトルと、それにマッチした問題形式のような章立てが読んでいて楽しい。
政治の教科書のような作り方で、でも小説が展開され、最後は問題提起で締め括られる。
そういう工夫に読むのが捗る一冊だった。