黒野伸一のレビュー一覧
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引っ越し先のアパートのお隣に住むおばあさん。
しゃんと姿勢の良い立ち姿に、何となく好感を持っていた京子だけれど、勇気を持って挨拶した彼女から帰ってきた言葉は「寄り目」。
斜視である事を気にしていた京子にとって、とても傷つく言葉。
そんな出会いにもかかわらず、そして祖母と孫程年の離れた2人であるにもかかわらず、京子とおばあさん(万寿子さん)は、遠慮のなくものが言い合える女友達として、深い友情で結ばれていく。
けれど、万寿子さんは時々、深い目をしてぼんやりする事が増えていって…。
少し切ないけれど、オドオドと自信がなかった京子が、万寿子さんと過ごすうちに少しずつ逞しくなっていく様子は清々しく -
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面白かった!
号泣県議や育休不倫議員、さらに首相のお友達への大学誘致など、リアルな問題も取り上げられていて、改めてこれが実在している日本の政治のどうしようもなさを痛感した。
物語は、「政治家にも試験が必要ではないか?」という問いがメインテーマ。典型的な世襲議員の秘書として苦労した橋本が、「政治家にだけ試験がないのはおかしい!」という思いを持って自らが政治家になろうとする話。
面白いのは、橋本自身が夢と理念だけの政治家ではなく、汚い手を使うことも厭わない、いわゆる政治のプロである側面があること。
そして物語は、橋本と、いわゆる与党の重鎮議員、そして元世襲議員で橋本に地盤を奪われた若手ボンボンの3 -
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国会議員に必要な基礎知識って何だろう。政治の仕組み、経済、今の社会が抱えている問題とその解決策?テストのためにテスト前にだけ猛勉強をすることが本当に必要なのか?今、何が問題なのかを真摯に考え続けること、人々の声に耳を傾けること、それを国会という議論の場に届けること。そして、自分はどう考えるかということを表明できることが大事なのではないだろうか。どんなことも簡単に解決策も対応策も見つからないし、劇的に変化すること、改善することなんて期待してはいけない。ただただよりいいものを見つけられるように、作ることができるようにすることなのではないか。
今の問題は、国会議員が何をしているのかを知らないという -
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ネタバレAIが発達した社会では、「こういうこともありえるよね」と思える描写が多く、「フィクションだから」と割り切れないところもありました。
また、介護や思春期の子どもを抱える家庭の辛さ、大変さも描かれていて、読み応えもあります。
オチもリアリティがありましたし(エピローグでは「救い」がありすぎるようにも感じましたが、それもアリかも)、人口知能がどのようにアルゴリズムを働かせて「思考」しているのか、が(実際には違っているとしても)それらしく描かれていてストレス無く読むことができました。
要するに、人が相手であろうが、AIが相手であろうが、どういった意図で発言や態度を表明しているのかを考えて(想像して -
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人工知能がより幅をきかせている未来のお話。アンドロイドの恵はおじいちゃんおばあちゃん、主人、その子供(娘・息子)と住み、家政婦として仲良く暮らしている。各登場人物たちはAIとのやりとりや幻想に苦労する。そんな中、近所で、AIが犯人だという殺人事件が起こる。殺人事件の犯人は、恵は…。アンドロイドが生活の中で一層働き、会社ではドローンの上司がやってくる、人間は思考や友情関係など把握され、大多数の仕事が奪われるため富裕層は都会に住み、極貧層が地方に住むようになる。ある一つの可能性の世界だな。『10年後の仕事図鑑』も今ちょうど読んでいるので、AIを絡めた様々な未来を想像してしまう。今までにないスピード
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ネタバレ評価は4.
内容(BOOKデーターベースより)
「どうせなら金を賭けないか?誰が一番長生きするか」聡、弘、明男、正輝、博夫、規子の6人は、小学校時代からの幼なじみの76歳。全員ヒマな上、比較的元気なので、時折同窓会を開いている。しかし話題は、暗いものばかり。そんなある日、6人の中でも最も明るくマッチョな明男がそんなラテンな提案をする。皮肉にも、酔狂な賭けを通じて彼らはお互いのことをよく知るようになるのだが…。生と死、老いと人生を切なくもユーモラスに描き、高齢化社会を希望で照らす、ヒューマン・エンタテインメント。賭け金総額五千七百万円、『長生き競争!』ここに開幕。
年寄りの老後の?むちゃな