円陣闇丸のレビュー一覧
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幸福の絶頂→安定期と順調に愛を育んでいる遥と佳人。お幸せに~と思っていたところのまさかのアクシデント。
そのアクシデントですが、遥ならば絶対そういう行動に出るだろうなと思いました。なにしろ、佳人の出逢いも他人事なのにほっとけなくて、バーンと一億!でしたからね。
無口でクールに見せて、実は不器用な熱血漢。
新婚旅行?が一転して、遥の記憶喪失という、どん底の展開になります。
記憶喪失は、使い古されてる非常にベタなお題です。よくある展開だからこそ、手腕と実力がはっきり出る場面。
特に、有名な作家さんは一度は手を出しているので、いろいろ読み比べたりして、私的にはとっても好物です。
記憶喪失になった遥に対する佳人の行動や態度には、とても彼らしさがあふれ出ていました。
佳人だったら、そうするだろうなと思ってました。
寸前まで、二人の仲がますます深まっていて幸せそうだったから、いっそう心が痛みました…
「離さないと約束しろ」と言われていたのに、約束を破る決意をしなくてはいけなくなってしまった佳人。辛い決断に胸が締めつけられました。
そんな佳人を支える人物が多数いるということに安堵させられたりもします。
佳人がすごいのは、一時の激情にまかせて行動したり、投げやりになったりしないところです。
まず大切な遥の幸福を考えて、そして自分は二の次。
単に我慢して耐えるのではなく、遥と自分との関係、そして人生そのものを丁寧に一生懸命考えて生きているなと感じられるんですよね。
敦子の存在には、佳人も心を乱されたと思うのに、必死で耐え抜いたところはじれったかったです。でも、遥のために自分のエゴをいっさい出さなかったんですよね。何もかもが、愛する人のためというのが佳人らしかったです。
ゆっくり地道に育んできた愛が、しっかり「結晶」となって輝きはじめたことに、じみじみ感動しました…
連続書き下ろしショート「二月のルバーブパイ」は、そんな嵐が過ぎ去ったあとの二人です。サバランの時をふり返って、うるっとしてしまいました。
二人ならではの記憶消失物語だったと思います。 -
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エロスと官能の珠玉の短編集。
短編集というと普通は物足りない感の詰合せになるのだが、どれも内容が濃くて一つの物語として完結している様は流石。マニアックなエロがてんこ盛りなのだが、美しく流れるような文章で不思議と下世話な印象はなく上質なエロティシズムが感じられるのは榎田さんの小説という先入観があるからなのか(^^;;
そして最後の「書生の戀」のような作品こそ榎田さんの真骨頂ではないだろうか。一度も交わるどころか逢瀬すらしていない、ただ書簡のやり取りを通して紡がれる恋物語。書生が創り出した絵空事だったはずの物語がどんどん真実味を帯びてきて、いつのまにか二人の恋が事実として存在していたかのように感情移入してしまう。
そして戦争によって残酷な運命が訪れる訳だが、それを第三者の曾孫が読み知る事によって不思議なカタルシスとなって青年は今の恋人との生を実感する。エロスなくしては私達は生まれない、エロスとは生きること。というあとがきに書かれていた榎田さんのメッセージが込められた作品であったと思います。 -
Posted by ブクログ
エロティックがテーマの短編集。6作品が収録されていて、そのうち半分が書き下ろしです。「痛い靴」「カルメン」「クリスタル」は以前に読んだような記憶がうっすらとあります。
エロに特化したというだけあって、短編なのにかなり濃い内容です。そのエロがまたマニアックなんだな…好き嫌いが人によっては出てくるでしょうが、ここはちょっと太っ腹になってあれこれお試ししてみるチャンスではないかと思われます。文章がうまいから、変態なのにノーマル感があふれてるのですんなり入り込めます。
榎田センセのエロ嗜好と文章の実力を、一度に味わうことができました。
全体的に、そこそこBLを知り尽くした上級者に向けての作品という気がします。
ココから詳細な感想です。
「痛い靴」CUT/えすとえむ
脚フェチ、ハイヒールフェチな上司に翻弄される真面目リーマンの話。仕事ができてカッコいい営業部GMの久我は、なかなか仕事や仲間になじめない日高をいつもかばってくれる、一見やさしく頼れる上司なのですが、実は
超ドS男。日高への猛烈な執着愛がSM行為に集約されています。靴擦れイタイ!読者にもドSでした。痛いけど久我のSな言葉責めに萌える!すごく卑猥。
「ストロベリー」CUT/腰乃
仕事を通じて親しくなった館野と篠田。ゲイの篠田は館野と友人のふりで2年耐え、玉砕覚悟で告白して晴れて恋人になって1年目。
ノンケとゲイcpゆえに発生する誤解と思い込みが、おかしな方向に発展してしまいます。篠田がかわいいです。わかりますよ、相手がノンケだからいつか心変わりして捨てられるかもしれないと疑心暗鬼になりすぎてしまうのも。でも、案外館野は信じてあげられる相手だったみたいでよかったです。必死すぎて「リバ」ってのが最高でした!かわいい、キュン死にしそうになった。イラストとベストマッチ。
「10×3」CUT/円陣闇丸
893です。しかも3P。女癖が悪い辻は組長の大事な娘にまで手をつけて、ホテルで一緒のところを運悪く顧問弁護士の財津に目撃されてしまいます。金で口止めしようと財津に持ちかけたところ、金は足りていると言われて。
漢が漢2人に犯られるというのはおいしいです。辻はけっこう強気で俺様タイプなんです。なので、2人からガンガン言葉や道具でドSに攻められても、悲壮感が全然なくてあっけらかんとしてるイイ人でした。あんな目に遭っても殺意も無さそうで、安心です…
「カルメン」CUT/鬼嶋兵伍
ドラァグクィーン攻!人には言えない性癖を持つ桐生と、身長がコンプレックスの千歳。ちょっとヘタレなガチムチとクール美人なチビという体格差に萌え。オネエまではいかないけど女装攻めというのもツボです。イラストがいいですよね。
「クリスタル」CUT/中村明日美子
社長である父親の後ろ盾で取締役となった篤樹は、自分の教育係であり秘書である真人に嫌われていると思い込んでいます。ある日真人と乗ったエレベーターが故障して閉じ込められた篤樹は彼に恥をかかせようとしますが。
設定がスリリングでドキドキさせられます。
主従逆転も有りの失禁羞恥攻め。コレも相当Sが入ってます。
「書生の戀」CUT/今 市子
これは戦時中の作家と書生のものすごく切ないお話。プラトニックな恋愛が手紙と日記と小説の形で展開していきます。「エロ」じゃなくて胸が張り裂けそうな「えろてぃっく」です。この時代の人々の恋愛を思うと胸が痛くなります。ラブもエロも生き方もままならない世の中は不幸です。
泣かされました。最後の最後でこんなに泣かされるとは思いもよらず…
気を引き締めて、BLに精進したいと思いました。 -
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ネタバレ最終巻は大正任侠編と、現代編。
大正編はそこそこ楽しく読むことが出来ました。
またも身分違いの戀だったんですが、ここは任侠物。
抗争だとか弔い合戦だとか色々とあって、一時は攻様が死んで終わりかと思われたんですが、なんとか一命を取り留め一安心。
なのもつかの間、大正、昭和とくれば、その時代は太平洋戦争ですね。
やっぱりここでもふたりは幸せにはなれませんでした。
で、現代編に話は戻り、エジプトのど真ん中で不時着した飛行機。
ここでティティと蓮、剛将は砂漠のど真ん中で迷子になってしまいます。
そして彷徨った砂漠の中に現れた、あの因縁の始りの古代神殿が姿を現し。
もうね、ティティの最後のシーンに涙がはらりはらりと。
長い長い懺悔の旅にようやく終わりが来たときは、ホントにアケトとセシェンの輪廻に終わりが来たことよりも、ティティの孤独な旅に終わりが来たことの方が嬉しくてたまりませんでした。
エピローグも非常に上手に纏め、全体的に本当にすてきなお話でした。 -
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ネタバレ内容は、エスパニア侵略者×インカ帝国の王族
この萌え設定にもかかわらず、私はなぜか萌えず……パンチが足りないというか。柔らかいの、表現がとても。
ラストがうやむや感があって入り込めなかったのが残念。
結局、ふたりの末路はどうなったんだろ……。
で、江戸編。この話だけ、全体で抜きん出てる印象。
貧乏御家人×鉄仮面の身代わり上様という設定。
先を読むのが怖いのに、読まずにはいられないというか、無理矢理読まされてしまう感。お話も半端ないくらいせつなくて、その悲恋っぷりといったら中国編の比ではない。
おもっそ、主人公死にますから。
ホント、今までの6回分で、中国編と江戸編だけが主人公の死ぬ様子を詳細に書いてるところを見ると、中国編も木原さんでは。
悲恋過ぎて嗚咽出ました。
あぁ、もうお願いだからアメン神もホルス神も、もうティティやアケト、セシェンを許してあげて欲しい。
もう転生なんてしなくていいように、導いてあげてほしい。
江戸編を読むと、そう願わずにはいられませんでした。せつない。 -
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ネタバレ高校生だった9年前、想い合っていながらも、何も告げずにある日突然
姿を消した受、尚哉と、何も知らずに置いて行かれた攻、久住の再会もの。
もうね、せつなくてせつなくて、胸がぎゅんぎゅんですよ。
砂でも胃袋に詰められたみたいに苦しかったですよ。
王道も王道なすれ違いなんですが、このすれ違いっぷりが9年という
歳月を跨いで展開されるのがたまらないです。
やきもきします。
結局、すれ違いのまま別れを選ぶんですが、そのあたりから涙腺崩壊。
結構壮大なお話でして、読むのに胆力が入りましたが、良作でした。
機会があれば、またこの作家さんのを読んでみたいと思います。