羽海野チカのレビュー一覧
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闘い続ける棋士の日常とか
風邪でダウンした零君を心配して押しかけてくる川本姉妹が良いです。年末年始を過ごしたりして、獅子王戦(内容は竜王戦っぽいですが開催時期は秋ではなく冬)の予選で対戦する予定の棋士の棋譜を集めますが、この辺、今だったらPCと将棋AI活用でしょう。
あえなく島田八段に敗れ、研究会入りを。これ、島研がモデルでしょうか。
獅子王戦の挑戦者決定3番勝負も死闘で、相入玉から島田八段が勝って挑戦者に。かつて永世七冠氏(今は将棋連盟会長)が1局で3kg痩せるといっていたのも誇張ではないでしょう。
巻末のあとがきや先崎氏のコラムも相変わらず好調でした。 -
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棋士の悲喜交々
宗谷冬二名人、他の登場人物とはタッチが違い、風貌等からしてあの永世七冠は入っていそうです。
一方、零君が対局するベテラン棋士、うな重が好き、といえば言わずと知れたひふみん氏も彷彿とさせますが、もっと強いですし。
先ちゃんのコラムと棋譜等の監修、この対局は確かに大変だったでしょう。穴熊戦法で玉がまた出てくる対局って普通、まず見ませんので。
香子さん、それにしても危うい女性です。交際相手もいるようですが、零君とも何かあったらしいと示唆されていますし。
ひなちゃんと高橋勇介君の関係も甘酸っぱいです。既に野球選手としてプロを目指す、と決めているようですし。
零君、対局後の絶叫も身に染みます。弱いから負 -
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将棋の中学生プロ
本編はマンガparkで以前、通読していました。本だと、やはり先ちゃんのコラム等が期待通り、良いです。
零君、この時点ではまだまだこれからのようなので、過去の事例でいうと、10代の渡辺明九段に近いような。今の藤井聡太八冠、が史上5人目の中学生プロにしても、正真正銘に異次元の強さなのです。
川本姉妹の絡むエピソードが如何にも羽海野チカさんの作品で、身に沁みます。あと、義姉・香子さんとの関係も……。
ライバル・二海堂君の表情が能條純一さんの「月下の棋士」になるところとかも好きです。あの作品にも村山聖九段とそっくりな棋士が出てきていました。
私と同級生でしたが、29歳で夭逝しています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ生きていくために将棋に縋った主人公の零が、ある家族と出会って少しずつ、一つずつ出来ることを着実に増やしていく。最初は主人公や3姉妹の悩みが深刻で読んでて苦しい。
お互いがお互いを頼りにして、それを声に出す信頼関係が気づかれていく、それを気づかせて導く周りの優しい大人たちの言葉が身に沁みる。
零が自分に必要なことや大切なものを少しずつ認識して、ぐっと堪えて行動を続けて、現状を変えていく姿をみると勇気をもらわずにはいられない。
15巻あたりから、居場所を作るための将棋であったのが新しい居場所に充足したことでスランプ?に陥る展開でまた苦しくなってきた。でも零は絶対に今の居場所を手放さない。
人に与え