【2026年7月21日現在、18巻まで刊行、次で最後の巻になるんだったかな?】
幼い頃に家族を亡くし、元々縁のあった家族の元に引き取られ、将棋の世界で生きていくことを決めた少年の物語。
羽海野チカ先生の描く「幸せな感覚」がとても心地よく、いつまでもその世界を見ていたくなる画風ややり取りを描く先生だという印象。
その先生が描くシリアスな展開にとても心を苦しめられる程に真に迫っていたり、でも、触れづらい事柄に対しても漫画だからとなぁなぁに終わらせずに、しっかり「この世界における結末」を描いてくれている。登場キャラがそれぞれに特徴的で好きになってしまう人物が山ほど出てくる…そのキャラたちのやり取りも非常に面白く読めるのもオススメの理由。
しかし、心地よくずっと読める漫画なのかというと、前述したように、生活を送る中で迎えるしっかり苦しい局面も描いているため、自身に共通する思い出があろうがなかろうが、感情移入してしまうほどにのめり込んでしまう、けっこう苦しい、でもその先に見えた幸せな世界がこれほどまでにいとおしく感じるのか、と、ただ泣かせるためだけに無駄に悲しい展開を差し込んでいるのではないな、と思える、そこを乗り越えて読み切って欲しい。
またこのオススメに挙げた15巻は、前作?の「ハチミツとクローバー」で登場したキャラが一部登場し、前作を読んでいた人であれば(少なくとも私は)泣き崩れるくらいに「この話を描いてくれてありがとう」と思った(であろう)話が描かれています。ハチミツとクローバーも是非とも読んで欲しいほどに、「人と人との関係って難しい」と思わされる作品で、本作品も特に前半の巻ではそういった話が多いのですが、それでも羽海野先生の絵柄や話の展開でつらい気持ちを救うだけでなく、幸せな気持ちにしてくれる作品だなと感じています。
この14巻ぐらいまで読み進めていれば、「早くこの世界の続きを読ませてくれ」と思ってしまうのではないだろうか。将棋のルールなどに詳しくなくともサクサク?読み進められると思います。勝負の世界に身を投じる人たちの心理描写も非常に面白く、人間関係の話だけでなく、頭脳戦ではある者の、勝負の世界をのぞき込む感覚が味わえるのではないかと思う作品。
生きていく中で、「本当にそうなんだよ...」と思わされる話や、ただただ教訓として心に刻み付けたくなる話が多いなと感じる。林田先生を心から応援しております。