高橋俊介のレビュー一覧

  • キャリアをつくる9つの習慣 これが価値を生み出す最新の働き方だ

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    人は"動機"で動いている
    ⇒大きくキャリアに影響する
    ⇒"動機"に応じて、キャリア設計の考え方も異なる

    "遊び"も大事な要素
    ⇒最近のホワイトカラーは"論理性"の思考が強い

    (山)

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    2009年10月07日
  • キャリアをつくる9つの習慣 これが価値を生み出す最新の働き方だ

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    実はこの本の真骨頂は、内容ではなくそのタイトルにあります。
    キャリアとはゴールではなく習慣である、というテーゼこそが高橋先生の主張するところです。
    「9つの〜」なんてタイトルだけ見るとよくある「How to本」の類と誤解されそうですが、内容的には先のテーゼを具体例からスタートしてきちんと特化⇒汎化したロジックを説明しています。
    高橋先生は多作なのでどれから読み始めればいいのか選びにくいのが難点(?)ですが、この本なんかは入門用としていいのではないかと思います。

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    2009年10月04日
  • キャリアをつくる9つの習慣 これが価値を生み出す最新の働き方だ

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    ページ数135P と薄めの本
    中身もまとまりがあり 読みやすかった
    読みやすいから 内容がうすいのかと思いきや

    要点の返し読みをしたら
    自分をゆさぶってくれる言葉が ぞろぞろできてことに
    驚いた

    好ましいキャリアを築いている人の特徴
     1価値を創造し提供している人
     2仕事を楽しんでいる人
     3貪欲に成長している人

    なにに揺さぶられたたかというと
    行動という形に現れるその裏側にある 動機
    というポイントだった
     成功動機 社交動機 感動動機 自己管理動機
    〜したい という動機があって 行動につながる

    そして その動機が人によって違う
    さらに 自分の中に 強い動機 と 弱い動機があり
    その自分の中の強弱 優先順位 と他人の動機の強弱 優先順位の違いが
    人間関係のトラブルになる

    という事に 改めて気づいたことだった

    よかれ と思ってしたこと
    が 反感をかう というのはこういう事かと。。感じたのであった。 

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    2009年10月04日
  • キャリアをつくる9つの習慣 これが価値を生み出す最新の働き方だ

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    ◆何を身につけていけばいいのか悩んでいる若手社員の、考え方のヒントになるような本。

    ◇日ごろどのように仕事に取り組んでいるか、日々の習慣の積み重ねによって、その人のキャリアの質は決まる

    ◇自分のもっているどの動機が、現在の仕事にどのように活かせるかを考え、そこに火をつけるというのが、仕事を楽しみながら成果をあげるコツであり、好ましいキャリアづくりの第一歩だといえよう

    ◇世に流通しているキャリアづくりの方法論や考え方は、最初に高い目標を持つことを説くものがほとんどだが、それはコミットメント系の達成動機やパワー動機などをもった人にとってのみ有効なのであって、決して万人向けではない

    ◇自分が得た知見や確信、自分の考えを抽象性の高い言葉で「こうだ」と表現でき、さらに「たとえば」と迫力ある事例で説明できる、これが人を「ポジティブに巻き込む」伝達能力であり、これが自然にできる人のことを、コミュニケーション能力があるという

    ◇仕事と趣味ではどこが違うのか。それは、価値を創造し提供しているかどうかという点だ

    ◇プロフェッショナルとサラリーマンの違いはなにかといえば、それは仕事を通じて価値を生み出し、それを顧客や社会に提供することを常に意識しているかどうかの差だ

    ◇「自分が人にされて平気なことでも、それがたまらなく不快だと感じる人もいる」ということがわかっていない人、さらにその違いを受け入れられない人は、キャリアもうまくつくっていけない

    ◇現代のように環境の変化が激しい時代だと、過去の経験はすぐに陳腐化してしまうので、常に学習し変化に対応できるよう、誰もが自分を変容し続けていく勇気をもつべき

    ◇どの仕事が自分に合っているかどうかなどということは、実際に自分で働いてみないかぎりわかりはしないのだ。もっと正確にいうなら、その仕事に何年か従事してはじめてやりがいもわかるし、また、その仕事を通して成長することで、次に進むべき道もみえてくる

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    2010年08月06日
  • スローキャリア 出世を急がない人のためのビジネス論

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    上昇志向ではない人間が、どのように上手く立ち回っていくか、また、逆に企業の立場にとって、そのような非上昇志向の人間のやる気をどう引き出させるかについて「スローキャリア」といった観点から述べている本。

    確実に非上昇志向の人間の部類にある自分自身。しかしながら、世の中の「役職」と呼ばれるものを持っている人の多くはその肩書き、給料を目的に上っていこうとする上昇志向の人間たち。そこで自分はどのような気持ちでやっていけばいいかとか、あぁ自分はそう思っているんだなみたいな心理とか、いろいろ考えれた本。まだ1回しか読んでなくて、さらさらと読んだ感じだからまた近いうちに読み直そうと思う。なんか自分の考え方の1つの軸というか、指標みたいなものが見えた気がする。そして、自分だけじゃないんだって思えた。

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    2009年10月04日
  • プロフェッショナル・プレゼンテーション

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    何らかの相手の疑問や質問に答えるのがプレゼンテーション
    相手の「役に立つ」話を「面白く」話すこと

    コンテンンツ作成の流れ
    1. キーメッセージを決める
    2. キーメッセージを支える論理を構築する
    3. 各サブメッセージを証明する根拠を揃える
    4. 話す順番や強調すべきポイントを考えてストーリーを設計する
    5. 揃えた証拠をビジュアル化し、ストーリーに合わせて並べる

    キーメッセージの種類
    ・事実メッセージ 「当社の売上げは昨年比5%減少した」
     論証方法:演繹法や帰納法を使って論理を構築することができる。
    ・評価メッセージ 「当社の製品は優れています」 
     論証方法:論証が難しいので、まず言葉の「定義」をし、定義に合わせて証拠を揃える。相手の重視しているポイントをつかんで、根拠を示してメッセージを主張しないと意味がない。判断基準を持たない人には、こちらからそれとなく「判断基準」を与えてあげる。
    ・政策メッセージ 「当社はA市場に参入すべきだ」
     論証方法
    1. 必然性(inevitability) そうしないとまずいことが起こることを示す
    2. 効用(benefit) そうしたらどれだけいいことがあるかということを示す
    3. 実現可能性(feasibility) こうすれば実現できるということを示す
    ・希望メッセージ 「私の給料を上げてほしい」
     論証不可能

    論理的であるための3条件
    1. 結論となるキーメッセージがあり、それが複数の根拠によって支えられピラミッド構造となる
    2. 結論を支える根拠にはモレやダブリがないこと MECE(Mutually Exclusive, collectively Exhaustive)
    フレームワークを用いる 3C(company, competitor, customer)、4P(product, price, place, promotion)
    3. ピラミッドの最下層部が「事実」であること

    論理構築の方法
    帰納法
    ・仮説の提示
    ・因果関係による推測 変数に分解する 「この商品は利益が出る」→利益=市場規模×当社のシェア×収益性
    ・類推/アナロジーによる推測 異なった2つの事物の比較をし、互いに似通った点を挙げることで結論を裏付けようとする論証
    ・権威に基づく論証 その分野における権威のある人物、機関、書物などを引用する論証
    演繹法 
    演繹の本来の意味は「含意」、その言葉から何が引き出せるを示す。言葉の持つ意味を基本に推論していくのが演繹。
    演繹法による論理構築
    ・集合論理 「すべてのほ乳類には心臓がある」「すべての馬はほ乳類である」→「すべての馬には心臓がある」
    ・条件論理 「もし就業規則を破れば、解雇される」「彼は就業規則を破った」→「彼は解雇される」
    ・背理法 証明したいことの否定を仮定した結果、矛盾が導かれるなら、仮定の否定、すなわちもともと証明したかったことの成立が証明される

    ・論理力があっても説得力がないとダメ
    説得力=論理力×判断基準
    相手の判断基準(=価値観)を加えて命題を作りかえる、その人にとって重要と思える言葉に置き換えるという手順が欠かせない→インサイト

    ・メッセージの中にある主語を「あなた」に
    私はあなたにうちの商品を買ってほしいのです」→「あなたはうちの商品を購入すべきだ」
    自分がこうしたい、ああしたいではなく、相手がこうすべきだ

    ・コンプリートメッセージになっているかどうか?
    WHAT 「命題」
    WHY 「必然性」「効用」
    HOW 「実現可能性」

    ・ストーリーの設計
    一度全体の論理を組み立てた後で、1点にスポットを集中し、その他の要素を思い切って捨てるということも力強くメッセージを相手に伝えるためには必要なテクニック。

    ・ワンチャート・ワンメッセージ
    ある主張を理解してもらい説得することと関係のないことは思い切って捨てる。

    ・2枚の勝負チャートを作る
    問題の本質をえぐり出し、問題解決のための極めてクリエイティブなアイデアを出す。


    型
    A) 
    1.ズバリと結論を書く
    2.結論の理由を書いてまとめる
    B)
    1.体験を書く
    2.第1部から導かれた結論を書く

    1.問題提起
    2.意見提示 確かに、でもしかし
    3.展開 もっとも説得力のあるアイデア
    4.結論

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    2010年06月06日
  • キャリア論―個人のキャリア自律のために会社は何をすべきなのか

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    働く個人のキャリア形成を考える上でのバイブルみたいな存在。大学3年の時に読んで、面白い!と感じて、それ以来この勉強を続けるきっかけになった本。キャリアコンピタンシーの概念を用いて、組織の中で高い成果を上げ続ける人のメンタルや特性を論じてゆく。細かい分析の話は、勉強の土台が無いと分からないと思うけれど、これからのキャリアを考える上で外せない一冊。

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    2009年10月04日
  • キャリアショック―どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?

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    従来のキャリアカウンセリングは天職を見つけるための「富士山型」、しかし今後は意にそう形を実現するために積極的な行動をとらせる連山型。
    人間の価値はその人が提供しようとする知恵や労働力に対してつく。商品戦略をプロデュースするのが人材業界。
    好印象欲の強い人は行動力があり他人とすぐに親しくなれる。影響欲Ego-drive,復元力ego-strength,社交性sociability,好印象欲gregariousness、感謝欲accomodation,徹底性thoroughness, 自己管理selfstructure,外的管理external structure, 切迫性urgency
    大切なのは仕事の大きさではなく、自分から問題提起し、課題設定すること。
    ビジネスリーダーを目指すなら本流よりも傍流
    自らキャリアを切り開いていくには社会的に通用する職業倫理に基づいて自らをコントロールしていくことが必要だ。

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    2009年10月04日
  • プロフェッショナル・プレゼンテーション

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     プレゼンテーションのための論理展開を如何に構築し、資料にまとめ、プレゼン本番でどのように振舞うのか総合的に解説した本。プレゼンという切り口でまとめたロジカル・シンキング系の本という言い方もできると思う。


     基本的にはバーバラ・ミントの考える技術・書く技術で示された論理のピラミッド構造、すなわち、最終的な結論(=キーメッセージ)を頂点に、その結論を証明するためのいくつかのサブ・メッセージがあり、それぞれのサブ・メッセージを証明するためにさらにいくつかの小さなメッセージに分割され、最小のメッセージはそれぞれ事実によって証明されている、という構造を採用している。
     その上で、「あなたは(御社は)○○すべきだ」という提言をするためには、そうしなかった場合いかなる不具合が生じるのかという"必然性"と、○○すればこういういいことがあるという"効用"、あなたは○○することができるという"実現可能性"の3つで論理構成するべき、というように具体化して紹介してある。
     また、プレゼンの実施にあたっての取り組みについても、例えばプレゼン相手が手元資料をどのように使ったかによってプレゼンの進行に緩急をつけるやり方など参考になる点が多い。結局プレゼンは練習しただけうまくなるというのは僕もそのとおりだと思うし、この本の指摘するところでもあるのだけれど。
     ロジカル・シンキング同様、ビジネス・パーソンは読んでおいて損はないと思う。

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    2009年10月04日
  • 新版 人材マネジメント論―儲かる仕組みの崩壊で変わる人材マネジメント

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     大塚理事長はこう言う。
    ―100人のうち99人がどんなに努力をして一生懸命介護に当たったとしても、たったひとりの不心得者が出るだけで、すべてが台無しになってしまう。だから「100-1=99」ではなく、「100-1=0」 だと。
     とくに老人病院の場合はこれがわかっていないと、虐待という深刻な問題を引き起こしかねない。つまりスタッフの中にひとりでも、入院患者を虐待するような人がいれば、それでもうその病院全体が、安心という価値提供をできなくなってしまうのだ。
     実際に青梅慶友病院でも、過去にそれに近いクレームが何度かあったそうである。そのうちだんだんと、そういう虐待の嫌疑をかけられる看護師には共通の特徴があることがわかってきた。それはひと言でいえば、人間性に裏表があるのだ。
     認知症の入院患者は虐待の被害を受けても、患者自身がそのことをアピールすることはできない。だから、 とくに深夜など病棟に人が少ないときに、他人の目があるかどうか、あるいは上司の前とそうではないときでガラリと態度が変わる人を勤務させるのは、きわめて危険なのだ。
     先に紹介したように、個人介護品質評価の項目に関しては、ひとりのスタッフにつき三〇人から一〇〇人に評価させるという方式を取り入れたのには、まさにこういう理由からなのである。これまで虐待に近いような問題を起こした人というのは、意外にも上司の評価はそれほど悪くなかった。それなのに同僚による相互評価が上司の評価とあまりにも差があって愕然とするケースが少なくなかったという。考えてみれば、それが裏表のある人の特徴であって、とにかく上司の評価だけでは当てにならないということになり、多面的評価に行き着いたというわけだ。
     青梅慶友病院がいかに個人介護の品質を重視しているかは、この多面的評価の結果がダイレクトに報酬に反映されるという事実がはっきりと物語っている。評価はA、B、C、D、Eの五段階でなされ、最低のEにランクされると賞与は三○%カット、さらにE評価連続二回で退職勧奨の対象となるという厳しさだ。そこまでやるのは日本人のメンタリティに合わないという批判もないわけではないそうだが、それでもたったひとりのマイナス評価が全体の評価となってしまうことを考えると、きわめて有効性の高い人材マネジメントといえるだろう。
     たしかに人事というものは、ともすれば日本人の国民性や文化といったところから考えられ、一見独自性を発揮しにくいように思われているところがある。だが、組織のミッションや提供価値を踏まえた、独自性の高い人材マネジメントを行うことで、サービスの退色と「一〇〇―一=○の法則」を克服することが十分可能だということは、先のスターバックスコーヒーとともに、この青梅慶友病院の事例が証明しているといえる。 人事に携わる人には、ぜひこの人材マネジメントの戦略性の重要さをわかっていただきたい。


    人材マネジメントのチェックリスト
    ①ビジョンに適合した顧客接点人材の採用
     事業ビジョンに則った価値を提供できるコンピタンシー、行動特性や思考特性、あるいはそれらを喜びと感じる動機を持っている人材を採用しているか。
    ②抽象的メッセージの伝達
     ビジョンや行動指針、提供価値といった抽象的メッセージをわかりやすく伝達する組織コミュニケーションが、しっかりと行われているか。あるいはそれらのメッセージがたしかに伝達され、理解されているかを、たしかな方法で定期的に確認しているか。
    ③適切な業績先行指標の設定と、顧客接点へのフィードバック
     最終的な業績だけでなく、その業績に結びつく中間的、先行的な指標を設定し、なおかつその結果が顧客接点に、的確かつタイムリーにフィードバックされているか。とくにクレームのようなネガティブ・フィードバックだけでなく、ポジティブ・フィードバックができているか、また機能価値だけでなく心理的価値に関しても同様になされているか、気をつけて見ること。
    ④先行指標重視の評価
     評価の対象が業績結果に結びつくものだけでなく、ブランド認知度や顧客満足度といった先行指標を高めるための行動も、きちんと評価しているか。
    ⑤逸脱行動把握
     やってはいけないことや、やるべきではない逸脱行動をやっている人間を直ちに見つけ、それを取り締まる、 あるいは手遅れになる前に対応策がとれる仕組みがあるか。コンプライアンスもそのひとつ。「一〇〇-1= の法則」の「一」を発生させないことが重要ということ。人を信用することと、調べないことは別の問題だ。
    ⑥コーチング的マネジメント・スタイル
     リーダーがスタッフに適宜質問するなどして、スタッフ自らが考えたり、仕事にコミットメントするようなマネジメントが行われているか。
    ⑦適切な研修投資
     研修によって現場スタッフの多くが、自然に期待行動をとるようになったか。あるいは戦略的に重要なスキルを獲得するのに十分な研修が行われているか。研修が日々の実践と有機的に連動しているか。
    ⑧職場学習の推進
     ひとりの体験を全員が共有し、全体の知恵とする環境にあるか。またそれぞれ学習し、刺激しあうことで、 全体のサービスレベルを常に高めようとしているか。
    ⑨プロフェッショナル人材の資格認定と処遇
     専門性に対してだけでなく、価値提供に結びつく行動特性や思考特性も適宜評価し、相応の資格や処遇を与えているか。あるいはそういう制度があるか。
    ⑩顧客接点のリーダーシップ開発
     顧客接点では、人を通したブランド強化が行われていなければならない。それにふさわしいリーダーシップ開発が行われ、またそういうリーダーが適切に配置されているかどうか。過度に管理的であったり、短期の結果志向の持ち主、コンプライアンス上問題があるようなことを見逃すような人は、顧客接点のリーダーとしてふさわしくない。
    ⑪事業ビジョンに基づく非正規社員のマネジメント
     パートタイマー、アルバイト等の非正規社員の採用や教育研修は、事業ビジョンに基づいて行われているか。 アウトソーサーを利用している場合は、トータル・ブランディングの観点から、アウトソーサーが提供するサービスの品質管理も厳密に行うことが必要。
    ⑫組織品質の測定とアクションへのリンク
     単に社員の満足度を測るものではなく、事業ビジョンとリンクし、成果とも相関性の高い組織品質指標が設定されているか。またその結果が組織品質を高めるアクションにつながる仕組み、さらにそれを検証するというサイクルができているか。
     以前、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス (SFC) にあるキャリア・リソース・ラボで、一四の企業に勤める二四○○人のビジネス・パーソンを対象に、「あなたの会社の人事制度は、年功的に運用されていますか」 というような、人事に関する八〇数項目の質問を行ったことがある。そのときいちばん企業間格差が大きかったのが、「あなたの会社では、ビジョンや行動指針といった概念が第一線まできちんと伝わり、なおかつ正しく理解されていると思いますか」という問いに対する回答だった。この結果はまさに、会社が人材マネジメントにどう取り組むかによって、社員の意識は如実に変わるということを物語っている。だからこそ、社員の意識と組織品質がリンクする仕組みをつくり、サイクルを愚直に回すことが重要になってくるのである。
     これら一二のチェックリストは、すべて組織マネジメント、人材フローマネジメント、報酬マネジメントのいずれかにかかわっている。それぞれ各分野にどのように落とし込んでいくかは、各人でいま一度考えていただきたい。


     ところが大量生産ラインも、単純化されたと思われていた仕事が徐々に複雑になってきつつあるのである。
     たとえばトヨタのかんばん方式。これは会社の中間在庫を極限までゼロに近づけることを目指している。しかしながら中間在庫というのは、もともと意味もなくあったのではない。ラインの中で誰かが失敗したり、どこかで故障が起こったりしても、中間在庫というバッファー(緩衝材)があれば、直ちに全体に影響が及ぶような事態は避けられる。つまり、ピラミッド組織の分業体制を徹底し、イレギュラー時でも他の部門の状況に関係なく仕事を進めるためのものだったのだ。
     トヨタはこの中間在庫をなくそうと考えた。ところがそうすると、失敗や故障が起こった場合、今度はそれがあっという間に全社の生産に影響してしまう。そうなると是が非でも失敗や故障を回避しなければならないが、それを達成するためにはラインの一人ひとりが自分の仕事に集中することに加え、ほかの人の仕事にも気を配らなければならなくなってくる。それが「後工程はお客様」という概念につながるわけだ。この概念は見方を逆にすれば、前工程の人の品質管理を後工程の人が行うことを意味している。さらにここからは、自分の前の作業者のところで問題が起こりそうだと判断したら、駆けつけて積極的に手伝うという発想も生まれてくる。


     経営において、結果としての利益はきわめて重要であることは明らかだが、利益目標を合目的的に組織に分解すると、短期的直接的に利益に貢献する行動ばかりを助長することになる。今日の個人の行動が最終的に企業の利益へ結びつくメカニズムが複雑化長期化してくる中で、変化スピードは加速し予測可能性は低下している。これでは目標逆算的マネジメントだけでは組織が短期指向になり、ジリ貧になる。これに対してクレド経営というのは、「長期」と「自律」が経営の基本である。ここからぶれることがない。短期的には合目的的でない行動に映ったとしても、長期的に見ると一貫した経営姿勢が企業を安定させることにつながるのだ。とくに変化の激しい複雑化した市場においては、このクレドのような長期的かつ自律的経営が有効なのである。タイレノール事件はそういう認識をアメリカに広める役割を果たしたといってもいいだろう。実際この事件はその後ハーバードビジネススクールのケース・スタディにもとりあげられた。
     一方、九○年代前半に一時破綻したシアーズローバックは、企業が個人型結果主義を導入し、合目的的経営を追求していった結果がどうなるかを如実に示してくれたいい例だ。シアーズローバックは八○年代に、他社に倣って報酬体系を職務給から個人別成果給に移行し、数値目標で社員をプッシュするという経営方針を取り始めた。ところがしばらくすると、車の修理を行うガレージという部門に車を持ち込んだ顧客から、頼みもしない部品まで交換されて代金を請求されるというクレームが頻発するようになった。その結果、アメリカ中西部でもっとも安心度の高いブランドとして、絶大な信頼を得ていたシアーズローバックのブランドイメージが崩壊し、破綻に追い込まれてしまったのである。まさに、結果指標の単純な目標逆算的なマネジメントの導入が招いた悲劇といえる。
     その後シアーズローバックは経営手法を改め復活を果たす。具体的には結果指標ばかりでなく顧客満足などの中間指標を重視し、行動評価や組織の健全度、従業員満足度なども取り入れ、さらに第一線が自律的に考えて行動できるよう各店舗のベストプラクティス情報を共有できるITを活用するなどして、まさに九○年代のアメリカ経営の変身ぶりを体現するかのような変革を行ったのである。


    マネジメントとリーダーシップの違い
     ここでマネジメントとリーダーシップの違いを説明しておこう。
    ①Whatから考えるのか、Howに分解するのか
    「What→How→Do→Check」のサイクルを、すべて自分でまわしていくのがリーダーシップ。 上から与えられたWhatをHowに分解し、部下にDoさせるのがマネジメントである。Howだけやるのか、Whatから自分で考えるのかの違いは、実はことのほか大きい。
    ②命令権限か、影響力か
     経営幹部や上司、先輩、他部門の人間、長期雇用を前提としない人、アウトソーサー、顧客など、直接自分の命令権限が及ばない、あるいは及びにくい人たちをその気にさせて、より頑張らせたり、強いコミットメントを引き出したりするのがリーダーシップ。直属の部下のように直接自分の命令権限が及ぶ人に向かって、具体的な命令の形で行うのがマネジメント。つまりリーダーシップが間接的影響力なのに対し、マネジメントは直接的影響力といえる。
    ③抽象性の高いメッセージか、具体的命令か
     指示を伝えるのにこれをやれ、こうやれではなく、こういう考え方でやりなさいというふうに、概念抽象性の高いメッセージをわかりやすく説明することがリーダーシップには求められる。マネジメントの場合は具体的伝達が中心になる。
    ④仕事をつくるのか、与えられるまで待つが
     ひとつのタスクが終了したら、結果を自分で検証し、自ら次の手を考え実行するのがリーダーシップ。これがマネジメントの場合は、あくまで次の命令を待ってから行動を起こす。

     こうやって見てくると、リーダーシップというのはリーダー人材、つまり組織図上でリーダーのポジションにいる人にだけ、必要とされている能力ではないことがわかる。
     また部下の数と、要求されるリーダーシップのレベルはあまり関係がないが、マネジメントのほうは、ビラミッドの上部にいて、下に階層が増し部下の数が多くなるほど、複雑性や困難さが増すという性格があるといえよう。
     たとえば日産自動車のゴーン改革の柱のひとつであった、クロス・ファンクショナル・チーム(CFT)だと、各チームのリーダーの下には、一〇人前後のメンバーしかいないから、それほど複雑なマネジメントは必要ないと思われる。ところが問題は、その部下たちを完璧にマネジメントできたとしても、それがクロス・ファンクショナルな課題の解決につながるわけではないというところにある。クロス・ファンクショナルな課題というのは、文字どおりさまざまな部門のいろいろな要因が影響しあって発生しているから、いくら自分のチームのメンバーが、リーダーの命令に忠実に従ってくれたところで、課題の解決にはつながらないのだ。
     課題解決のためには、開発、営業、製造といった各部門、場合によってはルノーまで足を運んでそれぞれの担当者に会い、考えを伝え、説得し、協力を仰がなければならない。だからCFTのリーダーに必要なのは、 マネジメント能力より、大きなリーダーシップということになる。
     日産自動車では、将来ビジネス・リーダーとして活躍を期待する若手を、積極的にCFTに入れるようにしているが、まさにリーダーシップを鍛えるにはもってこいといえるだろう。
     総合電機メーカーに見られるソリューション型営業にも、これに近いものがある。先にも述べたように、成熟した市場では、顧客は自分がほしいものはこれと、具体的に認識しているわけでは決してない。だから営業は、常に顧客の半歩先を行って、テーラーメイド的なソリューションを提供することが要求される。ところがそのソリューションを実現するためには、開発や製造といったさまざまな部門の人たちや他の事業部門の協力によるシナジーの活用が不可欠なのはいうまでもない。したがってソリューション型営業の場合は、たとえ営業部に直属の部下がいない人であっても、各部門のキーマンを取りまとめるためのリーダーシップが必要となるのである。
     このようにすべての組織においてリーダーシップというのは、必要なときに必要な人が発揮できることが求められるのであって、一握りのビジネス・リーダー人材を育成すれば、それでリーダーシップが事足りるというのは、ピラミッド組織にのみあてはまる考え方なのである。また組織の自律性が高まるほど、リーダーシップはより多くの人に分業、分担されるようになるのはいうまでもない。


    仕事を通じて成果を生み出すことに、直接的ないし間接的に影響を与える人間の能力=スキル、思考力、思考・行動特性、動機

    個人の仕事の成果=期待成果イメージ✖️能力✖️コミットメント


    思考・行動特性
     思考・行動特性という能力は、人事の世界では九○年代の半ば以降使われるようになったコンピタンシーという言葉とかなりオーバーラップする。
     正確にいうとコンピタンシーというのは、特定の職種において安定的に高い成果をあげる人が、どのような能力に秀でているかを定義したものであり、能力のタイプを分類するためのものではない。ところが、ハイパフォーマンスの人を分析して得られた十分条件は、すでに述べたように思考・行動特性とかなりの部分で重なるのだ。
     スキルと思考・行動特性の違いは、簡単にいうとスキルが学力テストの点数だとしたら、思考・行動特性のほうは、その点数をとるのに必要な学習能力だと考えればいいだろう。つまり思考・行動特性のほうが抽象度と普遍性の高い能力ということになる。
     リーダーシップとマネジメントでいえば、マネジメントは主にスキルだが、リーダーシップというのは明らかに思考・行動特性の範疇だ。
     このスキルと思考・行動特性の違いに着目し、効果的な採用に成功した企業がある。
     沖縄で初めての県外向けインバウンド・コールセンターであるCSKコミュニケーションズは、設立後わずか数年で従業員二〇〇人を超えるまでに成長した優良企業だ。だがそのCSKコミュニケーションズも、最初は採用でたいへん苦労したという。
     インバウンドのコールセンターというのは、消費者からかかってくる電話に応えるのが仕事である。一般にマニュアル通り話せばいいアウトバウンドより、さまざまな質問に答えなければならない分、難しいし、かつこの会社の場合はIT分野のインバウンドである。
     そこで採用にあたって、ITの専門知識を測る試験を行い、七○点以上の人を合格にしようとしたところ、 合格ラインに到達する人がほとんどいない。仕方がないので七○点以下でも比較的点数の高い人を採用し、不足分は入社後に訓練を徹底的に行うことで補おうとしたが、沖縄の人はそういう管理された訓練を好まず、三人採用したうち二人を残して、残りは早々に辞めてしまったというのである。即戦力はいないし、鍛えたら辞めてしまう、一時はどうしようか途方にくれたという。
     これに懲りたCSKコミュニケーションズは考えに考えた末、二段階選抜方式をとることにした。一次試験の通過ラインは四○点に下げる。クリアした人には参考書を与え、自分で勉強したうえで同じ分野の内容の二次試験を二週間後に受けてもらい、点数の上がり幅の大きかった上位三〇人を採用することにしたのだ。さらに採用後の研修も、自主性を重視したプログラムに変更した。
     このやり方が見事に功を奏し、社員の戦力化に成功し、いまでは沖縄のコールセンターの代表的成功事例となった。
     CSKコミュニケーションズは最初、いまなにができるかというスキルのみを見ようとして失敗し、そこでなにができるかではなく、短期間に新しい知識を自律的に学習する癖を当人が持っているかどうかに視点を切り替えたところ、大成功したのである。この癖こそが、思考・行動特性なのだ。
     現在のような変化の激しい時代には、いま役に立つスキルそのものより、将来にわたって役に立つものを吸収できる、抽象性、普遍性の高い思考・行動特性のほうが重要度は高いといえる。
     この思考・行動特性は、後天的な努力によって身につけることが可能だ。ただし癖なので、癖となって定着するまでには時間がかかる。
     習得するに際して、アウトプットが不可欠というのも、この思考・行動特性の特徴である。たとえばリーダーシップがあるというのは、その人の発想、意思決定、コミュニケーション、行動のすべてがリーダーにふさ周囲の人に感じさせるということで、これは明らかに思考・行動特性に入る。それではそういったリーダーたる考え方や振る舞いを知識として学べば、それでリーダーシップが身につくかといったら、そんなことはありえない。それは水泳の一〇〇メートル自由形の世界記録保持者に、どうやったらそんなに速く泳げるのかをいくら詳しく聞いたところで、それだけでは絶対に同じように泳げるようにはならないのと一緒だ。速く泳げるようになるためには、聞いたことをプールの中で実際にアウトプットし、なおかつ癖になるまで繰り返し、体に叩き込まなければならないのである。
     このように簡単には習得できないが、癖のレベルにまでなれば、高い成果を生み出すことができるのが思考・行動特性といえる。


     目標がまずあって、その目標をなんとしても達成するという強い責任感ややる気のことをコミットメントという。それが自分の仕事についてであれば、仕事コミットメントということになる。
     一方、コミットメントとよく似た言葉にエンゲージメントというものがある。こちらは目的合理的になにかを達成したいというより、気がつくとプロセスにのめりこんでいる状態のことをいう。仕事そのものをエンジヨイしているときが、まさにエンゲージメントなのである。
     エンゲージメントのほうは、対人関係系やプロセス系の動機と密接にリンクしているので、厳密にいうと報酬マネジメントの範疇ではないので、ここでは詳しく述べないが、エンゲージメントもまた重要であるのはいうまでもない。
     エンプロイメンタビリティという言葉も、しばしば組織へのコミットメントと混同されがちなので注意が必要だ。エンプロイメンタビリティというのは、働く場所としての魅力のことである。これがある組織は人を引きつけ、しかもなかなか人が辞めない。
     これに対して組織へのコミットメントというのは、そこで働く一人ひとりの、もっと会社をよくしたいという積極的な気持ちの現われであって、単に人が辞めないとか、長く勤めているからコミットメントが強いということではない。だからエンプロイメンタビリティとコミットメントは、はっきり区別して考える必要があるといえる。


    外因的コミットメントを引き出す条件
     コミットメントには個人の仕事に対するものと組織に対するものとがあるが、報酬が最も影響を及ぼすのは、 個人の仕事に対するコミットメントであると考えていいだろう。
     一般的に言って、コミットメントには外因的なものと内因的なものの二種類があるといわれている。外因的コミットメントというのは、それ自体をやりたいと強く思っているのではないが、なにかを得たいがためにその手段としてそれをやり遂げたいと思う場合だ。得たいものが報酬であれば報酬リード型のコミットメントとなる。他にも昇進や雇用の安定なども手段となりうる。報酬を仕事の成果に応じて極端に上下させる結果主義賃金制度による活性化を思い浮かべてもらえばいい。だがこの外因的コミットメントは、いくつかの条件がすべて整わないとうまく機能しないと考えられる。
     一つ目はアップサイドとダウンサイド、つまりうまくいったときといかなかったときの報酬の差が、非常に大きいこと。どの程度の差であれば十分な大きさかというのは、社会的な背景によって異なるが、日本では少なくとも数倍から数十倍は必要である。しかし中国では、二~三割程度の違いでも外因的なコミットメントが機能しているようだ。
     二つ目は、どんな数字をどこまでやればいくらもらえるというように、測定可能な結果指標と報酬とが明快かつ単純に結びついていること。複雑すぎたり主観的だったりすると、何をどうすればいくらもらえるのかの因果関係が想像できないため、目的合理的行動を誘発できない。
    三つ目は、管理可能性と将来予測が一定以上あるということだ。何をいくらやっても結果に結びつく保証がなければやる気はおきない。
     四つ目は、逸脱行動や「ズル」を規制する仕組みがあること。会社がこれをやってほしいと望むことをあまり厳格に規定すると、多くの要素が絡み合って複雑なインセンティブ体系になり、それこそ明日からなにをやっていいかわからなくなってしまうので、指標はできるだけ単純明快なものにしておく必要がある。
     ただそうすると、「ズル」をして会社の利益にならない方法で自分の収益だけを上げようとする、ある意味 "賢い”人間が必ず出てくる。あるいは報酬を得るために、反社会的な逸脱行動に走る人が現われないとも言い切れない。それらは結果的には会社にとってのダメージとなる。報酬を払うだけの価値を生み出さないばかりか、リスクの種を作り上げてしまう可能性のある「ズル」や「違反」は厳しくモニターし取り締まる必要がのである。 それから、一から四の条件をすべて揃えても、外因的コミットメントのインセンティブ効果は、時間とともに減少するのは避けられない。最初はお金でやる気を引き出せたとしても、一〇年、一五年もの間、お金だけで意欲を喚起できるものではないのだ。だから自分のやっていることは自分の利益のためという以上に、社会的にみても意義のあることなんだという意識が持てるように仕向けていくといったことが必要になる。つまり仕事の意味性などの内因的コミットメントに徐々に移行していくことができればコミットメントは長続きするのである。
     逆にもともと内因的コミットメントがあったところに、外因的コミットメントを中途半端な形で持ち込むと、 最初にあった内因的コミットメントが破壊されるだけで相乗効果は期待できないので、注意が必要だ。
     普段勉強をしない子どもが、珍しく自分から勉領する気になって机に向かったのに(内因的コミットメント)、 母親から「早く宿題をやらないと、夕食を食べさせないわよ」といわれたがために(外因的コミットメント)、 途端にやる気を失ってしまうというのは、まさに内因的コミットメントが外因的コミットメントによって破壊されてしまったという、実にわかりやすい実例である。


    内因的コミットメントを機能させる衛生要因
     内因的コミットメントに影響を及ぼす要因を二つに分けて考えよう。動機付け要因と衛生要因だ。動機付け要因とは、あればあるほどコミットメントが強化される要因で、衛生要因とはまるで衛生状態のように、不足することで障害になるが、いくら沢山あったからといって、それでコミットメントが積極的に強まるものではない、一種の必要条件である。
     衛生要因から考えると、まず認知と服の公平感がそれにあたる。自分では頑張っているつもりなのに、まったく認められていない。報酬の分配に納得できない。こういう場合はどんなに内因的コミットメントがあっでも、それ自体が破壊されかねない。言葉を換えれば、会社の示す評価と報酬と、社員が求めるそれとの離が大きいと、次からの内因的コミットメントに支障を来たすということだ。だから報酬で釣るわけではなくても、個人の貢献はしっかり把握し、フィードバックするとともに、適切なレベルで報酬にも反映されないと、 次からのコミットメントが低下する。報酬は一般的には不満要因になりやすいが、不調をいくらなくしてもやる気が出てくるとは限らない。
     また外因的コミットメントを引き出すためには、報酬の差はできるだけ大きいほうがよかったが、内因的コミットメントの場合は、差の大きさは大きければよいというわけではない。むしろ職種の違いなどを考慮せず、 一律な評価分布や報酬テーブルを適用して、その結果実態としての貢献度の分布と合わなくなり、社員の納得性を損なうことになってしまうほうが問題だ。
     たとえば総合商社であれば、債券や為替などのディーリング部門は、個人の貢献度が明確だから差もつけやすいが、五年、一〇年先のプラント受注に向けて地道な作業を行っている部門の人間の貢献度に、単年度でデイーリング部門と同じくらいの差がつけられるかといったら、それははっきりいって無理である。
     そうするとプロフィット・シェアを考えるには、組織の貢献度によってパジェットを分けるところまではコーポレート人事がやらざるをえないとしても、各組織のなかでどのように個人差をつけるかは、職種特性やその組織の事業ビジョンがわかっているライン主導でやる以外ないということになる。
     また報酬というのは認知の裏返しなので、心理的側面も考慮する必要がある。
     スターバックスコーヒーには、「ブラボー賞」というユニークな表彰制度がある。これはお客さまからサンキュー・レターのようなポジティブ・フィードバックをいただいたり、スタッフから「ブラボー!」と誉められるような素晴らしい働きをしたパートタイマーに与えられる賞で、日本では二万人のパートタイマーのなかから毎年二〇〇人程度だけがその栄誉に与れる。
     さらにブラボー賞に選ばれると、副賞として会社からオリジナルのピン・バッジがプレゼントされる。原価〇〇円もしないビン・バッジに、アルバイトの労働意欲を高める心理的価値があるというわけだ。
     スターバックスコーヒーの方にうかがったところ、かつてこのピン・バッジがネット・オークションに出展されて三〇〇〇円で落札されたという。原価一〇〇円未満のものに三〇〇〇円の値がつくのだから、これはたしかにブランドのインナーの心理効果にほかならない。このブランドのインナーの心理効果を使って、非常にコストパフォーマンスの高い認知の仕組みを考え出したスターバックスコーヒーに、学ぶところは多い。
     また、どのような行動や貢献が評価されるのかという組織の意図を説明する、あるいは本人のとった行動や貢献が、組織の求めているものとどれくらいずれているかをフィードバックするという二つの意味で、個人の成果貢献度の評価とそのフィードバックは内因的コミットメントの衛生要因のひとつといえる。
     ただし成果貢献度といっても、外因的コミットメントが事前に達成基準や報酬基準などを具体的に示すのと違って、内因的コミットメントの場合は、ここまでやったらいくら出すというようなことを数値化したり、前もっていっておいたりすることは必ずしも必要ない。最初に期待役割や期待成果の質的水準といったある程度抽象性の高いものだけを、組織のなかでコミュニケーションしておけば十分であり、その期の成果や貢献度を、期末に本人の自己申告を聞きながら話し合い、どこがどれくらいずれていたかをお互い理解したうえで報酬に連動していくことこそが重要なのである。

    内因的コミットメントを引き出す要素
     ここまでは内因的コミットメントの衛生要因について考えてきたが、ここからは内因的コミットメントを積極的に強める動機付け要因についても説明しておこう。
     その要因のひとつが、自身の価値観による意味づけである。社会のためや顧客のためになるという、自分の価値観で重要だと思えることの実現への自己動機付けだ。
     もうひとつは、動機の活用。たとえば達成動機の強い人はストレッチが必要な、数値的、客観的に高い目標を自分に課すことによって、確実にやる気が出る。一方、対人関係系の動機やブロセス系の動機が強い人の場合は、エンゲージメントを強めて、振り返ったら結果としていい成果が出ていたという働き方ができるように工夫するといい。
     有能感を刺激するのも有効だ。有能感は自分の得意な能力を発揮し、それが成果に結びつくことによって生まれる。「自分はこの成果を出す能力があったんだ」という自覚を持つことができれば、それは確実に内因的コミットメントを高めるのである。
     それから成果イメージを理解させることも、内因的コミットメントに関係する。「こういう成果が出るんだ」と具体的にイメージできなければ、やる気が起こらないからだ。
     さらに衛生要因として、すでに説明した認知や報酬への納得性に加え、仕事をする環境がある。どんなに内因的コミットメントの動機付け要因があったとしても、たとえばIT環境などが劣悪すぎれば仕事はやりにくく、やがてやる気も失せてしまうということになりかねない。

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    2026年03月28日
  • キャリアをつくる独学力―プロフェッショナル人材として生き抜くための50のヒント

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    常に勉強し、自分で考え、さまざまな人たちと触れ合い刺激を受けることがキャリア形成にも人間形成にも必要だということと理解した。これからの時代はただのサラリーマンでは生きづらくなるのだろう…

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    2025年06月27日
  • キャリアをつくる独学力―プロフェッショナル人材として生き抜くための50のヒント

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    キャリアアップを求める読者向けの本なので仕方がないのだろうが、あまりに現実に則さない理想論だなと感じた。
    とはいえ言っていること自体は間違いではなく、最初からキャリアアップを目指すと強く決めている人の指針程度にはなると思う。
    サラリーを貰っている側よりも人材をろくに活用できていない経営者にこそ読んで欲しい。

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    2024年03月19日
  • プロフェッショナル・プレゼンテーション

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    プレゼンのプロであるコンサルタントが書いた、資料の作り方、プレゼンの進め方。論理学をベースに資料の論理構成を説いた箇所は、なるほど勉強になった。

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    2023年07月13日
  • キャリアをつくる独学力―プロフェッショナル人材として生き抜くための50のヒント

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    本書でおすすめの独学力を高めるポイントの数々は、どれも納得感あるものばかり。全部は実践できなくても、これらのいくつかを意識しておくだけでもだいぶ違うかも。
    キャリアを考えるには、やはり内省は避けて通れないし、主体的な学びが必要。

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    2023年04月12日
  • キャリアをつくる独学力―プロフェッショナル人材として生き抜くための50のヒント

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    ジョブクラフティング:やりたいことが明確で、自分の強みを理解している人は、それを仕事で活用するために仕事の枠組み自体を自分のいいように再創造する。

    自分は組織の中でどのような立ち位置になりたいか、周囲からどのような人だと思われたいか、あらためて棚卸する。

    人間における多様性は性別や人種などの表面的属性の多様性以上に個人の違いが大きい。

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    2023年03月07日
  • キャリアをつくる独学力―プロフェッショナル人材として生き抜くための50のヒント

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    【読書目的】
    独学力をつけたいと思ったのです。独学していかないとサラリーマンは何も学べないのです。仕事で学ぶはもう古い、そんなんでは社会様には着いていけない。だから学びたい。ただ最近のモチベの下がりもあるのでここらで少しスイッチを入れ直したい。そう思ったのです。


    独学力とは何か?
    なぜ必要とされているのか?
    身につけると何が良いか?
    どのように身につければ良いか?
    などが学べる予定です。

    【記憶に残ったこと】
    ・堀口コーヒーのオーナーの人の話は記憶に残った。コーヒーを広めようと企業を大きくしたが50人以上になったところで、他の経営センスのある人に経営を譲り、自身はコーヒーの科学的な研究をしに大学に入学。凄すぎる。自分が好きなことを研究していくが素晴らしい。

    ・学びに上下関係はない。日本の昔からの上下関係より専門性かどうかで判断すべきだし、そういう関係性でいるべき。そうでないと下のものは考えなくなってしまう。
    例として日本軍の将校と武官の関係を上げていた。

    ・確かに学ぶにあたり主体性は大事。その人がいかに能動的に学ぶか。新卒採用するにもそれを基準にしないと教育に手間ばかりかかって仕方なくなる。

    ・専門性はいくつもあったほうが良い。一つだけの専門は展開性が乏しい。中野剛志さんが言う通り今は総合値が求められている。人文科学、社会科学、自然科学それらをミックスさせてアイデアが出てくることがある。だから好奇心を持って能動的に動いているかを常に自問しよう。モチベ上がらなければコミュニティに参加しよう。

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    2023年01月22日
  • 自分らしいキャリアのつくり方

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    ネタバレ

    キャリアについて、年齢・性別・ライフスタイル関係なく、汎用性の高い内容を伝えている一冊。

    もちろん心持ちとして、得意を2つ作れ、とか、受動的になるな、とか、仕事以外に仕事で活かせる能力は磨かれる、とか持っていたらいいな、とあらためて認識したものもあったが、この本を読む対象者が就職控えている大学生向けなのかな?

    あまり、病気とかキャリアを綺麗に積み上げられていない自分にとっては、参考にならず…。

    ただ、この著者自身がさまざまな経歴の持ち主であることから、具体的な例のお話の引き出しは多くて、読んでいて「へ〜。」と楽しく読めた。

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    2022年08月17日
  • 新版 人材マネジメント論―儲かる仕組みの崩壊で変わる人材マネジメント

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    ネタバレ

    なぜなら、人の成長というのは偶然の要素による部分があまりにも多すぎるからだ。だから三年後、五年後にこうなっていたい、こういう能力を身につけたいと計画しても、なかなかその通りにはいかないし、逆に五年間で長足の進歩を遂げた新人を育てたのは誰かと会社の中で尋ねれば、おそらく三〇人くらいから手が挙がるのではないだろうか。ところが当の本人に尋ねてみれば、自分の力で育ったのだということだろう。
    →育てられた方は、わからないんでしょうね・・・

    教育研修はインプット管理しかできない。アウトプット管理にはなじまないのである。
    →学び

    マニュアルに慣れすぎた現場の人間が思考停止になってしまって、自律的にものを考えられなくなってしまうことにある。
    →バランスを保つことが大事

    ビジョン実現のための期待行動を担うであろう人材像を想定する際、あらかじめその人材の保有能力を、能力の定義とともに、きちんと把握しておく必要がある。
    →中途採用のポイント

    人間の能力にはどんなものがあって、それらは採用時に合否の対象として考慮すべきか、それとも採用後あるいは職務配置の際、ひとつの適性として扱えばいいものなのか。さらにそれは育成可能なものなのか、それとも不可能なものなのか。あるいはいつごろどのようにすれば育成可能なのか。
    →中途採用のポイント

    《個人の仕事の成果=期待成果イメージ×能力×コミットメント》
    →成果の分解

    スキルと思考・行動特性の違いは、簡単にいうとスキルが学力テストの点数だとしたら、思考・行動特性のほうは、その点数をとるのに必要な学習能力
    →行動の分解

    長期雇用契約は経営にとってもメリットが大きい。人件費を減らすことができるというのもそのひとつ。アメリカ西海岸で行われた調査では、中堅エンジニアがひとり退職した場合、代わりの人間を採用するのにエージェントに支払う金額や、新しい人が決まるまでの派遣社員の給料、さらに新しい人の教育研修費などを合算したリプレースメント・コストというのは、そのポストで働く人の平均一八か月分の給与と同額というデータ
    →採用コスト

    そこで社内公募やFA制度、自己申告といった社内流動性の活用が必要
    →自社でも必要?

    自ら学んで自己変革しようとしない上司が、部下が自己啓発に励むのを決して喜ばないのも問題だ。そういう上司から、俺の知らない専門用語を使うなと怒られたり、社外スクールで勉強する暇があるならもっと残業しろと嫌味をいわれたりすれば、せっかくの学ぼうとする意欲が失せてしまうのもいたしかたない。
    →週報に・・・・

    昇給とか出世といった「外的キャリア評価」だけがキャリアを測る唯一の評価軸では、組織は機能しなくなってしまう。そこで一人ひとりが、自分らしい幸せなキャリアとはなんなのかを考える「内的キャリア評価」に、キャリアの基本的概念を変えていく必要が出てきた。
    →論点

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    2019年09月04日
  • ホワイト企業 サービス業化する日本の人材育成戦略

    Posted by ブクログ

    今までの高橋先生の切れ味は弱まった感じ。沖縄の話、スターバックスの育成、星野リゾート、JRと飛行機の話。

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    2019年08月12日
  • 新版 人材マネジメント論―儲かる仕組みの崩壊で変わる人材マネジメント

    Posted by ブクログ

    かなり前のものですがあまり古めかしいところはない印象。ワークライフ・インテグレーションについては後書でしか触れていないので、本文中で一章を割いて論じても良かったのでは...。

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    2018年12月26日