アーナルデュル・インドリダソンのレビュー一覧

  • 緑衣の女

    Posted by ブクログ

    住宅建設現場で死後100年弱の人骨が発掘されたが、その人骨の身元を調査するうちに、大昔の家庭内暴力事件が浮かび上がってきた…というアイスランドの警察小説。
    前作に引き続き、主人公はレイキャヴィク警察のエーレンデュル捜査官だが、エーレンデュルの娘は妊娠しているのにドラッグ中毒で昏睡しているし、離婚した元妻がブチ切れて怒鳴りちらしてくるし、サイドストーリーとしてはなかなかの受難続きなのに、メインストーリーである人骨にまつわる家庭内暴力事件もかなり悲惨。
    読みやすいが、このシリーズが今後もこの陰鬱路線を続けていくなら、追いかけるのを躊躇してしまいそう。

    0
    2025年10月24日
  • 湿地

    Posted by ブクログ

    書評七福神から。たまたま手元にあったので。犯人捜しの手がかりがどえらい変化球。でも”湿地”ってそんなに重要なモチーフたり得ているのかしら、とか思ったりして。

    0
    2025年09月03日
  • 黒い空

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アンドレスの復讐劇、スウィンガーパーティー絡みの殺人、銀行を巡る犯罪という3つの事件が複雑に絡み合い、時系列も入り組んでいて理解するのが大変。しかも登場人物の名前が覚えにくく、私にとってはかなり手強い一冊だった。著者はアイスランド出身でダガー賞受賞歴もあるとのこと。もし名前がもっと覚えやすければ、さらに楽しめた気がする。簡単には犯罪の全貌がつかめない構成はさすが!

    0
    2025年08月31日
  • 黒い空

    Posted by ブクログ

    シリーズ8作目だが、今回もエーレンデュルは不在。前回と同じ感じで、今回はシグルデュル=オーリ主役のスピンオフ的作品。いつもの作品に比べてやや暗い印象は薄く、シグルデュル=オーリの人生および人格形成から、さらには少しずつ変化が起こっている様子が描かれている。
    これはこれで面白くないわけではなかったが、やっぱり主役不在はさみしい。次作はエーレンデュル戻ってくるのか?期待。

    0
    2025年07月25日
  • 湿地

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アパートで見つかった老齢の男の死体。突発的な犯行の様子は、殺人事件の少ない典型的なアイルランドの殺人。だがそこには「おれはあいつ」という、犯人が残したと思われるメッセージがあった。
    調べを進めると、殺されたホルベルクは過去に女性をレイプしていたことがわかった。さらに、ホルベルクにレイプされた女性コルブルンはその事件の結果妊娠し、娘を産んでいたことも発覚する。だが、その娘は4歳で脳腫瘍のため死んでしまった。
    エーレンデュルたち警察は、死んだ娘の病気はホルベルクからの遺伝性の疾患なのではないかということと、ホルベルクにレイプされ、子どもを産んだ女性が他にもいたのではないかと睨む。
    時を同じくして、ホルベルクが住んでいた湿地のアパートの床下から、かつてホルベルクとともに悪さをしていて、後に行方不明になっていた男の死体が見つかる。
    エーレンデュルはかつてホルベルクにレイプされた女性を見つけだし、彼女がエイナルという男の子を産んだことを知る。そしてそのエイナルは、アイスランドが全国民の健康状態を記録したデータベースにアクセスして、自分の出自とホルベルクから受け継いだ遺伝性の疾患のことを知ったのだった。
    北欧ミステリ特有の陰鬱さ。主人公の刑事・エーレンデュルも、家庭に大きな問題を抱えている。そういった要素もまた惹きつけられるポイント。

    0
    2025年06月15日
  • 印

    Posted by ブクログ

    エーレンデュル捜査官の6作目。

    死後の世界に救いと安穏、赦しを求める女性が自殺する。果たして自殺の理由はなんだったのか。
    そして、関係者が老い、誰もが心の中に留まり続ける感情の残滓を消化し、納得し、理由づけ作業を終えようとする30年前の失踪事件をエーレンデュルが追いかける。

    ハードボイルドとは少し違う、でも淡々と渋くエーレンデュルが事件を捜査するシリーズ。

    今回は、エーレンデュル1人で静かに捜査を続けるので盛り上がりに少し欠けたか?
    しかし、今作はエーレンデュルを含め周囲の人物の激しい感情の起伏が少ない。
    そのため今までのシリーズよりも優しい穏やかな空気感とアイスランドの厳しい寒さ、そして閉ざされた暗さが絶妙にマッチしている上質な一作となっていた。

    0
    2024年12月30日
  • 湿地

    Posted by ブクログ

    エーレンデュルシリーズ。湿地にあるアパートにて老人が殺された。典型的なアイスランドの殺人だが残されたメッセージが様相を変える。被害者の過去がわかるにつれて陰鬱な真相が明らかになる。
    オーソドックスな警察小説。丁寧に話が進むが最後の最後まで薄暗く陰惨な雰囲気が続く。ブルーになりたいときにはこれを読めばいい

    0
    2024年08月06日
  • 緑衣の女

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    たしかに人気作家なだけあり、巧みな構成と筆力を感じる。
    死体がまず見つかって、現在と過去の話が交互に織り混ざって進むが、死体は誰なのか、わかりそうでわからない。誰かわかった後も、誰が殺したのか、どうしてそうなったのか、種明かしは焦らされて、先が気になってしまう。

    0
    2024年04月01日
  • 印

    Posted by ブクログ

    <エーレンデュル捜査官>シリーズ邦訳第六作目。降霊術士の元に通う女性が自殺死体で発見されるというオカルトチックな筋書きだが、従来通りエーレンデュルが丹念な聞き込みを繰り返すことで、事の真相が明るみに出ていく。今作では彼の家族問題に改善の兆しが見え、娘のエヴァが彼の弟に言及する場面が印象的だ。毎度、謎が解けても全くスッキリしないシリーズだが、自身に課された贖罪かの如く【居なくなってしまった】人々の行方を追い続ける彼が行方不明者の家族にかける言葉に救われた。しかし、この調子だと本来の業務に絶対支障出ますよね?

    0
    2024年01月13日
  • 声

    Posted by ブクログ

    時に罵り合い、時に掴み掛かり、、、それぞれの家族の複雑な関係が、暗く、悲しく明かされていく。
    子牛のなめし革に簡潔に書かれたという、アイスランドの伝承文学〝サーガ”を意識しているという作者らしく、一切の無駄がなく、究極まで削り落とされた文章である。
    伏線回収は?と思うような意味のない登場人物、エピソードの類いがなく、そこがまた読みやすく、シリーズ作品の次が読みたくなる理由である。

    0
    2023年10月28日
  • 湖の男

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    エーレンデュル捜査官シリーズの第四弾。

    水位の下がった湖から遺体が発見される。
    ロシア製の機械にくくりつけられていた遺体は、
    婚約者の前から姿を消した農業機械のセールスマンなのか。
    冷戦時代に東ドイツに留学した男のモノローグが重ねられていく。

    国土は日本の三分の一ぐらい、人口は約35万人
    日本のはるか北に位置するアイスランドがどういう国なのか
    今一つ掴めていないが、
    スパイ活動がありましたか、と聞いて回るとはどういうことなのだろうか。
    みんながみんなを知っている国、と解説にあったが、
    知り合いばかりの小さな国では、
    裏切り者はいないということなのか。

    ライプツィヒへの留学生たちに起こった出来事、
    さらにそのあとにアイスランドで起こった事件は、
    あまりにも予想通りで、逆にびっくりしたぐらい。

    エーレンデュルの娘は、彼の同僚にけがを負わせ麻薬中毒治療施設に入っており、
    今度は息子が登場した。
    前作で知り合った検査技師の女性は、夫と離婚することにしたらしく、
    エーレンデュルとの関係は進展した。
    女性の同僚は料理本を出版し、男性の同僚はパートナーが流産したらしい。
    元上司は病気ながらまだ生きているし、
    男性の同僚にまとわりついている、妻子を車の事故で亡くした男も謎。

    0
    2022年12月17日
  • 声

    Posted by ブクログ

    言いたいことは分かった
    主人公のトラウマや、娘の葛藤、被害者の試練と哀愁など、書き方はうまい
    まわりの同僚たちも個性がはっきり出ていてまとまりがよい
    でもどうも、感情移入しきれないまま終わってしまった
    相性かな、作者や訳者との

    0
    2022年08月04日
  • 厳寒の町

    Posted by ブクログ

    エーデンデュルシリーズ

    毎回、下劣でイライラさせる人物が出てくるけど、先が気になる展開で読み始めたら止まらない。
    日本では3作目「湿地」からの刊行されているけど、ぜひ1作目から読んでみたい…

    0
    2022年07月04日
  • 声

    Posted by ブクログ

    訳者あとがきにあったようにミステリでなく社会小説だと思う。今回も家族間の難しい関係が描かれており色々考えさせられました。

    0
    2022年06月19日
  • 厳寒の町

    Posted by ブクログ

    私が一番好きな北欧ミステリーがこの<エーレンデュル捜査官>シリーズ。邦訳五作目となる今作は、外国人の少年が刺殺体で発見された場面から物語が始まる。今回はアイスランドの移民問題という現在進行形のテーマに焦点を当てているが、肝心な事件の真相は些か精細を欠く。然しながら、それこそが今作唯一の救いだと述べるあとがきにはハッとさせられた。多文化共生は日本とて例外ではないが、私自身も外国人の同僚と相互理解を図る難しさを日々痛感している次第です。独特の情感が味わい深いこのシリーズ、次作の発売は果たしていつ頃なのだろう。

    0
    2022年01月23日
  • 声

    Posted by ブクログ

     アイスランドの首都レイキャビク警察のエーレンデュル捜査官シリーズ第3段(邦訳)です。

     本シリーズは、現地アイスランドでは既に1997年から2016年で既に15作品が刊行されて居り、邦訳の最初の刊は''湿地''(2012年)で現在迄に5作品が刊行されてます。邦訳作品は、ガラスの鍵賞やゴールド・タガー賞等を受した作品ですが、どの刊もとても面白いので是非に邦訳未刊行の作品の出版を心待ちにしてます。

     今回の事件は、レイキャビクのホテルでドアマンの男がホテル地下の住込み部屋で刺殺された。折下クリスマスで男はイベント用のサンタクロースの衣装だった。

     エーレンデュルは、一人ホテルの部屋で寂しいクリスマスを過ごそうとしていたが、暖房機が壊れ寒い。羽毛布団を被りパンツ一丁で廊下を歩く刑事…トナカイも驚きの行動だ!

     殺された男グロドイグルは、少年時代に合唱団だソプラノを歌唱していた当時有名なボーイソプラノ歌手だったが変声期を迎えその輝かしい未来は消滅し殺される迄はホテル住込みのドアマンだった。

     一方で同僚のエリンボルクは、息子を虐待し重症を追わせた父親の捜査に掛かっていた。

     今回の作品は、家族や兄弟が背骨にあって信頼や愛情、憎しみ等で悩みながらも生きてゆく人の強さや心の揺らぎを感じさせます。
     主人公エーレンデュルも少年の頃に弟と登山で生き別れになり深い後悔や癒えない心の痛みを持っている。

     殺されたグロドイグルと姉の関係やホテルのメイドウスプと麻薬中毒の弟。更にエーレンデュルは、娘エヴァとの関係性にも悩んでいる。殺人事件を解くミステリーでありながら人間の家族との関係性を考えさせられる物語でもあります。派手なアクションや息吐く暇も無い様な連続殺人も起きません、アイスランドの気候の様な陰気で薄暗い雰囲気がやみつきになりました。

    0
    2021年09月05日
  • 声

    Posted by ブクログ

    犯罪捜査官エーレンデュルシリーズ三作目。ホテルの地下で殺されたドアマンの捜査を進めていくと、驚愕の過去が明かされていく。主人公や、ホテルを取り巻く濃密な人間関係に拗さもあり、星3つ。

    0
    2021年06月20日
  • 緑衣の女

    Posted by ブクログ

    犯罪捜査官エーレンデュルシリーズ。込み入ったトリックや推理を楽しむものでは無いが、数十年前の白骨死体の謎が、丁寧に解き明かされていく。アイスランドの空気感も楽しめる北欧ミステリー。

    0
    2021年05月05日
  • 湖の男

    Posted by ブクログ

     湖が干あがったために発見された一体の白骨。殺害されたことを示す頭蓋骨の穴と、体に結び付けられたソ連製の盗聴器。この死体は誰なのか、なぜ殺されたのか、姿を消した失踪者から辿ろうとエーレンデュルたちの捜査が始まる。
     現在進行の捜査活動の叙述の間あいだに、アイスランドから社会主義の理想を信じて東ドイツ、ライプツィヒの大学に留学した学生の生活が挟み込まれる。時はハンガリー動乱直前。そのときの何がが、この白骨死体に関係しているのか。

     本作は時代背景が重要なポイントとなっているが、冷戦時代のアイスランドの国際政治的な位置について、初めて知ることが多かった。

     主筋のストーリー自体はもちろん、主人公エーレンデュルとその子供たちとの関係、好感情を抱いた女性との交際の深まりなど、シリーズならではの読みどころも多い。

     

     
     

    0
    2021年01月17日
  • 緑衣の女

    Posted by ブクログ

     ミステリを通して社会を描く。最近のミステリの傾向だが、北欧ミステリはマルティン・ベックシリーズを筆頭にそうした傾向が強く、捜査官エーレンデュルを主人公とする本シリーズも同様の指向性を持っている。

     冒頭、人骨が発見される。一点、夫から妻に対する暴力の描写。
     骨の主は誰なのか、どうして埋められたのか、事件性はあるのか、捜査活動が進んでいく。一方で凄まじい家庭内暴力。人が人に暴力を振るい屈従に追い込んでいく様子がこれでもかと描かれる。
     そしてまた、捜査の責任者、主人公エーレンデュルの痛々しい過去が少しずつ明らかにされていく。破綻した家庭生活と捨ててしまった子供たち。ドラッグに身を持ち崩した娘が昏睡状態に陥り、その安否を気遣いつつ捜査をしていかなければならない苦悩。
     現在の捜査によって、過去の家族を巡る物語が掘り起こされ、あまりにも哀しい真実が最後に明らかになる。

     読み応えあり。

     

    0
    2021年01月05日