アーナルデュル・インドリダソンのレビュー一覧

  • 印

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     安定の暗さと面白さ。死後の世界に魅了された女性の自殺とその裏側…。エーレンデュルはエヴァリンドと少し関係が良くなってきた感じ。最後、遂に弟への気持ちを整理するのかな?
     次回も待ち遠しいです。

     アイスランドの寒さや美しい風景が目に浮かぶ、この時期にぴったりの作品だと思います。

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    2023年12月28日
  • 印

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    アーナルデュル・インドリダソン『印』創元推理文庫。

    レイキャヴィク警察シリーズ第6弾。

    サマーハウスで起きた首吊り自殺の謎だけではなく、主人公であるエーレンデュルの家族や過去と共に30年前に起きた失踪事件を描くことで、ストーリーに重厚感が増しているようだ。焦ってはいけない。これは、ゆっくりとじっくりと味わうべきミステリーなのだ。


    歴史学者のマリアがサマーハウスで首を吊って死んでいるのをマリアの友人のカレンが発見する。マリアの夫によると、数年前に母親を癌で失ってから彼女は精神的に不安定になり、死後の世界に興味を持ち、降霊術師の元に出入りしていたらしい。

    マリアの死は自殺とされ、荼毘に付される。マリアの自殺に疑問を抱いたカレンは犯罪捜査官のエーレンデュルに相談する。エーレンデュルは捜査するうちにマリアの死に疑念を抱く。

    やがて明らかになる悲痛な過去。

    本体価格1,260円
    ★★★★

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    2023年12月19日
  • 湿地

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    初めはなかなか進まなかったけれど…
    気がつけば引き込まれていった。
    雨のシーンなど情景が目に浮かぶ。
    ただ悲しい。

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    2023年11月23日
  • 湿地

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    昔のアイスランドの伝承文学〝サーガ″(子牛のなめし革に簡潔に書かれたもの)を目指しているそうで、とにかく無駄のない文章で書かれており、一気読みで読み進められます。
    作者曰く、「犯罪小説は〝人間の条件″を描く文学、即ち、ある人物が自分や周りの人々の人生を良くしようとしていた事、ないしはしなかったことを描く文学であり、常に自作ではそれを心がけている」とのことで、降り注ぐ雨の中、暗く重苦しい感情を持つ登場人物の生き様が綴られていく。
    必ず、次作を手に取りたくなるシリーズである。

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    2023年10月04日
  • 緑衣の女

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    ネタバレ

     家族を持つ前に二の足を踏む男。家族を持ちたかったが、それが叶わず身を投げる女。家族になったが、それを自分で壊してしまった主人公。作者が〝子供を大切にし、愛すること。それだけが親の責務である。“と訳者に力を込めて語ったという、その親の責務が果たせず、家族を粉々に打ち砕き破壊し尽くす父親。人骨発見を機として、それぞれの家族が交差しながら、重いテーマであるドメティック・バイオレンスが、言葉を尽くして書き切られていく。女性に対しての暴力の描写がリアルで、同じ女性として、読み手を辛くさせる。
     今日もどこかに、身を守るために敵を屍にして穴に埋めざるを得ない状況にいる人が、心の中で握ったナイフに力を込めたり、緩めたりして苦しんでいるのかもしれない。
     殺しが単なる犯人探しの謎解きに終わらないのが、テーマが重い北欧ミステリーの醍醐味である!

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    2023年09月21日
  • 湿地

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    ネタバレ

    2013年版このミス海外編4位。
    暗いアイスランドの空(想像です)のような静かな警察小説。但し展開は早く読みやすい。
    妻に去られ娘は麻薬中毒というベテランの刑事が部下とともに殺人事件の真相を追っていく。
    殺された老人は、レイプで訴えられた過去があった・・・というところから展開していく話で、女性にはつらい部分もあるかもしれない。
    過去が明らかになっていくことにより、悲劇が起きたという真相は、痛ましく悲しい。

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    2023年07月18日
  • 湿地

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    悪意は後に誰かに災いを引き起こす。
    悪い人間はそんなことは1ミリも感じないからどうにもならない。持って生まれたものか…その一族の因果なのか…どこかでおとしまえをつけないとね。
    正義はどこまで光を信じぬけるかだ!

    ぜひ〜

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    2023年04月24日
  • 緑衣の女

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    ミステリーですが、驚きの結末! 的なミステリーではありません。暗く陰鬱な雰囲気が全編を覆っています。しかし先が気になって読んでしまう。上手いと思った。しかし。DVには反吐しかでないね。皆死刑でいいと思う。

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    2023年02月25日
  • 声

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    ネタバレ

    エーレンデュル捜査官シリーズの第三弾。

    ホテルの小部屋に住み込んでいたドアマンが殺された。
    ひっそりと暮らしていた男は、
    子供のころ天使のような声、
    ボーイ・ソプラノの持ち主だったことがわかる。
    2枚だけ作成されたレコードが残っていたが、
    そのレコードが動機なのか?

    どうも物足りなさを感じているのは、
    なんだかもっと強烈な北欧ミステリーを読んだことがあるせいかもしれない、
    という気がしてきた。
    凄惨な殺人現場とか、苛烈な暴力性や、
    刑事を含む関係者の破滅的な生活や人生とか。
    それらを読みたい訳ではないのだが。

    でも、誰にも打ち解けず孤独に暮らしていたかに見えた被害者に、
    急に友人らしき人物が登場したり、
    というよりかは彼の人物像がどうもよくわからないところや、
    ホテルの抱える闇がはっきり描かれなかったり、
    同僚が抱えていた児童虐待事件も真相が尻切れトンボになったり、
    他にも食い足りなさを感じるところはあるのかも。
    そして、情報を提供してくれる元上司との関係もいまいちよくわからない。

    一応、エーレンデュルと娘はまだ親密さを取り戻しつつあるし、
    過去の弟の遭難事故のことを、
    捜査で知り合った研究所助手の女性に離すこともできたし、
    話が進んでいる感はあるけど、
    もうちょっと面白くなってほしい。

    今回面白かったのは、
    レコードを集める趣味の世界では、
    日本人がネットに情報を載せ、世界中に出向いて買い占めている、
    レコード蒐集家の間では有名な話だ、
    というくだりかな。

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    2022年12月03日
  • 緑衣の女

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    ネタバレ

    エーレンデュル捜査官シリーズの第二弾。

    子供の誕生日会が騒々しく盛り上がる最中、
    人骨が発見される。
    人骨は古いもので、発掘部隊がゆっくりと骨を取り出していく。
    遺体は近くのサマーハウスに住んでいた家族の誰かなのか、
    フィアンセを残して行方不明となった女性なのか。

    いわゆるコールドケース、
    過去の事件を掘り起していく筋立ては好きだし、
    過去と現在を行ったり来たりする構成にもついていけるのだが、
    何か入れ込めない。

    妊娠中のエーレンデュルの娘とはせっかく心が通じたと思ったのに、
    また家を出て行ってしまい、
    発見した時には胎盤剥離で胎児を失い彼女自身も意識不明となったり、
    そのせいで離婚した元妻に罵倒されたりと、
    私生活がひどいからか。

    同僚のオーリも同棲している恋人がいるか、
    結婚に踏み切ることができず、
    もう一人の同僚は、病室にいた老人に質問を繰り返し、
    酸素マスクでかろうじて生きていたその老人を死なせてしまうと、
    誰にも感情移入ができないせいか。

    前作で意味ありげに登場していた昔の上役は出てこないし、
    エーレンデュルが幼いころ、
    吹雪の日に弟とはぐれ失ってしまったことが語られ、
    霊能者と出会うが唐突。
    もちろん、事件とは関係ない。

    アイスランドでは爆発的な人気らしいけど、
    どうも自分にはその魅力が判らない。

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    2022年11月21日
  • 声

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    最初から引き込まれたし、最後少し泣いてしまった。
    真犯人が見つかるまでに、関わる人たちの背景が少しづつ明らかになっていくのだけど、恥ずかしい性癖が知られてしまっただけの人もいて気の毒(笑)だった。

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    2022年08月24日
  • 緑衣の女

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    前作に引き続き陰鬱なアイスランドの曇り空の下で展開される物語のイメージだけど、全然嫌いじゃないし、むしろ好き。
    DVの描写はキツかったけど、おそらくこれは最後には……?みたいな推理も読みながらできるし、エーレンデュルの過去にも触れていて、一度も飽きなかった。

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    2022年07月13日
  • 声

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    海外ミステリーって面白いかどうかは置いといても、まずは読みやすくないと、と思うのですが、この作家の作品は読みやすくていいです。シリーズ第3作目。ホテルの地下で、少年時代、スター歌手だった男性が殺害される事件が発生。謎が面白いわけでもなく、トリックがすごいわけでもないのでわミステリーとしては可もなく不可もなくというところでしたが、むしろ主人公の刑事をはじめとした周囲の人を巡る家族について問いかける作品でした。全体として落ち着いた作品のためか、なんか寂しくて暗い印象なのが残念なところです。

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    2022年07月07日
  • 厳寒の町

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    ネタバレ

    人種差別が原因なのか?そうではないのか?という殺人事件を主軸に話が進みます。

    ただ所々に、気になる小さなサイドストーリーたちを挟んできて、且つ、いづれもはっきりとは結論が分からず終わります。

    ので、どちらかと言うとサイドストーリーの方が気になります。笑

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    2022年05月07日
  • 湖の男

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    ネタバレ

    続けて読みどっぷりアイスランドに嵌まった。アーナルデュル・インドリダソンの三冊目。この本のテーマは社会主義国とそこの若者達という感じ。旧ソ連の影が色濃く差す東ドイツに留学した学生たちの重い青春記とも。
    東ドイツのライプツィヒ、ベルリンの壁崩壊以前の大学生たちの若さが痛々しく、先頃発見された殺害されたが遺骨の捜査と交互してストーリーは展開してゆく。

    お馴染みになった刑事たち、二作目からここまでまた月日が経ったようでそれぞれの身辺少しずつ変化している。
    情けないオヤジのエーレンデュルは相変わらず娘、息子と関係は築けてない…。

    翻訳者の解説によると、北欧ではこのシリーズ15作目まで出版されてるとのこと!
    先月発刊された文庫、早速本屋さんへ予約しに走った!

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    2022年02月13日
  • 緑衣の女

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    ネタバレ

    家族の件など、個人的な苦悩を抱えながらも、捜査官として事件の真相を黙々と追い求めるエーレンデュルの静かな力強さが良い。捜査の進展と並行してある家族の物語が語られますが、描写こそ淡々としているのに、その悲惨さがひしひしと伝わってきて、読んでいてしんどいのだけど目が離せなかった。

    ただ捜査していた2つの可能性のうち、片方の√が終盤で割とあっさり無関係とわかってフェードアウトしたのは少し拍子抜け。あと『湿地』のときも思ったけど、締めのラストシーンだけがなんだか妙にメロドラマっぽい。あのラストも、今作を読めば決して安易な結末でない(むしろ人間そんなに簡単には生まれ変われないよ、という事を残酷な形で突きつけている)のはわかるのですが、なんとなく最後の締め方がそれまで語られてきたことに比べてサラッとしてるというかまたかー的な感じ。でも、もしかしたらそれが狙いなのかも?という気がしなくもないです。

    トータルではとても面白かったです。
    このシリーズはひととおり読みたいと思います。




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    2022年01月07日
  • 声

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    アイスランドのミステリー。アクションシーンやクサいセリフも何も出てこなくてむしろ暗くて内向的なんだけど、被害者や周辺の人々の過去を掘り下げていくことで事件を究明していく過程がドラマティックで面白かった。二作前の『湿地』は映画にもなっていて、同じ刑事が主人公。

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    2021年09月01日
  • 緑衣の女

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     本作は、2003年ガラスの鍵賞と2005年ゴールド・タガー賞受賞の2冠の作品で、''湿地''に次ぐエーレンデュル捜査官シリーズ第2段です。

     ・ガラスの鍵賞とは、国際推理作家協会北欧支部の五カ国アイスランド・スウェーデン・デンマーク・フィンランド・ノルウェーでスカンジナヴィア推理作家協会が最も優れた推理小説に贈る文学賞です。

     ・ゴールド・タガー賞とは、英国推理作家協会(CWA)が選ぶ最優秀長編賞です。ちなみに次点作品にはシルバー・タガー賞が贈られる。

     レイキャヴィクから東にある新興住宅地の建築現場の地層から人骨が発見された。

     肋骨をしゃぶっていた一歳の赤ちゃんが最初の関係者だ。凄いぞ、骨つきチキンと間違えたのか原始人のDNAが覚醒したのか…のっけから驚きでこの後の展開が楽しみだ。

     白骨の洋服の朽ち果て具合から70年近く前の遺体だとの想定でエーレンデュル、エリンボルク、シグルデュル=オーリの3人は当時の付近の住人関係者を探し始める。

     白骨の発掘が遅々として進まない中で当時そこに住んでいた家族が浮かび上がった。常習的にDVをする夫に怯える妻、障害を持つ長女と2人の男の子の5人家族。また、その家族に家を貸している資産家の婚約者も当時行方不明でこちらも被疑者として捜査対象となった。

     白骨は、不幸な家族の1人なのか? 資産家のフィアンセなのか? 単なる行方不明者の遺体か?

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    2021年08月12日
  • 湖の男

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    犯罪捜査官エーレンデュルシリーズ、第四段。干上がった湖から発見された骸骨の正体を、丹念に紐解いていく。東欧社会主義体制時代の闇に翻弄された人々を描く。一気に読める大作。

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    2021年05月30日
  • 声

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    ミステリ。警察小説。シリーズ3作目。1、2作目は未読。
    作品全体の暗く冷たい雰囲気と、アイスランド・レイキャヴィクの雰囲気が良く合う。
    濃密な人間ドラマが特徴的。
    登場人物の心理描写が丁寧。
    偶然見かけた全く知らない作品だったが、かなりの好印象。
    シリーズ追いかける予定。

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    2021年01月19日