アーナルデュル・インドリダソンのレビュー一覧

  • 緑衣の女

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    ネタバレ

    事件の発端は幼児が遊んでいた人骨。それは60~70年前のもので捜査が始まる。捜査官エーレンデュル。娘は薬中毒で妊婦。暴力夫から逃げ事故にあい入院。事件調査の中で登場する暴力夫に耐える妻と家族の物語。そして現場付近に現れる緑のコートの女…。DVは精神的に人を殺す。単純に「逃げればいいのに」と思っていた自分を猛省するリアルさだった。いつ殴られるか気が気でなくドキドキしながら読み進めた先で泣かされてしまった。人間ドラマが精緻に描かれていて作品としての一体感がすごかった。湿地もその他の作品も読んでみようと思う。

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    2025年04月19日
  • 湿地

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    北欧ミステリを初めて読んだ。

    最初は文章に馴染めるか不安だったが、慣れたらスラスラ読めた。
    犯人が誰なのかドキドキ考える!というよりは、登場人物一人一人のヒューマンドラマ的な感じはあるのかな?


    最後の方は、この人が犯人だろうなと分かってしまって、ミステリ要素が消えてしまっのが少し残念ではあるが、性犯罪やアイスランドの実情、独特の気候を楽しめた。

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    2025年03月05日
  • 緑衣の女

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    床に座った子どもがしゃぶっているものを見て、若者はすぐにそれが人間の骨だとわかったー

    冒頭から一気読み確定パターン…(笑)

    住宅建設地から見つかった人骨の一部
    既に60年以上も経過した古いものだった

    骨の主は誰なのか?なぜそこに埋められているのか?真相を追う捜査官たちの物語…
    このシリーズの主人公でもある犯罪捜査官エーレンデュルの過去と家族の物語…
    第二次世界大戦の頃のある家族の哀しい物語…
    これらが絶妙なバランスで絡み合みながら、物語は進む!
    ミステリーとはいえ、特にトリックがある訳ではない
    それぞれの登場人物に深く深く心を寄せながらどっぷりと物語に浸っていくのだ…
    もちろん、最後には

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    2025年02月26日
  • 厳寒の町

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    「そこは地球の北の最果ての、光り輝く厳寒の町だ」

    アイスランド
    太平洋を中心にした日本の世界地図では最も北東にある、文字通り最果ての国
    ひとりのアジア系少年が殺される

    エーレンデュルら刑事達は、家族や学校などを捜査する

    結末は悲しい、とても悲しい
    少年が死ななければならなかった理由が、やるせないほど悲しい物語だった

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    2025年02月22日
  • 湿地

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    ネタバレ

    ※ネタバレ注意

    不可能だったことが可能になることがメリットばかりではないよね、という話。
    アイスランドの歴史や人種特性、キリスト教圏の宗教観が絡み合って、物語が成立している、お国柄を感じる作品。物語の最後に漂う孤絶感が印象的。
    ゲノム解析とミステリーというキーワードで思いだすのが、ソウヤーの「フレームシフト」で、あちらの日本での刊行年が2000年で本作が2015年。15年でぐっと自分の周りに近づいたな、と感じた。

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    2025年01月15日
  • 湖の男

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    一見救いようのない世界
    それでも「生きる」ということ……

    珍しく冷戦時の社会を背景としており、他の北欧ミステリーのよう。
    「フォード ファルコン」1960年代北米フォードの自由の象徴。この車とソ連製の盗聴機の組み合わせが、冷戦時代のアイスランドの混迷を匂わす。

    湖の水位が下がったことで見つかった白骨死体のなぞ。
    冷戦時の東ドイツへ留学した若き社会主義者達日常。
    二つの物語が交錯しながら進む。

    湖の底に隠れた過去の出来事は、決して消え去ったわけではなかった。
    ダム湖が干上がって底に過去の生活の痕跡があらわになること、また、見つからないと思って投げ込んだ過去の負の出来事がヘドロのなかから顔を

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    2024年12月04日
  • 悪い男

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    読書備忘録872号。
    ★★★★☆。

    これも大好物なシリーズです。
    本作は7作目。

    カテゴリは北欧警察(ミステリー)小説という感じでしょうか。

    舞台はアイスランド。高緯度にある人口40万弱の小さな島国。
    冬は極夜で一日中暗いイメージ。そんな暗くて寒い街で起きる犯罪をレイキャビク警察の主人公たちが陰気に解決していく!寒い寒い・・・。

    本来このシリーズは犯罪捜査官のエーレンデュルが主人公なんですが、今作は同僚のエリンボルク(40代の女性、4人の子供と旦那あり)を主人公に据えたミステリー。

    エーレンデュルはどこ行った?
    なんか2週間の休暇を取得し、東部に出かけていき行方不明・・・。謎でしょ?

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    2024年11月12日
  • 緑衣の女

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    重く積み重なってゆくようでもあり、深くくい込んでゆくようでもあり。
    激しい暴力に、精気を失い、どんどん小さく縮こまってゆくような彼女。
    そばには3人の子供たち。
    一方、娘の状況が、そして過去が影を落とす捜査官エーレンデュル。
    人はみななにか重いものを背負っている、とは彼の言葉である。

    静けさの中にあるような激しさ。
    ミステリ―ではなかったとしても、引き込まれていったのではないだろうか。
    「湿地」もう一度、読み直してみたくなった。

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    2024年10月09日
  • 声

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    毎回子供の虐待が取り上げられている気がする。ミステリーだけど、それにとどまらない人間ドラマに引き込まれる。
    真夏にクリスマスの本を読んでみたが、涼しくはならなかった。

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    2024年09月07日
  • 緑衣の女

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    アイスランドの作家アーナルデュル・インドリダソンの長篇ミステリ作品『緑衣の女(原題:Grafartogn)』を読みました。
    アーナルデュル・インドリダソンの作品は5年前に読んだ『声』以来なので久し振りですね。

    -----story-------------
    2003年ガラスの鍵賞、2005年CWAゴールドダガー賞受賞

    男の子が拾った人間の骨は、最近埋められたものではなかった。
    発見現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近には英米の軍のバラックもあったらしい。
    付近の住人の証言に現れる緑のコートの女。
    封印されていた哀しい事件が長いときを経て捜査官エーレンデュルの手で明らかになる。
    CWA

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    2024年08月31日
  • 悪い男

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    エーレンデュル捜査官シリーズ7作目。
    エーレンデュルは行方不明中。なので同僚のエリンボルクが主役。女性と犯罪の関係に焦点が当たってて、どこの国も女性は弱者と暗い気分になってしまった。
    エリンボルクが作るアジア料理を食べてみたい。

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    2024年08月22日
  • 悪い男

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    もともとこのシリーズの良さは、
    謎解きの楽しみというよりも、
    事件の暗さに絡められた
    エーレンデュルの内面の深堀りにあると私は思う。

    その片鱗は見られた。
    エリンボルクの家庭の様子が描かれ、
    親子の問題をどう語っていくのかに私は興味津々だった。

    ラスト数十ページまで来たときに、
    この本は恐らく前編で、
    もう1冊を後編として出して、
    謎解きも、エリンボルクの子どもとの葛藤も、
    深く描かれるのだろうと思っていた。

    それが、事件はあっけなく解決し、
    子どもとの話も描かれずじまいだった。
    とても良い取っ掛かりを持った作品だっただけに、
    もったいないなあと思う。

    風呂敷を広げるだけ広げて、
    終了

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    2024年08月15日
  • 湿地

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    2024.07.21
    アイスランドの人口を知ってびっくり。
    そのことはおいておいて、オーソドックスかつ丁寧に描かれた犯罪小説、警察小説。

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    2024年07月21日
  • 悪い男

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    期待を裏切らないシリーズ、
    今回はいつものエーレンデュルではなく
    彼の部下の
    エリンボルクが主役。

    面白かったー。

    当たり前のことだけど
    彼女にも家庭があり、
    悩みがあり。

    そして悪い男を征伐したのは誰か?

    そして終盤で誤植を見つけましたよ、
    編集者さん。
    再開→再会
    ですよね。

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    2024年06月16日
  • 悪い男

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    エーレンデュル捜査官シリーズ第7弾。

    6弾は、エーレンデュルがほぼ1人で捜査をしていたが、今作は女性であるエリンボルクが主人公として事件解決に乗り出す。

    エーレンデュルの場合も家庭内のことも事件を追いながら絡めてきていたが、エリンボルクも同様に始めて知る彼女の家族ことが明らかにされる。
    バツイチであることや夫が自動車修理工であり、夫の亡くなった姉の子どもを養子にしたことやそのあと3人の子どもを生み、今は高校生の長男の反抗期に悩まされていること。
    料理が得意で、でき得る限り手料理をも食べさせたいと思っているなど。

    今回、アパートの一室で喉を切り裂かれた男の死体が発見され、レイプドラッグが見

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    2024年05月31日
  • 悪い男

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    ネタバレ

    このシリーズは外れがない気がする
    一気読みだった
    小さな国なので、隣近所知り合いばかりっぽいけど、レイプはあるんだ。おまけに捕まっても1年ちょっとの刑で終わるんだ
    確かに殺したくなるね

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    2024年05月18日
  • 悪い男

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    殺害された被害者はレイプドラッグを所持しており… 家族の絆を細やかに描いた社会派ミステリ #悪い男

    ■あらすじ
    アイスランドの首都レイキャヴィークで発生した殺人事件、アパートの一室で男の死体が発見されたのだ。部屋からは女性のスカーフが見つかり、さらに彼はレイプドラッグを所持していたことが判明する。主人公である捜査官であるエリンブルクは、彼に乱暴された女性を探すために捜査を始めるのだった…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    シンプルかつストレートな北欧ミステリーですね、胃にずっしりと来ました。タイトル『悪い男』とは間違いなくこの被害者であるのは想像がつく、一体この事件にはどんな背景があるのだろう

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    2024年04月04日
  • 印

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    地名人名が長くて覚えられないほかは
    相変わらず渋くて、
    きちっと解決しないような、
    間に合わないような、
    救いがあるような無いような結末に痺れます。

    相手が英語を使うと電話をガチャンと切る
    エーレンデュル、笑える。

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    2024年01月28日
  • 印

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     安定の暗さと面白さ。死後の世界に魅了された女性の自殺とその裏側…。エーレンデュルはエヴァリンドと少し関係が良くなってきた感じ。最後、遂に弟への気持ちを整理するのかな?
     次回も待ち遠しいです。

     アイスランドの寒さや美しい風景が目に浮かぶ、この時期にぴったりの作品だと思います。

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    2023年12月28日
  • 印

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    アーナルデュル・インドリダソン『印』創元推理文庫。

    レイキャヴィク警察シリーズ第6弾。

    サマーハウスで起きた首吊り自殺の謎だけではなく、主人公であるエーレンデュルの家族や過去と共に30年前に起きた失踪事件を描くことで、ストーリーに重厚感が増しているようだ。焦ってはいけない。これは、ゆっくりとじっくりと味わうべきミステリーなのだ。


    歴史学者のマリアがサマーハウスで首を吊って死んでいるのをマリアの友人のカレンが発見する。マリアの夫によると、数年前に母親を癌で失ってから彼女は精神的に不安定になり、死後の世界に興味を持ち、降霊術師の元に出入りしていたらしい。

    マリアの死は自殺とされ、荼毘に付

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    2023年12月19日