アーナルデュル・インドリダソンのレビュー一覧
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床に座った子どもがしゃぶっているものを見て、若者はすぐにそれが人間の骨だとわかったー
冒頭から一気読み確定パターン…(笑)
住宅建設地から見つかった人骨の一部
既に60年以上も経過した古いものだった
骨の主は誰なのか?なぜそこに埋められているのか?真相を追う捜査官たちの物語…
このシリーズの主人公でもある犯罪捜査官エーレンデュルの過去と家族の物語…
第二次世界大戦の頃のある家族の哀しい物語…
これらが絶妙なバランスで絡み合みながら、物語は進む!
ミステリーとはいえ、特にトリックがある訳ではない
それぞれの登場人物に深く深く心を寄せながらどっぷりと物語に浸っていくのだ…
もちろん、最後には -
Posted by ブクログ
一見救いようのない世界
それでも「生きる」ということ……
珍しく冷戦時の社会を背景としており、他の北欧ミステリーのよう。
「フォード ファルコン」1960年代北米フォードの自由の象徴。この車とソ連製の盗聴機の組み合わせが、冷戦時代のアイスランドの混迷を匂わす。
湖の水位が下がったことで見つかった白骨死体のなぞ。
冷戦時の東ドイツへ留学した若き社会主義者達日常。
二つの物語が交錯しながら進む。
湖の底に隠れた過去の出来事は、決して消え去ったわけではなかった。
ダム湖が干上がって底に過去の生活の痕跡があらわになること、また、見つからないと思って投げ込んだ過去の負の出来事がヘドロのなかから顔を -
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読書備忘録872号。
★★★★☆。
これも大好物なシリーズです。
本作は7作目。
カテゴリは北欧警察(ミステリー)小説という感じでしょうか。
舞台はアイスランド。高緯度にある人口40万弱の小さな島国。
冬は極夜で一日中暗いイメージ。そんな暗くて寒い街で起きる犯罪をレイキャビク警察の主人公たちが陰気に解決していく!寒い寒い・・・。
本来このシリーズは犯罪捜査官のエーレンデュルが主人公なんですが、今作は同僚のエリンボルク(40代の女性、4人の子供と旦那あり)を主人公に据えたミステリー。
エーレンデュルはどこ行った?
なんか2週間の休暇を取得し、東部に出かけていき行方不明・・・。謎でしょ? -
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アイスランドの作家アーナルデュル・インドリダソンの長篇ミステリ作品『緑衣の女(原題:Grafartogn)』を読みました。
アーナルデュル・インドリダソンの作品は5年前に読んだ『声』以来なので久し振りですね。
-----story-------------
2003年ガラスの鍵賞、2005年CWAゴールドダガー賞受賞
男の子が拾った人間の骨は、最近埋められたものではなかった。
発見現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近には英米の軍のバラックもあったらしい。
付近の住人の証言に現れる緑のコートの女。
封印されていた哀しい事件が長いときを経て捜査官エーレンデュルの手で明らかになる。
CWA -
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もともとこのシリーズの良さは、
謎解きの楽しみというよりも、
事件の暗さに絡められた
エーレンデュルの内面の深堀りにあると私は思う。
その片鱗は見られた。
エリンボルクの家庭の様子が描かれ、
親子の問題をどう語っていくのかに私は興味津々だった。
ラスト数十ページまで来たときに、
この本は恐らく前編で、
もう1冊を後編として出して、
謎解きも、エリンボルクの子どもとの葛藤も、
深く描かれるのだろうと思っていた。
それが、事件はあっけなく解決し、
子どもとの話も描かれずじまいだった。
とても良い取っ掛かりを持った作品だっただけに、
もったいないなあと思う。
風呂敷を広げるだけ広げて、
終了 -
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エーレンデュル捜査官シリーズ第7弾。
6弾は、エーレンデュルがほぼ1人で捜査をしていたが、今作は女性であるエリンボルクが主人公として事件解決に乗り出す。
エーレンデュルの場合も家庭内のことも事件を追いながら絡めてきていたが、エリンボルクも同様に始めて知る彼女の家族ことが明らかにされる。
バツイチであることや夫が自動車修理工であり、夫の亡くなった姉の子どもを養子にしたことやそのあと3人の子どもを生み、今は高校生の長男の反抗期に悩まされていること。
料理が得意で、でき得る限り手料理をも食べさせたいと思っているなど。
今回、アパートの一室で喉を切り裂かれた男の死体が発見され、レイプドラッグが見 -
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殺害された被害者はレイプドラッグを所持しており… 家族の絆を細やかに描いた社会派ミステリ #悪い男
■あらすじ
アイスランドの首都レイキャヴィークで発生した殺人事件、アパートの一室で男の死体が発見されたのだ。部屋からは女性のスカーフが見つかり、さらに彼はレイプドラッグを所持していたことが判明する。主人公である捜査官であるエリンブルクは、彼に乱暴された女性を探すために捜査を始めるのだった…
■きっと読みたくなるレビュー
シンプルかつストレートな北欧ミステリーですね、胃にずっしりと来ました。タイトル『悪い男』とは間違いなくこの被害者であるのは想像がつく、一体この事件にはどんな背景があるのだろう -
Posted by ブクログ
アーナルデュル・インドリダソン『印』創元推理文庫。
レイキャヴィク警察シリーズ第6弾。
サマーハウスで起きた首吊り自殺の謎だけではなく、主人公であるエーレンデュルの家族や過去と共に30年前に起きた失踪事件を描くことで、ストーリーに重厚感が増しているようだ。焦ってはいけない。これは、ゆっくりとじっくりと味わうべきミステリーなのだ。
歴史学者のマリアがサマーハウスで首を吊って死んでいるのをマリアの友人のカレンが発見する。マリアの夫によると、数年前に母親を癌で失ってから彼女は精神的に不安定になり、死後の世界に興味を持ち、降霊術師の元に出入りしていたらしい。
マリアの死は自殺とされ、荼毘に付