アーナルデュル・インドリダソンのレビュー一覧

  • 黒い空

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    前作に続き主人公エーレンデュルが不在、部下のシグルデュル=オーリが中心の話です。これまでのシグルデュル=オーリの横柄な態度や冷淡さの理由が明らかになります。彼の事はずっと、嫌なヤツ…と思っていましたが、本作を読んでちょっと可愛く思えてきました。
    夫婦交換からの恐喝そして殺人。幼少期の性的虐待からの復讐。銀行員たちの金融関係の悪事。この3つの出来事が最終的に絡みあっていきます。さほど難解ではない割に、読み応えはたっぷり。今作も面白いです!

    個人的にはシグルデュル=オーリが人の心がわかる人間に少しづつ変わっていく過程が好きでした。
    それにしてもエーレンデュルはいつ帰って来るのかな。次回作に期待で

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    2025年07月24日
  • 厳寒の町

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    冷たい雪の上に横たわる少年。外国にルーツを持つ彼らの現状とアイスランドの人々の葛藤に胸が苦しくなる。
    気候も歴史も文化も、そして言語体系が全く異なる土地で暮らすことは、身体・精神に相当の負担を強いる。特に子どもにとっては。受け入れる側にも正しい知識や価値観のすり合わせが大事。
    キャルタンのような考え方をする大人がいる限り、うっすらとした差別はなくならないのかもしれない。子どものしたことだから大目に見ようでは済まされない悲劇が、どこかで起きているかもしれないと思うと、ぞっとする。

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    2025年07月16日
  • 湿地

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    ずっと気になっていた北欧ミステリ。
    こういう作風は初めてかも。
    地道な捜査でストーリーに派手さは無い。
    感情的な表現も控えめ。
    だけど胸にせまるものがあって、淡々とした印象なのにどうにも心が揺さぶられる。
    人物の心情に焦点を当てているからかな。
    最初は意味の分からなかった犯人のメッセージも、意味を知った瞬間遣り切れなくて泣いた。

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    2025年05月10日
  • 緑衣の女

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    ネタバレ

    事件の発端は幼児が遊んでいた人骨。それは60~70年前のもので捜査が始まる。捜査官エーレンデュル。娘は薬中毒で妊婦。暴力夫から逃げ事故にあい入院。事件調査の中で登場する暴力夫に耐える妻と家族の物語。そして現場付近に現れる緑のコートの女…。DVは精神的に人を殺す。単純に「逃げればいいのに」と思っていた自分を猛省するリアルさだった。いつ殴られるか気が気でなくドキドキしながら読み進めた先で泣かされてしまった。人間ドラマが精緻に描かれていて作品としての一体感がすごかった。湿地もその他の作品も読んでみようと思う。

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    2025年04月19日
  • 湿地

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    北欧ミステリを初めて読んだ。

    最初は文章に馴染めるか不安だったが、慣れたらスラスラ読めた。
    犯人が誰なのかドキドキ考える!というよりは、登場人物一人一人のヒューマンドラマ的な感じはあるのかな?


    最後の方は、この人が犯人だろうなと分かってしまって、ミステリ要素が消えてしまっのが少し残念ではあるが、性犯罪やアイスランドの実情、独特の気候を楽しめた。

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    2025年03月05日
  • 緑衣の女

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    床に座った子どもがしゃぶっているものを見て、若者はすぐにそれが人間の骨だとわかったー

    冒頭から一気読み確定パターン…(笑)

    住宅建設地から見つかった人骨の一部
    既に60年以上も経過した古いものだった

    骨の主は誰なのか?なぜそこに埋められているのか?真相を追う捜査官たちの物語…
    このシリーズの主人公でもある犯罪捜査官エーレンデュルの過去と家族の物語…
    第二次世界大戦の頃のある家族の哀しい物語…
    これらが絶妙なバランスで絡み合みながら、物語は進む!
    ミステリーとはいえ、特にトリックがある訳ではない
    それぞれの登場人物に深く深く心を寄せながらどっぷりと物語に浸っていくのだ…
    もちろん、最後には

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    2025年02月26日
  • 厳寒の町

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    「そこは地球の北の最果ての、光り輝く厳寒の町だ」

    アイスランド
    太平洋を中心にした日本の世界地図では最も北東にある、文字通り最果ての国
    ひとりのアジア系少年が殺される

    エーレンデュルら刑事達は、家族や学校などを捜査する

    結末は悲しい、とても悲しい
    少年が死ななければならなかった理由が、やるせないほど悲しい物語だった

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    2025年02月22日
  • 湿地

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    ネタバレ

    ※ネタバレ注意

    不可能だったことが可能になることがメリットばかりではないよね、という話。
    アイスランドの歴史や人種特性、キリスト教圏の宗教観が絡み合って、物語が成立している、お国柄を感じる作品。物語の最後に漂う孤絶感が印象的。
    ゲノム解析とミステリーというキーワードで思いだすのが、ソウヤーの「フレームシフト」で、あちらの日本での刊行年が2000年で本作が2015年。15年でぐっと自分の周りに近づいたな、と感じた。

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    2025年01月15日
  • 湖の男

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    一見救いようのない世界
    それでも「生きる」ということ……

    珍しく冷戦時の社会を背景としており、他の北欧ミステリーのよう。
    「フォード ファルコン」1960年代北米フォードの自由の象徴。この車とソ連製の盗聴機の組み合わせが、冷戦時代のアイスランドの混迷を匂わす。

    湖の水位が下がったことで見つかった白骨死体のなぞ。
    冷戦時の東ドイツへ留学した若き社会主義者達日常。
    二つの物語が交錯しながら進む。

    湖の底に隠れた過去の出来事は、決して消え去ったわけではなかった。
    ダム湖が干上がって底に過去の生活の痕跡があらわになること、また、見つからないと思って投げ込んだ過去の負の出来事がヘドロのなかから顔を

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    2024年12月04日
  • 緑衣の女

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    重く積み重なってゆくようでもあり、深くくい込んでゆくようでもあり。
    激しい暴力に、精気を失い、どんどん小さく縮こまってゆくような彼女。
    そばには3人の子供たち。
    一方、娘の状況が、そして過去が影を落とす捜査官エーレンデュル。
    人はみななにか重いものを背負っている、とは彼の言葉である。

    静けさの中にあるような激しさ。
    ミステリ―ではなかったとしても、引き込まれていったのではないだろうか。
    「湿地」もう一度、読み直してみたくなった。

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    2024年10月09日
  • 声

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    毎回子供の虐待が取り上げられている気がする。ミステリーだけど、それにとどまらない人間ドラマに引き込まれる。
    真夏にクリスマスの本を読んでみたが、涼しくはならなかった。

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    2024年09月07日
  • 緑衣の女

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    アイスランドの作家アーナルデュル・インドリダソンの長篇ミステリ作品『緑衣の女(原題:Grafartogn)』を読みました。
    アーナルデュル・インドリダソンの作品は5年前に読んだ『声』以来なので久し振りですね。

    -----story-------------
    2003年ガラスの鍵賞、2005年CWAゴールドダガー賞受賞

    男の子が拾った人間の骨は、最近埋められたものではなかった。
    発見現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近には英米の軍のバラックもあったらしい。
    付近の住人の証言に現れる緑のコートの女。
    封印されていた哀しい事件が長いときを経て捜査官エーレンデュルの手で明らかになる。
    CWA

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    2024年08月31日
  • 湿地

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    2024.07.21
    アイスランドの人口を知ってびっくり。
    そのことはおいておいて、オーソドックスかつ丁寧に描かれた犯罪小説、警察小説。

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    2024年07月21日
  • 印

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     安定の暗さと面白さ。死後の世界に魅了された女性の自殺とその裏側…。エーレンデュルはエヴァリンドと少し関係が良くなってきた感じ。最後、遂に弟への気持ちを整理するのかな?
     次回も待ち遠しいです。

     アイスランドの寒さや美しい風景が目に浮かぶ、この時期にぴったりの作品だと思います。

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    2023年12月28日
  • 印

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    アーナルデュル・インドリダソン『印』創元推理文庫。

    レイキャヴィク警察シリーズ第6弾。

    サマーハウスで起きた首吊り自殺の謎だけではなく、主人公であるエーレンデュルの家族や過去と共に30年前に起きた失踪事件を描くことで、ストーリーに重厚感が増しているようだ。焦ってはいけない。これは、ゆっくりとじっくりと味わうべきミステリーなのだ。


    歴史学者のマリアがサマーハウスで首を吊って死んでいるのをマリアの友人のカレンが発見する。マリアの夫によると、数年前に母親を癌で失ってから彼女は精神的に不安定になり、死後の世界に興味を持ち、降霊術師の元に出入りしていたらしい。

    マリアの死は自殺とされ、荼毘に付

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    2023年12月19日
  • 湿地

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    初めはなかなか進まなかったけれど…
    気がつけば引き込まれていった。
    雨のシーンなど情景が目に浮かぶ。
    ただ悲しい。

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    2023年11月23日
  • 湿地

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    昔のアイスランドの伝承文学〝サーガ″(子牛のなめし革に簡潔に書かれたもの)を目指しているそうで、とにかく無駄のない文章で書かれており、一気読みで読み進められます。
    作者曰く、「犯罪小説は〝人間の条件″を描く文学、即ち、ある人物が自分や周りの人々の人生を良くしようとしていた事、ないしはしなかったことを描く文学であり、常に自作ではそれを心がけている」とのことで、降り注ぐ雨の中、暗く重苦しい感情を持つ登場人物の生き様が綴られていく。
    必ず、次作を手に取りたくなるシリーズである。

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    2023年10月04日
  • 緑衣の女

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    ネタバレ

     家族を持つ前に二の足を踏む男。家族を持ちたかったが、それが叶わず身を投げる女。家族になったが、それを自分で壊してしまった主人公。作者が〝子供を大切にし、愛すること。それだけが親の責務である。“と訳者に力を込めて語ったという、その親の責務が果たせず、家族を粉々に打ち砕き破壊し尽くす父親。人骨発見を機として、それぞれの家族が交差しながら、重いテーマであるドメティック・バイオレンスが、言葉を尽くして書き切られていく。女性に対しての暴力の描写がリアルで、同じ女性として、読み手を辛くさせる。
     今日もどこかに、身を守るために敵を屍にして穴に埋めざるを得ない状況にいる人が、心の中で握ったナイフに力を込め

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    2023年09月21日
  • 湿地

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    ネタバレ

    2013年版このミス海外編4位。
    暗いアイスランドの空(想像です)のような静かな警察小説。但し展開は早く読みやすい。
    妻に去られ娘は麻薬中毒というベテランの刑事が部下とともに殺人事件の真相を追っていく。
    殺された老人は、レイプで訴えられた過去があった・・・というところから展開していく話で、女性にはつらい部分もあるかもしれない。
    過去が明らかになっていくことにより、悲劇が起きたという真相は、痛ましく悲しい。

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    2023年07月18日
  • 湿地

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    悪意は後に誰かに災いを引き起こす。
    悪い人間はそんなことは1ミリも感じないからどうにもならない。持って生まれたものか…その一族の因果なのか…どこかでおとしまえをつけないとね。
    正義はどこまで光を信じぬけるかだ!

    ぜひ〜

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    2023年04月24日