アーナルデュル・インドリダソンのレビュー一覧
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前作に引き続きエーレンデュルがいないエーレンデュルシリーズ第8弾。今回はシグルデュル=オーリが主役。シッギと呼ばれてて全部これにしてほしいと思った。
性的虐待、殺人事件、金融犯罪の3種類がテーマ。
自分の不始末の後始末を他人に任せるとどんなことが起こるかわからない。シッギの家庭も友人も複雑。
「アイスランドの社会構造の最小単位は家族でなく個人」とあって、日本もそうあってほしいと思いながら、でも他人との関係における葛藤は避けられないものだと思った。
日本も児童ポルノにはもっと嫌悪感を持つ人が増えてほしいし、法律も弱者を虐げる人には厳しくしてほしい。 -
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ネタバレダガー賞読書会のための読書その1。
アイスランドのミステリは初めて読みました。
北欧ミステリのほかの国々と同じく、こちらも凄惨な生々しさでした。読み終わっても、心が重いままです。
発掘される人骨の事件、捜査の指揮を執るエーレンデュル捜査官の娘さんを中心とする家族の話、大戦中に起こっていると思われるとある家族が受けているドメスティックバイオレンス。
この3つの話が次々に描かれ、どう絡み合っていくのか…引き込まれました。
体に受ける暴力も、心に受ける暴力も、何もかもを壊してしまう。暴力をふるっていた人も、壊された人だったのがわかったとはいえ。。。
取り戻すために払った代償は大きいし、とある関係は取り戻せるのか?と思います。
重苦しいけれど、彼らのこれからが気になりました。 -
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エーレンデュル捜査官シリーズ第8弾。
今作品は、今までエーレンデュルの脇役捜査官だったシグルデュル=オーリが、友人から厄介な相談事を受けたことから始まる。
スウィンガー・パーティーで撮られた写真がきっかけで起きた暴力事件が殺人事件となり、関わった者を捜査するうちに銀行員が絡んだ犯罪もまた、この事件と絡んでくる。
もうひとつは、浮浪者で酒浸りのアンドレスと革製のマスクの男である。
何故アンドレスが酒に溺れることになったのか、それは彼の少年の頃の出来事が関係していた。
このシリーズの特徴といってもいいのが、捜査する者(シグルデュル=オーリ)の私生活が明らかになることである。
彼の生い立ちと母親との関係、別れた妻ベルクソラへの未練などが、捜査中にも入ってくる。
何事もなく捜査に邁進できる…わけでもなくちょっとした時間に母親との会話や父親の病気などで心乱されたりする。
だが自身が複雑なだけに捜査においても良い意味で、人の感情に敏感になりプラスとなることも…と思ったりするのだが…。
ラストで、革製のマスクと関わりがあるアンドレスを追った先に…。
これも想像してしまう…。
続編になるのか…
そして、エーレンデュルの休暇は終わったのか、気になるところ。
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大好きなシリーズ新作、これまでザ陰鬱を突きつけてくれたシリーズにしては、銀行がらみでちょっと軽い印象。それでも、アイスランドって全く、、と思わざるを得ないような事件の数々でいやはや、です。まあ、知らないだけで日本もそうでしょうけど。アンドレスが切なくて胸が痛みました。そして、久しぶりのメンバー登場で懐かしさでいっぱい。いつもはサブキャラのシグルデュル-オーリ、スカした奴かと思っていましたが、妻や両親との関係など深くえぐってくれてて、好感持てました。エーレンデュルはまだお出かけのようなので、サブキャラの皆さんで展開してくださっても全然OKです。
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本作もエーレンデュルは不在。同僚のシグルデュル=オーリが殺人事件の捜査を進める様子が描かれる。
エーレンデュルとは違い、やや気取り屋で熱血とは程遠いイメージのシグルデュル=オーリだが、本作では彼の生い立ちや、別れた妻や両親との関係も事件と並行して丁寧に描かれていて、彼の人間らしさに触れることが出来る。
その生い立ち、特に母親との関係のせいで、人を見下すような態度をとってしまう不器用な彼が、父親や悲惨な生活を送っている人達に時折見せる優しさが愛おしい。
事件の内容も読み応え十分で、次作へと続くであろう不穏な展開で物語は終わる。早くも次作が待ち遠しくて仕方ない。 -
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アイスランド発、ミステリー。
かなり陰鬱な物語。
湿地というタイトルからイメージする
じめっとした空気や匂いの表現が気分を重くする。
ヴァランダーのシリーズと少し似たところがあるかも。
頑固そうで自分の道を突き進むおっちゃん刑事。
ちょっと(かなり)やんちゃな娘もいたりするところが。
事件の核心に近づくほどに
家族のつながりを強く意識させられた。
あとがきに書かれていたことにも納得。
訳者は作者に会うためアイスランドへ。
人口30万人ほどのこの小さな国で起こる犯罪の
理由とは?
それを社会の現状や家族の関係をからめつつ描いていく手法がおもしろかった。
次作も読みたい。
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Posted by ブクログ
前作に続き主人公エーレンデュルが不在、部下のシグルデュル=オーリが中心の話です。これまでのシグルデュル=オーリの横柄な態度や冷淡さの理由が明らかになります。彼の事はずっと、嫌なヤツ…と思っていましたが、本作を読んでちょっと可愛く思えてきました。
夫婦交換からの恐喝そして殺人。幼少期の性的虐待からの復讐。銀行員たちの金融関係の悪事。この3つの出来事が最終的に絡みあっていきます。さほど難解ではない割に、読み応えはたっぷり。今作も面白いです!
個人的にはシグルデュル=オーリが人の心がわかる人間に少しづつ変わっていく過程が好きでした。
それにしてもエーレンデュルはいつ帰って来るのかな。次回作に期待です。
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Posted by ブクログ
床に座った子どもがしゃぶっているものを見て、若者はすぐにそれが人間の骨だとわかったー
冒頭から一気読み確定パターン…(笑)
住宅建設地から見つかった人骨の一部
既に60年以上も経過した古いものだった
骨の主は誰なのか?なぜそこに埋められているのか?真相を追う捜査官たちの物語…
このシリーズの主人公でもある犯罪捜査官エーレンデュルの過去と家族の物語…
第二次世界大戦の頃のある家族の哀しい物語…
これらが絶妙なバランスで絡み合みながら、物語は進む!
ミステリーとはいえ、特にトリックがある訳ではない
それぞれの登場人物に深く深く心を寄せながらどっぷりと物語に浸っていくのだ…
もちろん、最後には全ての謎がとける
ずっしりと深い余韻を残して…
この作品を読むまで、恥ずかしながらアイスランドという国について無知だった
北海道より少し大きな島に人口は約36万人
1940年6月にデンマークがナチスドイツに占領されるとイギリス軍が上陸
一年ほどすると入れ替わるようにアメリカが進駐してくる…
そんなアイスランドの歴史がこの作品に深く関わる
ひとつの小さな家族の幸せが社会の幸せ、それが国の幸せ、そしてそれが世界の幸せ…
そう願いたい! -
Posted by ブクログ
一見救いようのない世界
それでも「生きる」ということ……
珍しく冷戦時の社会を背景としており、他の北欧ミステリーのよう。
「フォード ファルコン」1960年代北米フォードの自由の象徴。この車とソ連製の盗聴機の組み合わせが、冷戦時代のアイスランドの混迷を匂わす。
湖の水位が下がったことで見つかった白骨死体のなぞ。
冷戦時の東ドイツへ留学した若き社会主義者達日常。
二つの物語が交錯しながら進む。
湖の底に隠れた過去の出来事は、決して消え去ったわけではなかった。
ダム湖が干上がって底に過去の生活の痕跡があらわになること、また、見つからないと思って投げ込んだ過去の負の出来事がヘドロのなかから顔を出す時、人間の業の深さを感じることになる。
それでも人は過去を背負って生きる。
それにしてもエーレンデュルの二人の子供との関係は、本筋より深刻。