アーナルデュル・インドリダソンのレビュー一覧
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アイスランドの首都レイキャビク警察のエーレンデュル捜査官シリーズ第3段(邦訳)です。
本シリーズは、現地アイスランドでは既に1997年から2016年で既に15作品が刊行されて居り、邦訳の最初の刊は''湿地''(2012年)で現在迄に5作品が刊行されてます。邦訳作品は、ガラスの鍵賞やゴールド・タガー賞等を受した作品ですが、どの刊もとても面白いので是非に邦訳未刊行の作品の出版を心待ちにしてます。
今回の事件は、レイキャビクのホテルでドアマンの男がホテル地下の住込み部屋で刺殺された。折下クリスマスで男はイベント用のサンタクロースの衣装だった。
エ -
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湖が干あがったために発見された一体の白骨。殺害されたことを示す頭蓋骨の穴と、体に結び付けられたソ連製の盗聴器。この死体は誰なのか、なぜ殺されたのか、姿を消した失踪者から辿ろうとエーレンデュルたちの捜査が始まる。
現在進行の捜査活動の叙述の間あいだに、アイスランドから社会主義の理想を信じて東ドイツ、ライプツィヒの大学に留学した学生の生活が挟み込まれる。時はハンガリー動乱直前。そのときの何がが、この白骨死体に関係しているのか。
本作は時代背景が重要なポイントとなっているが、冷戦時代のアイスランドの国際政治的な位置について、初めて知ることが多かった。
主筋のストーリー自体はもちろん、主人 -
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ミステリを通して社会を描く。最近のミステリの傾向だが、北欧ミステリはマルティン・ベックシリーズを筆頭にそうした傾向が強く、捜査官エーレンデュルを主人公とする本シリーズも同様の指向性を持っている。
冒頭、人骨が発見される。一点、夫から妻に対する暴力の描写。
骨の主は誰なのか、どうして埋められたのか、事件性はあるのか、捜査活動が進んでいく。一方で凄まじい家庭内暴力。人が人に暴力を振るい屈従に追い込んでいく様子がこれでもかと描かれる。
そしてまた、捜査の責任者、主人公エーレンデュルの痛々しい過去が少しずつ明らかにされていく。破綻した家庭生活と捨ててしまった子供たち。ドラッグに身を持ち崩した -
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アーナルデュル・インドリダソン『湖の男』創元推理文庫。
レイキャヴィク警察シリーズ。主人公のエーレンデュルが地道な捜査により過去に起きた殺人事件の真犯人を特定するというストーリー。読むのに苦労した割りには得る物が少なかったというのが正直な感想。
干上がった湖の底で発見された白骨死体は頭蓋骨に穴があき、体にはソ連製の盗聴器がくくり付けられていた。エーレンデュルの捜査の結果、過去に農機具のセールスマンが婚約者を残して失踪していた事実が浮かび上がる。
事実を1つずつ丹念に紐ほどき、少しずつ真実に迫る過程は面白いが、誰もが見逃していた過去の国家の歴史が絡む事件の真相にまで辿り着き、真犯人を特定し -
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孤独な生活を送っていたドアマンがホテルの地下室で惨殺される。
かつて男は、美しい歌声で人々を魅了したことがあった。だが、避けて通ることのできない変声のため、スポットライトを浴びた初舞台で、一瞬にして「ただの少年」へと変わったのだった。厳しく指導し息子に期待を懸けていた父親。失望と嘲笑、果ての転落。以降の人生はもはや「余生」に過ぎなかった。人々との関係を絶ち、人畜無害となっていた男を殺害した動機とは何か。レイキャヴィク警察の捜査官エーレンデュルは、私生活でのトラブルを抱えつつも、濁りきった事件の底に沈殿する鍵を求めて、再び水中深くへと潜り込んでいく。
インドリダソン翻訳第三弾。「家族」を主題と