アーナルデュル・インドリダソンのレビュー一覧
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ネタバレ日本の三分の一の面積で、人口30万人の国、アイスランドが舞台。
火山と温泉の国というイメージだったのだけど、この作品を読むと、薬物依存、幼児虐待、DV等、荒廃した社会が見え隠れする。
とはいっても殺人事件は年に2~3件しかないのだそうだけど。
新興住宅街で発見された60~70年前の人間の白骨。
夫のDVで、心も体もボロボロにされる家族。
流産がもとで意識不明状態の娘を見舞いながら捜査の指揮をとるエーレンデュル。
3つの話を柱にストーリーは進むが、DVの部分を読むのがもう辛くて辛くて。
人としての尊厳を踏みにじられ、子どものためにだけ生きる母。
そんな母を見てみぬふりをすることでしか身を守る -
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アーナルデュル・インドリタソンは「このミス」で見つけた。「湿地」「緑衣の女」に続いて三冊目になる。流行の北欧ミステリなのだが、同じ地域だと大雑把に捕らえても、その作風はそれぞれまったく違っていて面白い。
アーナルデュル・インドリタソンの作品の舞台からは当然北の風土感が伝わってくるが、読みどころは捜査官のエーレンデュルの心理描写や風景描写は、繊細で品がいい。
エーレンデュルが抱えている個人的な悩みも深い、エピソード風に挿入されている過去に起きた出来事、彼の未だに囚われている苦しみに事件解決よりも惹かれるときがある。
今回の事件は、クリスマス前の浮き立つ世間をよそに、有名ホテルのドアマンが、地 -
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ネタバレCWAゴールドダガー賞・ガラスの鍵賞。 「湿地」に続く二作目だけれど、アイスランドという国は特に馴染みがないせいか、名前や土地に着く「ヴ」という音のつながりが、遠い国を実感させた。
「湿地」を読むのに、改めて地図帳で拡大されたページを見てみた。北極圏にあるグリーンランドに近い寒いところらしいと思っていたが、日本の1/3くらいの広さを持つ丸い島国で、随分進んだ文化や歴史のある国だと知った。
あまり深入りして調べだすと、夢に見たり、行ってみたくなるので(行けはしないのに)考えるのも程ほどにして、話を楽しんだ。
この「緑衣の女」は訳者のあとがきによると、激しいDV描写があるので、出版についてはその -
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クリスマスは幸せな人たちのもの。
この小説はこの文章に全てが凝縮されていると思った。
色んな出来事が重なって語られる。かつて子供スターになりかけた元ホテルドアマンがサンタクロースの格好でホテルの地下で殺されたのはなぜだったのか。
西欧はクリスマスが特別なお祭り? なのでクリスマスに少しでも家族が幸せになれるというプレッシャーがすごく強いのかなとは思う。この作者の書くアイスランドはとても暗い色の世界に見える。エーレンデュルが10歳の頃から闇を抱えていたことをエヴァ=リンドに告白できて良かった。二人がゆっくり家族になっていくのイライラするけど、次の作品を読むの楽しみ! -
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「緑衣の女」、ミステリというよりは文芸作品といった趣き
トリックを明らかにしていくというよりは、人間の心のひだを探ってく感じでしょうか
ひたひたと人間の深部に分け入っていく
そうした社会や人間の暗さ・よどみを、淡々と語る怖さがあります
衝撃的な出来事も(ミステリの事件としては地味ですが)、表面的な説明に終わらないのが、類書と画するところ
第三者からしたらどうでもないことが、当事者にとっては、いびつに強烈に印象に残ったりする
そんな感性的な描写もあって、惹きつけられました
個人的に残念に感じたのは、モチーフとして「緑衣の女」の印象が薄かった点
「緑衣」にも、何かしらの意味があるとよかったで -
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住宅建設現場で死後100年弱の人骨が発掘されたが、その人骨の身元を調査するうちに、大昔の家庭内暴力事件が浮かび上がってきた…というアイスランドの警察小説。
前作に引き続き、主人公はレイキャヴィク警察のエーレンデュル捜査官だが、エーレンデュルの娘は妊娠しているのにドラッグ中毒で昏睡しているし、離婚した元妻がブチ切れて怒鳴りちらしてくるし、サイドストーリーとしてはなかなかの受難続きなのに、メインストーリーである人骨にまつわる家庭内暴力事件もかなり悲惨。
読みやすいが、このシリーズが今後もこの陰鬱路線を続けていくなら、追いかけるのを躊躇してしまいそう。 -
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ネタバレアパートで見つかった老齢の男の死体。突発的な犯行の様子は、殺人事件の少ない典型的なアイルランドの殺人。だがそこには「おれはあいつ」という、犯人が残したと思われるメッセージがあった。
調べを進めると、殺されたホルベルクは過去に女性をレイプしていたことがわかった。さらに、ホルベルクにレイプされた女性コルブルンはその事件の結果妊娠し、娘を産んでいたことも発覚する。だが、その娘は4歳で脳腫瘍のため死んでしまった。
エーレンデュルたち警察は、死んだ娘の病気はホルベルクからの遺伝性の疾患なのではないかということと、ホルベルクにレイプされ、子どもを産んだ女性が他にもいたのではないかと睨む。
時を同じくして、