青木創のレビュー一覧
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面白かった。
もちろん訳者の方の力もあるだろうが、とても読みやすい。
著者ダンカン・ワッツが説く「スモールワールド」という概念は知っている人も多いと思うが(世界中の人と人の間には平均6人存在する)、この本はそれにも言及しつつ、もっと広く社会学を語っている。
物事には明確な理由がなく、複雑な要因が絡まって結果がある。
常識の脆さ、因果の複雑さ、予測の困難さ、それを一つ一つ説いていく。
自分が認識している世界に対し懐疑的な視点を持ちたいならこの本を読むべきだ。
しかしながら人が常識に頼ったり予測をしたり因果を単純に理解したがるのは、自己防衛でありリスクヘッジだ。
それらが不可能になれば、社会は -
Posted by ブクログ
リー・チャイルド『葬られた勲章(下)』講談社文庫。
ジャック・リーチャー・シリーズの第13作。2009年の作品。
さすがに11年前の作品だと電子モバイル機器などの描写に古さを感じる。また、この時代だからこそ重大な秘密情報も今となれば、さほどの情報でもないだろう。出来ればリアルタイムで読んで、面白さをさらに味わいたかった。
自ら火中に飛び込むかの如く巨大な陰謀の渦に巻き込まれていくジャック・リーチャー。深夜のニューヨーク地下鉄でリーチャーが何もしなければ、これだけの死者は出なかったのではとも思う。
自殺した国防総省の事務員スーザン・マークが盗み出した秘密情報は、やはり下院議員のジョン・サ -
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初めてのオーストラリア発ミステリー。
日本で生まれ育った者としてはなかなか考えにくいのだが、オーストラリアでは干魃は珍しくなく、十年から二十年に一度は大規模な干魃が起こりそんなときに起こる山火事は大惨事になるらしい。
日本のように毎年どこかで豪雨や台風の災害が起こる国とは真逆だが、これもまた自然が起こす災害だ。
原題は「THE DRY」。だが邦題ではそこに「偽り」が加わる。
その「偽り」とはどんな「偽り」なのか、それは読んでいくうちに分かっていく。
主人公は普段はメルボルンで仕事をしているアーロン・フォーク。主に経済犯罪を担当する連邦警察官だ。
その彼が生まれ育ったキエワラという田舎町を -
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重かった 表紙の絵の雰囲気からは程遠い どろどろ展開
大学生時代のフィンの行状があまりにもひどい 自分のイケメンに胡坐をかいてるクズ男 クズ過ぎる
女は産んだら100%我が子だけど、男はDNA検査せんとわからんもんね ざまーw でも、このクズ男フィン、転んでもただでは起きない ラストでそうきたか…
乱暴者アンガスが障碍者カルムにまさかのリアルエンジェル対応 それも20年間毎週? いやいや、そんなことしてたらとっくに村中の噂になってるやろ おかしいって モヤモヤ
伝統食文化を外野が抗議する 抗議団体の方々にお聞きしたい ”おめーらは霞でも食って生きてるのか?”
当初はイギリスでは版元が -
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まず邦題が秀逸だと思った。
旱魃によってより一層疲弊してしまった田舎町・キエワラ。
その町に20年振りに帰郷するアーロン・フォーク。
「ルークは嘘をついた。きみも嘘をついた。」という手紙と共に。
ルークの事件の真相、そして20年前フォークが町を出なければいけなくなったエリーの死の真相。
過去と現在を行き来しつつ話は進む。
ミスリードに嵌りなかなか真犯人がわからなかった。
そして何回か登場する「火災の危険度→極度に高い」という表現。
旱魃の水分がなく暑さだけが残るカラカラした風景、そして疲弊した町の人々の心中。
読んでいてなんだかこちらまで疲れて来た。
いつかこの町に纏まった雨が降れば良いのにと -
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ここはどこだ、なぜ自分は家ではなくここにいる?重度の認知症のケアをする施設に入ったトーモッド。孤独な彼のもとを元刑事フィンが訪れる。フィンはトーモッドの娘の元恋人だった。その頃、泥炭地からは身元不明の遺体が発見されていた。被害者はトーモッドの血縁関係者だという。フィンは事件を調べ始めるが、明らかになったのは、家族も知らないトーモッドの秘密だった…忘れゆく男の記憶と想いをめぐるミステリ。
前作「さよなら、ブラックハウス」も印象に残る作品だったが、今作はそれ以上かもしれない。スコットランドのルイス島の風景描写が今回も良い。そして実に切ない結末。 -
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いやもうすさまじい。「ストリートキッズ」のリリカルな世界から遠く離れて、これは「犬の力」をしのぐ血と暴力にまみれた物語だ。
元デルタフォース隊員の主人公デイブは、飛行機事故で妻子を失う。それはイスラム過激派によるテロだったのだが、政府により隠蔽され「事故」とされる。そのことを知ったデイブは「世界最強の傭兵チーム」とともに、自らの手で報復する決意をする。
と、こういう紹介を読んで、これって政治的な陰謀がどうとか利権がどうとか、そういう話なのか(あんまり好きじゃない)とちょっと思っていたのだけど、いやそっち方面にはまったく行かない。ほぼ全篇、デイブと仲間たちが、テロリストを追い標的を追い詰めて