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Posted by ブクログ
ここはどこだ、なぜ自分は家ではなくここにいる?重度の認知症のケアをする施設に入ったトーモッド。孤独な彼のもとを元刑事フィンが訪れる。フィンはトーモッドの娘の元恋人だった。その頃、泥炭地からは身元不明の遺体が発見されていた。被害者はトーモッドの血縁関係者だという。フィンは事件を調べ始めるが、明らかになったのは、家族も知らないトーモッドの秘密だった…忘れゆく男の記憶と想いをめぐるミステリ。
前作「さよなら、ブラックハウス」も印象に残る作品だったが、今作はそれ以上かもしれない。スコットランドのルイス島の風景描写が今回も良い。そして実に切ない結末。
Posted by ブクログ
重度の認知症である男は殺人を犯したのか。そして殺されたのは誰なのか。
一人の男の過去を幾たりもの人々の言葉が浮かび上がらせていく。
静かに語られる島の風景と相まって重く、暗く。そして辛く。
こういうミステリ、たまらなく好きだ。
前作より物語もその語り口もよくなっていると思う。三部作ということなので次作に期待してしまう。
Posted by ブクログ
さよなら、ブラックハウスはフィンの青春時代の
回顧、本作はフィンの初恋の少女の父親が隠した
壮絶な人生の回顧。
認知症による現在の混乱、苛立ちと、
語られることのない記憶に焼きついた秘密の過去が
哀愁を帯びて、静かにつづられている。
三部作の最後の作品が待ち遠しい。