青木創のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
▼「葬られた勲章」上下、リー・チャイルド。初出2009年。青木創訳、講談社文庫。リー・チャイルドさんの名探偵ジャック・リーチャー・シリーズの第13作。このシリーズは見事なまでに「どの話から読んでも楽しめる」ように作られているので、第何作というのがあまり受取手には意味が無いんですが。
▼導入はエンタメとして非常に素敵でした。ニューヨーク、深夜の地下鉄。リーチャーは自分の目の前の女性が「自爆テロを行う人物の特徴」を全て兼ね備えている佇まいであることを見て取って、声をかける・・・。するとその女性は突然拳銃で自分の頭をぶち抜いてしまい・・・。その女性は国防省で働いていた。
▼毎度同じくなんですが、 -
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Posted by ブクログ
軽い邦題にそぐわず、意外に?本格的ミステリであり、台頭著しいインド移民、また本国の文化や現状をも描き出して、とても興味深く読めた。この前に読んだ『窓辺の読書家』でも捜査官はそちらの方面だったし、やはり頭脳がよろしいのか。
失敗をしでかしてすべてを失ったインドの若い刑事が主人公。ロンドンでインディアンレストランを営む父親の友人一家の元へ身を寄せ、不法ウエイターとして働いていたが、豪奢なパーティでホストのインド人富豪が殺され…と、なんとも好物の衣食についてもたっぷり語られるストーリー。
しかも、ホント犯人には愕然…しかも、ねえ。
なかなかに重たいテーマもはらみ、コメディ要素はあるとはいえほんま、タ -
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Posted by ブクログ
▼「宿敵(上下)」リー・チャイルド、青木創訳。講談社文庫。初出は英米で2003。
退役軍人で元MP(軍隊内の警察)のジャック・リーチャーさんが毎回難事件を解決する、言ってみれば名探偵モノのミステリー&アクションスリラー的なシリーズ。
▼FBIだったかCIAだったか、そんな組織の中の「はぐれ部隊」に非公式協力するお話しです。犯罪組織に潜り込んだ潜入捜査員が露見してつかまって、それを救出するために、再び今度はリーチャーが犯罪組織の一員として潜入するという趣向。
▼これが厳密には人助けでは無くて、リーチャーがMP時代に煮え湯を飲まされた(でも捕まえた)”宿敵”がそこに絡んでいることが分かったため -
Posted by ブクログ
オーストラリアのミステリーを読むのは初めてでした
なかなかに面白かったので「オーストラリアもなかなかやりおるわい」とどこから目線なのか本人もよくわからない目線で偉ぶっておりましたが
書いたのはイギリス人なんですよね
しかしながらオーストラリアがもつ特殊な気候風土「渇き」が作品の基幹ともいえ
「渇き」がもたらすオーストラリアの田舎町の閉鎖的な雰囲気が大きな目くらましになっていました
主人公が持っている「弱み」がなかなか共感できなかったんですよね
なぜ親子が街を出ていくことを「簡単に」選択したのか
それは自分が幸せな街に育ったからだと読み終わって気付きました
誰も助けてくれないなんてある?