青木創のレビュー一覧

  • 消えた戦友(上)

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    (上下巻併せた感想)

    ▼何作目かの、ジャック・リーチャー・シリーズ。アメリカ退役軍人のジャック・リーチャー。軍人としてのキャリアをずっと憲兵隊として過ごした、つまり軍隊内の警察であり、捜査官だった。叩き上げのエリート(矛盾?)だったが若くして少佐で思うところあって退官、その後は年金暮らしだが、なんとホームレス。着のみ着たまま、所有財産は着てるものと歯ブラシとパスポートとキャッシュカードだけ。ヒッチハイクか電車バスで安宿から安宿へ、アメリカを放浪している…つまり、たれも彼に電話できないし、行動を捕捉できない。格闘と記憶力と銃器の扱いと洞察力で米軍随一と謳われたリーチャーの行先に、毎回1話完結でトラブル事件ミステリーと美女と悪者たちと戦いが立ち塞がる…が、強いぞリーチャー連戦連勝、というのが大まか御紹介文です。

    ▼話の段取りは以上なんですが、三人称描写が基本ながら、リーチャーの思考に寄り添う書き方で、リーチャーの思考は米国軍人ではあったし誇りはあるけれど、かなりリベラルで。作品が大まか2000〜現在くらいのアメリカ各地を描くのですが、「荒廃したアメリカ」「格差社会アメリカ」「ドラッグと犯罪のアメリカ」などに鋭敏なセンスで、かつ旧職場の米軍はしばしば悪の巣窟として描かれたりします。なるほど作者はイギリス人です。

    ▼今作は、珍しく「チーム物語」。軍隊時代のリーチャーの最高チーム、8人がいた。今はみんな退官している。そのうちひとり、探偵をしていた仲間が、変死他殺体で発見される。仲間たちが10年ぶり?とかで集合。集まったのは4人。あとの3人は?…。リーチャーを隊長に探偵作業が始まる…。というものです。


    ※以下、ネタバレ※




    ▼残り3名は殺されている。
    旧友のうちひとりが、軍需メーカーに勤めた。警備担当みたいな。その会社の工場では、最新兵器部品を作っていた。そして悪い幹部が「不良品に見せかけて大量の部品をテロ集団に高く売却」という犯罪をやっていた。リーチャーの旧友の1人がそれに気づく。極秘操作のために旧友たち動員。だがなんと警察内に悪い連中の仲間がいた。さすがに騙され殺された。

    と、いうのが今回の悪者たちと経緯。

    ▼で、それらが暴かれるまでがストレスだけどドキドキで。ときどき悪いやつが暴力手段に出るとリーチャーが勝ってすきっとして(笑)。終盤全貌が分かり、実力行使対決して、勝利、敵討ち、パチパチ。

    ▼殺されたであろう4人のうち、3人までは死体が出てくる。もうひとりは死体が出てこない。なので、「ああこの4人目がきっと裏切ったんだな、悪者なんだな。苦い感じくるんだろうな」と、予測していたら、違った。なんだけど、4人目は「あいつも死んだ」と語られるだけで死体は出てこない。こ、これは……この4人目が裏切り野郎だと思わせておいて予想を裏切るためだけの設定だったのだろうか…。

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    2023年12月02日
  • 謎解きはビリヤニとともに

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    ビリヤニ〜とタイトルにあり衝動買いしたが原題にビリヤニはなかったし、ビリヤニは本作品では重要なお料理でもなかった。でも日本ではザ・ウェイターというわけにはいかないだろうから仕方ないか。

    コルカタとロンドンの暮らしが窺い知れたのが1番の収穫、特にロンドンで暮らすインド出身の方々の暮らしぶりやマインドの描写が役立った。
    主人公や婚約者の考え方は一貫してるようなしてないような。上の世代親の世代及び富裕層なら若い世代にも見られる岩盤固定観念だからこその賄賂や不正みてみぬふり、これは日本も同じで日本の方がひどいかな。キャラとして一貫してしっかり立ち上がっているのはアンジョリ。インド料理は読むだけで本では食べられないが、Tシャツのメッセージがいちいちスパイシーでまるで芳香なインド料理をいただいているごとく、な刺激。

    結末が微妙でこれまで熱く語ったり逡巡してきたことはなんかのなと疑問に感じたが、アジアのファミリー観、現代的倫理観、人情、入り混じったミックススパイスな結論か。

    ロンドンでタンドーリナイツのような誇り高く良質なインド料理を提供するレストランに行ってみたい!

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    2023年09月22日
  • 消えた戦友(下)

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    やつらは特別捜査官に喧嘩を売ったのに、われわれは手出しできず友人の仇をとれない。墜落死の事件と、戦友らと連絡がとれないことは関係があるのか。やがてリーチャーの記憶の糸がつながる。

    安定の面白さ。リーチャーはやはり我が道を行くのであった。

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    2023年08月29日
  • 消えた戦友(上)

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    放浪中、かつての仲間から連絡を受けたリーチャー。
    助けを請われて向かうと、憲兵隊時代の戦友が無惨な殺され方をされており、ほかにも行方不明者がいるという。
    真相の究明に乗り出すリーチャーらの背後には、常に不穏な尾行者が……。

    8月のお楽しみ。今回はチームで事件の謎に挑みます。冴え渡るリーチャーの推理は相変わらず。
    下巻に続く。

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    2023年08月24日
  • 宿敵(上)

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    リーチャーが人助けするんですが、同時にトラブルにも巻き込まれるような冒頭。ちょっと驚いたんですが、それは、仕組んだことだったんですねぇ。

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    2023年06月13日
  • 葬られた勲章(上)

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    ▼「葬られた勲章」上下、リー・チャイルド。初出2009年。青木創訳、講談社文庫。リー・チャイルドさんの名探偵ジャック・リーチャー・シリーズの第13作。このシリーズは見事なまでに「どの話から読んでも楽しめる」ように作られているので、第何作というのがあまり受取手には意味が無いんですが。

    ▼導入はエンタメとして非常に素敵でした。ニューヨーク、深夜の地下鉄。リーチャーは自分の目の前の女性が「自爆テロを行う人物の特徴」を全て兼ね備えている佇まいであることを見て取って、声をかける・・・。するとその女性は突然拳銃で自分の頭をぶち抜いてしまい・・・。その女性は国防省で働いていた。

    ▼毎度同じくなんですが、リーチャーと個人的には全く関わりなくとある陰謀が進行している。そこに途中から「予想不能偶然因子」としてリーチャーが乱入してきて、目の前のてがかりからじわりじわりと真相に近づいていく。このあたりのミステリ構造は「新宿鮫」だってチャンドラーだってそうなんです。この黄金パターンは分かっていても楽しめるんでしょうね。

    ▼このシリーズの特色は、割とこの「葬られた勲章」が典型かもしれませんが、そこに国家安全レベルの闇が関わってきます(主人公が元軍人ですからね)。そして途中も、クライマックスも、血まみれのバイオレンスアクションで、それこそがリーチャーさんの十八番だ、という。

    ▼ネタバレですが、最後はマンハッタンの夜を「異国テロリスト」たちとリーチャーさんの孤高の対決になって、一応は当然ながらハッピーエンド。ただアメリカの国際的な「正義」という宗教自体はリーチャーは別段信じちゃい無いという虚無を残して非常に個人的な解決で終わっていきます。さすが、作者がイギリス人。

    ▼それにしてもこのシリーズのもうひとつの特色は、原題が「どの作品がどのタイトルでも全然構わないものになっている」こと。邦題の方がまだしもです。この作品はGone Tomorrowですが、他にもThe Enemy,Worth Dying For,Die Trying,Nothing To Lose…などなど。このあたりも意図的に「具体的過ぎないほうがいい」という007の映画的な論理があるのかしらん。

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    2023年05月27日
  • 奪還(下)

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    何が“奪還”なのか、はじめのうちは良くわかりませんでしたが、下巻に入ってから一気に物語が動きましたね。

    PMCが絡んでくるのは、いかにも現在の物語です。とはいえ、物語が一気に異なる様相を示してきます。

    激しい銃撃戦ではなく、肉弾戦を思わせる戦いになるのは、ジャック・リーチャーシリーズの特徴なのかもしれません。

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    2023年04月30日
  • 謎解きはビリヤニとともに

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    楽しんだ。
    インド料理の数々、ちょっとネットで調べたりしながら。
    サモサ食べたくなる。ビリヤニのキットをポチった。

    インド舞台のサスペンス、ミステリは、現実とどこまで同一視していいのか、疑念湧く。そうかもしれないな、そういうこともおそらく現実にあるんだろうな、というような。

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    2023年04月16日
  • 謎解きはビリヤニとともに

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    軽い邦題にそぐわず、意外に?本格的ミステリであり、台頭著しいインド移民、また本国の文化や現状をも描き出して、とても興味深く読めた。この前に読んだ『窓辺の読書家』でも捜査官はそちらの方面だったし、やはり頭脳がよろしいのか。
    失敗をしでかしてすべてを失ったインドの若い刑事が主人公。ロンドンでインディアンレストランを営む父親の友人一家の元へ身を寄せ、不法ウエイターとして働いていたが、豪奢なパーティでホストのインド人富豪が殺され…と、なんとも好物の衣食についてもたっぷり語られるストーリー。
    しかも、ホント犯人には愕然…しかも、ねえ。
    なかなかに重たいテーマもはらみ、コメディ要素はあるとはいえほんま、タイトルもう少し考えたらよかったんちゃう?

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    2023年03月18日
  • 謎解きはビリヤニとともに

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    表紙とタイトルからの想像とは、ちょっと違いました。でも、なかなか楽しめた作品です。
    インドからロンドンへ来た元刑事の、過去の清算と、成長…と言えるのかな。
    どこに着地するんだろう?とラストは興味深く読みました。なるほど、そういう方向へ。
    読み終わると、タイトルがなんか違和感…
    普通に、ウェイターではダメなのかな、地味すぎるか?

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    2023年02月28日
  • 潤みと翳り

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    前作より面白かった
    前作とのつながりを感じる部分が散りばめられていたのと、結末が前作よりすとんと落ちた
    各登場人物の背景なんかも前作より練られていたように思った

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    2023年02月05日
  • 宿敵(上)

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    ▼「宿敵(上下)」リー・チャイルド、青木創訳。講談社文庫。初出は英米で2003。
    退役軍人で元MP(軍隊内の警察)のジャック・リーチャーさんが毎回難事件を解決する、言ってみれば名探偵モノのミステリー&アクションスリラー的なシリーズ。

    ▼FBIだったかCIAだったか、そんな組織の中の「はぐれ部隊」に非公式協力するお話しです。犯罪組織に潜り込んだ潜入捜査員が露見してつかまって、それを救出するために、再び今度はリーチャーが犯罪組織の一員として潜入するという趣向。

    ▼これが厳密には人助けでは無くて、リーチャーがMP時代に煮え湯を飲まされた(でも捕まえた)”宿敵”がそこに絡んでいることが分かったために、再び個人的復讐を兼ねてミッションを受けたという設定。

    ▼潜入するために派手に「悪者の一味の息子の拉致未遂事件」をでっちあげるというのがオープニングで、面白く読ませます。

    ▼相変わらず全体の2/3以上をかけて謎をとにかく徐々に解いていく手法にわかっていても楽しまされますね。

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    2023年01月15日
  • 葬られた勲章(下)

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    ジャック・リーチャーシリーズ第13作。ネットフリックスのドラマを見た後だけど、リーチャー役は彼でピッタリだね。
    今回はニューヨークの街中を巡る推理劇。頭脳派リーチャーも魅力的だ。
    どこから読んでも楽しめる安心のシリーズ。

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    2022年12月16日
  • 潤みと翳り

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    ネタバレ

    アーロン・フォークの第二弾。
    最後に何かどんでん返し的なことがあるかと思ったが、そうでもなかった。
    現在と、キャンプの話が交互に出てきて、最終的に謎がとける。
    母と子の関係、SNSでのトラブル、そっちの方が気になってしまった。
    レベッカ立ち直って!

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    2022年11月07日
  • 渇きと偽り

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    オーストラリアの作家さんのお話。
    オーストラリアは、乾燥して、燃えやすいんだと、思った。
    犯人が最後までわからなかったが、分かった後からは展開が早かった。
    過去の事件は結局自殺だったのかなーと思ったが、最後に犯人がわかり、ちょっとスッキリしたけど、つらい話だった。
    ストーリー自体は面白かった!

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    2022年10月23日
  • 奪還(下)

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    レインに恨みを持つ人物から犯人を絞り込む試みが少しずつ実を結び、またレインの裏の顔が明らかに。やがてリーチャーはこれまで見落としていた手がかりを結ぶことで、事件の核心へと向かい…。

    後半はイギリスに舞台を移す。アクションミステリという、帯の文言に偽りなし。

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    2022年08月19日
  • 奪還(上)

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    民間軍事会社を経営するレインの妻と娘が拉致された。請われて妻子の救出に協力することになったリーチャーの読みを、犯人は何度も出し抜き、身代金をさらにせしめて連絡を絶ち…。

    シリーズ第10作。上巻はアクションよりも頭脳戦が中心。

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    2022年08月17日
  • 渇きと偽り

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    オーストラリアのミステリーを読むのは初めてでした
    なかなかに面白かったので「オーストラリアもなかなかやりおるわい」とどこから目線なのか本人もよくわからない目線で偉ぶっておりましたが
    書いたのはイギリス人なんですよね

    しかしながらオーストラリアがもつ特殊な気候風土「渇き」が作品の基幹ともいえ
    「渇き」がもたらすオーストラリアの田舎町の閉鎖的な雰囲気が大きな目くらましになっていました

    主人公が持っている「弱み」がなかなか共感できなかったんですよね
    なぜ親子が街を出ていくことを「簡単に」選択したのか

    それは自分が幸せな街に育ったからだと読み終わって気付きました

    誰も助けてくれないなんてある?って思えちゃう人生で良かったなぁ

    そんなことを思った作品でした

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    2022年05月27日
  • 愛と怒りの行動経済学 賢い人は感情で決める

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    面白かった。特にゲーム理論が面白いと思った。男女の差のようなところも考えさせられた。でも個人という考え方は持っていないといけないと思う。これからもっと行動経済学について学びたいと思った。

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    2021年12月07日
  • 宿敵(下)

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    なぜ部下の死を防げなかったのか―― 暗い過去に苦しみながら、潜入捜査官の救出を試みるリーチャー。 密売組織を率いる黒幕との対決が迫る!

    緻密な描写が光る。10年前と現在のエピソードのカットバックが良い。

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    2021年08月26日