青木創のレビュー一覧

  • 偶然の科学

    Posted by ブクログ

    「世界の人々から選んだ任意の二人の距離は実はそう遠くはない」というスモール・ワールド理論を提唱した社会学者ダンカン・ワッツが、様々な場面における「常識」の持つ不確かさを説く。

    邦題の「偶然の科学」というタイトルは少しわかりにくいと思うが、原題はこうなっている。「Everything is Obvious-Once You Know the Answer」、直訳すれば、全ては明白である-いったん正解を知ってしまえば。この原題のタイトルの方が遥かにわかりやすい。つまり我々は日常生活において、何かしらの判断を毎日行っていくが、その判断を後から振り返る-正解を知っている状態-と、あたかもその判断が自

    0
    2015年05月05日
  • 忘れゆく男

    Posted by ブクログ

    さよなら、ブラックハウスはフィンの青春時代の
    回顧、本作はフィンの初恋の少女の父親が隠した
    壮絶な人生の回顧。
    認知症による現在の混乱、苛立ちと、
    語られることのない記憶に焼きついた秘密の過去が
    哀愁を帯びて、静かにつづられている。
    三部作の最後の作品が待ち遠しい。

    0
    2015年04月22日
  • 忘れゆく男

    Posted by ブクログ

    なんかもうめちゃ趣あっていい感じ。
    訳者の方も書いてはるけど、終盤のセリフがこの作品のテーマそのものやろ、グッときた。

    0
    2015年03月25日
  • さよなら、ブラックハウス

    Posted by ブクログ

    イギリスのエディンバラ市警察の刑事が主人公。生まれ育った故郷の島で知人が殺されたため、事件解決のために訪れる。幼馴染や元恋人や知り合いたちとの再会によって、幼かった昔の思い出がよみがえる。昔の回想と、現実の描写が交互に語られる形で話が進むのだが、最初は単調でつまらない気がしたが、後半は一気に話が動き、おもしろかった。故郷にいい思い出がない様子は気の毒だと感じた。結末はいい感じで終わってよかった。

    0
    2014年10月30日
  • さよなら、ブラックハウス

    Posted by ブクログ

    あのとき自分の気持ちを素直に言葉にできていたら、
    失敗したとしても、お互いの思い違いを修正するため、追いかけて、追いすがってでも時間を作っていたら
    ありえたはずの未来を、他人の家庭を見守るのではなく
    自分の世界にできたはずなのに。
    初恋の少女の思い出と面影、ありえたはずの未来。
    捨てた故郷と過去、すれ違う馴染みで親友、
    若き日に光を浴びる反逆者の挫折、
    爪はじきにされた者の真相。
    現在の殺人事件の謎解きとして読めば、
    途中に散りばめられる仄めかしと、その否定でで、
    ありがちな物語だが、本当に芯になるストーリーは
    過去の(謎解きではなく)
    彼が歩んだ大人になるために費やした時間、代償、
    青春の挫

    0
    2014年10月17日
  • 偶然の科学

    Posted by ブクログ

    色々引用したくなる場所が多い本。そして「あー、いるいるそんな人」と言いたくなる本。
    未来の予想はできないし、結果に対して後付で理由はいくらでもつけることはできる、と言うことでしょうか。端折り過ぎですが。
    「私は分かっている」「私は理解している」と考えている人や、そのようにツイートしている人にこそ読んでもらいたい本。

    0
    2014年10月11日
  • さよなら、ブラックハウス

    Posted by ブクログ

    もうちょっと突っ込んで欲しい箇所もあったけど、シリーズ続編あるみたいなので納得。
    全体的には大満足。

    0
    2014年09月13日
  • 偶然の科学

    Posted by ブクログ

    良著でした!
    原題は"Everything Is Obvious (Once You Know the Answer)"
    『全ての未来は明白だ(答えを見た後ならば)』と言うと当たり前だが、知らず知らずのうちにこんなことにも気づかず、物事を理解した気になっていることがある。

    同じ状況を何度も試せるならいいが、現実世界の多くの場合は一度きり。
    予測することは本来不可能であることを認めなければいけないんじゃなかろうか。

    ナシーム・ニコラス・タレブの『ブラック・スワン』や、ダン・アリエリーの著作に似たものを感じる社会派な一作。


    ---

    Memo:

    p79
    「Xが起こった

    0
    2014年03月05日
  • 解剖学者と殺人鬼

    Posted by ブクログ

    ⭐️3.0
    まあまあ悪くない。読んで損したとは思わないレベルで面白く読めました。
    ただやっぱりコーンウェルの検死官シリーズの方が、ミステリーとしても検死の場面描写も上回るかなぁ。

    0
    2025年05月31日
  • 報復

    Posted by ブクログ

    「悪の勝利に必要なのはただ……善人が何もしないことだ」(トルストイ『戦争と平和』)

    9.11とアル・カイーダ殲滅作戦のあとのアメリカに、旅客機が落ちる。
    テロであることをひたすら隠そうとする政府に対し、家族を失った元特殊戦闘員がプロの傭兵集団を使って独自にテロ組織を追い詰める。

    ウィンズロウには珍しく、王道の冒険小説だ。
    『ナヴァロンの要塞』など、個性的なメンバーを率いた戦闘物は、既にたくさんの作者に書かれている。

    それでも、
    「貪るように」、ドン・ウィンズロウの本を読む感覚は変わらない。
    やはり、「アベンジャーズ的」なものは考えて読んではいけない。

    これまでも、この後も、さまざまな小

    0
    2024年09月22日
  • 消えた戦友(下)

    Posted by ブクログ

    テンポよくストーリーが進む。
    あまり複雑なことを考えずに、スカイっとしたいときにおすすめ。
    シリーズものだったことに、読み終わってからから気づいた。。。

    0
    2024年05月11日
  • 報復

    Posted by ブクログ

    テロによって、妻子を失った男の復讐劇。

    その男が、元デルタフォース隊員というところと、一緒に戦う男たちが世界の各種特殊部隊出身の者たちというところがこの作品のみそ。

    とはいえね、細かいところの設定が、ご都合主義と言ってよいかな。もし仮にこれが映画になっていたら、ドンドンパチパチだけが目立つ、B級映画かもね。

    0
    2024年03月05日
  • 謎解きはビリヤニとともに

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・あらすじ
    インドのコルカタで警察をしていたが捜査したボリウッドスター殺人事件の結果懲戒されたカミル
    ロンドンへ渡りインド料理屋のウェイターとして働いていたが、そこでインドの大富豪の殺人事件に巻き込まれて…

    ・感想
    インド(とイギリス)舞台のミステリーは4冊目
    インドの騒がしい雑多な町並み、スパイス香る独特な雰囲気が良い!

    腐敗した警察組織はまぁどこでも有りがちだし、コルカタのスター殺人事件と大富豪殺人事件に巻き込まれたカミルの立場と最後の決断は中々考えさせられた。
    過去の事件と現在の事件が交互に書かれ、どちらも話が進んでいく中で陰謀が発覚する。
    謎解きは堅実なタイプで奇抜なトリックとかは

    0
    2024年03月02日
  • 解剖学者と殺人鬼

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    シリアルキラーと検視官(本作では解剖学者か)の話はよくあるが、シリアルキラー側が簡単に検視官のプライベートに立ち入ってくるのがいつも嘘っぽいなあと思っている。
    本作ではその点が最後のお楽しみみたいに構成されていて、すんなり驚かされてしまった。
    2度目の驚きは結末だが、続編があるとはどこにも書かれておらず、こんな終わり方でよく本になったなと…いや、ちゃんと続編が予定されてるならいいんですけどね…。
    あれだけの怪我を負った主人公が後遺症もなくトラウマもほとんどなく、という荒さはあるし、登場人物の背景もほとんど無いのは残念。
    だが、殺人鬼の残虐さは魅力的だし、物語がすいすい進むので逆に枝葉がなくてよ

    0
    2024年01月10日
  • 解剖学者と殺人鬼

    Posted by ブクログ

    ルイジアナ州ニューオーリンズ。解剖学者レンは警察とともに、沼地に死体が遺棄される事件の捜査を行っていた。その手口から、かつて街を震撼させた連続殺人鬼が甦ったと噂になり、住民の警察への不信感は増していた。解剖によって新事実が明らかになるなか、レンは死体から謎の紙片を発見する。これは殺人鬼からの挑戦状なのか…。レンをあざ笑うかのように繰り返される凶行。解剖学者と殺人鬼の頭脳対決の行方は―

    「羊たちの沈黙」の影響下にある小説は、今までもたくさん読んだが、本作は遠く及ばない。300ページ弱で、あっけなく終了。

    0
    2023年12月30日
  • 解剖学者と殺人鬼

    Posted by ブクログ

    アレイナ・アーカート『解剖学者と殺人鬼』ハヤカワ文庫。

    有料チャンネルの海外ミステリー連続ドラマのような大味な展開は読み易いと言えば読み易いのだが、読者を惑わそうとするような緻密な計算は見当たらず、ミステリーとしての面白さは希薄だ。

    連続殺人鬼が解剖学者に突き付けた挑戦状。その対決の行方は……

    ヒロインがかつて連続殺人鬼に拉致されながら、生き延びるというのは『ジェシカ・コラン・シリーズ』などでもお馴染みのよくある設定。そして、そして、寸分違わずの思った通りの結末。最初からシリーズ化を狙っているのが見え見えだ。


    舞台はルイジアナ州ニューオリンズ。

    冒頭から連続殺人犯のジェレミー・ロー

    0
    2023年11月15日
  • 謎解きはビリヤニとともに

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    料理を含めて固有名詞が馴染みのない物が多かったけど、すらすら読めた!
    料理が美味しそう。
    ロンドンとインド、過去と現在が交互に出てくるが、読みやすい。

    最後、それでいいの?とおもったけど、まぁこれが1番綺麗な終わりかな?

    主人公の元婚約者の立ち振る舞いにやや違和感…。

    0
    2023年08月05日
  • 葬られた勲章(上)

    Posted by ブクログ

    リーチャーが、ニューヨークという巨大都市にいることに、微妙に違和感を感じたりもします。だって、彼は何故だか、そういう大都市には行かない気がしていたので。

    今回は、自殺を目撃することで、事件に巻き込まれていく訳ですが、上巻では、自殺した人物が、なぜそこまで追い込まれていたのか、まったく見当が付かない状態です。
    自殺を目撃したことで、リーチャーはアルファベットで示される連邦機関に追われるようなことになるのですが、その連邦機関も謎なんですよねぇ。

    0
    2023年07月14日
  • 潤みと翳り

    Posted by ブクログ

    イギリス出身でオーストラリア在住の作家「ジェイン・ハーパー」の長篇ミステリ作品『潤みと翳り(原題:Force of Nature)』を読みました。
    イギリスの作家の作品が続いていますね。

    -----story-------------
    CWA賞受賞『渇きと偽り』続篇!
    企業の研修キャンプで森に入った同僚女性5人が遭難。
    4日後にやっと森から出てきたとき、5人の中の一人、「アリス」が忽然と消えていた。
    手がかりは、連邦警察官「アーロン・フォーク」の携帯電話に残された、「アリス」からの「あの子を苦しめて……」というボイスメッセージ。
    遭難か、事件か。電波の届かない森の中で、何が起こったのか。

    0
    2023年06月25日
  • 謎解きはビリヤニとともに

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    インドを背景としたミステリー小説は初めて。

    異なる舞台や時系列を行き来する構成はたまにあるけど、自分はあまり好みじゃない。話に引き込まれてきたタイミングで中断されちゃうし、前の話を思い出すのが若干負担に感じる。
    でもこの話は、そこまでストレスなく読み進められたかも。わりとこまめに場面が切り替わってたし、中盤くらいから話が密接に繋がって、登場人物も共通してきたからかな。

    インド警察として格闘する主人公の悩みや葛藤を興味深く読んだ。
    全体的に、話の結末や登場人物の会話内容とか、とにかく現実的。「正義とは何か」ってテーマは重いよね。主人公がまだ若くて未熟なせいか、悟り方もいまいち納得感ないし、結

    0
    2023年03月22日