青木創のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
青春時代のほろ苦さなんてものではない、町民のまとわりつくような視線が全編に根付いて、この物語に重くのしかかっている。
“キエワラ”このオーストラリアの小さな田舎町は、干ばつが続き人々はギリギリの生活をしている。
それは、全てが乾ききっていて、何かのきっかけさえあれば燃えてなくなってしまうほど。
小さなコミュニティでは、良くも悪くもみんな知り合いで、人付き合いに何かと気を使うのは、どこの国でも同じ。
過去の出来事がもとで逃げ出すようにして町を出た主人公アーロン・フォークは、古い友人の葬儀のために町に帰って来たが、その死に疑問を持つものから調査を頼まれる。
しかし町の人は、何十年も前のことで -
Posted by ブクログ
人々の行動について思ったより多くが偶然によると説明する本
行動経済学的な感じがある。それよりちょっと説明が多く、実験の話が少ない。なんか読みにくい
現状の結果はかなり偶然に左右されているので、それを見越した行動が大事
常識は偏る、意味付けは得意だが理解は苦手、悩むことから開放、もっともらしい物語によるごまかし
常識の物語が歪められる、デフォルト、プライミング、アンカリング、確認バイアス、
常識も合理的理論と同じく人々の行動に理由をつける、情報があれば前もってわかったのにとあとづけする
成功の理由は成功したからという循環論法。
似たような集団も少しの偶然で大きく違う行動を取る、そして違う理由 -
Posted by ブクログ
オーストラリアの連邦警察官フォークが主人公のシリーズ第二作。
前作「渇きと偽り」は、オーストラリア特有の干魃の季節の中で土地も心も渇ききったヒリヒリするようなサスペンスを描いてあったが、今回は逆に雨が降り注ぐ森の中をさまよう女たちに何があったのかを描く。
前作ではフォークの警察官としてというよりは自分自身のプライベートな問題と向き合う話だったので忘れていたが、元々フォークは経済犯罪、資金洗浄とか企業の不正取引とかそういう犯罪を担当しているらしい。
今回、企業の合宿研修中に森で行方不明となった女性アリスはフォークが捜査をしている企業の内部協力者として、企業の様々な極秘文書やデータを渡してくれ -
Posted by ブクログ
企業の研修キャンプで女性5人のグループが遭難し、4人だけが帰還する。キャンプで何があり行方不明の女性はどうなったのか、連邦警察官フォークのシリーズ第2作。
森のなかで遭難し食料もなく寒さに凍えるうちに、女性たちの本性があらわになっていくさまと、捜索にあたる警察の様子とが交互に語られる手法が、うまく緊張感を高めている。
前作では、干ばつの熱波とともに主人公の過去にまつわる苦悩が濃厚に描かれていて重い読後感だったが、今回そのあたりは添え物程度で事件の謎解きに重きが置かれている。
タイトルは第1作でも感じたのだが、原題の『Force of Nature』のほうが深みがあっていいと思う。
物語とし