山口貴由のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「葉隠」について受講した際になんともいえない感銘を受け、教授にわざわざ感想を述べ伝えに行った日のことを思い出した。「武士道は死狂ひなり。一人の殺害を数十人して仕かぬるもの」―「武士道」への憧れって何だろうなあ。根性なしの自分には決して達し得ない境地には違いなかろうが、本作は藤木、伊良子、そして牛股を通して疑似体験できる、まるで麻薬みたいな逸品。虎眼先生は真性の吉外とお見受けしたが、愛妾いくの情の深さがツボに嵌る。楳図先生もドン引きしかねないおびただしい臓物量も慣れれば記号みたいなもので、物語の色づけのようなものとしか感じなくなってしまった。エピソードとして特に印象深かったのは藤木片腕縫合の話で
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Posted by ブクログ
表紙からバキ系のトンデモ格闘トーナメントを勝手に想像しており、だから読まずにいた。
トンデモが嫌というわけじゃないので悪しからず。
ところが本作で描かれるのはたったの1試合。
で、現状、肝心のその試合は最初の選手入場までしか終わっておらず
その選手同士の過去の因縁をねちっこく描き続けてる。
描写はかなり残酷。それが本作の売りらしい。
読みながら食べていた揚げシューマイが気持ち悪くなってきて、「これはウミガメ」という自己暗示で飲み込んだ。
『ベルセルク』を和物にして、ファンタジー成分を引いたような。
ベルセルク初めて読んだ時よりは、気持ち悪くないけど。
バキ並みに無駄なマンガ。だが、それが -
Posted by ブクログ
ネタバレ先生に怒られて笑ったことある?
あれって相手が真面目すぎて真面目すぎてそこに微妙な綻びを見つけるとなんてことはないのに、なんだか面白くなっちゃうんだよね。
その時の笑いってどうしようもなくおもしろい。
そんな怒られてる時の緊張感がずっと続くような漫画。
ギャグなのかマジなのか。
巻が進むにつれてそれが強くなる。
愛のパワーってところか、ひたすら熱い、熱すぎる。
そのくせとてつもなく下品で、意味不明。
名言がそこらに散らばっている。
この作者の言葉選びは逸脱(笑)
「美しくなければ王とは言えぬ!」
一巻を読んで許容できるなら心に残る名作。
許容できないならその後も絶対無 -
Posted by ブクログ
画力の向上が著しく、見所のあるストーリー、セリフ、一枚絵が多く点在している。15巻で収めたことで自信を持って稀代の名作といえる。個人的に、長々と巻数を重ねたものは名作とは認めたくないという考えがある。
『ドラえもん』や『ブラック・ジャック』といった一話完結や④コママンガは別物として。
何度も、何度も読み返すことになる作品だと思う。それだけエキスのあるマンガだった。
無明逆流れ編完結、とあるが、続編があるとあまり期待しすぎない方がいいかもしれない。あの『プラネテス』だって、帯のアオリでは第一部完結としていたが、あれから音沙汰がない。
藤木源之助と伊良子清玄という主人公たちはそれぞれが一つの