中原尚哉のレビュー一覧
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本書は、第二次世界大戦で日本とドイツの枢軸国が勝利した改変世界が舞台。アメリカ西海岸は「日本合衆国」として日本国の統治下にあるが、生き残ったアメリカ人は「ジョージ・ワシントン団」を結成し、度重なるテロ行為により、日本合衆国に打撃を与えていた。日本合衆国の大尉である石村紅功は、かつて自身の両親を日本国に対する反逆の疑いで告発した人物。ある日、彼のもとに架かってきた一本の電話。それはかつての上司、六浦賀(むつらが)将軍からであった…
本書はもちろん、フィリップ・K・ディック「高い城の男」の影響を受けており、「21世紀版『高い城の男』」として紹介までされているようですが…正直、誇大広告の印象は拭えないかと。また、装丁画を見る限り、ロボット同士が熱いバトルを繰り広げる!といった印象を受けてしまいますが、実際、ロボット同士のバトルなど、ほーんの少ししか描かれません。
物語は、石村が六浦賀を捜索する理由とその秘められた背景に焦点が当てられます。その過程で描かれる日本国は、いき過ぎたファシズムによる徹底した管理社会で、まるでディストピアのようです。しかし、日本国は必ずしも負の側面だけが描かれるのではなく、例えば、この国が目指す理想社会は(そこだけを切り取れば)決して悪いものではありません。また、そもそも日本国に蹂躙されたアメリカ社会自体にも差別主義の温床といった描写もあり、どちらの社会も良くは描かれておりません。こういった描写は、この改変世界と我々の現代社会を自然と対比させることとなり、少し考えさせられてしまいます。なんというか、このような手法はまさに「SF的」な感があって好きなのですが、さんざんひっぱってきた石村が六浦賀を捜索する理由が「え?それだけ?」といった内容だったり、登場人物の突然すぎる(そして無意味な)フェードアウトが気になってしまったりと、後半にいくにつれ、「うーん…」という思いが強くなってしまいました。ただ、最後の最後で明らかになる石村の背景は、これまで終始不透明であった石村の人物像をはっきりさせる所謂「ドンデン返し」的な要素もあって、結構好きだったり… -
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ネタバレ(上・下巻全体のレビュー・感想)
第二次世界大戦で枢軸国が勝利し、アメリカ西海岸は大日本帝国が統治し、日本合衆国(USJ)となっている世界(時代は1988年が中心)。
表紙から推察して、メカがもっと活躍するかと思って読んでいたけれど、予想に反してメカの登場シーンは少なかった(上・下巻を並べると表紙絵がつながるのは嬉しい感動。)。
設定はとっても面白いし、翻訳者さんが漢字を上手く使いこなされているお陰で、現実世界の日本ではなく”大日本帝国”が存続している感じが上手く伝わってきました。(解説を読んで、本書で必要不可欠な”電卓”は原文ではportable calculatorを縮めた"portical"という造語だっただったのか、と納得。)
ただ、ストーリー自体は期待が大きすぎたのか、ちょっと拍子抜けしたように感じました。
石村大尉がゲーム「USA」の制作・配信などにどの程度かかわっていたのかが、一読しただけではわかりにくかったです(私の理解力が足りないだけかもしれませんが…)。
エピローグで描写されている石村大尉が両親を告発した経緯が切なかった。このエピソードを知ったうえで、改めて上巻の石村大尉の初登場シーンを読むと、「石村紅功が死を考えない日はなかった。」という言葉の重みが増してきました。 -
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これは、プロモーションによるミスリードだと思う。
いい意味でも、悪い意味でも。
しかし、それぐらい大声をあげて喧伝すべき小説だと思うのです。
ニッポンオタクの韓国系アメリカ人でアメリカ在住の著者が、「日本が戦争に勝ち、以来アメリカは日本に支配されている」という世界を今、この時代に描いたという、その側面こそもっと、スキャンダラスに取り上げられてもいいはず。
著者の出自や物語の舞台設定に垣間見える「無国籍感」こそが、この小説の最大の特徴だと思う。
やはり翻訳小説には翻訳小説の文体というのがどうしても存在してしまって、日本文学のそれとは仕方なく乖離してしまうのだと私は思う。それは言葉を「置き換える」という作業が発生してしまう以上どうしようもないことであって、だからその文体こそがある意味「翻訳小説らしさ」であったりするのだと思う。
その翻訳小説の文体に、漢字カタカナまじりの名前が載って、日本統治下のアメリカ内地で物語が進んでいくというこの違和感。
これは「外国文学」とか「日本文学」とかではなくて、「無国籍文学」というべきなのではないか、と思う。 -
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本書は四分冊の三冊目になる。長い物語なので、中弛みのようなものを感じてしまうのを否めないが、それでも第二次世界大戦と現代とがリンクしてきて、最終巻の大団円に向かう準備ができてきたように思える。また、現代のパートでは、ビットコインを予言するかのような電子通貨が登場する。作品が書かれた頃は、電子マネーはあったと思うけれど、政府が信用を担保しない電子マネーなんて、少なくとも一般的ではない。よくそんな時代に想像できたなと思う。暗号技術は電子マネーと関係が深いので、作者がよく調査した結果なのだろうな。脇のエピソードであるが、個人的に最も驚いた部分だ。
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アメリカの作家パオロ・バチガルピ、2015年発表の小説。アメリカ南西部の諸州が旱魃で危機的な状況に陥った近未来を舞台にしたSF作品。警世の書としてのリアリティはあるのですが、中身はハードボイルド調の極めて通俗的なエンターテインメント。面白いけれど、一寸物足りない、という感じです。
水不足が深刻化し多くの難民が発生、河川の水利権を廻って各州の秘密組織が暗躍、州軍間の緊張も高まり内戦の一歩手前という状況にある近未来のアメリカ南西部が舞台。廃都と化しつつあるアリゾナ州の州都フェニックスでの不穏な動きの調査に赴いたラスベガスの秘密工作員、崩壊して行くフェニックスを執念で取材し続ける女性ジャーナリスト、地元ギャングの横暴に苦しむテキサスからの難民の少女、これら3者がコロラド川の水利権を廻る争いに巻き込まれて行く物語り。登場人物も皆それなりに魅力的だし、面白い作品です。 -
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第二次世界大戦中の暗号に隠された謎とは?
海底ケーブルの事業で窮地に陥った暗号解読者の子孫たちが、その謎に挑む。
大戦中と現代が、暗号(クリプト)によって絡み合う。
題名の「暗号書(クリプトノミコン)」は、もちろん「ネクロノミコン」のもじり。
いやー、毎度ながら、物語はブツ切れで終わってますな。
あれですね、この人の小説は、読み終わってから、「あ〜おもしろかった」と思うものではないです。
いろいろ考えながら読んでいく過程がおもしろい。
筋道きっちり立てた小説が好き…というヒトには向かないかもしれんね。
しかし、SF…というには、無理があるかも。かといって、どこのジャンルに入れるかと問われると、これも困ってしまう。
第二次世界大戦の暗号戦の話、高度な数学の話、ITビジネスの話が出てきたかと思うと、神話の話やTRPGの話やオタクあれこれ、電気街の頃のアキハバラまで出てきますから。
本当に何でもあり。
オタクのオタクのための小説だよなー。話をきっちりまとめられないところもオタク臭くてよいです。
暗号てのは数学の世界です。確率やら素数やら関数やらいろいろ出てきましたが、……えーと、さっぱり分かりませんでした。
数学はものすごく苦手な人間です。100点満点中2点とか取ったことありますからね。
それでも、こうやってパソコンに向かって字を書いてネットに上げるという作業のうちに、そういうわけの分からん数学のお世話になっているわけなんですね。
高度な暗号技術のおかげで、安心してメールのやりとりをしたりネットで本を買ったりもできるわけで。
サイモン・シン「暗号解読」とかを読んでおくととっつきやすいかもです。 -
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第二次世界大戦中の暗号に隠された謎とは?
海底ケーブルの事業で窮地に陥った暗号解読者の子孫たちが、その謎に挑む。
大戦中と現代が、暗号(クリプト)によって絡み合う。
題名の「暗号書(クリプトノミコン)」は、もちろん「ネクロノミコン」のもじり。
いやー、毎度ながら、物語はブツ切れで終わってますな。
あれですね、この人の小説は、読み終わってから、「あ〜おもしろかった」と思うものではないです。
いろいろ考えながら読んでいく過程がおもしろい。
筋道きっちり立てた小説が好き…というヒトには向かないかもしれんね。
しかし、SF…というには、無理があるかも。かといって、どこのジャンルに入れるかと問われると、これも困ってしまう。
第二次世界大戦の暗号戦の話、高度な数学の話、ITビジネスの話が出てきたかと思うと、神話の話やTRPGの話やオタクあれこれ、電気街の頃のアキハバラまで出てきますから。
本当に何でもあり。
オタクのオタクのための小説だよなー。話をきっちりまとめられないところもオタク臭くてよいです。
暗号てのは数学の世界です。確率やら素数やら関数やらいろいろ出てきましたが、……えーと、さっぱり分かりませんでした。
数学はものすごく苦手な人間です。100点満点中2点とか取ったことありますからね。
それでも、こうやってパソコンに向かって字を書いてネットに上げるという作業のうちに、そういうわけの分からん数学のお世話になっているわけなんですね。
高度な暗号技術のおかげで、安心してメールのやりとりをしたりネットで本を買ったりもできるわけで。
サイモン・シン「暗号解読」とかを読んでおくととっつきやすいかもです。 -
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第二次世界大戦中の暗号に隠された謎とは?
海底ケーブルの事業で窮地に陥った暗号解読者の子孫たちが、その謎に挑む。
大戦中と現代が、暗号(クリプト)によって絡み合う。
題名の「暗号書(クリプトノミコン)」は、もちろん「ネクロノミコン」のもじり。
いやー、毎度ながら、物語はブツ切れで終わってますな。
あれですね、この人の小説は、読み終わってから、「あ〜おもしろかった」と思うものではないです。
いろいろ考えながら読んでいく過程がおもしろい。
筋道きっちり立てた小説が好き…というヒトには向かないかもしれんね。
しかし、SF…というには、無理があるかも。かといって、どこのジャンルに入れるかと問われると、これも困ってしまう。
第二次世界大戦の暗号戦の話、高度な数学の話、ITビジネスの話が出てきたかと思うと、神話の話やTRPGの話やオタクあれこれ、電気街の頃のアキハバラまで出てきますから。
本当に何でもあり。
オタクのオタクのための小説だよなー。話をきっちりまとめられないところもオタク臭くてよいです。
暗号てのは数学の世界です。確率やら素数やら関数やらいろいろ出てきましたが、……えーと、さっぱり分かりませんでした。
数学はものすごく苦手な人間です。100点満点中2点とか取ったことありますからね。
それでも、こうやってパソコンに向かって字を書いてネットに上げるという作業のうちに、そういうわけの分からん数学のお世話になっているわけなんですね。
高度な暗号技術のおかげで、安心してメールのやりとりをしたりネットで本を買ったりもできるわけで。
サイモン・シン「暗号解読」とかを読んでおくととっつきやすいかもです。 -
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第二次世界大戦中の暗号に隠された謎とは?
海底ケーブルの事業で窮地に陥った暗号解読者の子孫たちが、その謎に挑む。
大戦中と現代が、暗号(クリプト)によって絡み合う。
題名の「暗号書(クリプトノミコン)」は、もちろん「ネクロノミコン」のもじり。
いやー、毎度ながら、物語はブツ切れで終わってますな。
あれですね、この人の小説は、読み終わってから、「あ〜おもしろかった」と思うものではないです。
いろいろ考えながら読んでいく過程がおもしろい。
筋道きっちり立てた小説が好き…というヒトには向かないかもしれんね。
しかし、SF…というには、無理があるかも。かといって、どこのジャンルに入れるかと問われると、これも困ってしまう。
第二次世界大戦の暗号戦の話、高度な数学の話、ITビジネスの話が出てきたかと思うと、神話の話やTRPGの話やオタクあれこれ、電気街の頃のアキハバラまで出てきますから。
本当に何でもあり。
オタクのオタクのための小説だよなー。話をきっちりまとめられないところもオタク臭くてよいです。
暗号てのは数学の世界です。確率やら素数やら関数やらいろいろ出てきましたが、……えーと、さっぱり分かりませんでした。
数学はものすごく苦手な人間です。100点満点中2点とか取ったことありますからね。
それでも、こうやってパソコンに向かって字を書いてネットに上げるという作業のうちに、そういうわけの分からん数学のお世話になっているわけなんですね。
高度な暗号技術のおかげで、安心してメールのやりとりをしたりネットで本を買ったりもできるわけで。
サイモン・シン「暗号解読」とかを読んでおくととっつきやすいかもです。