宮本輝のレビュー一覧
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ネタバレもともとこの作家は語り口が好きなのですが、今回はその良さをすごくよく感じました。
二つの視点が交互に語っていく一人の女性の姿が重なりながら離れながら物語は進んでいくのですが、その人となりが明かされていく中で、どんどん加速度的に読み進めていける作品だったと思います。続きが読みたい、とどんどん思える作品ってすごいと思うんですよね。
一人の人間の生涯がどれほどまでに深く、どんな運命を辿ってきたのか。“幸せ”を掴むために持つ覚悟や、忘れられない出来事が遠回りをしながら明かされていく様子が、淡々と描かれているこの話が私はとても好きです。
枯れたひまわりの出てくる場面がとても好きなのですが、もう一つ -
Posted by ブクログ
2007/02/06 Tue
早く最後が読みたくて、あっという間に読み終えたのはいいけれど、
何?この不完全燃焼は…!?
結局、謎は解明されないまま。
それぞれ推理しろってことかしら…。
面白いのに凄く残念です。
2人はますます深い快楽に身を落とすわけだけど、
やっぱり背徳とか、異常?な世界に身を置けば置くほど、
痺れるような快楽を得るのかな。
ある意味、ポン中のようなものかも知れない。
この本を読んで気付いたのは、
人間という動物だけが、背徳によって性的快楽が増すということ。
これは、精神(気持ち)を持っている人間だからこそ成せる業?なのかも知れない。 -
Posted by ブクログ
中国旅行中にタクラマカン砂漠近郊の村から自転車に乗ったまま行方不明になってしまった、血の繋がりのない兄・雅人。
その兄の消息を探す弟と、雅人の帰りを待つ恋人。。。。
黄河源流にあると言われる「星宿海」をキーワードに、雅人とその周囲の人々の壮絶な人間模様が描かれている。
この作品は、少々重かった。
雅人は元々は物乞いの母と一緒に物乞いをしていた少年で、母の死後、その死に関連して後ろめたい気持ちのある紀代志の両親が引き取って、紀代志と雅人は兄弟として育つ。
作られた家族は、どこまでいっても作られた家族で、本物のの家族にはなりえないのか。
雅人の心の奥底には亡き母の姿がずっとあって、その姿を星海宿に -
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宮本さんと言えばまず、教科書に出てくるのが「蛍川」
そして、人気が高い名作が「ドナウの旅人」
そして、この「異国の窓から」は「ドナウの旅人」を執筆するにあたって、ドナウ川まで取材に行ったときの紀行文である。私はこの作品がものすごくお気に入り。
1988年に光文社より単行本として発売されたものに、著者が加筆したものを角川から再度出版したので、書いたときは、まだドナウ川沿いは共産国ばかりで、社会背景がとても難しく、書かれた著者もかなりのご苦労があったと思う。
でも、その中での暖かい人々とのふれあいや、すったもんだを面白おかしく書いているところはさすが!と言った感じ。言う間でもないが、「ドナウの旅人 -
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「因果倶時」原因が生じた瞬間には結果もそこに生じているという意味。それがテーマとなっている一冊。人の境遇と言うのは因果倶時の凝縮であり、つまりそのような境遇になる原因は自分自身が作っているのだと言う。宮本作品には宿命だとか運命だとかを背負っている登場人物が多いのだけど、本書の中では苦しみや悲しみを背負って生きてきた主人公の母親が「みずから因を作れば、その果はそのとき瞬時に私の中に宿るのだ」「幸福のために新しい因を作りたい」と言っている。宿命というのは本当にあるのかもしれないけれど、新しい因を作ることはできる。そう思えば希望が持てる気がする。宮本作品の深さを知った一冊。苦戦したけど、最後まで読ん