猪股和夫のレビュー一覧

  • 猟犬

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    ノルウェーの作家ヨルン・リーエル・ホルストの「猟犬」を読み終えました。

    最近読んだ「未解決事件四部作」の、「カタリーナコード」「鍵穴」「悪意」「疑念」より前に書かれた小説で、物語の時系列も5年ぐらい前の話。

    とはいえ、最近の四部作と同様に、ヴィスティングの冷静な捜査は健在。少し若いヴィスティングと、少し若いリーネ(ヴィスティングの娘)が、協力して事件の核心に迫っていく。

    とても面白かったし、ヴィスティングも相変わらずかっこいいのだけれど、事件の流れのパターンが、未解決事件四部作と似てるな〜と思いました。

    たまたま、日本語訳されている作品が同じようなパターンなのか、それともヴィスティング

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    2023年04月08日
  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか

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    資本主義経済体制の世界史 産業革命を機に未曾有の経済発展を実現した
    その成功ゆえに「地球環境の制約」という新たな本質的課題に直面している
    加えて「コロナ禍」が加わり、経済体制の見直し・改革論が噴出してきている
    マルクス資本論ブームはその象徴である
    著者は軽々に資本主義経済体制の終焉論には与しない
    代わり得る体制が明らか出ないこともあるが、資本主義はまだまだ使える体制と評価
    しかし新自由主義の行き過ぎは是正しなければならない
    ケインズ的な「マクロ管理」の強化を主張する
    地球という視点で、社会インフラ・ネットワークの再構築を行うと言うことである
    短期的効率主義により、電力・鉄道・通信・道路・教育・

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    2021年04月30日
  • 資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか

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    経済史の概説を通して資本主義を丁寧に再定義している。資本主義と市場経済、実体経済と金融経済、金融危機と経済危機といった概念間の明確な分離の上で、資本主義の本質を洞察しようとする試みは秀逸で、個人的には靄が晴れるような体験であった。終盤では未来についての記述も、資本主義の枠組みの内外でそれぞれ数頁ずつ割かれており、短いながらも一貫性があり納得のいく内容であった。著者はドイツ人であり、ドイツを中心とした記述も見られたが、その多くが一般化可能な内容であった。経済学を専攻しなかった人こそ読むべき一冊。

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    2020年08月19日
  • ブラックアウト 下

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    登場人物を覚えるのが大変だけど、ヨーロッパ中を巻き込んで急テンポで話が進んでいき、内容の重さとは裏腹にエンターテイメントな作品。電気事業、EUやその他ヨーロッパの行政、システムにわたる作者の知識に驚かされる。

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    2019年11月04日
  • ブラックアウト 上

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    ヨーロッパ全域を襲った未曾有の大規模停電。
    元ハッカーのマンツァーノをはじめ、
    各地(各国)の電力公社や国自身、そしてテロ対策部隊などがこの危機に向かっていく。

    人々ははじめこそ楽観視していたが、
    停電が長引くにつれ、不安や恐怖が肥大していき、食料や燃料を強奪するといった暴動も起き始めている。

    彼らは、この危機をどのように対処していくのか。
    そして、この停電をおこした犯人は誰で、何が目的なのか。

    というあらすじ。


    登場人物の多さ、視点の切り替わり、場所の移動といったことが注目するところかな。

    文章でよむとちょっと大変さがあるけど、
    映画にしたら面白そうな内容。

    後半に期待。

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    2016年11月27日
  • 猟犬

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    ネタバレ

    北欧からのサスペンスで、珍しくノルウェーが舞台。文章が滑らかで読みやすく、適宜混ぜられる風景描写やキャラ付けも上手い。一人称の小説だが、面白いのは父と娘それぞれの視点で描かれ、警察官である父が追う17年前の事件にまつわる真相と、記者である娘が追う現在の殺人事件が、やがては(予想通りに)結びついていく構成になっていること。どちら側も丁寧に描いてあるので気持ちよく読める。しかも、北欧ものにしては珍しく?残酷描写も少ない。
    そもそもこの訳者がうまいのかもしれない。特に北欧というか英語圏以外の小説の場合、登場人物の名前が憶えにくいので詳しい人物一覧が載っているのもありがたかった。
    ただこれがシリーズの

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    2015年10月22日
  • 全貌ウィキリークス

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    [リークスをリーク]アフガン及びイラク戦争に関する記録や米国の国務省の外交機密を公開して世界的な注目を集めたウィキリークス。創設者であるジュリアン・アサンジの足跡をたどりながら、公開がどのようにして行われたか、影響はどのように広がったか、そして今後ウィキリークスはどのような道を歩んで行くことになるのかについて思索を重ねた一冊です。著者は、いくつかの文書の公開時にパートナーとしてウィキリークスと協力した独『シュピーゲル』紙の記者であるマルセル・ローゼンバッハとホルガー・シュタルク。訳者は赤坂桃子、猪俣和夫、福原美穂子の3名。


    著者が極めて近くでウィキリークスを見てきただけあり、知られざる内幕

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    2015年09月18日
  • 猟犬

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    ネタバレ

    おもしろかった。主人公のヴィスティングとその娘のリーネの視点から、17年前の事件と現在の事件いくつもの事件とが、予想を裏切りながら少しずつ収束していく。
    ここんとこ、いい本に巡りあえるなぁ。

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    2015年09月10日
  • 猟犬

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    「ガラスの鍵」賞を受賞した、ノルウェーの警察小説。
    手際のいい書きっぷりで、スリリング。
    楽しめました。

    ヴィリアム・ヴィスティング警部は、警察勤務31年のベテラン。
    17年前の事件で証拠捏造があったとある日突然訴えられ、停職になってしまう。
    捜査権もない立場で、自らの無実を立証できるのか‥?

    娘のリーネは新聞記者になって5年。
    ある事件の取材中、父の危機を前もって知り、特種をとろうと必死になっていた。
    それぞれに限界はある身だが、真相を突き止めようと協力し、離れていても支えあう父娘。

    ヴィスティングは長く連れ添った妻をなくし、その後に思いがけずにスサンネという恋人が出来た。
    だが、スサ

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    2015年08月14日
  • 猟犬

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     17年前の証拠偽造の責任を問われて停職処分になったヴィスティング刑事が新聞記者の娘と共同して真実を暴く物語。休日中や停職中の刑事を主人公にしたミステリというのは、それがシリーズ作品であったりすればなおのこと個性的なストーリーになることが多い。停職により、銃器やバッジを携帯していなかったり、警察署の資料を公的に漁ることができなかったり、底意地の悪い上司の妨害に合ったりするのが定番だからだ。

     いわゆる普通の捜査ができずハンディキャップを背負っている刑事である。しかも自分を罪に問う疑惑を、その逆境から自力で救い出さねばならない。主人公であるヴィスティングはノルウェイでは人気のシリーズでありなが

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    2015年06月05日
  • ブラックアウト 下

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    久しぶりの長編小説を読んだ。
    ヨーロッパを襲う大規模停電がメインである。
    東日本大震災を体験した日本人には、あまりにもリアルな内容である。

    ITを基盤にしたインフラは便利な反面乗っ取られるとすべてがコントロールを失う。
    電気がなくなればどうなるか。
    電気があって当たり前の社会でえは、水、食糧からすべての生活が奪われる。
    原発も非常用電源には燃料が必要になるがその燃料も供給が止まる…

    今後、スマートグリッドの導入も近いかもしれないが、これを読んでしまうと考えさせられる。

    ITにすべてを委ねると便利だがすべてを失うことも考えられる。
    私も何が正しいものか結論はでていない。

    ぜひたくさんの方

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    2014年04月30日
  • ブラックアウト 下

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    ネタバレ

    電源喪失により、遂に原発のメルトダウンに到ったヨーロッパ。さらにはアメリカでも同様にテロが起き、最早救援の手はどこからも期待できない。テロリストによる更なる攻撃はあるのか?手に汗握る下巻。

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    2013年08月28日
  • ブラックアウト 上

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    ネタバレ

    福島第一原発の事故の記憶も生々しい現在、リアルに起こりそうな電源喪失テロ。ヨーロッパ全土に巡らされた送電網がほんのわずかな瑕疵によって恐ろしい破滅をもたらした。立ち向かうのはひとりの元ハッカー。キャラクター設定もストーリーのスピード感も爽快なパニック小説。上巻。

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    2013年08月28日
  • ブラックアウト 上

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    面白い。一気に読めるはずが、ストーリー中に登場する、電力会社エネル社調べたり、ルータ、スマートメータ、等のネットワーク、総務省の研究会どうなってるんだっけ?とか、。フィクションだから、現実の情報なぞネットにあるはずもないのに、マジに調べたりして。。笑

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    2013年08月04日
  • ブラックアウト 下

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    多くの方がレビューしている通り、登場人物とヨーロッパ各地が頻繁に切り替わることからストーリーを追うのが大変だったが、電気がないことによる影響がこれでもかというくらいリアルに想像させられた。
    特に、停電当日~復旧までの十数日間の時系列での描写は、徐々に読んでいるこちらも切羽詰まる思いがした。

    東日本大震災や、直近でPC遠隔操作事件の逮捕劇を見ていただけに、読んでいてフィクションとは思えないような感覚だった。

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    2013年02月27日
  • ブラックアウト 下

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    テンポの速い場面展開で映画になったらきっと面白いんだろうなぁと想像。読むには頭を整理しないとついて行くのが大変ですね。

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    2012年12月28日
  • ブラックアウト 上

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    ネタバレ

    久々に出会った眠れなくなるノンストップパニック小説。欧州で停電が何日も続いたらどうなるのか、謎に挑む凄腕イタリアンハッカーと警察、そして恋。次々と展開する冒険のせいで本当に寝不足だ。映画化して欲しいです。

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    2012年10月26日
  • ブラックアウト 下

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    時宜に合ったすごい小説だ。いろいろもどかしい部分や、筋を追いかけるのにやや難があったり、犯行の動機が今更感が拭えないなどの欠点はあるが、人間の本性を描き切った点を高く評価できる。3・11の時の太平洋側の東北各県の経験を彷彿とさせ、この小説のような最悪の事態にはならなかったことは、日本人の特性だったのかと思ったりする。実際に2003年のニューヨーク地区の停電を経験した身には、あれが1週間も続いていたらと、ゾッとする。あの時はアパートの33階にいて、その上下にはうんざりさせられたものだ。なお、この小説では原発事故に触れているが、ツッコミが足りずその結末が曖昧な点、フクシマを人ごととしか見ていないと

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    2012年10月09日
  • ブラックアウト 下

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    一気に読ませる力がある。
    専門知識豊富な人からしたら、穴があったりツッコミの足りないところがあるのかもしれないが、コンピュータや電力問題、原子力発電所問題をちょっとかじった程度の私には、読み応え充分。

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    2012年09月25日
  • 全貌ウィキリークス

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    ウィキリークスの成り立ちとリーダーについて書いてある。ウィキリークスってこういうものか、というのと、世界にはたくさんのメディアが存在して動いているのだなと。私も読むのに時間がかかった。

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    2012年01月21日