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17年前の誘拐殺人事件で容疑者有罪の決め手となった証拠は偽造されていた。捜査を指揮した刑事ヴィスティングは責任を問われて停職処分を受ける。自分の知らないところで何が行なわれたのか? そして真犯人は誰なのか? 世間から白眼視されるなか、新聞記者の娘リーネに助けられながら、ヴィスティングはひとり真相を追う。しかしそのとき、新たな事件が起きていた……。北欧ミステリの最高峰「ガラスの鍵」賞をはじめ、マルティン・ベック賞、ゴールデン・リボルバー賞の三冠に輝いたノルウェーの傑作警察小説
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Posted by ブクログ
ノルウェーの作家ヨルン・リーエル・ホルストの「猟犬」を読み終えました。 最近読んだ「未解決事件四部作」の、「カタリーナコード」「鍵穴」「悪意」「疑念」より前に書かれた小説で、物語の時系列も5年ぐらい前の話。 とはいえ、最近の四部作と同様に、ヴィスティングの冷静な捜査は健在。少し若いヴィスティング...続きを読むと、少し若いリーネ(ヴィスティングの娘)が、協力して事件の核心に迫っていく。 とても面白かったし、ヴィスティングも相変わらずかっこいいのだけれど、事件の流れのパターンが、未解決事件四部作と似てるな〜と思いました。 たまたま、日本語訳されている作品が同じようなパターンなのか、それともヴィスティングシリーズやホルストの書くもの全般なのかわからないけれど、似てる。 過去の事件と、現在起こっている事件が繋がっていて、そこを突き詰めて、事件の全体像にたどり着く、というもの。 パターン化してる、とは言っても、面白いからいいんですけどね。 これで邦訳されているホルストの小説は読み終わってしまいました。さみしー。 本国ノルウェーでは、新作が出版されているらしいので、早く翻訳して出版してくださ〜〜い。
「ガラスの鍵」賞を受賞した、ノルウェーの警察小説。 手際のいい書きっぷりで、スリリング。 楽しめました。 ヴィリアム・ヴィスティング警部は、警察勤務31年のベテラン。 17年前の事件で証拠捏造があったとある日突然訴えられ、停職になってしまう。 捜査権もない立場で、自らの無実を立証できるのか‥? ...続きを読む娘のリーネは新聞記者になって5年。 ある事件の取材中、父の危機を前もって知り、特種をとろうと必死になっていた。 それぞれに限界はある身だが、真相を突き止めようと協力し、離れていても支えあう父娘。 ヴィスティングは長く連れ添った妻をなくし、その後に思いがけずにスサンネという恋人が出来た。 だが、スサンネは店のほうが大事らしく、こちらはどうも隙間風が吹き出しているよう‥? 17年前の事件というのは、少女失踪事件。 ヴィスティングが初めて捜査の指揮を執った事件だった。 そして、今もまた少女が行方不明となり、その捜査に加わることも出来ない‥ 飽きさせずに動きがあり、絡み合う事件が思わぬところから手がかりを見せる。 リーネの応援や旧い仲間との繋がりが、道を切り開いていきます。 作者は1970年生まれの警察官。 2000年に作家デビュー。2012年のこの作品が8作目で、このときまでは警察に勤めていたそう。 北欧のミステリに与えられる最高の賞であるガラスの鍵賞をはじめとする賞を独占した高評価なのも、うなずけます。 ヴィスティングは作者よりも一回りぐらい年上ですね。 理想の警部像なのかな。 この現実味と渋さがなかなか魅力的なシリーズ。 他の作品も読んでみたいです!
17年前の証拠偽造の責任を問われて停職処分になったヴィスティング刑事が新聞記者の娘と共同して真実を暴く物語。休日中や停職中の刑事を主人公にしたミステリというのは、それがシリーズ作品であったりすればなおのこと個性的なストーリーになることが多い。停職により、銃器やバッジを携帯していなかったり、警察署の...続きを読む資料を公的に漁ることができなかったり、底意地の悪い上司の妨害に合ったりするのが定番だからだ。 いわゆる普通の捜査ができずハンディキャップを背負っている刑事である。しかも自分を罪に問う疑惑を、その逆境から自力で救い出さねばならない。主人公であるヴィスティングはノルウェイでは人気のシリーズでありながら、初の邦訳となる。北欧のミステリに掲げられる栄冠『ガラスの鍵賞』を獲らなければぼくらの眼に触れることは未だなかった作家であったことだろう。賞の意味は主に海外ミステリ市場が活発とは言えない日本の餓えた読者にとってはとても大きい。賞さえ取れば出版社は翻訳に漕ぎ出す。 さて本書の構成であるが、反骨の気概たくましいベテラン刑事の孤立した捜査を表し、『ダーティ・ハリー』ばりのオーソドックスを基本とし、さらに連続少女誘拐の過去そして現在とタイムリミット型追跡エンターテインメントとしてまさに王道。さらに主人公の脇を固める娘、恋人、元同僚らと、それぞれの距離感も絡んでくる中で奇をてらわず地道なストーリーテリングに終始する本物志向の好感溢れる索引となっている。 主人公と娘リーネのコンビネーションもよく、とりわけスリリングな活劇の半分以上はリーネとその仲間たちに持って行かれているくらいである。新聞社では娘もまた直属上司との軋轢の中で実力を発揮、仲間たちとともに胸のすく活躍を見せてくれる。 逆境から逆転に向けて様々な困難を跳ね除けて真相に迫り、悪という悪を根こそぎにしてゆこうという、まさに警察小説の鉄板ストーリーであり、ノルウェーという遠い遠い国の中で進んでゆく展開ながら、安心して身を委ねられる重量感を持ち合わせている。スピードと重さと人間たちの魅力とどれを取っても一級品の娯楽小説。これを機にヴェスティング刑事シリーズの翻訳がさらに進むと嬉しいのだが。 また北欧ミステリは今やブランドとも言えるほど信頼性のおける作家・作品の目白押しである。しかしノルウェイはその中でもかなりマイナーな部類だろう。この作品をきっかけにフィヨルドを背景にした珍しいミステリが、続々日本に紹介されることを願ってやまない。
4部作と、この作品を読んでしまったら、次が読めなくなるのがさみしい。 主人公は、スーパーじゃないけど、心ひかれる。 この作品だと、また色々な文学的な言い回しや、サッカーボールなんかの小道具がちょっと浮いて見えるな。
くたびれた中年オヤジの刑事が登場する警察小説が好きである。本書は北欧ミステリの最高の栄誉であるガラスの鍵賞を受賞した、間違いなく面白い作品。ヴィリアム・ヴィスティング警部を主人公とするシリーズの8作目で、本邦初登場である。少し前の刊行でその時は手に取らなかったが、今年になってドラマ化され、なぜか版元...続きを読むを小学館に変えて過去のシリーズが続々と刊行されており、見過ごせなくなった。 物語の発端は17年前の女性誘拐殺人事件。ヴィスティングはこの事件の捜査指揮をとり、犯人逮捕に至ったが、ここにきてその証拠が捏造されたものだったという告発をされてしまう。マスコミに叩かれ、停職扱いとなり、苦しい立場に追いやれられるヴィスティング。次第にパートナーとの関係もギクシャクし始める。自分は間違ったことはしていない。だが、あの逮捕ははたして正しかったのか。仲間内に違法な捜査をした者がいたのか。ヴィスティングは自ら過去の事件の再点検を始める。彼の葛藤が丁寧に描かれ、派手な描写はないが、ストーリーに説得力がある。徐々に引き込まれていく読書感が心地よかった。 ヴィスティングには新聞記者の娘リーネがおり、自分の属するマスコミが父親を窮地に立たせていることにいたたまれない思いでいる。リーネが別の事件を追いかけるサイドストーリーが挟まれ、それが物語に深みを与える。 ただ、気になったのは、この娘の存在。協力を申し出るリーネにヴィスティングは捜査資料を渡してしまうし、情報も開示していく。リーネはリーネで父親宛に関係者が残した証拠を勝手に受け取って中身を確認してしまう。2人の間で特に問題にはなっていなかったが、そんなのあり? ノルウェー的にはOKなんだろうか。謎。 とはいえ、全体的に期待を裏切らない面白さ。というわけで、小学館からのシリーズも入手して読んでいこうと思う。
新聞の書評で見つけて面白そうだと買ってみた。 ある事件を探るうちに過去の事件も絡んできて、主人公とその娘が、それぞれに違うアプローチで真相に近づいていく。 話が丁寧に進んで行って、先が気になってタッタカターと読み終わった。面白かったー! 同じシリーズの他のもの買ってみた。 これだけ文庫になってないの...続きを読むよね〜
ノルウェーの警察小説。ガラスの鍵賞などを受賞した、読み応えのある一冊。 17年前の誘拐事件で証拠偽造の疑いが生じ、停職となったヴィスティングが事件を再調査する。現在の事件との繋がりも見えてくるなど、事件は複雑に交差する。主人公の落ち着いた言動が安心感をもらたし、じっくり味わえるミステリーである。
面白い!! 北欧のミステリー、頼むから翻訳して読ませて欲しい! ハヤカワさん創元さん頼みますよ…と思っていたらこのシリーズ、小学館で文庫になってる?!読みます
ノルウェーの作品。この作家の新作が小ほん学館文庫から出たのでしらべたらこれを見つけた。おなじみガラスの鍵賞とあとふたつで三冠受賞の帯。でもこれがシリーズの8作目にして初翻訳だそうだ。 マスコミと警察の関係が興味深い。
先日、著者の来日時にトークを聞きに行き読み始めた。 17年も昔に捕らえた誘拐殺人犯が刑期を終えるや冤罪を訴える。証拠品捏造の罪を被せられ、停職を強いられた刑事が新聞記者の娘と真相に迫る。 刑事と娘というコンビも良いし、それぞれが抱える問題もそれとなく描いて深みを出す。 なにより、事の次第はどう...続きを読むなのか、最初はまどろっこしいのだが点と点が繋がり始めてからは、そのゆっくりとした滑り出しこそが全て必要だったことがぽろぽろと見えてくる。すばらしい。 ノルウェー、いいなあ。
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