無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
門外不出のイラク戦争日誌や外交公電など、各国政府のトップシークレットを次々と暴露する、前代未聞の内部告発組織「ウィキリークス」。以前からこの組織を取材し、創設者ジュリアン・アサンジの信頼を勝ち取ったのが本書の著者、ドイツ「シュピーゲル」誌のトップ記者である。密着取材を許され、ウィキリークスのメディア・パートナーとして活動を共にする2人。その過程で、彼らはこの組織の「偉業」だけでなく、謎に包まれたシステムの意外な脆さ、アサンジがひた隠す数々の「汚点」、そして現代ジャーナリズムが抱えるジレンマをも浮き彫りにしていく――。
いま世界でもっとも注目される組織のすべてに迫る、決定版ドキュメント。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
[リークスをリーク]アフガン及びイラク戦争に関する記録や米国の国務省の外交機密を公開して世界的な注目を集めたウィキリークス。創設者であるジュリアン・アサンジの足跡をたどりながら、公開がどのようにして行われたか、影響はどのように広がったか、そして今後ウィキリークスはどのような道を歩んで行くことになるのかについて思索を重ねた一冊です。著者は、いくつかの文書の公開時にパートナーとしてウィキリークスと協力した独『シュピーゲル』紙の記者であるマルセル・ローゼンバッハとホルガー・シュタルク。訳者は赤坂桃子、猪俣和夫、福原美穂子の3名。
著者が極めて近くでウィキリークスを見てきただけあり、知られざる内幕が事細かに描かれています。綺羅星の如く颯爽と現れた感のあるウィキリークスですが、発足当初から次第に活動の軸足が揺れ動いていった様子や、理念とは少し遠ざかる方向に寄り道をしたりする様子が見て取れます。アサンジ氏の良い意味でも悪い意味でも変人的(?)な側面もしっかりと描写されており、大変に読み応えのある作品でした。
秘密をなくしていくという使命とは裏腹に、ウィキリークス自身がその存在のために秘密を必要としていること、また、遠大な理想に向けての技術的及び時間的制約が莫大すぎて、1つ1つのステップが逆に理想からウィキリークスを遠ざけていることという2点がウィキリークスが抱える大きな問題点、ないしは矛盾点のように思います。筆者による今後のウィキリークスに関する論考も非常に説得力がありましたので、ジャーナリズムに携わる方にはその部分だけでもぜひオススメです。
〜ウィキリークスが問題にしているのは、情報の主権を握るのは誰なのかということだ。〜
次はアサンジ氏の手記に手を出してみようかな☆5つ
Posted by ブクログ
イラク戦争における「コラテラル・マーダー」の衝撃的な映像から、アフガン戦争軍事日誌の公開、イラク戦争軍事日誌の公開、米外交公電文書の公開まで国家機密という概念自体にも大きな衝動を与えてきたウィキリークス。その創立者で主宰者であるジュリアン・アサンジ自身の生誕からの物語を中心として、その足跡を辿っている。
その物語は、"情報公開(リークス)"の話を軸として、情報提供者としての面が割れてしまったブラッドリー・マニングの話や、アサンジの強制わいせつ事件の話を絡めて進んでいく。情報公開プロジェクトに直接深く関わり、アサンジ氏にも近かったドイツ・シュピーゲル紙の記者がその経緯を綴っているため、臨場感が感じられる。
一連の情報公開において、既存マスメディアであるニューヨークタイムズ紙、ガーディアン紙、シュピーゲル紙などの大手ジャーナリズムとウィキリークスが互いにメリットを享受する形で深く手を組んで情報活用の最大化を図った事実は、その成功の鍵となった戦略として興味深い。
一方、その存在が既存のジャーナリズムの役割に与える影響について当事者である著者らも無自覚ではない。
「実際にウィキリークスは、マスメディアとのあいだで互いに影響を与え合うような、変化し続ける組織だ。つまり、ウィキリークスはジャーナリズムを変え、ジャーナリズムもウィキリークスを変えたのだ」(P.371)
ジャーナリズムの情報を取捨選択するゲートキーパーとしての機能は果たしたとはいえ、やはり特権の一部をはぎ取られた思いがあるのではないのか。上記の「ウィキリークス」を「インターネット」などと言い換えても成立しそうな言葉だ。
ウィキリークスの行動は、国家機密という公有情報の所有権というものについても考えさせることとなった。それは国家安全保障上の問題でもあるのだが、国家というものを所与のものとしないものにとっては意味をなさないのだろう。
---
ウィキリークスによって実際に何が行われたのかを知るのに非常に有用な書籍。またそれは知っておくべきことでもあるのだろう。テクノロジーの進化による必然的な流れのようにも見えるが、やはりそこには毀誉褒貶まみえる強烈な個性が存在することが分かる。
Posted by ブクログ
ウィキリークスのメディアパートナーとして活動をともにするドイツ「シュピーゲル」誌のトップ記者によるドキュメント本。ジュリアン・アサンジの信頼を勝ち取り、密着取材を許可されて描かれた内容は、明らかに他のウィキリークス本と比べ距離感が近く、非常にダイナミックである。
◆本書の目次
弟一章:「国家の敵」ウィキリークス
第二章:ジュリアン・アサンジンとは誰か
第三章:ウィキリークス誕生
第四章:「コラテル・マーダー」ビデオの公開、マニング上等兵の背信
第五章:大手メディアとの協働、アフガン戦争記録のリーク
第六章:内部崩壊の危機、イラク戦争日誌四〇万件公開の衝撃
第七章:世界が震えたアメリカ外交公電流出
第八章:包囲されたウィキリークス
第九章:ウィキリークスの未来、世界の未来
マーク=ザッカ―バーグがFacebookを生み出したのと同じ2006年に開設されたウィキリークスは、評判経済におけるもう一人の主人公である。透明な社会を指向する彼らの行為は、その類まれな技術力で情報の共有を促進し、国家間のソーシャルグラフに大きな影響を与えてきた。
たびたび投げかけられる、ウィキリークスはジャーナリズムか、情報テロかという問いかけは、ジュリアン・アサンジという一人の男が放つ言動の二面性によるところが大きい。
◆情報テロ寄りの発言
・「大物たちのもくろみを台なしにするのが大好きなんだ。こんな面白い仕事はないよ。」
・「我々は人類の天空に新しい星を輝かそうとしています。」
・「ちょっとひと騒ぎおこそうじゃないか。」
・「僕はこの組織のハートであり魂なんだ。創設者でスポークスマンで、最初のプログラマーで主宰者で、出資者で、残り全部。君がそれを問題だというんなら、失せろ。」
・「CNNは恥を知れと言いたい、ラリー、あんたもだ!」
・「僕の結論は、国際メディアをとりまく状況がどれも悪く、ゆがんでいるから、メディアがないほうがましなくらいだ、ということだ。」
◆ジャーナリズム寄りの発言
・「ウィキリークスはすべての人の友と見られなければならない。なぜなら我々はすべてのに人の個人に、それまで存在しなかった道を発見できるように、我々の知識を提供しようとしているからだ。」
・「コンテンツはそれ自身が語るのであり、説明を必要としない。誰もが検討し分析できるように、開放しなければならない。勝利、自由、真実。」
・「おそらく正義の戦争とやらを始めるよりも、まったく参戦しないほうが、多くの人命を救えるだろう。」
・「戦争の悲惨さと日常化している残忍さへ強い光を当て、僕らの戦争を見る目を変えるだけでなく、現代のすべての戦争を見る目も変えるだろう。」
・「公表は透明性を高め、その透明性がよりより社会へとつながっていく。チェック機能がうまく働けばそれだけ腐敗が避けられ、民主主義は強固になる」
この二面性は数奇な生い立ちによって形成された彼自身の性格によるところも大きいが、意図的にそのように振舞っているようにも思える。つまり、彼は自分自身に色がつくのを恐れているのだ。自分を理解されたくないし、縛られたくもない。政治的にあらゆる傾向を持つ内部告発者に開かれている存在であるために、そして得体の知れなさで注目を引き、リークの影響をさらに大きくするために。
本書はジュリアン・アサンジの、こんな台詞で幕を閉じる。「組織としてのウィキリークスは、非常に安定している。僕たちはそれほど簡単には排除されないよ。でも、ぼく自身自分から仲間はずれになりたがる性格なんだ。これが僕たちの最大の問題だよ」。情報の機密を公開することで、世の中を動かしてきたウィキリークス。その影響で彼らの存在自体も脚光を浴びていくことは、ウィキリークス内部の情報もリークされつつあることを意味する。そしてそれは、ジュリアン・アサンジのさらなる変節を生み出していくだろう。ある意味我々は、勝者なき時代の中へと、突入しているのではないだろうか。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
小説・文芸
ビジネス・実用
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
ビジネス・実用