ユーザーレビュー 全貌ウィキリークス マルセル・ローゼンバッハ / ホルガーシュタルク / 赤坂桃子 / 猪股和夫 / 福原美穂子 [リークスをリーク]アフガン及びイラク戦争に関する記録や米国の国務省の外交機密を公開して世界的な注目を集めたウィキリークス。創設者であるジュリアン・アサンジの足跡をたどりながら、公開がどのようにして行われたか、影響はどのように広がったか、そして今後ウィキリークスはどのような道を歩んで行くことになるの...続きを読むかについて思索を重ねた一冊です。著者は、いくつかの文書の公開時にパートナーとしてウィキリークスと協力した独『シュピーゲル』紙の記者であるマルセル・ローゼンバッハとホルガー・シュタルク。訳者は赤坂桃子、猪俣和夫、福原美穂子の3名。 著者が極めて近くでウィキリークスを見てきただけあり、知られざる内幕が事細かに描かれています。綺羅星の如く颯爽と現れた感のあるウィキリークスですが、発足当初から次第に活動の軸足が揺れ動いていった様子や、理念とは少し遠ざかる方向に寄り道をしたりする様子が見て取れます。アサンジ氏の良い意味でも悪い意味でも変人的(?)な側面もしっかりと描写されており、大変に読み応えのある作品でした。 秘密をなくしていくという使命とは裏腹に、ウィキリークス自身がその存在のために秘密を必要としていること、また、遠大な理想に向けての技術的及び時間的制約が莫大すぎて、1つ1つのステップが逆に理想からウィキリークスを遠ざけていることという2点がウィキリークスが抱える大きな問題点、ないしは矛盾点のように思います。筆者による今後のウィキリークスに関する論考も非常に説得力がありましたので、ジャーナリズムに携わる方にはその部分だけでもぜひオススメです。 〜ウィキリークスが問題にしているのは、情報の主権を握るのは誰なのかということだ。〜 次はアサンジ氏の手記に手を出してみようかな☆5つ Posted by ブクログ 全貌ウィキリークス マルセル・ローゼンバッハ / ホルガーシュタルク / 赤坂桃子 / 猪股和夫 / 福原美穂子 ウィキリークスの成り立ちとリーダーについて書いてある。ウィキリークスってこういうものか、というのと、世界にはたくさんのメディアが存在して動いているのだなと。私も読むのに時間がかかった。 Posted by ブクログ 全貌ウィキリークス マルセル・ローゼンバッハ / ホルガーシュタルク / 赤坂桃子 / 猪股和夫 / 福原美穂子 イラク戦争における「コラテラル・マーダー」の衝撃的な映像から、アフガン戦争軍事日誌の公開、イラク戦争軍事日誌の公開、米外交公電文書の公開まで国家機密という概念自体にも大きな衝動を与えてきたウィキリークス。その創立者で主宰者であるジュリアン・アサンジ自身の生誕からの物語を中心として、その足跡を辿ってい...続きを読むる。 その物語は、"情報公開(リークス)"の話を軸として、情報提供者としての面が割れてしまったブラッドリー・マニングの話や、アサンジの強制わいせつ事件の話を絡めて進んでいく。情報公開プロジェクトに直接深く関わり、アサンジ氏にも近かったドイツ・シュピーゲル紙の記者がその経緯を綴っているため、臨場感が感じられる。 一連の情報公開において、既存マスメディアであるニューヨークタイムズ紙、ガーディアン紙、シュピーゲル紙などの大手ジャーナリズムとウィキリークスが互いにメリットを享受する形で深く手を組んで情報活用の最大化を図った事実は、その成功の鍵となった戦略として興味深い。 一方、その存在が既存のジャーナリズムの役割に与える影響について当事者である著者らも無自覚ではない。 「実際にウィキリークスは、マスメディアとのあいだで互いに影響を与え合うような、変化し続ける組織だ。つまり、ウィキリークスはジャーナリズムを変え、ジャーナリズムもウィキリークスを変えたのだ」(P.371) ジャーナリズムの情報を取捨選択するゲートキーパーとしての機能は果たしたとはいえ、やはり特権の一部をはぎ取られた思いがあるのではないのか。上記の「ウィキリークス」を「インターネット」などと言い換えても成立しそうな言葉だ。 ウィキリークスの行動は、国家機密という公有情報の所有権というものについても考えさせることとなった。それは国家安全保障上の問題でもあるのだが、国家というものを所与のものとしないものにとっては意味をなさないのだろう。 --- ウィキリークスによって実際に何が行われたのかを知るのに非常に有用な書籍。またそれは知っておくべきことでもあるのだろう。テクノロジーの進化による必然的な流れのようにも見えるが、やはりそこには毀誉褒貶まみえる強烈な個性が存在することが分かる。 Posted by ブクログ 全貌ウィキリークス マルセル・ローゼンバッハ / ホルガーシュタルク / 赤坂桃子 / 猪股和夫 / 福原美穂子 ニュースで見て何となく理解していた気がするウィキリークス。その一連の流れとアサンジの人となりが理解できる良書。 Posted by ブクログ 全貌ウィキリークス マルセル・ローゼンバッハ / ホルガーシュタルク / 赤坂桃子 / 猪股和夫 / 福原美穂子 結局ウィキリークスは何をしたのか、落ち着いて考えるにはいい一冊と思います。著者がメディア側の人間なのでジャーナリズムのあり方についても考えさせてくれると思います。 しかしセキュリティを考えるとデジタルデータはやはり危ないですね。ボタンひとつでリークが可能だと、罪悪感、ばれたらヤバイという意識が希薄に...続きを読むなるのでしょう。 Posted by ブクログ ホルガーシュタルクのレビューをもっと見る