あらすじ
ユーロポールの捜査に協力していたマンツァーノだが、災害の首謀者として疑われ、身柄を拘束されてしまう。一方、大停電は米国へも波及。このまま世界は崩壊してしまうのか――。緊迫のクライマックス!
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Posted by ブクログ
登場人物を覚えるのが大変だけど、ヨーロッパ中を巻き込んで急テンポで話が進んでいき、内容の重さとは裏腹にエンターテイメントな作品。電気事業、EUやその他ヨーロッパの行政、システムにわたる作者の知識に驚かされる。
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久しぶりの長編小説を読んだ。
ヨーロッパを襲う大規模停電がメインである。
東日本大震災を体験した日本人には、あまりにもリアルな内容である。
ITを基盤にしたインフラは便利な反面乗っ取られるとすべてがコントロールを失う。
電気がなくなればどうなるか。
電気があって当たり前の社会でえは、水、食糧からすべての生活が奪われる。
原発も非常用電源には燃料が必要になるがその燃料も供給が止まる…
今後、スマートグリッドの導入も近いかもしれないが、これを読んでしまうと考えさせられる。
ITにすべてを委ねると便利だがすべてを失うことも考えられる。
私も何が正しいものか結論はでていない。
ぜひたくさんの方に読んでいただき、考えて欲しいと思う一冊であった。
Posted by ブクログ
多くの方がレビューしている通り、登場人物とヨーロッパ各地が頻繁に切り替わることからストーリーを追うのが大変だったが、電気がないことによる影響がこれでもかというくらいリアルに想像させられた。
特に、停電当日~復旧までの十数日間の時系列での描写は、徐々に読んでいるこちらも切羽詰まる思いがした。
東日本大震災や、直近でPC遠隔操作事件の逮捕劇を見ていただけに、読んでいてフィクションとは思えないような感覚だった。
Posted by ブクログ
時宜に合ったすごい小説だ。いろいろもどかしい部分や、筋を追いかけるのにやや難があったり、犯行の動機が今更感が拭えないなどの欠点はあるが、人間の本性を描き切った点を高く評価できる。3・11の時の太平洋側の東北各県の経験を彷彿とさせ、この小説のような最悪の事態にはならなかったことは、日本人の特性だったのかと思ったりする。実際に2003年のニューヨーク地区の停電を経験した身には、あれが1週間も続いていたらと、ゾッとする。あの時はアパートの33階にいて、その上下にはうんざりさせられたものだ。なお、この小説では原発事故に触れているが、ツッコミが足りずその結末が曖昧な点、フクシマを人ごととしか見ていないと感じる。いずれにしろ、このような事態は種々の原因で起こり得るので、その発生によりどのような事象が惹起されるのかを予測するのに良い資料だ。ぜひ読むべき本だと言える。
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一気に読ませる力がある。
専門知識豊富な人からしたら、穴があったりツッコミの足りないところがあるのかもしれないが、コンピュータや電力問題、原子力発電所問題をちょっとかじった程度の私には、読み応え充分。
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電源喪失により、遂に原発のメルトダウンに到ったヨーロッパ。さらにはアメリカでも同様にテロが起き、最早救援の手はどこからも期待できない。テロリストによる更なる攻撃はあるのか?手に汗握る下巻。
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現代ヨーロッパでテロによる大規模停電が引き起こされたら....というパニック・サスペンス。
上下巻計1000pという大作だが、上巻の後半以降はあっという間に読み終えてしまった。自分達の"日常"がわずかな攻撃でいかに簡単に崩れ得るか。とてもフィクションとは思えない重厚感+緻密さに、メディア畑出身という著者の本気が窺える。
電力網の崩壊を引き金にドミノ倒しに崩壊する世界。それに立ち向う、決して"ヒーロー"でない人間臭さ全開の主人公。そして現代社会への警鐘 ....非常に満足な読後感にしばらく浸れそうだ。
Posted by ブクログ
はい今回は「ブラックアウト」です。
ヨーロッパで突然発生した停電を皮切りにヨーロッパ全域に広がる…。インフラのストップ、食料の奪い合い、暴動、原発の異常発生。元ハッカーの主人公はこの事件は人為的なものであることに気づく。
感想としてはドラマ24的な感じでした。序盤はメインの主人公達の立ち位置の紹介でちょっとあっちこっちするけど中盤以降はザーッと読んでます。
ヨーロッパの都市名とかに疎いせいで地図の引っ張りだしたりでいろいろ面白かったです。
プログラミングとかやってた人は犯人のトリックとかも楽しめると思います。
インフラのストップや暴動、電力ストップで病院などがダメになるシーン、電力供給の大切さや現代社会の脆さなどがリアルで良かったと思います。
そのうちドラマ化or映画化されそうな予感…
Posted by ブクログ
登場人物が多すぎて犯人がどんな人間でどんな名前かもうろ覚えの状態でひたすら物語を追っていった。それだけでも十分ドキドキハラハラできて面白かった。犯人がどうのというより実際にヨーロッパの電気が原因不明で止まってしまったらどんなことが起こりうるのか?それがとても興味深くて事前準備が本当に大切なのだということを改めて思い知らされた作品。地続きのヨーロッパと島国の日本では地理的にも国柄的にも違う問題が発生するのだろうなと考えたりすることもできて、当たり前のものが当たり前にある生活の大切さが分かる作品だった。
Posted by ブクログ
下巻は一気に読んでしまった!電気がない社会は秩序を維持できない..
冷却出来ず起きる原発事故をフクシマみたいに、と描写されるのはなんだか悔しいというかかなしいというか。
主人公がヨーロッパ中を駆け巡る勢いは面白かった!
Posted by ブクログ
ちょうどヨーロッパを旅してる時に読んだおかげで、地名が身近に感じれて楽しかった。最初は登場人物の多さについていくのが大変だけど、テンポも良く徐々にストーリーに引き込まれていった。新人作家とのことだが、次回作が気になる良作。
Posted by ブクログ
便利な反面、一度崩れてしまうと脆い。
その恐怖を畳みかけるように書き上げた巻。
翻訳か、元々がそうだったのか読みにくいのが難点だけど、もっとたくさんの人に読んでもらいたい。
分類はパニック系の娯楽小説だけど、3.11後に実施された輪番停電を知っている身としてはこの恐怖他人事じゃない。数時間の停電でも不便だったのに、本格的な停電なんて耐えられない。
Posted by ブクログ
下巻は一気に読めます。
主人公の登場回数が多くなるにつれて、物語が終盤に向かっていることを感じながら一気に。
面白かったです。
この著者が次に何を書くのか、楽しみ。
Posted by ブクログ
書評などで、「ヨーロッパでの広域停電を扱った海外小説がある」と知ったので、書店で探し、文庫版で出版されていたこの上下巻を、読んでみることにしました。
ヨーロッパにおいて、国境をまたがる広範囲での停電が、発生します。
トイレや暖房が使えず、混乱する人々。
そして事態が長期化するに伴い、治安やさらに深刻な問題が、ヨーロッパの人々に襲い掛かります。
混乱する状況の中で、この停電の背後にある「何か」を感じ取ったプログラマー、政府関係者、ジャーナリストたちが、その原因の探求と事態打開に奔走する・・・というストーリー。
数多くの登場人物、日本人の僕には馴染みのないヨーロッパの地名、頻繁な場面の切り替え。
最初はストーリーを追っていくのに苦労しましたが、読み進めていくと基幹となるストーリーがだんだんと分かるようになっています。
途中からは、「次はどうなるのかな」と想像しながら読んでいる自分がいました。
著者が作品を通じて特に、伝えたかったことは、ヨーロッパの電力網の危険性と、現実化した場合に想定される事態の予測と備えの重要性、といったところではないかと思います。
停電から時間が経つにつれて深刻化するパニックの描写に、「もし日本全域で起こったら」と、想像しながら読んでしまいました。
僕はあまり、ヨーロッパを題材にした小説というものを読んだことがなかったので、国境をまたがって人が行き来する部分や、アメリカ、ロシア、中国といった周辺大国をヨーロッパ人がどのように見ているかといったあたりを、興味深く読みました。
「いつもと違う分野の小説を読んで見たいな」と思っている僕のような?読者には、読み応えのある作品だと思います。
Posted by ブクログ
混乱し秩序を失ってゆく欧州。
汚物塗れの町、強奪が当たり前の日常、持つものは搾取し、持たざる者は荒み奪う。
追われるマンツァーノとシャノンは逃げ切れるのか、キーを捕らえられるのか。
もしも日常から電力が消えればどうなるのか、電力を生み出していた施設が毒をまき散らすとなれば何が起こるのか。
最悪の(もしかしたらさらなる最悪があるのかもしれないけれど)状況のシミュレーションを見たという感じがします。
「読み物」としてあれこれ要望はあるのですが、こういう状態を想定できたことはよかったか。
電気がなくて水は流れず食べ物を手に入れるのも一苦労。それでも生きているってことが一番大変だなぁと感じました。
マンツァーノもシャノンもボラールも好きになれず。
ただ、権力とか反逆者(言い過ぎか)とか、こういう関係かもしれないなぁと思えば読めた。
うん・・伝えづらい。
Posted by ブクログ
実際に起こりうることだけに寒気を覚えつつも、ページをめくる手が止まらなかった。といっても上巻を読んだあと気分転換で軽い内容の本を読んだけど。面白かったので人に薦めたいが、翻訳物を読みなれていない人には、読みづらいかな。表紙デザインがシンプルかつ印象的で気に入っている。
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ハリウッド映画になりそうな話。翻訳という事もあって客観的状況以外に文章から伝わってくる事が少なく、長いので読み疲れした。
映画で2時間で見て終わりたい。
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マルク・エルズベルグ「ブラックアウト」上・下(角川書店 2012)は、ヨーロッパ規模で起こった停電を舞台に重苦しいストーリーが展開する。ドイツ発、衝撃のリアリティで迫ってくるサスペンス巨編だ。原発のメルトダウンなど、身近な事故を背景に繰り広げられる人間の生きざまは空恐ろしくさえある。上下巻の文庫版だけど、スピード感にも溢れているので、一気に読破できる爽快感もあり。
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「ブラックアウト」とは停電の意味。イタリアから始まった大停電。当初は単なる事故ではと,すぐに復旧するものと考えていたが,停電の地域が拡大しヨーロッパ全域に。そんな中,元ハッカーのイタリア人がふとしたきっかけからこの停電が事故ではなく,不正なプログラムによって起こされたものだと知る・・・
当然,ラストでは事件も解決し電気が復旧となるのですが,復旧したからといってすぐに元通りの生活に戻ることができるわけではないのですね。例えば,水道にしても長期間上水道管に水が通っていないと,細菌等が発生しているため,清掃後でないと使用することができない等・・
普通に生活ができるというのは素晴らしいことだというのを痛感させられました。
海外の小説は,登場人物の名前を覚えるのが一苦労なのですが,この本は,登場人物がヨーロッパ各国にわたっているため,聞き慣れない読み方の人物も多く,都度,最初の方の人物一覧を繰りながら読んでいたので結構時間がかかりました・・
Posted by ブクログ
本書は、2011年3月11日以降の日本で起こったフクシマの事実を踏まえ、テロによるブラックアウト(大規模停電)の恐怖を描き出した佳作である。我々にあまり馴染みのない銃を使わないテロは、静かに始まり、テロとは気づかないまま広域に我々の生活を蝕んでいく。犯人グループは、スマートメーターへのハッキングによる送電網の不安定化、復旧をはかるべく再立ち上げを行なう発電所の管理システムに潜ませた巧妙なトリックで発電所の動きを止めてしまう。その一方で、インフラである送電網の要に位置する変電所と送電線破壊行為を別動隊におこさせる。用意周到に準備され次々と繰り出す電気テロに長期化する停電、停電による給水の停止、止水による下水道の停止、ガソリンの枯渇、食糧配給インフラの不全が起こり人心が荒廃していく。この過程を余すとこなく伝えただけでも本書の持つ意味は大きい。ただ、余りに多くのことを伝えるがためプロットが散乱した感は否めない。
Posted by ブクログ
リアリティがあって、読み応えアリ。
時々出てくるFUKUSHIMAという言葉が、停電や原発事故をより身近に感じさせる。
何もかもコンピューターに制御させるって、こんなに脆いんだと怖くなった。
Posted by ブクログ
突然ヨーロッパ全域がブラックアウト(停電)となった!ヨーロッパ中にパニックが広がるなか、停電の謎のヒントをつかみ、捜査に協力する主人公・マンツァーノが、逆にこの災害の首謀者と疑われ、身柄を拘束されてしまう。逃げ出したマンツァーノはカメラマンのシャノンと一緒に、混乱のヨーロッパを逃げ回り、事件の真相に迫る・・・。本文中に「日本でおこった地震後の原子力発電所からの放射能被害」という言葉があった。ライフラインの停止した不自由な暮しの描写など、東日本大震災を思わせるものも多かった。あとがきにも、はっきりと書かれており、あの大震災が世界の人々にも、大きな衝撃を与えたことが良くわかった。特に水道についての問題が大きくとりあげてあり、停電で下水処理が滞るとどうなるのか、十分すぎるほどわかった。つくづく、日本はまだ清潔だったのだと思う。上巻でも感じたが、多すぎる登場人物の状況が次から次へとめまぐるしく書かれていて、なかなか落ち着いた状況というものが理解しにくい作品だった。本音をいえば、活字で読むよりも、映画などで観たほうが、登場人物もよくわかり面白味がある作品だと思う。
Posted by ブクログ
ドイツ版 真山仁!ザ・ジャーナリストなところも一緒。シミュレーションは精緻でリアル。ほんとよくできてたなー。それ系好きな人にはオススメ。
日本の危機に着想を得たことは明らかで、あの出来事が世界のマスコミにどう映ったかを、垣間見た気がする。
Posted by ブクログ
登場人物が多数な上、視点がコロコロ変わるので、やや混乱するが。
世界を壊滅させるって、案外簡単なんだな。フィクションだが、当然現実にできる話だろう。そこが怖い。
Posted by ブクログ
上では登場人物が多く何が何だかわからなかったが、私の脳内で下巻にきてやっと人物が整理された。最近の展開の早い小説に慣れてしまったのでテンポが遅いなあと思った。