猪股和夫のレビュー一覧
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ヴィスティング刑事が17年前に指揮した少女誘拐殺人事件で有罪になった犯人が「事件の証拠は捏造されたものだ」と訴えた
ヴィスティング刑事は自宅謹慎となり、過去の資料をあらためることにする
ヴィスティング刑事の娘リーネは新聞記者で雨の日の殺人事件を追いかけている
父は娘を心配し、娘も父を心配する
同時心配状態の主人公をよそに少女の行方がわからなくなる事件が発生するノルウェー
寒いし、雨は降り続けるし、そんなことお構いなしに事件を追う父娘はまさに猟犬
じゃあ、猟犬が咥えて戻ってくる獲物はナニかっつーと少女で猟犬の飼い主、獲物を撃ったのは犯人じゃないですか
っつー、解決してもやるせない北欧警察小説っていうか、非英語圏ミステリー
父も娘の権力の後ろ盾がないからずっと不安な捜査というか思考で追跡、素人が尾行ってことでずいぶんと悶々するふたり
犯人の気味の悪さは気温をマイナス5℃くらいにしてくれるよ -
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本書は、2011年3月11日以降の日本で起こったフクシマの事実を踏まえ、テロによるブラックアウト(大規模停電)の恐怖を描き出した佳作である。我々にあまり馴染みのない銃を使わないテロは、静かに始まり、テロとは気づかないまま広域に我々の生活を蝕んでいく。犯人グループは、スマートメーターへのハッキングによる送電網の不安定化、復旧をはかるべく再立ち上げを行なう発電所の管理システムに潜ませた巧妙なトリックで発電所の動きを止めてしまう。その一方で、インフラである送電網の要に位置する変電所と送電線破壊行為を別動隊におこさせる。用意周到に準備され次々と繰り出す電気テロに長期化する停電、停電による給水の停止、止水による下水道の停止、ガソリンの枯渇、食糧配給インフラの不全が起こり人心が荒廃していく。この過程を余すとこなく伝えただけでも本書の持つ意味は大きい。ただ、余りに多くのことを伝えるがためプロットが散乱した感は否めない。
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Posted by ブクログ
スマートシティー、スマートグリッドなど環境対応型の新都市構想が産官あげて隆盛な今日、新たな近未来社会のリスクを本小説が提言していると言っても過言ではない。先述のスマートシティーのコンセプトは、各家庭、各事業所の電力の使用状況を双方向型の電力メーターにより管理する事により総使用電力に対して効率よく発電を企図するものである。欧州では国家を越えて送電網が張り巡らされているのでその及ぶ範囲は、ほぼ欧州全土という広大なスケールとなっており、その範囲が広域に及べば及ぶほど何かの拍子にまるでドミノが倒れるがごとく、電力の供給が止まる可能性は高まっていく。
小説冒頭は、ニューヨーク大停電を彷彿させる欧州大停電のシーンから。電気に依存した現代社会の恐怖が始まる。 -
Posted by ブクログ
「ブラックアウト」とは停電の意味。イタリアから始まった大停電。当初は単なる事故ではと,すぐに復旧するものと考えていたが,停電の地域が拡大しヨーロッパ全域に。そんな中,元ハッカーのイタリア人がふとしたきっかけからこの停電が事故ではなく,不正なプログラムによって起こされたものだと知る・・・
当然,ラストでは事件も解決し電気が復旧となるのですが,復旧したからといってすぐに元通りの生活に戻ることができるわけではないのですね。例えば,水道にしても長期間上水道管に水が通っていないと,細菌等が発生しているため,清掃後でないと使用することができない等・・
普通に生活ができるというのは素晴らしいことだというのを痛感させられました。
海外の小説は,登場人物の名前を覚えるのが一苦労なのですが,この本は,登場人物がヨーロッパ各国にわたっているため,聞き慣れない読み方の人物も多く,都度,最初の方の人物一覧を繰りながら読んでいたので結構時間がかかりました・・ -
Posted by ブクログ
突然ヨーロッパ全域がブラックアウト(停電)となった!ヨーロッパ中にパニックが広がるなか、停電の謎のヒントをつかみ、捜査に協力する主人公・マンツァーノが、逆にこの災害の首謀者と疑われ、身柄を拘束されてしまう。逃げ出したマンツァーノはカメラマンのシャノンと一緒に、混乱のヨーロッパを逃げ回り、事件の真相に迫る・・・。本文中に「日本でおこった地震後の原子力発電所からの放射能被害」という言葉があった。ライフラインの停止した不自由な暮しの描写など、東日本大震災を思わせるものも多かった。あとがきにも、はっきりと書かれており、あの大震災が世界の人々にも、大きな衝撃を与えたことが良くわかった。特に水道についての問題が大きくとりあげてあり、停電で下水処理が滞るとどうなるのか、十分すぎるほどわかった。つくづく、日本はまだ清潔だったのだと思う。上巻でも感じたが、多すぎる登場人物の状況が次から次へとめまぐるしく書かれていて、なかなか落ち着いた状況というものが理解しにくい作品だった。本音をいえば、活字で読むよりも、映画などで観たほうが、登場人物もよくわかり面白味がある作品だと思う。
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Posted by ブクログ
ブラックアウトとは、「停電」のこと。電力送電線の異常により、イタリアとスウェーデンで突然大停電が発生する。その余波のように、大停電はまたたくまに冬のヨーロッパ全域へと拡大する。交通機関をはじめ、衣食住のすべてを家電に頼っている現代です。社会インフラはマヒし、町では食品の奪い合いや暴動が発生。やがてイタリア人のピエーロ・マンツァーノは、この事態が人為的にひきおこされたものだと気がつく。停電をモチーフにしたパニック小説だったが、停電に右往左往する町の人々の様子は、買いだめや暖房の用意、水の汲み置き、懐中電灯の用意など、3.11の後の計画停電の騒動も思い出した。いざ大停電になったときの心構えや準備など、まだまだ不十分だと、まずわが身を反省させられる本だった。被害がヨーロッパ全土に広がったため、登場人物も舞台もかなり多く、事態が同時進行なので、何回も前章に戻ってあらすじを確かめなくてはならなかった。その分、ちょっと間延びした感もあるので、下巻に期待したい。