坂本光司のレビュー一覧
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問題は外ではなく内。
会社は経営者や株主のものではない。従業員、家族、顧客、地域社会などすべてのもの。
社員とその家族、外注先下請け企業の社員と家族、顧客、地域社会、株主、の順番。
30年計画で下請け企業から脱出する。人がやらないこと、オンリーワン企業。
日本理化学工業=障害者雇用。ファンケル。
伊那食品工業=48年増収増益。人件費はコストではない。目的である社員の幸福を実現をするための手段。
無理な成長は追わない。敵を作らない=けんかをしない=見積もりをしない=他社ではない商品を作る。常に成長の種まきをする。100年先を見る。
右折禁止、駐車場は遠いところに停める。
遠くをはかるものは富み、近くをはかる者は貧す。春に植えて秋に刈る。秋を待てないといって春に植えなければいつまでも刈れない。
ジョンソンエンドジョンソン=クレド経営。
樹研工業=入院しても給料ボーナスを払い続けた
中村ブレイス。義肢装具を作る会社。鳥取県の田舎にある。世界に一つしかないものをつくる。他が作らないものをつくる。
世の中が不況ではなく、マーケットは創るもの。
北海道の柳月。お菓子の町帯広。北海道以外にはない。正規社員を採用。人件費が高くなっても会社を一番に考える人がほしい。
杉山フルーツ。吉原商店街の果物屋。フルーツソムリエ清がつくる生ゼリー。
杉並のスーパーオオゼキ、メリーチョコレートカムパニー -
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企業のあり方についてとても考えさせられる本だった。
「会社は経営者や株主のものではなく、従業員やその家族、顧客や地域社会などのその企業に直接かかわるすべての人のもの」という考え方は、企業のあり方として極めて重要だ。
企業は、株主に利益をもたらすための道具ではない。
人々が生きていくための仕事であり、利害関係者に新たな価値をもたらすものであるべきだ。
「社員とその家族を第一に考えるべき」という著者の主張もその通りだと思う。
従業員を大切にするということの意味は、企業の社会的な役割であるからということだけに留まらない。
従業員や他の利害関係者を大切にする姿勢が評価されて、キャピタルゲインではなく長期保有を目的とした、真に企業を支援してくれる投資家がつく可能性もある。
また、顧客のニーズ、ウォンツに対応するのは社員だから、大事にしなければならないというのも理解できる。
顧客は自分たちが必要なものを知らないことも多いから、それを生み出す従業員が大切だ。
「五人に対する使命と責任」の中の「顧客を幸せにする」ことと「地域社会を幸せにし、活性化させる」という点については大いに参考になった。
顧客の幸せについては、杉山フルーツの事例が特に印象的だった。
顧客の要望にできるだけ応えようとし、コンシェルジュのように何でもこなしていく姿勢は、まさに顧客重視の考え方によるものだろう。
大企業にはできないフットワークの軽さや、地域密着型の共生ともいえる経営は中小企業ならではのものだ。
企業が地域社会の幸せを目的とする以上、その中にいる社員も地域社会のために働く姿勢を求められる。
私の仕事が地域にどういった影響を与えるのか、私と関わる企業が地域でどういった立場にあるのかを意識しながら働いていこうと考えさせられた。
企業が誰かのためにある以上、起業を存続させることが何よりも重要である。
しかし、経営者あるいは企業の内部にいると、目先のことに囚われがちになることも事実。
生き残りをかけて迷走してしまうことも珍しくない。
中小企業は大企業に比べて経営資源が限られるため、幅広く機能・サービスを網羅することは難しい。
大量に販売できる企業の方がコストは下がるし、品揃えの点でも大企業の方が有利だからだ。
そこで、「ニッチ戦略」・「集中戦略」というような市場と顧客を絞り込む方法、あるいは「ブルーオーシャン戦略」のような敵のいない市場を創造する方法が重要となる。
杉山フルーツの贈答品への集中は、高い利益率が期待できる良い策だった。
確かに単価が高くなるために販売量は減るかもしれないが、杉山フルーツはコンシェルジュサービスのような手間と工夫で乗り越えた。
やはり経営はやり方次第なのだと思う。
中小企業の強みは、企業と顧客が互いに顔を見ることできる点にある。
それによって生まれる信頼関係が、「他の起業ではなくその会社に頼みたい」ということにつながる。
つまり、中小企業は周りとの人間関係が重要だ。
それが良好だったからこそ、著者が「大切にしたい」と思えるような企業になったのだろう。
だから、取り上げられた企業がすばらしいことは疑いないし、上記のような著者の考えにも共感できる。
しかし、やや感情的になったのか、全面的に賛成とは言えない箇所もいくつかあった。
たとえば、「障害者雇用達成率が低い理由が、私にはわからないのです」、「どうして大手企業でできないのでしょうか」という記述。
障害者を雇用することは立派な事だし、社会として必要なことだ。
しかし、雇用しないこと=悪というわけではないと思う。
企業にはそれぞれに個別の社会的役割があるため、障害者を雇用する企業が必要である一方、業績を拡大して法人税をたくさん納める企業もまた必要だ。
そして、後者の企業が「このお金を障害者支援に充ててください」と納付金を払っているのであれば、問題はないと思う。
障害者の求人倍率は確かに低いが、就労問題を抱えるのは健常者も同じことである。
次に、「私は、企業経営に関しての問題の九九・九パーセントは内、つまり会社の内部にあると考えています」と、「五つの言い訳」について。
企業で問題が起きたとき、「それに対応しきれなかった」と言って、企業内部に原因を求めるのは立派な考え方だとは思う。
しかし、実際問題として外部環境に翻弄されることはありうる。
ロケーションがよくなくともうまくいった事例として中村ブレイスや杉山フルーツを挙げているが、それらは特殊な業態であったからだと思う。
「ならば特殊な業態をとればいい」という意見があるかもしれない。
しかし、果物店なら、贈答品ではない家庭用の商品を扱う店も必要であり、そういった業態ではやはり立地は重要となる。
著者は「消費者だからこそ、できることがあるのです」と述べているが、逆に言えば「消費者に振り回される」ということもまたある。
実際、食品偽装の問題などは、消費者が「食の安全」に対価を支払わず、ひたすら安さを追い求めた結果だという見方もある。
企業の内部と外部というのはコインの表と裏のようなもので、密接に関わりあっている。
したがって、経営環境のせいだけにすることが問題であるのと同様に、企業内部だけを見るのもまた問題である。
3つ目。
「景気は与えられるものではなく、創るものです。お客様が喉から手が出るほどほしい商品を創り、提案すればいいのです」
とても理想的な考え方だが、現実とかけ離れている。
言うは易し。
最後に、「自動車とか、「テレビが見られるケータイ」などは、お金がなければ我慢します。(中略)弱者のための物づくり産業が日本には必要なのです」。
自動車は、買い物弱者と言われるような人々にとっては生活の上での必需品だ。
テレビが見られるケータイも、それが唯一の娯楽になっている人がいるかもしれない。
何が誰を助けるのかは人それぞれなのだから、医療・福祉以外の産業が必要のないもののように捉えるのは問題がある。
どの産業が必要なのかを考えるのではなく、それぞれの会社の事業の中で、誰のためになっているかを意識することが重要だと思う。
他にも「右折禁止」の本末転倒ルールとか、年中無休の称賛とか、感情的な個所は多い。
ちょっと熱すぎて、宗教的というか、冷静に見れていないと感じることも。
ベストプラクティスとしてはいい本。
人や企業のあり方を哲学するには、著者の考えを鵜呑みにするのではなく、自ら考えることが必要。 -
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ネタバレ
ここに挙げられている会社は知っている会社もあるが、本当に素晴らしい会社で、こういう会社に、経営を知ることが出来てとても嬉しいです。一方著者の考え方は二元論的で、良い会社、悪い会社、のような書き方、後者に対する批判的な物言いは不要じゃないかなとおもう。そんな会社ばっかだっけ?という疑問と、批判されてる会社(例えば自動車部品会社)も必要な存在だと思うし、書きっぷりが好きになれない。
◯会社経営の優先順位
1. 社員とその家族、社員が満足し帰属意識が高くなければ良いサービスや商品を購入生み出すことはできない
2. 外注先、下請け企業の社員の幸せ、自らの利益を大きく取り、下請けがほとんど利益がでないような外注は廃業させるか下請け離れが進む
3. 顧客の幸せ
4. 地域社会を幸せにして活性化
5. 自然に生まれる株主の幸せ、前項四つを高めれた結果として高まるもの
◯経営でいちばん大事なのこと
・「継続」売上や利益はその手段の一つ
・経営がうまく行っていない会社は、多くが外部環境のせいにしている。
・唯一の経営資源は人財
・いい仕事は感動と感動のぶつかり合いの中から生まれてくる。
・リーダーになる人は人に対する想いが強い
◯日本理化学工業(株)
・ダストレス チョークの製造
・社員の7割が障害者、1週間就業体験してもらったら、とても真面目に働いてくれた。人にとって生きるのは、必要とされて働き、自分で稼いで自立することだと気づいた。
・一人一人の能力に応じている作業工程や道具を見直すことで、健常者と変わらない仕事を出来るようにした。
・ある程度までいくとリーダーに昇格もさせることで、本人も周りもやる気が出た。
・障害者雇用率を達成しているのは42%、卒業していく障害者の中で働きたい人の3割しか働けていない。
◯伊那食品工業(株)
・斜陽産業の寒天メーカー
・48年増収増益、給料を上げ続けてきた
・社是: 会社を取り巻く全ての人がいい会社だと言ってくれて、所属することに幸せがかみしめられる会社
・人件費はコストではない
・無理な成長は追わない、流行に乗らない、景気が良くても過剰投資しない
・敵を作らないオンリーワン、常に他にはない価値を提供し続ける
・成長の種まきを怠らない
◯中村ブレイス(株)
・義肢装具、ブレイスは支えるという意味
・島根県、石見銀山、日本一辺鄙なところにある
・創業時、知り合いから頼まれ、就職先が無かった問題児を地元のため人のためと思い雇った。数時間しか会社に居られず、来たり来なかったりだったが、信じ続けて七年かけてフルタイムで来れるようになった。その社員は来れない間も自分の症状を直そうと必死に勉強しており、その後その知識が役に立ち色んな製品が生まれることになった。
・小さな会社だが、むずかしい部位の注文がお客から整形外科医から集まってくる。
◯(株)柳月
・北海者お菓子メーカー、ケーキ160円と庶民的。北海道からは出ない、地元を大事にしている。
・職人が付いて一緒に家族のケーキを作る体験
・こだわりの材料で作った美味しいお菓子、賞も取っている。
◯杉山フルーツ
・個人の贈り物の高級品に特化した商店街のフルーツ屋さん
・自ら市場で目利きして買い付け
・年中無休 -
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社員のやる気を引き出せば会社は強くなる。
人事は終身雇用の年功序列賃金、仕入れ先やそこで働く人も大切にする、地域社会へ投資。
優先順位を間違えない。業績は結果、これを志向すると誰かを不幸にする。会社に関わるすべての人を幸せにすること。
お金や休みが多いからと言って人の心は動かない。自己超越の欲求とは、他人のための欲求である。
労働条件よりもぬくもりや愛情など、労働環境が会社を伸ばす。
神奈川県のさくら住宅。
マンツーマンの面接。言葉をかわし会う場、仕掛けを作る。
公私混同しない、情報公開、経営に参画させる。
気遣いは、自分のためではなく他人のため、と思えば間違えない。
従業員が幸せになればお客さんが幸せになる。
社内の亀裂は行き過ぎた成果主義から。成果分は10%以内。
求めずに与え続ければ、必ず向こうから感動がやってくる
教育時間は5%、1人年間10万円。
透明性を高めると社内の対立はなくなる。 -
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富士メガネ
世界の難民や肉親捜しのため来日する中国残留日本人孤児たちに検眼をし、メガネのプレゼントをし続けている。
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
患者思い、家族思いの治療やサービスをしてくれている、“絶対にノーと言わない病院”。
株式会社埼玉種畜牧場「サイボクハム」
「食を通じて世のため人のために貢献したい」と設立した農業が中心の株式会社
株式会社アールエフ
「赤ちゃんや子供たちの命を救いたい」と、マイクロカメラやレントゲンなど、さまざまな医療機器をつくり続けている
株式会社樹研工業
3年半入院し、出社できなかった社員に、その間、給料、ボーナスを払い続けたり、社員を大切にする経営。
未来工業株式会社
「日本一休みの多い会社」として有名
ネッツトヨタ南国株式会社
お客様重視の本店ショールームや、新入社員に地域の目の不自由な方などとペアを組んでもらい、4泊5日をかけて四国八十八箇所巡りをするなどといった研修内容
株式会社沖縄教育出版
日本でいちばん長い、かつ楽しい朝礼