あらすじ
日本中に感動の渦を呼んで2年、待望の続編が登場。
これまでに訪問調査した6300社から、価値ある会社を改めて抽出。
・富士メガネ
・埼玉種畜牧場サイボクハム
・アールエフ
・亀田総合病院
・未来工業
・樹研工業
・ネッツトヨタ南国
・沖縄教育出版
の8社。
前作同様、働くことの意味、会社の使命に気づかされる、
心を打つストーリーが満載。
35万人が涙を流し、各メディアが絶賛した前作から2年。
読者の熱いご要望にこたえて続編を発売いたしました。
日本にはまだまだ素晴らしい会社がたくさんあるんです。
7000社のフィールドワークで見出した、「日本一」価値ある企業とは。
■著者のコメント
前作『日本でいちばん大切にしたい会社』が発売されて以後、
私は大変な数のメールや手紙、あるいは電話をいただきました。
しかもその方々は経営者一般社員や学生、主婦、
そしてリタイアした中高年齢者など、多岐にわたる層でした。
とりわけ一般社員や学生、主婦、そしてリタイアした中高年齢者の方々からのメールや手紙の多くは、
無視できない叫びのようなものでした。
その内容を読ませていただくたび、「この国は捨てたものではない。
経営者をはじめとしたリーダーさえしっかりしていれば、必ず再生できる」とつくづく思い知らされました。
こんなにも一生懸命生きている人々、生きようとする人々がいるのかと思わずにはいられませんでした。
学者の一人として、こうした人々の叫びに真摯に応えるためには、
『日本でいちばん大切にしたい会社』を書き続けるしかない。
このことが、前著に続く本書を書いた最大の理由です。
本書が経営者やリーダーだけでなく、今を生きるすべての人々の、仕事への取り組み姿勢、
心のもち方、生き方に何らかの示唆を与えることができるなら、望外の喜びです。
■著者 坂本光司(さかもと・こうじ)
浜松大学教授、静岡文化芸術大学教授等を経て、
2008年4月より法政大学大学院政策創造研究科(地域づくり大学院)教授
および法政大学大学院イノベーションマネジメント研究科(MBM)兼担教授。
法政大学大学院静岡サテライトキャンパス長。
NPOオールしずおかベストコミュニティ理事長等。
他に国、県、市町や商工会議所等団体の審議会や
委員会の委員を多数兼務している。
専門は中小企業経営論、地域経済論、福祉産業論。
全国7,000社以上の企業訪問をし、「現場で中小企業研究をし、
頑張る会社の応援をする」ことをモットーにしている。
著書にシリーズ60万部のベストセラーとなった「日本でいちばん大切にしたい会社」、
「経営者の手帳」「どう生きる」「どう働く」(あさ出版)などがある。
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Posted by ブクログ
前作を読んで感動したので、続編も手に取りました。
日本にもこんなにも多くの素晴らしい会社があるんだと羨ましくというか、こんな職場にしたいと意欲を掻き立てられる取り組みがたくさん紹介されています。
1日の大半を過ごす職場。そこでイキイキと誇らしく働けるといいですね!決して楽しいことばかりではありませんが、とても前向きになれる本です!
オススメ!
Posted by ブクログ
働き方改革という名の締め付け(客観的なログデータの取得など)は北風であり、その対極にある太陽のような存在が紹介された会社ではないだろうか。わざわざルール化しなくても愚直に社員をひたすら信じていけば、踏み越えてはいけないラインをそれぞれが理解して自立して動き出す組織になる素晴らしい事例紹介だと思いました。
Posted by ブクログ
2014年13冊目。
社員をとことん大切にして成果もきちんと残している稀有な中小企業を紹介するベストセラーシリーズ第2弾。
「そこまでするか・・・」と、涙が出そうになる。
人を大切にしない組織に未来はないと思う。
そして、その逆もしかり。
この精神はもっと広まって欲しい。
シリーズ全て読破したい。
Posted by ブクログ
経営学の先生が書いた本ですが、全く学術書的なものではありません。「会社は株主のもの」といわれる中、経営の目的を、①社員とその家族を幸せにする、②外注先・下請企業の社員を幸せにする、③顧客を幸せにする、④地域社会を幸せに、活性化させる、⑤株主を幸せにする、と定義(優先順位は番号順)して、前記条件を重視した経営を行い、かつ好業績を上げている企業を紹介しています。鴨川の亀田病院は浅田次郎の「天国までの百マイル」のモデル。他にも最近テレビ番組等で紹介されているところもありますが、紹介されている各社の哲学は素晴らしいものがあります。なかなかまねできるものではないですが、見習うべきは見習わなくては。
Posted by ブクログ
読みながら、涙が出てきた。
電車の中にも関わらず、日本にもこういう会社がまだあるんだな、
って思った。
2日に1回休日の会社で残業は禁止だったり、
入院しててもボーナスや給料が支払われる会社、
普通では考えられない会社(と思う時点で駄目かもしれないけど)が
沢山掲載されていた。
【会社】とは、
1、社員とその家族
2、社外社員(下請け・協力会社の社員)とその家族
3、現在顧客と未来顧客
4、地域住民、とりわけ障害者や高齢者
5、株主・出資者・関係機関
その5人のために存在する。そして、とりわけ1〜4が大事となる。
そんな原理原則に則り、事業を行う必要がある。
【会社とは?】、【働くとは?】、
そんなことを考え直すのに最適な一冊、いつかこの本に載っている会社に会社見学ツアーみたいなの、やってみたいと心から思った。
Posted by ブクログ
前著に続き、この本もやはり涙ぐまずには読むことができませんでした。
素晴らしい会社、素晴らしい経営を実現している経営者、本当に理想郷の世界です。
当然、表には出てこない部分もあるでしょうが、その度合いは通常の会社とは比較にならないレベルのはずです。
生きている以上、このような会社で仕事をしたい、このような会社を作っていきたい、このような経営をしていきたい、
決して奥深くまで突っ込んだ本ではありませんが、だからこそ、自分ならばどうする、ということを考えるきっかけを与えてくれる本です。
前著とともに、自分にとっての教科書としたい本、と言えます。
Posted by ブクログ
前作に続き、いい会社とは何か、働き方、何のために働くのかということを改めて考えさせられる素晴らしい本です。私自身がそうなのですが、働くということについて悩まれてる方には道標となる一冊ではないでしょうか。
Posted by ブクログ
現実のこと。
あ~~ここで働きたい、生きたいと感じる。
経営者としての視点でいうと、
現実のことだからといって、
誰にでもできるということではないが、
できることである。
だから・・・
ここには、現状の会社の在り方が描かれていて、
今ここでの会社の在り方までの歴史を知りたくなる。
これは、会社の最強のブランディング、
つまりは、つながっていたい気持ちが涌く。
とにもかくにも行って、その文化を感じたいと思います。
だから、一番大切にしたい会社なのだ。
自分の子供に働いてもらいたい会社なのだ。
あっという間に読み進めてしまう…一冊。
Posted by ブクログ
日本で一番大切にしたい会社を読んでいたのでこの本も読みました。1を読んだ時ほどの衝撃はありませんでしたが、やはり読み終わると改めて自分の仕事について考えます。本当に社会にとって役に立っているのか、必要なのか。
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20年は使っていそうなガタガタな車で迎えにきた相談役のエピソードがありました。
私のお付き合いしている社長さんも、軽トラックかミニカで歩き回ってる方がいます。そして、いつだって率先して現場へ赴く。
飾らない人は素敵で人格者な方が多い気がします。
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いちばん大切にしたい会社とは、、、働く人が求めていることを大切にしている会社、、、。働く人が求めているのは「感謝や信頼、やりがいや成長」など。パートⅠに続いて、それらを様々な制度や姿勢、行動で実践する会社の事例紹介に勇気をたくさんもらいました。
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「日本でいちばん大切にしたい会社」の第2弾。今回は、前作の第2部のような「大切にしたい会社」の紹介がメイン。8社を取り上げている。
今回もいずれ劣らぬ素晴らしい会社が紹介されている。共通しているのはトップが明確な意志を持って、強力なリーダーシップを発揮していること。そして、それが社員一人ひとりに伝わっていること。
自分の勤めている会社の状況と比べると羨ましいし、いろいろ思うところが出てくる。単に素晴しい会社がありますだけでなく、働くということ、会社というものを考え直すきっかけになる。
シリーズ化が検討されているようだが、そうなると前作から気になっていることが余計に気になる。「いちばん」がそんなにいくつもあるのはどういうこと?!
Posted by ブクログ
パート2は、パート1の感情に訴える内容から、企業の制度にフューチャーされていた気がします。
亀田総合病院の章では、患者さんのことを思って、エステ併設やホテル並みのサービスをしているのに、なぜ場所を都心でなく千葉にしたのか、都心ならもっと必要な人の思いに応えられるのではないかと、利益を度外視しているといっているのに、少し不思議に思いました。昨年、2年近くの闘病の末に亡くなった知人は、入院生活(特に食事)を囚人以下と表現していたことを思い出し、切なくもなりました。
埼玉県のサイボクハムは、最近、食べ物が心身に及ぼす影響の大きさ実感している私には、とても興味深く、HPを見ました。すると、通販があったので、早速「オールスターお取り寄せセット」を注文しました(笑)
働き方改革が声高に言われ、長時間労働、サービス残業などの労務問題と日々向き合っている私としては、出勤簿がない樹研工業と未来工業は、衝撃的でした。7年前の本なので、現在は分かりませんが、普段、私は、部下に対して色々と細かく言い過ぎているのではないか、と反省し、信頼する大切さを再認識しました。
パート1に続き、掲載されているどの会社も素晴らしい取り組みでした。一瞬、転職会議などのサイトで、生の従業員の声を見てたいとの考えもよぎりましたが、夢のままで終わらせたいと思い、止めました。
サラッと読めるので、パート3に読み進めたいと思います。
Posted by ブクログ
前作は学生時代に読んでいた。経営はそこで働く社員のためのものである、と。綺麗事を嫌う人も多いなかで綺麗事を言い続ける人が実はいちばん強いのかもしれない。経営のあり方を何個か手帳にメモった。
Posted by ブクログ
経営と人材について知りたくて読書。
帯に村上龍氏のコメントがある通り、「カンブリア宮殿」を文字て見ているような内容だ。
今年、創業者の山田さん亡くなった未来工業や樹研工業、アールエフなど競争力がある独自製品を持つ企業という共通点がある。
世の中の経営者がこれらの企業から真似できることがたった1つでもあり、実践していけば、日本は、もっとといい社会となると思うが、簡単ではない。
社員も経営者も顧客も幸せになるために生きている。
異業種、他企業でも再現性がある要素を集めて学ぶ機会があればいいと思う。
人生にもしはないが、こんな会社に新卒で入社していたら、私の人生は変わっていたのかなと思いながら読む。
人は給料だけを求めているわけではなく、働きがいや生きがい、成長の実感、他人から感謝してもらえるような仕事に自分の存在、社会性を感じて生きていくものだと思う。幸せの定義は、人によって十人十色。
こんな日本的経営がタイなどで受け入れられていると聞く、今後に注目したい。
読書時間:約1時間45分
本書は日本領事館大連出張所でお借りしています。有り難うございます。
Posted by ブクログ
前書同様、「企業の存在価値とは何か?」について、
考えさせられる一冊となっています。
前書に比べると美辞麗句に飾られた"キレイゴト"のような
印象を受ける部分が多かった気がしますが、
それはさておき、
従業員・取引先・顧客・地域社会を尊重する経営で成功している企業から
学ぶべきことは多いです。
Posted by ブクログ
業績もよく、スタッフも顧客も幸せな会社が紹介されている本。
この本を紹介してくれたのが、自分の働く会社の社長だということが、私にとってとても大きなこと。
この本を読みながら
社長が社員の幸せを応援することが会社の利益に繋がると信じてくれていることを実感し、
社長が描いてくれる夢を実現するには、
社員である自分は目の前の仕事にどう向き合えば良いのかを毎日考えるようになりました。
そして、
今まで自分の仕事のことしか考えてこなかった私に、周りを変えたいという欲をもつようになりました。
素晴らしい会社を作るには
舵取りをする社長だけでなく
働いている社員がその会社に誇りをもたなければ実現しません。
もしかすると、
自分で偶然みつけて読んでたら
こんなえぇ会社で働けたら良いな〜で
終わってたかもしれません。
ただ
今後の私の人生に、大きく影響する本になると思っています。
Posted by ブクログ
顧客や株主よりも、社員とその家族を大切にする会社。
利益は手段であって、目的じゃないんですよね。
すばらしい会社・経営者がたくさん紹介されていました。
Posted by ブクログ
「日本でいちばん大切にしたい会社2」を読み、いつもおもうことは、どうしてこいうすばらしい会社がある反面、社員にむごいリストラをする会社が現れるのか? しかし、今の現状を考えると存続してこそ会社であるのかも?
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50万部を売った前作の続編。今回も全国の8社を取り上げ、丁寧に書かれている。さすがにフィールドワークをベースにしている学者の著書で、面白く、感情移入して読める。豊富な情報量に恵まれた良著。続編を期待する。
Posted by ブクログ
従業員イチバンです、そんな中小企業はめったにないからこの本が売れるんだろうなあ。
㈱富士メガネの経営者の真摯で従業員思いなところに涙。
出ました未来工業㈱。従業員目線で読んで「こんな会社で働きたい」。
忠臣蔵のような「この人のためなら」っていうのは日本人は好きだと思う。
そこまで持っていくといけそうだけど、うーん、死ぬ覚悟だろうか。
経営者の器と愛社心。
Posted by ブクログ
中小・中堅企業が進むべき形を提示した本著。
人的・物的資源も限られた中小企業が大企業と真っ向から戦うのはどだい無理な話。しかし株式市場や銀行の施策に縛られない中小・中堅企業だからこそ可能なこともたくさんあるはずで、本著で紹介される企業は増収増益を記録し続ける超優良企業ばかりです。
母が使っているコルセットも前著に登場した中村ブレイス(主に義肢・義足を作っている会社)でした。名前は知らずとも、身近にはたくさんこんな「大切にしたい会社」があふれているのでは?
Posted by ブクログ
8社(株式会社富士メガネ、医療法人鉄蕉会亀田総合病院、株式会社埼玉種畜牧場「サイボクハム」、株式会社アールエフ、株式会社樹研工業、未来工業株式会社、ネッツトヨタ南国株式会社、株式会社沖縄教育出版)も素晴らしかった。
肝臓が弱ったら豚のレバー、胃腸が弱ったら豚のモツ、母乳が出にくいときはコラーゲンたっぷりの豚足。
Posted by ブクログ
富士メガネ
世界の難民や肉親捜しのため来日する中国残留日本人孤児たちに検眼をし、メガネのプレゼントをし続けている。
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
患者思い、家族思いの治療やサービスをしてくれている、“絶対にノーと言わない病院”。
株式会社埼玉種畜牧場「サイボクハム」
「食を通じて世のため人のために貢献したい」と設立した農業が中心の株式会社
株式会社アールエフ
「赤ちゃんや子供たちの命を救いたい」と、マイクロカメラやレントゲンなど、さまざまな医療機器をつくり続けている
株式会社樹研工業
3年半入院し、出社できなかった社員に、その間、給料、ボーナスを払い続けたり、社員を大切にする経営。
未来工業株式会社
「日本一休みの多い会社」として有名
ネッツトヨタ南国株式会社
お客様重視の本店ショールームや、新入社員に地域の目の不自由な方などとペアを組んでもらい、4泊5日をかけて四国八十八箇所巡りをするなどといった研修内容
株式会社沖縄教育出版
日本でいちばん長い、かつ楽しい朝礼
Posted by ブクログ
富士メガネ(北海道)、亀田総合病院(千葉県)、埼玉種畜牧場サイボクハム(埼玉県)、アールエフ(長野県)、樹研工業(愛知県)、ネッツトヨタ南国(高知県)、沖縄教育出版(沖縄県)の特徴などが紹介されている。
Posted by ブクログ
小説・ドキュメンタリーが好きな人向け。
経営学の先生が取材した企業をドラマチックに取り上げる。
自分はこの分野の大学院に進む予定があり企業のケースを題材にした本を読んでいるが,この本はそういった人向けではなく,「事実は小説より奇なり」みたいなお話を提供する情熱大陸風な内容である。
感情移入できる人にはオススメ。
Posted by ブクログ
支店長オススメで貸してくれた本。
前作に引き続き、社員を大切にする会社ばかり。すべての経営者&政治家に読んで欲しい。そうしたら日本全体がよくなるのに・・・
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基本的に、人間を大事にしている会社を紹介するというスタンスは変わらない。そしてその素晴らしさを表現するだけの文章力がイマイチ足りていない。
Posted by ブクログ
2冊目では,紹介したい会社を中心に,8社紹介する。
1冊目で受けたほどの感銘は,正直言って少なかった。もちろん,悪いと言っているわけではなく,1冊目と比較したらの話だ。
最も大切な社員を犠牲にする企業は,業績が悪化すると決まってその原因を『景気の悪化』『規模の小ささ』『業種の恵まれなさ』『ロケーションの悪さ』『大企業の進出』等の言い訳を口実に,『問題は外。自社は被害者だ』と決め付ける言動が多い。著者が一番たいせつにしたいと思う企業は,逆に,問題は内にあると考え,社員,下請け,顧客,地域,株主に対する使命を果たそうと,血のにじむような自己革新努力を行っている。
1社目。富士メガネ。困っている人がいたら助けてあげたいをスローガンに世界の難民達などにメガネをプレゼントし続けている。松下幸之助や司馬遼太郎がこよなく愛したメガネやさんだ。難民にメガネをという発想は,よほどメガネを大事に思っていないと浮かんでこない発想だ。昭和58年に行った第一回からこれまで,ネパール,アルメニア等で支援活動を実施し,このプロジェクトには社員も参加する。参加した社員は一様に自分が従事しているメガネ店での仕事を更に誇りに感じるようになる。現地の状況がどれほど過酷であっても決して人任せにはせず,自ら難民と交わり,見えると言う喜びを手渡しする。人を救うのは人であるというボランティアの真理を体現してきた。そして,その活動は国際的にも認められ,ナンセン難民賞という難民支援のノーベル賞を授与されたのである。
2社目。千葉県の亀田総合病院。もう一度入院したいと患者が言うほどの病院だ。患者思い,家族思いのサービスを提供し,絶対にノーとは言わない病院だという。病院の組織の中には地域医療とサービスを強化するカスタマーリレーション部というのまである。とはいえ,院長が最も重視しているのは,病院スタッフの命と生活を守ることだと言う。また,スタッフもこの病院で働きたいと言う。最新の医療設備が整っていたり,様々な実験が行える施設があったりと,スタッフ自身が切磋琢磨できる環境を整えるのも院長の仕事だと言う。
3社目。サイボクハム。食を通じて世のため人のために貢献したいと設立した会社だ。食と言う字は人に良いと書く。この字が示すように,人に良いもの,つまり,おいしい,安心,安全,新鮮,本物であれば,食料品店は地域の生活者が黙っていても育ててくれるものなのだと会長は言う。
4社目。アールエフ。赤ちゃんや子供たちの命を救いたいと医療機器を作り続けている会社だ。近年高度化してきた医療機器の研究は,テクノロジーのみを追及した代償として,感謝へのやさしさや配慮を欠いた製品が多かった。医療機器のほとんだは,成人向けに研究され,小児にも転用される。小児用に開発された機器を大人向けにデザイン変更する方が無理がない。本来あるべきはずの医療従事者の姿は,弱者の立場に立った患者ありきの医療のはず。また,開発した機器が出来るだけ広範囲に行き渡るように低価格にし,また,ほとんどの特許を申請しないと言う。
5社目。樹研工業。超極小プラスチック歯車の世界一のメーカー。社員は先着順に採用し,給料は年功序列の会社だ。社員を大切にする経営が一貫して行われている。樹研工業の稼ぎ頭は1000分の5グラム,1万分の5グラムの歯車だ。しかし,例えば人が飲み込んで検査する機械などは小さければ小さいほど良く,だから,樹研工業はいつの日か役に立つだろうと100万分の1の歯車の開発を行い,成功させた。しかしこれはまだ市場には出ていない。それを活用するものが現時点で見つからないからだ。樹研工業は市場があるから開発するのではなく,画期的な技術を開発して市場を作っていくのだ。マーケットイン型の技術開発ではなく,テクノロジープッシュ型の,技術を作って市場を作るタイプの会社なのだ。30年後,50年後にきっと誰かが使ってくれる,この歯車がきっと社会の役に立つときが来ると考えている。まさに,オンリーワンの,わが社が存在しなかったら社会が困るというような会社だ。今までのことより,これから一緒にやろうということが大切と言うことで,数ある企業の中から自社を選んでくれたことを感謝し,先着順に採用するという。不況で仕事が減っても,潤沢な内部留保により誰かをリストラすることは決してしなかった。社員を犠牲にしないという信念が社長にあるからだ。社員が育つために大事な事は経営者がチャンスを与えることだ。口だけでなく,実際に投資してあげること。あるとき,3人の社員が自分たちにも先輩が使っているCADを1台買って欲しいと言ってきた。3人いるのに一台ではだめだと社長は言い,一人一台ずつ買った。すると,3人の心に火がついて,猛烈に勉強を始めたという。やる気になったときにポンと乗りかかる。そうすると,彼ら・彼女らの世界がぱっと広がるのだ。今の若者は,タイミングよく火をつけてあげればガムシャラに勉強する。彼らがそういうことを言いだす雰囲気を用意するのが経営者の役割だ。
6社目。未来工業。日本でいちばん休みの多い会社。住設部品や電気設備資材などを製造・販売する。社のスローガンは常に考える, 何故・ナゼ・なぜ らしい。年間の商品開発件数は300~500件で,改良を加えると1000件にのぼるという。提案件数は年間1万~1.5万件で,ほとんどがきちんとした提案という。ひとりあたり,年間20件程度だ。提案した時点で1件あたり500円が支払われる。何でも言える社風と言うより,言ったほうが得をする社風といえる。休みは,年の半分,2日に1日は休みと言うレベルだ。パートもおらず,残業もない。残業したら罰金と言うのだ。社員の健康を重んじてのという。生産性が落ちなければ良いと言うのが社の考えで,とりあえずやってみて,生産性が落ちなければ,就業時間を短くしたり,休憩を増やしたりする。著者は色々な会社を巡っていて,気づいた事に,儲かっていない会社は例外なく本社が大きいという。総務,人事,経理の社員が多すぎる。社員が多すぎると思わせないように管理と言う仕事を与える。管理しようとすると,現場は思考能力を停止し,自発的に物事を考えなくなり,モチベーションが下がり,結果,儲からなくなる。未来工業は,ホウレンソウは禁止,自分で考えろという徹底ぶりだ。本社が小さければ,余計な口出しが出来なくなり,自然に分権が進み,また,低コスト経営が出来る。理想的な本社比率は5%以下と著者は調査結果から言い切る。企業文化を創ることと,社員のやる気を引き出すことが社長の最大・最高の使命とここの社長は言うのだ。
7社目。ネッツトヨタ南国。人の本当のやさしさを学ぶため,新入社員の研修旅行として,地域の目の不自由な方とペアでのお遍路めぐりをする。ショールームには車がまったくない。店作りとして,売らんがための,企業にとっての都合の良い店作りではないかとの考えで,お客さまがお店に着たくなる店作りをした結果がこうなったという。車は外の展示場にあり,試乗期間は2日間というので驚きだ。新聞の折込などのチラシや飛び込み営業は一切やらず,そのような営業費や広告費は,すべて,本当にお客さまが喜んでくれるサービスへ向けられるという。動物ランドやスキーツアー,ケーキパーティ,ラジコンレース大会などだ。この会社もはじめは,モチベーションが低く,暗い雰囲気だったという。そこで会長は社員にアンケートをとる。どんな会社で働きたいかと。すると,大半の社員が,1.チームワークの良い会社,2.コミュニケーションのとれている会社,3.お客さまから感謝されて生きがいを感じられる会社,4.がんばったことを認められる会社,5.家族や友人に誇れる会社 だった。これを機に,会長は,アンケートで大半の社員が望んでいた,働きがい,生きがいのある会社創りへの道を歩んできた。
8社目。沖縄教育出版。日本でいちばん長くかつ楽しい朝礼をしている会社。朝礼は平均して1時間前後あるという。内容は様々で,喜びの声の紹介,体操,小学校の思い出,最近うれしかったことなどなど,全社員のコミュニケーションが図られている。社員同士が心を共有できる朝礼がこの社のモットーだ。