荻上チキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「メディアとは何か」という問いに基づいて、
メディアが身体を変容させる=社会的な身体
という視点から検討している一冊。
たとえばコンピュータが新たなメディアとして使われる時代になると、
コンピュータの記憶・計算能力を前提とした生活様式になる。
我々は環境に適応するためにコンピュータ(の操作?)を獲得していこうとする。
一方で「適応すべき環境」の構築にはメディア自体が関わっているのだから、
社会的身体の変容を迫る駆動源はどこか?という問題が出てくる。
著者のことばによれば、「メディアは快楽である」ということだそうな。
ゲームの楽しさには操作的、攻略的、上達的な快楽があるという。
テレビゲームに見られるようなこうしたゲーム性が実はメディアには隠されていて、
それがたとえばネット上での騒動への関わる「プレイヤー」たちの振舞い方の
説明図式となりうるのだそうな。
…とまぁこんな話だと理解したのだが、正直意味がよく判りませんでした。
たぶん社会学的な専門的素養が必要な気がします。
また、最終的な説明概念として「快楽」というのもちょっと乱暴な気がします。
「人をメディアの獲得に駆り立てているものは何か?」という問いへの回答が、
「人はメディアに快楽を感じるから獲得しようとするのだ」だというのは、
メディアの説明であって人の説明ではないはずなのです。
(ここでの人の身体についての論考は、あくまで「仮定」に留まっているのだから)
となれば、この本の基本的な関心というのは、
「 「メディア」なるものを説明するときに、「人間の身体」の在り方を~と仮定すると、最も説明がしやすい」
という点にあるのではなかろうかとレビューを書いててようやく気付いた。
この辺は何を知見とするのかという学範上の違いがあるので何とも言えないのだけれど、どうしても物足りなさを感じるのが正直なところ。
それだけ、著者の立ち位置がきちんと示されているということなのかもしれないけども。 -
Posted by ブクログ
新書の存在意義のひとつとして、時代を捉えた評論、ということがあると思うが本書はまさにそれ。まだ鮮度は残っているので、現在のメディアと私達の関係を理解する手助けには丁度良い分量と纏まり感がある。
評論の視点としては表題の「社会的な身体」がメディアとの相補的な連関の中で形作られるというところにキモがあるのだが、「身体の拡張としてのメディア」であるとか「快楽原則」であるとかという観点はこれまでメディア論の中で多く提出されてきた視点で新味はなかった。
という中で本書の売りは先述した「時代を捉えた評論である」、という点に尽きると思う。という訳でメディアと(日本)社会について興味のある方は鮮度があるうちに読まれてみては如何でしょう?にしても著者はまだ20代なんだよな。むしろそっちの方に可能性を感じる。 -
Posted by ブクログ
「実存の問題は政府や政策が手を突っ込むべき問題ではない。共同体や秩序に希望をたくす方向も同様である。」
経済問題に関する入門書のように見えるけれど、本の内容はといえば、何かと話題の若年層非正規雇用労働者に関するもの。「格差」ではなくて「貧困」を問題の中心にすえて、貧困を経済学の問題として捉えて、貧困を無くすための方向性を模索してみようというコンセプト。
頭のいい人たちの内輪話で、本の内容はあまり理解できなかったけど、貧困という問題に取り組む上では「生きづらさ」みたいな心の問題と向かい合う必要なないってこと。
貧困者の心の問題に対して、社会学や精神論からのアプローチを突き放することろが潔い。
貧困は単純に政策の間違いから生まれた問題で、心の問題を持ち出すまでもなく、経済学的解決策で対処できる問題である。
例えば生きづらいと思っている青年に、「仕事を通じて社会から承認を受ける」みたいな社会心理学的な話とか「自分を変えよう」とか励ますヒューマニスティックな啓発本は役立たずだということ。
弱いもの同士集って傷を舐めあいたい欲望にかられるけれど、そこは強がって我慢しよう -
Posted by ブクログ
● 年金というのは何をやっているのかというと、貧乏な若者から税金をとって、金持ちの年寄りに配っている。それよりも生活保護やベーシック・インカムで生活を保護し、それ以上の部分については、個々人が自分の判断で預貯金すればいい。
● ニート、フリーターに対して「自己責任」といっていいのは、景気がいいときだけです。需要がちゃんとあって、その状況でニート、フリーターだったら、僕は自己責任だと思う。けれども、いまは席が人数分ないわけですから、社会の問題です。
● 要するに、都会の金持ちと貧乏人からとって、田舎と都会の貧乏人にまき、貧乏な若者と金持ちの若者からとって、金持ちの年寄りと貧乏な年寄りに配っているので、65歳未満の不平等・貧困はまったく解決しないんです。