古川綾子のレビュー一覧

  • わたしに無害なひと

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    ヒリヒリする本だった。執拗なまでに確固たるものとして現前する家父長制、そこで生じる理不尽な暴力。無関心を装った自衛に、心の内側に抱え込んだトゲのある気持ち。愛ゆえに互いに寄りかかれないもどかしさ、やり切れなさ。本当なら目を背けたい事実や感情が、淡々と活字を追うごとに剥き出しになっていく。自分の中で忘れたいような気持ちが、時おりグイッと引き出される感覚があった。

    近年の韓国映画のあらすじで見たような短編がいくつかあった。そこらへんの映画も観ようと思った。

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    2025年03月31日
  • わたしに無害なひと

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    なかなかよかった。
    人と人は違う個体で所詮他人。近しく大切なはずの人と、本心とは別に望まぬともすれ違い、心に距離ができてしまう時がある。そんな瞬間を、あるいはその後を短編を繋ぎながら丁寧に描いていると感じた。韓国と日本。その感性も当然ながら違うところもあれば、同じところもあるね。

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    2021年12月11日
  • わたしに無害なひと

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    「ショウコの微笑」の著者とは。

    あとがきにある〝差別に物語で立ち向かいたい〟という姿勢のごとく強く沁みる短編7篇。

    ハンガン、ファンジョンウンに続き、ずっと追い続けたい作家がまたひとり。

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    2021年11月30日
  • 小さな心の同好会

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    小さな心の同好会、スンヘとミオ、四十三、ピクルス、善き隣人、疑うドラゴン、ドラゴンナイトの資格、ニンフたち、これが私たちの愛なんだってば、スア、歴史。心のすれ違いを描いた短編集。

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    2021年07月07日
  • 小さな心の同好会

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    『ダニー』で興味を持った作家。『ダニー』が思っていたより短かったので、ほかにどんなものを書いてるんだろう?と。
    『スンへとミオ』『四十三』○

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    2021年05月13日
  • わたしに無害なひと

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    繊細で切ない、映画のような描写。
    若くて、無知で、傷つけてしまった人たちへの祈るような思いに泣きそうになってしまった。

    まえがき、あとがきからも著者の誠実さが痛いほど伝わってきて、ファンになってしまった。

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    2021年01月22日
  • わたしに無害なひと

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    「わたしに無害なひと」とはどういう人なのか。
    それは時々ふと思い出すような人だと考えます。

    多くの人がそうであるようにわたしも中学校や高校の友達とは既に疎遠になってしまっています。
    少し悲しくなる時もありますが、人は変わるのは当たり前でたとえ今連絡を取り合ったとしても共通点が無い限りまた頻繁に会うようになることは中々ないでしょう。

    しかし、会わずとも時々その時の記憶を思い出して相手の健康と幸せを願うことがあります。
    たとえその相手との記憶が少し苦いモノであっても、わたしの人生において印象に残った人としてずっと忘れることはない相手です。
    少なからず私を成長させてくれたり、私に新しい感情を与え

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    2020年08月09日
  • わたしに無害なひと

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    「アーチディにて」◎
    真面目にではなく、自由に生きられたらどんなに楽か。人は簡単には変われない。真面目にしか生きられないハミンにも救いがあってほしい。

    「わたしに無害なひと」タイトルにとても惹かれました。人と関わる限り、自分に「無害なひと」はいない。それを受け入れること、乗り越えることのつらさ、尊さ。

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    2020年08月01日
  • わたしに無害なひと

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    この本で出会う人たちは「わたし」を慈しみ、守り、愛しこそすれ誰もわたしを傷つけなかった無害な人たち、そのひとたちを害してしまった「わたし」の物語たちなのだと気付くとき、書名に込められた深い祈りを見たような気がした。
    通り過ぎてきた過去の悔恨へ祈る静謐な文章。

    なかでも「あの夏」に一番心臓を掴まれたけれど、他の物語にもそれぞれの祈りがあって、程度の大きさはどうあれ誰しもに覚えがあるであろう過去の後悔の形が丁寧に丁寧に切り取られていた。
    疎遠になった人、もう会うことはないであろう人たちのことを思った。

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    2020年07月31日
  • 明るい夜

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    娘に勧められて。

    朝鮮半島の人々の戦前戦後の生き方を考えるきっかけにはなります。

    姑に気を遣ったり、離婚を恥だと言われたり、日本も韓国もよく似ている(た)のだと思いました。

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    2026年09月09日
  • ほんのかすかな光でも

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    自分の人生を変えたと思える大学講師との出会いと別れを描いた『ほんのかすかな光でも』、同じ校内誌をつくっていた尊敬した書き手であったのに、道が分かれてしまった同級生のことを綴った『役割』、気持ちが通じたと思えたのに、裏切る形になってしまったインターンの子の話『一年』、自分のせいで会うことも叶わなくなってしまった姪へ宛てた懺悔の手紙『返信』、死んでしまった兄を慕う娘の気持ちに気づいた『種まき』、厳しい姿しか見せなかった伯母の人生をひもとく『伯母さんへ』、アメリカ人と結婚した娘の新居を訪ねていく『消える、消えない』。なんと、かなしい話ばかりだろうか。中でも『返信』は、年の離れたお姉ちゃんが、高校生の

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    2026年09月09日
  • わたしに無害なひと

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    ネタバレ

    かつて心に負った傷や、生きることの苦しみを強く思い出させる作品ばかりだった。登場人物と同じ経験はしていないはずなのに、なぜだか痛みを感じた。
    主人公たちには、人を傷つけないようにと刃を抱えているうちに自分自身を傷つけてしまったかのような印象を持った。でも人を傷つけないで生きていくことはほとんど不可能ではないか。どれだけ考えてもきっと自分も誰かを傷つけているという、この認識から始めなければならないのだと思った。
    我慢強い人ばかりが出てきてみんな内省的だったことが浮かんでくるけれど、誰しもがそうやって生きているのかもしれない。ただ表には出さないだけで。
    短編集だけれど軽く読める類いのものではない。

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    2026年07月21日
  • ほんのかすかな光でも

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    若い韓国の作家の作品
    ショートストーリーで読みやすい
    だけど 作品の中で彼が恋人なのか兄なのか分かりにくいものが
    いくつかあった
    家族関係が濃厚な韓国社会の状況が理解できるようなストーリー
    中国とも日本とも違う
    親族との濃厚な関係の中で
    生きることの逼塞感が感じられた

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    2026年05月06日
  • 無理して頑張らなくても

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    すてきな14篇。過ぎ去った日々の中で出会った人たち。絶縁した友、疎遠になった友、離れていても心はいつも側にいる友、友と呼べるほど近づけなかったあの子。それぞれとの思い出の欠片は今のわたしと地続きで不可分だし、不可逆だ。

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    2026年04月24日
  • 無理して頑張らなくても

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    女性の主人公達と周囲の人々との関係性を描いた14の短編が収められています。

    物語の中では大きな問題や展開はなく、日常生活を送る中で女性が経験するであろう違和感や他者とのすれ違いなどが淡々と表現されています。

    韓国文学は感情が大きく揺さぶられるようなことは少ないですが、日本文学に疲れたときには最適です。

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    2026年02月23日
  • ソヨンドン物語

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    これっていわゆるタワマン文学というやつなんでしょうか。
    私の印象だと2ちゃんねるみたいなので展開される自虐なのか揶揄なのかとにかくネガティブな創作物、という把握なので、これが作者に対する猛烈な侮辱になってたらごめんなさい。
    人生において韓流に全く傾くことがなかったので、韓国の今を知ることができてよかったです。
    私もどこかではいい人だし、どこかでは悪人なんだろうなと、背筋が冷えました。

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    2026年02月10日
  • ほんのかすかな光でも

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    途中離脱しました…

    海外文学には馴染みがなく、少々読みにくい印象は受けましたが、そのおかげかはっと気付かされることや、ぐぬぬ…と考えさせられることが多かったです。感じ方って本当に人によって変わって、色んな色があるなとわかりました。

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    2026年01月31日
  • ほんのかすかな光でも

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    初めてチェウニョンさん作品。K-BOOKフェスでサイン本が売ってたから買おっかなと思ったらけど、まだ文章を読む前にサイン本を手に入れるのは憚られてとりあえず最新作を読んでみた。

    血縁だけに限らず「仕方ない縁」みたいなものがついて回る感覚で、迎合してないけどこびりついたまま生きていく薄暗さを感じた。

    この暗さは嫌いじゃないから、他の作品も読んでみたい。

    ・心の奥では理解しているのに、言葉で表現できずにいた数々が言語化されると幸せを感じた(略)

    ・生まれたときに貧しいのは罪じゃないけど、死ぬときに貧しいのは本人の罪だろ。

    ・記憶することは、愛する人たちの魂を、自身の魂を証明する行為だと

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    2025年12月17日
  • わたしに無害なひと

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    たまには韓国文学にも触れてみようと思って。スラスラと読めて面白い。ずっと心の奥でモヤモヤしていた若かりし頃の後悔や自己嫌悪が、ストレートに言語化されている。当時は自分で自分が何を考えているのか分からず、昔のことを思い出しては嫌な気持ちになってしまう背景には、こういう感情や思考があったからなのかも…と、遅ればせながら自己理解を深めている。

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    2025年10月19日
  • 親密な異邦人

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    嘘をつき続ける。本当の自分から逃げるため。「本当の自分」自体がもはや虚像なのに、空虚な自分を直視しないために過去も性別もそして日記ですら嘘をつく、彼女いや彼の足跡を追いながら空の自分に気づいてゆく物語。一度 空であることを認めないと満たせない。

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    2025年09月28日