古川綾子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「わたしに無害なひと」とはどういう人なのか。
それは時々ふと思い出すような人だと考えます。
多くの人がそうであるようにわたしも中学校や高校の友達とは既に疎遠になってしまっています。
少し悲しくなる時もありますが、人は変わるのは当たり前でたとえ今連絡を取り合ったとしても共通点が無い限りまた頻繁に会うようになることは中々ないでしょう。
しかし、会わずとも時々その時の記憶を思い出して相手の健康と幸せを願うことがあります。
たとえその相手との記憶が少し苦いモノであっても、わたしの人生において印象に残った人としてずっと忘れることはない相手です。
少なからず私を成長させてくれたり、私に新しい感情を与え -
Posted by ブクログ
初めてチェウニョンさん作品。K-BOOKフェスでサイン本が売ってたから買おっかなと思ったらけど、まだ文章を読む前にサイン本を手に入れるのは憚られてとりあえず最新作を読んでみた。
血縁だけに限らず「仕方ない縁」みたいなものがついて回る感覚で、迎合してないけどこびりついたまま生きていく薄暗さを感じた。
この暗さは嫌いじゃないから、他の作品も読んでみたい。
・心の奥では理解しているのに、言葉で表現できずにいた数々が言語化されると幸せを感じた(略)
・生まれたときに貧しいのは罪じゃないけど、死ぬときに貧しいのは本人の罪だろ。
・記憶することは、愛する人たちの魂を、自身の魂を証明する行為だと -
Posted by ブクログ
読んでいて何やら胸がチクチクするものの、言語化できない感じがあり、しかし最後まで読んでも結局言語化できないのでは、と思いつつ読み進めた。
本書の感想になるのかならないのかよくわからないが、私自身は自分があまりメンタルが強くないと感じており、しかし長年の人生経験から(?)自分のメンタルを平穏に保つための、適度な人間との距離感を維持できているように感じる。
感じてはいるのだが。しかし一方で他人を(自分勝手な)枠組みの中に閉じ込めていないか。他人を閉じ込めることで自分の平穏を保っているという面が、絶対に無いとは言い切れない気がする。本書には様々な関係性の枠組みが出てくるが、その中であっち側とかこっち -
Posted by ブクログ
チョ・ナムジュさんといえば、著書「82年生まれ、キム・ジヨン」がベストセラーとなり、多くの国で翻訳、映画化にもなったのでご存じの方も多いと思います。
私も韓国ドラマから韓国の文化に興味を持ち始め、音楽とともに文学作品として読んだのも彼女のこの作品が初でした。
今回は不動産ブーム、過熱化した教育熱、所得格差を、連作短編集という形で書かれています。
登場人物もソヨン洞のマンションを介してつながっており、意外な場面で意外な人物が再登場する。
「訳者あとがき」抜粋
このつながりと登場場面により、登場人物の人物像が変化するあたりも秀逸です。
そしてこの作品以降、彼女の作品の翻訳本が出るたび、読 -
Posted by ブクログ
“答えられなかった。言ったところで、あなたに理解できるだろうか。大学を卒業もしないうちから、ソウルの超高層複合型マンションの一室を所有することになったあなたに、叔父さんのレストランから伯父さんの会社に転職したあなたに、家族のグループトークに親が載せる海外旅行の写真に、何も考えずスタンプを押せるあなたに、そのすべてがごく当たり前で自然なことだと思っているあなたに理解できるだろうか。”(p.64)
「理解できるだろうか」は絶対に理解されないことを深く思い知っている人の反語表現だ。だから親近感をおぼえた。あなたの孤独や諦念に似たものをわたしも知ってるよ、と。読んでいて悲しくなったがこの部分がいち -
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いろんな、若者が出てきた。
それぞれが、その状況を生きていて、
人間の醜さ、弱さ、頼りなさ、幼さ、やるせなさ、、、
大人になる中で、大人になっても自分は不完全のままだと気づく経験と重なったり。
付き合う人との関係、兄弟姉妹関係、親子関係、
後になって勝手に感じる相手の心の痛みとか、
繊細な心の動きを感じながら、自分の心も動かされる。
タイトルの無害な人、ってなんなんだろう。
傷つかない、と思っていても傷ついていたり、
傷つけない、と思っていても傷つけていたり、
それは本当に自分勝手でもあり、意識ではコントロールできないこともあるからこそ癒えるのにとても時間がかかったり、