古川綾子のレビュー一覧

  • わたしに無害なひと

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    「ショウコの微笑」の著者とは。

    あとがきにある〝差別に物語で立ち向かいたい〟という姿勢のごとく強く沁みる短編7篇。

    ハンガン、ファンジョンウンに続き、ずっと追い続けたい作家がまたひとり。

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    2021年11月30日
  • 小さな心の同好会

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    小さな心の同好会、スンヘとミオ、四十三、ピクルス、善き隣人、疑うドラゴン、ドラゴンナイトの資格、ニンフたち、これが私たちの愛なんだってば、スア、歴史。心のすれ違いを描いた短編集。

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    2021年07月07日
  • 小さな心の同好会

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    『ダニー』で興味を持った作家。『ダニー』が思っていたより短かったので、ほかにどんなものを書いてるんだろう?と。
    『スンへとミオ』『四十三』○

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    2021年05月13日
  • わたしに無害なひと

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    繊細で切ない、映画のような描写。
    若くて、無知で、傷つけてしまった人たちへの祈るような思いに泣きそうになってしまった。

    まえがき、あとがきからも著者の誠実さが痛いほど伝わってきて、ファンになってしまった。

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    2021年01月22日
  • わたしに無害なひと

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    「わたしに無害なひと」とはどういう人なのか。
    それは時々ふと思い出すような人だと考えます。

    多くの人がそうであるようにわたしも中学校や高校の友達とは既に疎遠になってしまっています。
    少し悲しくなる時もありますが、人は変わるのは当たり前でたとえ今連絡を取り合ったとしても共通点が無い限りまた頻繁に会うようになることは中々ないでしょう。

    しかし、会わずとも時々その時の記憶を思い出して相手の健康と幸せを願うことがあります。
    たとえその相手との記憶が少し苦いモノであっても、わたしの人生において印象に残った人としてずっと忘れることはない相手です。
    少なからず私を成長させてくれたり、私に新しい感情を与えてくれた人達です。

    私自身も大それた才能は無い人間ですから、誰かに大きな影響を与えることは一生かけてもないかと思います。毎日誰かに思って欲しいなんてことも全く思いません。

    しかし、ふと誰かに思い出してあわよくば私の幸せを願ってもらえるようなそのような人間になりたいと思います。

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    2020年08月09日
  • わたしに無害なひと

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    「アーチディにて」◎
    真面目にではなく、自由に生きられたらどんなに楽か。人は簡単には変われない。真面目にしか生きられないハミンにも救いがあってほしい。

    「わたしに無害なひと」タイトルにとても惹かれました。人と関わる限り、自分に「無害なひと」はいない。それを受け入れること、乗り越えることのつらさ、尊さ。

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    2020年08月01日
  • わたしに無害なひと

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    この本で出会う人たちは「わたし」を慈しみ、守り、愛しこそすれ誰もわたしを傷つけなかった無害な人たち、そのひとたちを害してしまった「わたし」の物語たちなのだと気付くとき、書名に込められた深い祈りを見たような気がした。
    通り過ぎてきた過去の悔恨へ祈る静謐な文章。

    なかでも「あの夏」に一番心臓を掴まれたけれど、他の物語にもそれぞれの祈りがあって、程度の大きさはどうあれ誰しもに覚えがあるであろう過去の後悔の形が丁寧に丁寧に切り取られていた。
    疎遠になった人、もう会うことはないであろう人たちのことを思った。

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    2020年07月31日
  • ひこうき雲

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    表紙めくってあらすじ読んで、著者の「日本の皆さんへ」って丁寧なメッセージ読んで、勝手に「少し切ない物語」期待していたら、全く違った。なんていうか、俗に言う負け組の話?貧乏、貧乏、赤貧ってくらい希望が持てない。韓国で自殺がものすごく多い理由がわかるような。明日あなたは死にますよって言われたら、良かったってほっとするんじゃないかって読後感。なんでだろう、著者は優しそうなのに。まじめに働いてるのに生きていくのがやっとってなんでなん?生きていくのが辛い世界に、子供が生まれてくるはずない。少子化問題、当然の結果だけど上は多分ずっと気づかない。

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    2026年10月03日
  • ソヨンドン物語

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    ボランティア教室で日本語を教えていた韓国人の生徒さんが帰国したあと、会いに行ったことがあります。
    高層マンションに住んでいて、その中の来客用の部屋に泊まらせてもらいました。その景色を思い出しながら読みました。

    「シェリーのママ、ウンジュ」は、子どもを幼稚園に通わせたことのあるママさんなら共感できる点も少なくないのでは。

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    2026年09月22日
  • 明るい夜

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    娘に勧められて。

    朝鮮半島の人々の戦前戦後の生き方を考えるきっかけにはなります。

    姑に気を遣ったり、離婚を恥だと言われたり、日本も韓国もよく似ている(た)のだと思いました。

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    2026年09月09日
  • ほんのかすかな光でも

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    自分の人生を変えたと思える大学講師との出会いと別れを描いた『ほんのかすかな光でも』、同じ校内誌をつくっていた尊敬した書き手であったのに、道が分かれてしまった同級生のことを綴った『役割』、気持ちが通じたと思えたのに、裏切る形になってしまったインターンの子の話『一年』、自分のせいで会うことも叶わなくなってしまった姪へ宛てた懺悔の手紙『返信』、死んでしまった兄を慕う娘の気持ちに気づいた『種まき』、厳しい姿しか見せなかった伯母の人生をひもとく『伯母さんへ』、アメリカ人と結婚した娘の新居を訪ねていく『消える、消えない』。なんと、かなしい話ばかりだろうか。中でも『返信』は、年の離れたお姉ちゃんが、高校生の時に、10歳以上も年長の教師によって手なずけられ、結婚し、DVを受けるようになったことについて、私は怒りを抱き、行動に出るが、その結果が、誰をも幸せにしなかった。お姉ちゃんの尊厳さえ、奪った。

    女として、尊厳をもって生きることの難しさ。そして、そうできなかった人に対するやるせなさ。それに対抗する力としての、文章。全ての作品が、身を削り、血を流しながら書いたものだと思う。

    以下、いくつか抜き書き。

    「ぼんやりと浮かび上がってくるセンテンスを自分の声として紙に書き出していく時、あなたはもう以前のような人前でもたもたする臆病者ではなかった。熟考した思いを書き進めた文章の中では自分なりの力を感じることができた。そういう瞬間が与えてくれる驚異と幸福を、この先もずっと経験したかった。こんなに弱々しく見えるあなたの中にも、誰かの心を刺激して揺さぶる力があると、書いたもので示したかった。あなたも、大したことない人間に見えるあなたも、感情や考えを持つ人間なのだと、せめてこういう手段で証明したかった。」

    「彼女はがっかりした気持ちを悟られないようにした。がっかりという感情には暴力的なところがあるから。お前は私の思い通りに反応するべきだという心。がっかりは恨めしいよりは薄く、憎らしいほどストレートではないけれど、そういう感情と密接な距離にある。ダヒに対してそんな思いを抱きたくなかった。」

    「自分の好き嫌いもわからないまま、言われるままに引っ張り回され、みんなの欲求を満たすために自分の欲求からは目を背ける。当時一番不安だったのは、がっかりされること。私は絶対に、絶対に、誰かのお荷物にはなりたくなかった。」

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    2026年09月09日
  • わたしに無害なひと

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    ネタバレ

    かつて心に負った傷や、生きることの苦しみを強く思い出させる作品ばかりだった。登場人物と同じ経験はしていないはずなのに、なぜだか痛みを感じた。
    主人公たちには、人を傷つけないようにと刃を抱えているうちに自分自身を傷つけてしまったかのような印象を持った。でも人を傷つけないで生きていくことはほとんど不可能ではないか。どれだけ考えてもきっと自分も誰かを傷つけているという、この認識から始めなければならないのだと思った。
    我慢強い人ばかりが出てきてみんな内省的だったことが浮かんでくるけれど、誰しもがそうやって生きているのかもしれない。ただ表には出さないだけで。
    短編集だけれど軽く読める類いのものではない。繊細に深く深く潜っていく視点を読むには少し覚悟が必要。
    特に「差しのべる手」が好みだった。この話には苦しみの中にもなんとなく希望が感じられたから、そこに救われる思いがした。

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    2026年07月21日
  • ほんのかすかな光でも

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    若い韓国の作家の作品
    ショートストーリーで読みやすい
    だけど 作品の中で彼が恋人なのか兄なのか分かりにくいものが
    いくつかあった
    家族関係が濃厚な韓国社会の状況が理解できるようなストーリー
    中国とも日本とも違う
    親族との濃厚な関係の中で
    生きることの逼塞感が感じられた

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    2026年05月06日
  • 無理して頑張らなくても

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    すてきな14篇。過ぎ去った日々の中で出会った人たち。絶縁した友、疎遠になった友、離れていても心はいつも側にいる友、友と呼べるほど近づけなかったあの子。それぞれとの思い出の欠片は今のわたしと地続きで不可分だし、不可逆だ。

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    2026年04月24日
  • 無理して頑張らなくても

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    女性の主人公達と周囲の人々との関係性を描いた14の短編が収められています。

    物語の中では大きな問題や展開はなく、日常生活を送る中で女性が経験するであろう違和感や他者とのすれ違いなどが淡々と表現されています。

    韓国文学は感情が大きく揺さぶられるようなことは少ないですが、日本文学に疲れたときには最適です。

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    2026年02月23日
  • ソヨンドン物語

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    これっていわゆるタワマン文学というやつなんでしょうか。
    私の印象だと2ちゃんねるみたいなので展開される自虐なのか揶揄なのかとにかくネガティブな創作物、という把握なので、これが作者に対する猛烈な侮辱になってたらごめんなさい。
    人生において韓流に全く傾くことがなかったので、韓国の今を知ることができてよかったです。
    私もどこかではいい人だし、どこかでは悪人なんだろうなと、背筋が冷えました。

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    2026年02月10日
  • ほんのかすかな光でも

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    途中離脱しました…

    海外文学には馴染みがなく、少々読みにくい印象は受けましたが、そのおかげかはっと気付かされることや、ぐぬぬ…と考えさせられることが多かったです。感じ方って本当に人によって変わって、色んな色があるなとわかりました。

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    2026年01月31日
  • ほんのかすかな光でも

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    初めてチェウニョンさん作品。K-BOOKフェスでサイン本が売ってたから買おっかなと思ったらけど、まだ文章を読む前にサイン本を手に入れるのは憚られてとりあえず最新作を読んでみた。

    血縁だけに限らず「仕方ない縁」みたいなものがついて回る感覚で、迎合してないけどこびりついたまま生きていく薄暗さを感じた。

    この暗さは嫌いじゃないから、他の作品も読んでみたい。

    ・心の奥では理解しているのに、言葉で表現できずにいた数々が言語化されると幸せを感じた(略)

    ・生まれたときに貧しいのは罪じゃないけど、死ぬときに貧しいのは本人の罪だろ。

    ・記憶することは、愛する人たちの魂を、自身の魂を証明する行為だと。

    ・すでにこの世から消滅してしまった人や、彼らの頭の中に描かれていた世界のほうが、自分が生きている世界よりも、いつも身近に感じられる。そういうときは広がった傷に光が差しこんでくる気がした、

    ・どこに向かうのかはわからないけれど、少なくとも消えずに進み続けることはできると教えてくれる、そんな光を追いたかったのかもしれない。

    ・冬は人間の息が目に見える唯一の季節だから。

    ・がっかりという感情には暴力的なところがあるから。お前は私の思いどおりに反応するべきだという心。

    ・ダヒの傷を、自分の視点で釈明したくはなかった。

    ・誰ひとり、苦しいかとは尋ねてくれなかったからだろうか。だから自分自身にも苦しいかとは訊けなかったのだろうか。

    ・記録しないと毎日が同じ日に、一つの塊になっていっぺんに消えてしまいそうな不安に襲われるの。

    ・私は大人で、もう保護者が必要な年齢ではなかったけれど、だからって自分で自分を守れるわけでもなかった。

    ・結局は破り捨てるのに手紙をしたためるという思いも、この世には存在するんだね。

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    2025年12月17日
  • わたしに無害なひと

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    たまには韓国文学にも触れてみようと思って。スラスラと読めて面白い。ずっと心の奥でモヤモヤしていた若かりし頃の後悔や自己嫌悪が、ストレートに言語化されている。当時は自分で自分が何を考えているのか分からず、昔のことを思い出しては嫌な気持ちになってしまう背景には、こういう感情や思考があったからなのかも…と、遅ればせながら自己理解を深めている。

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    2025年10月19日
  • 親密な異邦人

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    嘘をつき続ける。本当の自分から逃げるため。「本当の自分」自体がもはや虚像なのに、空虚な自分を直視しないために過去も性別もそして日記ですら嘘をつく、彼女いや彼の足跡を追いながら空の自分に気づいてゆく物語。一度 空であることを認めないと満たせない。

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    2025年09月28日