【感想・ネタバレ】親密な異邦人のレビュー

あらすじ

7年間小説を書けずにいる小説家――「私」は、目にとめた新聞広告に衝撃を受ける。そこには、「この本を書いた人を探しています」というフレーズと小説の一部が掲載されていた。その小説は、「私」がデビューする前に、誰にも知らせずに投稿していた作品だったのだ。事情を調べ始めた「私」は、謎の多い女性「イ・ユミ」に辿り着き、彼女の人生を追うことになる。

ある時は、キラキラした女子大生。ある時は、評判のいいピアノ教師。ある時は、センスのある大学講師。ある時は、優しい医師。またある時は、ーー。

虚像で塗り固めた幾重もの仮面の裏から徐々に表れる真実の素顔。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ドラマも見たけど、ドラマとは違うものとして読みました。
もうなんかすごい人生をとしか言いようがない主人公ユミ。
どうやったらそんなに起用なことができるのか、色々うまくなりきれるのか、ほんとうに不思議だ…。


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2024年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

原作「親密な異邦人」ドラマ「アンナ」(アマプラ、ディレクターズカット版)面白くてどちらも一気見。8話しかないので無駄なく没入感MAXでした。
"些細な嘘から始まり全く別の人生を歩み始める女性のストーリー"

✏︎✏︎✏︎原作あらすじ

まず登場するのは書けなくなった女性作家。

ある日彼女は新聞を見て驚く。若い頃近所の印刷所に頼んで二十部だけ刷ってもらった自費出版『難破船』。その一部が載っており、「これを書いた人を探しています」という広告があった。

会いに行ってみると、相手は二十代前半か半ばの女性で、「これは半年前に失踪した夫が書いたと言っていたものです」と本を差し出す。『難破船』とデザインがそっくりだが著者として別人の名がある。

これだけでも不可解なのに、若い女はさらに異常なことを言う。「夫は三十五歳。小説家だと言っていたが、これまでの人生で数十もの仮面をかぶって生きてきたようだ」と。

ある時は、キラキラした大学生。ある時は、評判のいいピアノ教師。ある時は、センスのある大学講師。ある時は、優しい医師。またある時は、ーー。

事情を調べ始めた作家は、謎の多い人物「イ・ユミ」に辿り着き、人生を追うことになる。関わった人々へのインタビュー形式で探し出して行く作風がいい。

ラスト近くにはいちばんの衝撃が待っている。
ドラマ「アンナ」とは全然違う…結末。
ミステリーとしても人生ドラマとしても恋愛小説としても読めてすごく面白かった。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

“ワンピース、靴、バッグ、コスメ、そんなものが人生を変えてくれると本気で思っていたなんて、本当に愚かですよね。私は夫も子どもも信じていませんから。信用できるのはワンルームマンション、これだけです。”(p.58)


“私は嘘をつく時の気分を知っている。自らを真実から排除し、嘘つきの烙印を押し、暗くじめじめした自己嫌悪の沼に閉じ込めた時に感じる、小さな快感も知っている。”(p.190)


“私が母に対してそうだったように、あの子もすぐに私のことを忘れるだろう。”(p.201)

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

嘘をつき続ける。本当の自分から逃げるため。「本当の自分」自体がもはや虚像なのに、空虚な自分を直視しないために過去も性別もそして日記ですら嘘をつく、彼女いや彼の足跡を追いながら空の自分に気づいてゆく物語。一度 空であることを認めないと満たせない。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

ずっと嘘をついているのは相当しんどいだろうなと思っていたら「ずっと変わらぬ切実な願いはただ一つ、本物の自分は誰なのかを忘れることだった。変装と嘘のほうが実物だと言じ込む錯乱状態に陥ること。」(この言葉ももう信じられないけど)とあって、思っているよりはるかに重症だった。あの時のあの嘘からここまで嘘で固められた人生になるとは…。

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2024年12月03日

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