浅野いにおのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ソラニンの映画化に代表されるように、浅野いにおの作品の勢いが止まらない。
大学生活、ところどころ話題になりながら手に取り、それとない共感を覚えた。そんな人が多いのではないだろうか。
そこにいけばオリジナリティが手に入れられるように錯覚させてくれる、ビレッジヴァンガードという店では常にプッシュされ、読んで虚無感に浸ることがちょっとしたおしゃれのものさし。
そんな扱いを受けてきた作家だと感じる。
ひどい言いようをしてしまったようだが、浅野いにおの作品には少なからず泣かされている。
浅野いにお作品に描かれる人々のベースとなる背景はだいたい似通っている。
そこそこ社会の汚さに触れて、かつて見 -
Posted by ブクログ
登場人物すべてが、現在と10年前の両方において、何らかの形で必ず複数の登場人物と密接に繋がりあっているという、複雑怪奇な相関図を描いている作品。一回読んだだけでは、その全貌を理解出来ない。
数独のパズルのように、縦・横・ナナメ、どこの角度から見ても筋道が出来上がるような立体的な構造になっていて、それが、極限まで洗練された腕時計のように、ギュッと凝縮されている。
絵はすごくキレイなのだけれど、登場人物の顔がイマイチ好みではないというところで、ちょっと没入度が下がった。
この作品では「蝶」が重要なモチーフになっている。十年もの月日にわたって緊密に交差する出来事は、自分の見ている夢だったのか、それ -
Posted by ブクログ
これは、、まだ完結していない今の時期で言うのは尚早かもしれないけれど、とんでもなくスゴい作品になる予感がする。
この、「おやすみプンプン」で、主人公とその家族のみを、極端にデフォルメした線画で描いているというのは、かなり挑戦的な遊びだと思ったけれど、単に前衛的な表現という以上の効果がこの線画にはあるということが、読み進めるうちにわかってきた。
もともと、マンガというのは、映画やアニメーションと比べると、動きや音声がない分、読み手の感情移入がしやすいメディアといえる。
そこに更に、キャラクターを戯画化することで、余分な情報を極限まで削ぎ落として、「汗」や「動線」のようなマンガ特有の技法だけを -
Posted by ブクログ
そういえば最近、次の巻が出るのが楽しみな漫画が減った気がする。
まぁ自分が最近の漫画に疎くなっただけなんだろうけど。
ただ浅野いにおさんの作品はいつも「何か気になってしまう」ので単行本を買って読んでます。
雄一おじさんというキャラがいちいち重い。
だけど彼の言葉や想いは嫌にリアルでもある。
というか浅野いにおさんの漫画の中の人たちのモヤモヤは自分の中の痛いところを突いてくる。
でもグイグイ読んでしまうM的快感にも似た読書感はなんだろう。
人物や背景の描写が精巧なのにプンプンとその身内はラクガキのヒヨコみたいなリアリティーのないルックスをしている。
雄一おじさんもプン