浅野いにおのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
豊島ミホに出会ったのは『檸檬のころ』。
なんて素敵な小説を書くんだろう、と、私にはど真ん中の本だった。
高校編だった『檸檬のころ』。
この『初恋素描帖』は、その中学編とも言える。
タイトル通り、初恋が集まった短編集。
中学校の生活よりも、初恋に重きを置いた作品。
一冊の本としては良く考えられていて、一つ一つのお話が短いので、もしかしたら、雑誌の連載になっていたのかもしれない。
“だから”なのか、『檸檬のころ』ほどの思い入れはない。
切なさも楽しさも何もかも、踏み込むほど書かれてはいないからだ。
そもそも、中学の頃なんてそんなものだったのかもしれない。
しかし、悪い作品ではない。
ただ