鈴木亘のレビュー一覧

  • 財政危機と社会保障

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    1970年生まれの著書の本。

    作者を年代で分けるのは、ある意味では先入観かもしれないが、難しい話をわかりやすく語る世代が次々と生まれてきていることを実感した良書だった。

    財政危機や社会保障については、それぞれの専門家がいろいろな歴史、他国との比較で述べることはあるが、全体を俯瞰して、その問題性を指摘している点は非常によいと思った。何か魔法のような処方箋があるわけではなく、メリット・デメリットを比較して、国民がどのような方向に進むべきなのかが問われていると思うが、そのための議論が決定的に欠けている。

    政治家が選挙のために、耳に痛い言葉を封印して、その場その場で政策を決めてきたツケが今、すべ

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    2013年05月22日
  • 財政危機と社会保障

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    現在の社会保障の問題は、高度成長を前提として、制度疲労を起こしていること。すなわち、参入規制、価格規制による護送船団方式、多額の公費投入、業界団体と官僚、政治家の利権保持。

    協力なリーダーシップを持って変えていく人がいなければ、日本は変わらないと思わざるを得ないし、これから先、変えなければ日本は日本としての態をなさない。

    これを書いてくれた著者に感謝したい。

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    2011年06月12日
  • 財政危機と社会保障

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     「社会保障の不都合な真実」と両方読みました。2010年の7月、9月と同じ時期に出版されています。この本の方が読みやすいですが、生活保護については触れられていません。
      この本のメリットは、一人の学者が、年金、医療、介護、保育所、(生活保護)という社会保障全般について論じていることである。通常はそれぞれの専門家が独自の視点で書いているので、社会保障に含まれている共通した課題がわかりにくいし、細部にこだわりすぎて論点が不明確になっているものも多い。是非、多くの人がこの本を読んで、社会保障関係費を抑えないと日本が破綻することに気がつくべきだ。

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    2011年05月28日
  • 財政危機と社会保障

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    「身の丈にあった社会保障」を目指すべきという、とてもシンプルな主張。センセーショナルな表現を排しながらも、筆者の危機意識がはっきりと伝わってきます。年金・医療・介護・保育…デリケートですが、この国がまっすぐに見据えなくてはならない課題群=社会保障。すべてお金がなければ回らない=財政問題です。

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    2011年03月31日
  • だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方

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    国試のちょっと前に読んだ本。公衆衛生のつまらない国試勉強に対して批判的な態度で臨めるようになりました。公衆衛生に取り掛かる前に読んでおけばよかった。複雑怪奇な保険制度の経緯がかなり理解できたかと思います。

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    2011年03月02日
  • 日本経済「余命3年」 <徹底討論>財政危機をどう乗り越えるか

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    テレビを見なくなって経済・財政・政策の専門書をガンガン読むようになってからは、竹中さんが言ってることは経済学的にはかなりまっとうなんだって思えるようになった。

    小泉・竹中改革の害悪とかいっていつもテレビで垂れ流していれば洗脳されちゃう。テレビの害悪ってほんとひどいなって思う。

    池田信夫さんとかもすごく勢いのある経済学者で、これからの日本を変革できる逸材であるとすごく期待している。榊原さんとの共著である「! 絶対こうなる!日本経済」に続きいい本だった。

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    2011年01月03日
  • 医療崩壊 真犯人は誰だ

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    本書の主張 医療崩壊の犯人は、小規模病院の多さ、フル稼働できない病院、病院間の不連携と非協力体制、政府のガバナンス不足である。
    基本的に同意。しかし、政府のガバナンス不足は医療に限ったことではなく、そういう政府をつくるような政治を選ぶ国民こそが主犯であると考える。著者も中小病院の成り立ちについてふれる中で政治と医師会の関係について述べられているが、地方議員には医師会、医師は大きな影響力を持っていて、その見えざる力こそがコロナのような大局観を要する対応もねじ曲げてしまっている。残念ながら、著者のような方には、そういうホントのことは伝わらない。

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    2022年08月19日
  • 医療崩壊 真犯人は誰だ

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    新型コロナによる医療崩壊の原因を探る。結局厚生労働省と医師会の問題のように思えるがそこまで強くは主張できないのだろう。

    1.少ない医療スタッフ
    2.多過ぎる民間病院
    3.小規模の病院
    4.フル稼働できない大病院
    5.病院間の連携・非協力体制
    6.「地域医療体制」の呪縛
    7.政府のガバナンス不足

    それぞれを解説する。
    この機会に医療体制改革なくして日本の未来はないだろう。
    もっと本書のような内容の積極的な議論が対処療法とは別に必要だろう。
    医師会の存在がある限り実現しないだろうが。日弁連と共に日本の癌。

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    2022年05月05日
  • 日本経済「余命3年」 <徹底討論>財政危機をどう乗り越えるか

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    著者たちの主張、処方箋は概ね理解できた。が、現実とのギャップにどんよりした。裕福な高齢者にも年金医療介護などで公費投入されているとか、要は再分配が機能していないという点。そして世代間の不平等、財政危機。
    池田氏がさらっと「小泉改革で格差は縮小した」と、今まで私が読んだ本とは反対のことを言っていて根拠を示して欲しかった。経済がよくなると格差を問題にして「構造改革の光と影」とか言い始める人がいるんだそうだ。
    法人税の話をもっと知りたいので他の著作も読んでみたい。

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    2022年01月07日
  • 経済学者、待機児童ゼロに挑む

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    著者自身が待機児童問題を体感し自身で試行錯誤してきてその上で東京都のブレーンとして待機児童問題に携わっている。
    机上の学術論ではなく実際に動いているので非常に現実的で問題が明らかに伝わってくる。
    本書で重要なのは政策として実際にどう実現できるかということをに重点が置かれていること。
    綺麗事をいくら言っていても政策として実行できなければどうしようもない。
    著者はこの点も考慮されている。
    ただ東京在住ではないので実際のところはどうなのかはわからない。
    小池知事推しが若干目につくのでその点は冷静に見なければならない。

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    2019年11月01日
  • 経済学者、待機児童ゼロに挑む

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    最初は、経済学者である著者の保活経験を通じた、保育所の現況がまとめられていて、とてもわかりやすく導入部分としてはとても読み進めやすかったです。

    中盤~後半は、著者が関わった東京都の保育に関わる施策内容及びその立案から実施に係るプロセスなどが長く書かれてありました。
    個人としては、仕事内容に関連性があったので興味深く読むことが出来ましたが、
    東京近郊にお住いでない方や、その他あまり関連のない方には、施策重視な内容なので、若干他人事な内容に聞こえてしまうのではないかと思いました。

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    2018年07月22日
  • 経済学者、待機児童ゼロに挑む

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    ネタバレ

    東京都で小池知事とともに待機児童解消に向けて活動中の経済学者の活動。大学教授なんて理論ばかりと思っていたが、実務層との対話などかなり地道な活動を行っている。噂には聞いていたが、0歳育児には一人あたり月に四十万掛かるという事実には驚愕。既得利権が大きく、抵抗勢力も多いだろうが、改革に向けて進んで頂きたい。

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    2018年07月21日
  • 経済学者、待機児童ゼロに挑む

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    自らが東京都での政策に関わっているせいか、小池知事や自分の実績についての評価が甘い感はあるが、前例や既得権益を崩しつつ、合理的かつ可能な限り全体最適に解決していくしかない。

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    2018年06月01日
  • 経済学者、待機児童ゼロに挑む

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    炎上知事のブレーンもの二作目。今作はややエビデンスから離れていわゆる新自由主義者がいいそうな方に傾いているような気はする。言っていること自体は妥当だとは思うが、芸風が変わったというか。取られた政策であるとか、小池都知事に協力したことに対する評価はまた別の話であり当分たってどうまとめられるか。

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    2018年05月08日
  • 経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録

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    「改革の中身より、どう実行するかがはるかに重要である」、冒頭に挙げられたこのテーマが見事に実践されていく様を、本書を読むと体験する事が出来る。

    多少自画自賛が鼻につくこともあるが、地域の人、お役人、いわゆる活動家そして政治家やマスコミの間を縦横無尽に駆け回り、事案を動かしていく様は圧巻である。こうすれば、世の中動いていくのかという良いお手本である。もっとも、鈴木先生が当時の橋下市長と昵懇の間柄であったという、大きなアドバンテージは有ったが。

    「社会保障亡国論」にも感心したが、鈴木先生はまだ若いし、学者で終わるのはもったいない気もする。もう少し、大きいところで、世の中の問題解決に大ナタをふる

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    2018年01月28日
  • 財政危機と社会保障

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    日本の社会保障制度は、①公費漬け、補助金漬けの「高コスト体質」、②参入規制、価格規制に守られた悪平等の「護送船団方式、③多額の公費投入による見せ掛けの「低料金」、④天下りや利権を介した業界団体と官僚、政治家の強固な「既得権益の結びつき」といった特徴を持つ「高度成長モデル」のままであって、このままでは財政的に維持不可能であり、社会保障費抑制に軸足を置いた改革が必要であると主張している。当時の菅内閣が標榜していた「強い社会保障」ではなく、「身の丈に合った社会保障」が求められるとしている。
    著者の日本の財政や社会保障制度に対する認識、今後の処方箋については、おおむね正論だと感じた。
    ただ、医療、介護

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    2017年09月24日
  • 経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録

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    大阪市特別顧問として「西成特区構想」に携わった経済学者の鈴木亘氏の実践の記録。
    臨場感のある記述で、政策の遂行ということについて、とても参考になる内容となっている。「改革の中身よりも、どう実行するかがはるかに重要である」ということをよく感じることができた。また、今後の社会にとっての「アゴラ」の重要性の指摘も興味深かった。
    そして、経済学の観点から、西成特区構想に関わるエピソードを読み解くコラムが秀逸。

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    2017年07月07日
  • 経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録

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    それにしても鈴木先生は、社会保障関連の専門家だと思ったら、こんなことまでやっていたとは驚きです。彼の年金問題の解決法等も非常に現実的でいい案だと思っていましたが、自分の理論を自分で証明してしまおうというバイタリティーとそれを本当に具現化してしまう実行力は、そのまま政治家になってもいいのではと思うほどのリーダーシップです。本の内容的には、日本の最貧困エリアである、あいりん地区の街づくりを経済学者としての視点から、実際に具現化するためのアプローチをドキュメントした本。そして街の住民含む利害関係者をしっかり巻き込んで、その道筋を作るところまでが描かれています。それもこれも橋下元大阪市長の元だからでき

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    2017年01月09日
  • 社会保障亡国論

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    現状の社会保障が財政的に持続不可能という著者の現状認識やある程度市場を活用して社会保障給付を縮減するという方向性での著者の提言には基本的に同意するが、社会保障財源としての消費税に対する低評価には賛同できなかった。新型相続税というアイデアは興味深いが、消費税の代替財源にはならないのではないかと思う。

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    2014年11月14日
  • 財政危機と社会保障

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    民主党政権時代に書かれた本ですが、筆者の鈴木さんが指摘していたことが、ようやく世間一般にも問題視されてきたと思いました。社会保障の論点整理ができました。

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    2014年07月13日