鈴木亘のレビュー一覧

  • だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方

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    年金・医療・介護の仕組みと問題点、今後の解決策についてよくまとまっている。この手の本というと、表面的すぎたり専門的すぎたり、なかなかよいものがなかったが、過不足なく、内容的にも理解しやすい。・これから10年は団塊の世代の退職により、高齢者比率が高まってゆく少子化対策などしても、それで増えた新生児たちが保険料を支払うようになるまで二十年以上かかるので、社会保障制度への貢献は極めて限定的・'60年以降の生まれは払い込みの方が受益よりも多く、損。厚生省はこれを否定するようなデータを出しているが、その計算の根拠として、保険料の事業主負担分を「賃金ではない」として計算から除外したり、割引現在価

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    2011年08月07日
  • 経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録

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    2012年に橋下徹大阪市長の下でスタートした「西成特区構想」は、西成区の(特にあいりん・釜ヶ崎地域)が抱える環境・治安・社会福祉などの複合課題を解決するために「西成をえこひいきする」=特別政策を集中的に投入する構想だった。

    今の西成がどうなっているかは自分の目で見ていないので何とも言えないが、改善に力を入れるためにえこひいきを必要とする程、かつては治安が悪く日雇労働や生活保護など貧困が問題化していた。今は少し改善傾向にあるらしい。

    日雇労働者たちは手配師たちにより、賃金や契約期間、飯場の宿泊代・食事代などの条件提示され、車に乗り込んでいく。地域全体で、現金や契約を合わせて、1日5000件ほ

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    2025年10月16日
  • 医療崩壊 真犯人は誰だ

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    コロナ禍で、医療崩壊の危機に陥った日本。何が「世界有数の医療大国」を追い込んだのか?我が国の医療体制を分析し、“真犯人”―原因を突き止める書籍。

    2020年4月の第1波の際、全国のコロナ新規感染者数が257人という状況で、首都圏では早くも病床が逼迫した。緊急事態宣言解除後の第2波では大きな感染拡大はなかったが、秋の第3波では感染爆発が起き、医療は再び逼迫状況に陥った。

    2021年春の第4波、夏の第5波では、感染力が強い変異株によって感染者数が激増した。深刻な医療逼迫が起き、療養先が見つからない「医療難民」、自宅療養者が大量に生じた。
    しかし、そんな状況でも確保病床数はあまり増えなかった。

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    2023年05月25日
  • 医療崩壊 真犯人は誰だ

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    医療界の「中小企業問題」を真犯人の一つとして指摘。コロナの医療崩壊だけでなく、平時の医療費抑制の観点からも中小企業問題は解決されるべき。鈴木先生には、引き続き医療、社会保障の分野で、厚生労働省、日本医師会の欺瞞にメスを入れてほしい。

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    2022年01月07日
  • 社会保障亡国論

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    本書を読む人は、年金制度の不公平さが、自分の身に一番応えることとして印象に残るかもしれないが、問題はそれにとどまらない。
    このままいけば社会保障制度が崩壊する。

    社会保障制度の崩壊というのは、社会基盤の崩壊である。
    そのときどうなるかというと、高齢者だけ限ってみても、病気になっても病院にかかれない、施設に入ろうとしても施設がない、いわゆる漂流老人が大発生する。

    経済は行き詰まり、破綻することは目に見えているが、残念なことに、誰も手をつけられずに、最後まで突っ走っていかざるをえないだろう。

    人口構造が将来どうなるかということは、もう数十年前から分かっていたことだ。人口シミュレーションは、そ

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    2020年05月12日
  • 経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録

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    大阪市西成区の地域問題に経済学者が挑む

    橋下市長の特別顧問という肩書きだが特に法的な権限は無い。それでも地域の人々の中に飛び込みボトムアップ型の提案をまとめ上げた。

    youtubeに当時の公開討議の録画があり見た。活動家のヤジが酷い。そんな中よくまとめ上げたものだと思った。まさに粉骨砕身。

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    2017年02月24日
  • 社会保障亡国論

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    【あくまで亡国論】

    日本の社会保障関連費用は一般会計の3割近くを占め、生産性の低い社会保障という仕事はGDP内の比率が高まり、そのことによってさらなる経済成長にブレーキが掛かってますます…という暗いシナリオ。それでも社会保障という聖域は、金を集める側(財務省)と使う側(厚労省)の絶妙な組み合わせと、年寄優先という政治構造によって成り立っている。現政権の社会保障への無関心、というのも確かに相当なものだ。消費税は、そのために上げたはずであるのに。この辺までは、うなずける。

    世代間格差ということに随分と触れている。ただ、世代間格差というのは、僕はあって当然に思う。だって、違う世代なのだから。1年

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    2022年06月01日
  • 社会保障亡国論

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    社会保障の安定化や財政再建には、消費増税は役立たない。相続税にシフトし、無駄なバラマキや非効率な仕組みを改め、適正料金で市場に競合させよ。

    福祉にはお金が足りない、回っていないから大変なんだと思っていましたが、補助金で黒字になっていたとは知りませんでした。許認可なしにやるのが悪、みたいに言われていますが、公開でチェックすればよいのだね。

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    2015年05月23日
  • 社会保障亡国論

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    強烈な社会保障論。
    著者の主張である、手元にあるお金の範囲内で社会保障政策を立てるべきという議論については、大いに賛成。

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    2014年06月24日
  • 社会保障亡国論

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    ネタバレ

    日本の社会保障の欠点(過剰給付、賦課方式、参入規制)については言い尽くされた感もあり、対策も明らかではあり、内容的には新味なし。よくまとまっているが、本書でなければ読めない、という内容もない。

    ・一般歳出の54%が社会保障関係費になっており、国の財政はこれで精一杯。保険料なども含め、社会保障給付費は110兆円にものぼる。医療・介護にかかる自己負担分を足すとGDPの4分の1程度にもなる。しかもこの額(国民として負担している総額)は年間3−4兆円のペースで増えている。1991-2013の間、経済は全く成長していないのに社会保障給付費は二倍になっている。



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    2014年05月13日
  • 日本経済「余命3年」 <徹底討論>財政危機をどう乗り越えるか

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    2/14からの確変フィーバーが終わった後
    自分の資産についての今後の扱いを
    どうしようかを考えています。

    <前書き>

    9月17日に日本銀行が発表した統計によると、6月末の段階での国と地方の債務残高が1035兆円と、初めて民間企業の債務残高を上回りました。これは政府予算が膨張する一方、民間の経済活動が停滞し、債務が減ったためです。政府債務はGDP(国内総生産)の2倍を超えるという先進国では最悪の水準に達しましたが、2011年度予算の概算要求も96.7兆円と昨年より膨張し、財政再建のめどは立ちません。



    私が就職する以前から「日本は破綻する」 「ハイパーインフレがやってくる」と

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    2013年08月28日
  • 日本経済「余命3年」 <徹底討論>財政危機をどう乗り越えるか

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    池田さん、鈴木さん、土居さん、竹中さんと好きな経済学者が勢ぞろいしてたので読んでみた。それぞれ専門分野が違うのでおもしろい。
    竹中さんの"規制仕分け"のアイディアは本書で知った。
    「この規制はホントに必要なんですか!?」みたくやっていくモノらしい。

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    2013年03月03日
  • 財政危機と社会保障

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    「手厚い社会保障と低負担は両立しえない」という当たり前のことを、なぜ両立しえないのか説明した書。

    代替案として提示されている年金賦課方式は真剣に考える余地があると思われる。

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    2012年12月11日
  • 財政危機と社会保障

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    ネタバレ

    社保に公費が投入され、価格ダンピングが起き、過剰な手厚い保護によって運営非効率となり、受益者も見せかけの安いか買うに満足して見直しには猛反発。市場原理の重視による解決は当然考えられることである。 筆者の主張は明快ではあるが低所得者への救済の点など確かに粗さはある。

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    2012年09月26日
  • 財政危機と社会保障

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    ネタバレ

    財政問題と社会保障問題の2本立ての本。
    筆者は、「財政も大変だし、その原因に社会保障があるよ」って言っている。だから、社会保障はしっかりと考えなきゃって述べている。

    全体的には、財政問題に関しては、その問題の本質を究明するような姿勢はこの本からは期待できず、あくまでも社会保障を論じるための餌として述べている程度なので、いささか中途半端である。というよりは、少し詐欺まがいな気がする。しかし、社会保障の記述に関しては、初学者に向けて書いているという言っているだけあって読みやすく理解もしやすいと思う。

    つまりこの本は、社会保障の概略を知るための本であって、財政問題をこの本から学ぼうとしてはならな

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    2012年02月20日
  • 財政危機と社会保障

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    『201202 経済強化月刊』

    著者の私見が色濃く出ているので注意が必要。社会保障について常識的なことも理解していなかった私なので、制度的な部分に関しては勉強になったが、主張については完全に鵜呑みにする訳にはいかないだろうと感じた。

    著者が経済畑の人なせいか、市場の競争原理を評価し過ぎというか、信頼し過ぎなきらいがある。
    例えば、医療機関への競争原理の導入を奨めているが、病院の経営重視が強まれば、回転率を上げるために入院患者を早期退院させたり、必要以上の通院・投薬推奨という状況が想像される。
    また、医療費自己負担の増加は、低所得者層は必要な治療を我慢してしまい、医療格差が広がるのでは?もち

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    2012年02月19日
  • 日本経済「余命3年」 <徹底討論>財政危機をどう乗り越えるか

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    徹底討論と銘打っているものの、それぞれ意見がぶつかり合うようなことはなく、ほぼみんなが同じような改革を望んでいる。
    経済学者からすれば当たり前の事ができずに陥るべくして陥ってしまったというのが現状らしい。
    なぜ当たり前のことができないのか、
    人口1億以上もの大国で権力の集中を嫌う空気の中、純粋に民主的な方法で多くの改革を進めるのは無理なんだろう。

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    2011年12月28日
  • だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方

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    日本の公的な強制保険(年金・健康・介護)のインチキを暴き出す本。確かによく調べてあるし、本書の主張は正しいのかも知れないけど、このことが分かったからと言ってサラリーマンには対処のしようが無いんだよね…。本書を読むと、こういうことに興味を持つこと自体が無駄だと思えてきて、ものすごい無力感に苛まれること必定である。どうせ公的年金だって、厚生官僚がレトリックを駆使して「100年安心」(掛金を上げて給付を減らせば、そりゃあ制度は「存続」できるでしょう)を実現してしまうんだろうし。まっとうな制度に戻すには、もはやデフォルトかクーデターくらいしか道は残っていないんじゃない?(その場合、公的保険がまっとうに

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    2011年08月27日
  • 日本経済「余命3年」 <徹底討論>財政危機をどう乗り越えるか

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    竹中平蔵, 池田信夫, 土居丈朗(財政), 鈴木亘(社会保障)という経済問題で気が合う面々の座談会を書籍化したもの。こういう固めのテーマは書き下ろしの方がよい。意見の相違がないのだから、ますますそう思う。

    議論のテーマは、日本の財政問題、社会保障、労働市場、など。語られていることは大枠で正しいように思う。震災前に出版された本だが、この上さらに震災によるマイナスを乗り越えて世界の中心に日本が躍り出ることは不可能ではないかと思えてくる。
    とにかく小泉・竹中の改革を何の検証もなく悪政のように語らせてはいけない。政治的にその方が受けると認識している政治家も多くいるようではあるが。

    それにして

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    2011年06月19日
  • 財政危機と社会保障

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    ネタバレ

     社会保障と財政。その両方の分野にやってくる危機の実態とその対処法を明らかにした本。

     900兆円を超える額の日本の国債の95%は内国債であり、1400兆円あまりの個人資産によって買い支えられている。そのため日本が直ちにデフォルトに陥ることはまずないと思われる。

     だが、少子高齢化を迎え、社会保障費が膨れ上ってくることを考えると、このままのペースでの債務比率拡大は危険である。景気が上向いた時点で財政再建をすることが欠かせない。

     全体として医療、保育、介護など社会保障に関わる分野の規制緩和と構造改革を進めるべきという論調が強い。その前提の下で、著者は日本の社会保障制度の特徴として、

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    2011年06月18日