鈴木亘のレビュー一覧
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ネタバレ本書を読んで
「世界一の病床大国」
「医療崩壊と無縁」
と思われていた日本でいとも簡単に医療崩壊危機に陥った謎を解き明かしています。
既得権益を守る法制度を続けることが人の命を守るという意味でとても危険なことなんやなとわかります。
コロナが一息ついた今やからこそこれまでの医療提供体制の仕組みや政策の部分をもう一度しっかり見つめ直す必要があるんやなと思います。
「医療機関の連携・協力関係が決定的に不足している」
大規模な感染症では患者の集約がいかに大切かがわかります。
中小の病院に均等に割り振っても感染の拡大を考えるとフロアで区切るなど隔離が必要になります。
隔離できないと1床も受け入れられなことになります。
それなら病床数の多い病院で専門的に受け入れて診ていた他の患者を中小の病院に割り振ってコロナとそれ以外を分ける連携・協力関係が必須になると思います。
「規模の利益」を考えずに集約化を怠ると同じことが起きるなと思います。
本書を読んでるとこの連携・協力関係が決定的に欠けてるなとわかりました。
「なんちゃって急性期」
高齢者施設化した急性期病床は詳しく医療機関のことを知らない僕でも知ってました。
ただ既得権益にまでなっていたとは知らなかったです。
全くガバナンスができてないんやなと感じます。
いっときから「急性期〜」が雨後の筍のように増えたのはこういう事情があったんやなと思いました。
「政府のガバナンス不足」
「主犯級中の主犯」とされています
事前に立派な「政府行動計画」があったのに十分に活かせなかった。
結局準備不足なんですよね。
非常事態に対する想像が欠けてるなと。
これは自戒を込めて次の手を考えてないととんでもないことになる良い教訓になったと思います。
「人的支援が近道」
1 顔を合わせて話し合える「会議体」
2 コロナ禍前からの「人的つながり」
3 決断できる「行政のリーダー」
4 疑心暗鬼を生まない「見える化」
5 最後の責任を取る「行政の覚悟」
非常時の医療提供体制は結局のところ地道な対応の積み重ねになるんやなと思います。
特にお互いの手札を隠しながら話し合っていると疑心暗鬼になって話が進まないことはよくあります。
最後は腹を割って話し合える土台としての「見える化」が重要なんやなと思います。
「自衛隊病院の廃止・縮小」
現時点でどうなってるかはわからないのですが本書ではいかに民間病院での受け入れが難しいかがよくわかります。
そうなると非常時の体制として自衛隊病院や医官の増強は喫緊の課題なのかなと思います。
少なくとも世界的に見るといつも何処かで医療供給体制が必要なので日頃の訓練や未知の病気への対応を日々行っていただく組織の増強が必要なのかなと思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレこの本を読むと残念ながら政府の行う対策の燃費の悪さがわかります。
もちろん何もやってないわけではなくてそれなりに効果もあるんですけど
供給が足りない時に需要を創出する金融政策をやったりだとか
コロナで物理的に供給を増やせない(緊急事態宣言で店を開けない)時に給付金を全体にばら撒くとか。
もちろん的には当たってるので全く効果がないわけではないのですが経済学的に無駄が多いことはたくさんあるのかもしれません。
「世代間不公平としてのコロナ禍」
コロナに罹患して亡くなってしまう人数と経済を止めて自殺してしまう人数がトレードオフの関係にあるというのは目から鱗でした。
コロナは確かに高齢世代や基礎疾患のある人に死亡者が多かったと思います。
そうなると緊急事態宣言は高齢世代を守るための政策で現役世代の負担の上に成り立っていたのがわかります。
次に定額給付金が全員に配られるという意味では失業や収入減に直面する現役世代に比べて年金が減らない高齢者も同額もらえます。
そういう意味で
「負担は現役世代」
「利益は高齢世代」
という構図になって
「シルバー民主主義」
「世代間不公平」
が生まれていたというのは初めて理解できました。
最後のベーシックインカムのところが少し消化不良でした。
やっぱり専門が社会保障と経済学なのでベーシックインカムは少し畑違いなのかなと思いました。
ただ財源についてはかなり精緻に上げていただいてるのでとてもよくわかります。
負の所得税の方がベーシックインカムより事務手間の面で効率的なんですね。
やはり制度の精度を上げるためにはマイナンバーカードで全ての所得を把握することが必要やと思います。
サラリーマンだけが所得把握されているトーゴーサンはAI時代にはマッチしていません。
社会保障が平等に行き渡るためにもデジタル化は待ったなしやなと思いました。
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Posted by ブクログ
15年くらい前の本なので民主党政権の頃の内容になってます
ただこの問題は残念ながら今も色褪せることなく当たり前のように残ってるなあと思います。
安易で無責任な「中福祉・中負担」
少子高齢化が爆速で進んでいますが年金にしても医療制度にしても対症療法を超えてないように思います。
まあ年金制度を賦課方式から積立方式に変えるのはとても大きな痛みを伴うので現実的には不可能かなと思います。
順繰りに給付費を減らして保険料を上げるのを団塊世代がいなくなるまで続けるんでしょうね。
医療制度についても医師不足が病院とクリニックの診療報酬が同じやというところに起因しているとは知りませんでした。
まあ確かに今は差もついてきてますが微々たるものですしどちらかというと総額を減らすために入院費を減らしてきたなあと思います。
この辺は本書にも書かれているように日本医師会が開業医の団体であることに大きく影響されてるんやろなあと思います。
開業医がどこで開業しても同じ報酬単価なら客の多い都市部に医師が集中するのは当然と言えば当然かなと思います。
まあ莫大な時間やお金をかけて医師になってるので適正に儲けてもらうのは必要やなとは思うのです。
そうしないとそもそも志望する人がいなくなってしまいますよね。
国家公務員総合職みたいに。
「強い社会保障」ではなく「身の丈に合った社会保障」
本書を読むとこれまでの「高度成長モデル」を維持するのは不可能やなと感じます。
「高コスト体質」
「護送船団方式」
「低料金」
「既得権益の結びつき」
といったシステムを維持するだけのパイの拡大は見込まれないということだと思います。
著者は改革を進めるために混合診療のような「規制緩和」を進めて消費者の選択を進めるとともに特定の使途にしか使えない「バウチャー」の発行をセットにすることが求められると書かれています。
これは今も進んでいないので有効やろなと思います。
特に必要な報酬の底上げをして生活困窮者のような支払えない可能性がある場合には補助としてのバウチャーを発行するのは十分に有効な制度やと思います。
少し古い本でしたが今も解決できていない課題が挙げられていたのでとても参考になったと思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレこの本の出た10年前に西成にいてたときは直接自分ごととして意識してなかったんですよね。
どっぷり生保ですぐに異動で出てますし。
今帰ってきて外から見てた事業を中からじっくり見るとここからしっかり巻いていかないと中弛みしないかちょっと気になります
求められてるものは揃ってるのであとはどう実行していくかというところになってるように思います。
ただここでオーソライズされてることが本当に細部まで今の担当者に引き継がれているかが重要やと思います。
おそらく担当する管理職それぞれが自分の守備範囲に関わらず知識経験を持ち寄って組み立てていかないと地域とのギャップが広がらないか心配になります。
異動が重なって新しい職員が増えてるなかで僕自身の知識のベースを合わせる意味でもちゃんと読み込まないといけない本やと思って読みました。
まあ今も同じ生保担当なんであまり関わりがないと言えばないのですが(爆)
ただかなり大きな地域課題にどのように対処すべきかという点についてとても参考になる処方箋になってると思います。
「役人がそこまでやるとは思わなかった」
当時の課長も夜回り行かれてたんですね。
僕も木曜日の夜回りで実地勉強しています。
こういうのは言われてやるもんじゃないんですよね。
ただやってることは周りに伝えて自分のスタンスは知っておいてもらう必要があるかなと思っています。
なかなか役所の理論では通じないことが多いですし。
逆に役所にも通じない話も多いですし。
その辺は一次情報として自分で直に耳に入れておかないと自分の頭で考えないんですよね。
その辺は新採すぐの頃から反対運動の担当してたんでよくわかってます。
「新しい流入者と今いる若者が共存できるまちづくりを目指したい」
橋下市長が区政会議で発言されたそうです。
「若年層の転入増加」と「子育て世帯の転出減少」が第三期に掲げられてます。
生保担当してるとリーマンショックの頃からずっと言われてるのでこの地域の人口減は目の前に迫る現実やとわかります。
おそらく日雇い労働者が回していた地域経済が今は生活保護が回しています。
訪日外国人も一定程度影響あると思いますが地域経済を回すほどではないと思います。
そうなるといかに早く新しい流入者を呼び込む土台を作るかというところが重要になるのかなと思います。
僕は訪日外国人よりも定住外国人がターゲットになるのかなと思います。
今の居住者と子育て世帯と若年層の日本人と外国人を含めたベストミックスを目指していかないといけないように思います。
「ホモ・エコノミクス」
経済学の基本は、人間を
「損得に反応する合理的な存在」
と単純化して捉え
「自己の利益を最大化するように行動する」
と考える。
僕の考え方は経済学に沿ってたんやと改めて認識しました。
相手の利害を把握してできるだけ利益に誘導できるようにインセンティブを作るのが基本だと思っています。
この本を読んでそれぞれのステークホルダーの意見を聞くことがいかに重要であるかということがよくわかりました。
この本の出た2016年から10年経って状況がどのように変わったのか。
いや変えてはいけないものが変わっていないかが重要なのかなと思いました。
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Posted by ブクログ
やればできる、けれども禿げ上がるほど大変である。
という感想です。
題名で感じるより遥かに読みやすい、テンポの良い文章です。
行政の縦割りと、ごった煮状態の区民の中に入って動き回った経済学者の鈴木亘さんのお話です。
綺麗事と正統法だけでは絶対に解決しない問題を、経済学者の物の見方とフットワーク、広い人材からなるチームワークで、焦げを削いでいくように進んでいく改革が凄かった。
素晴らしいと思ったのは、自分達の話を正直に明かした上で、面倒な相手であってもしっかりと話を聞いて受け入れるという覚悟です。
会議が騒動屋にひっかき回されても、様々な立場の方達と揉めることになっても、ゴールに向けて包摂していくという姿勢が強く優しく堅実で確実でした。
排除し押し殺して進んでいったら、またどこかで揉めることになる。
そりゃそうだろうと思うけれど、楽で早い解決法として押し通されている事も少なくない。
自分が解決する側に回った時に、鈴木亘さんのようなやり方ができるだろうか。
胆力という言葉が浮かびます。
「理不尽な怒声を浴びせられながら進めなければならない会議」というだけで胃が痛くなる。
終わってから1冊の本になっているので読む方は
「なるほど〜、大変だったけど良かったね!」
だけれども、渦中で闘っていた方々のご心労たるや想像を絶します。
人と人、集団と集団の間を繋ぐ「ハブ人材」の重要性についての本でもあると思いました。
良いものが個別に存在しても、繋がらないと力にならない。
これから社会が良くなるためのキーの1つなんじゃないかな。 -
Posted by ブクログ
「政策実行はかくあるべし。」
そう思わせてくれる本です。橋下大阪市長時代に行われた西成特区構想の特別顧問である鈴木亘学習院大学教授が行った構想の策定・まちづくり会議の組織・運営など、構想をボトムアップで行う道筋をどのようにつけていったのかを理論的(経済学的な視点も含めながら)に整理した「政策過程本」である。実現しなければならない政策は数多くあり、その多くの政策は政治的コストの高さ、行政的コストの高さから行われていない中で、その象徴的ともいえる大阪市が抱える西成区あいりん地域(昔のドヤ街)の再生問題をいかに取り組んできたのか、その内容がしっかりと記録されている。
少し話がずれますが、この本を読みながら和田中の元校長の藤原和博氏の講演をyoutubeで見ていたら、共通点がありました。藤原氏は「これからは情報編集力が求められており、数ある選択肢から正解を探す情報処理力はもう必要ない時代になっている」と述べていますが、まさにこの本で鈴木氏が取り組まれたのが政策分野でおける良き実例だと感じました。鈴木氏は、行政トップダウン方式では政策は実現しえないということを早い段階から気づいており、刻々と変化する住民の感情、大阪維新の会が仕掛ける政局をしっかりとキャッチアップし、その都度ごとに最適解を導き出して政策を進めていきます。言うは易し、行うは難しの「ボトムアップ型の政策実現」を見事にやり切った記録です。ぜひ自治体関係者は一読すべきだと思いました。 -
Posted by ブクログ
至極もっともな事が書いてある良書。孫子の財産を食いつぶしている今の状態が異常なのはもっとも。
まず本書をリタイアした世代に読んでほしい。いや、おそらくかなりの数の人たちは、薄々気づいているはず。それでも、未だに、選挙になると、老人医療にしろ、年金にしろ、甘い事をささやく政党に一票を投じる。
グルになって若い世代をいじめ、この国を亡国に導こうとしているとしか思えない。若い世代はまず、しっかり選挙に行く。
論点はずれるが、政治家も今は基本的になりたい人がなっているが、別わくで、30人位は、やって欲しい人に投票するというのはどうだろうか。
方法論として、現実的には難しいが、そうでもしないと、世の中変わらん気がする。
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Posted by ブクログ
現状の社会保障制度のままでは日本は「亡国」するという真っ当な論。問題は最終章に書かれている、社会保障に関する財政の正確な情報・統計の不在、「共有資源」として使いたい放題の放置、の2点に尽きる。
自分の世代(40代)はかろうじて耐えられるが、子どもの世代のことを考えると本当にまずい事態だと認識した。
私は社会福祉士で、個々の社会福祉メニューには詳しいが、その裏付けとなる財政的な問題点についてはきわめて疎かった。
細かな解決策は、まだまだ知恵を絞る必要がありそうだが。
・1991年から名目GDPは全く成長していないが、社会保障関係費だけは2倍以上になっている。
・2022年度には、高齢者比率は50.2%。二人の現役層で一人の高齢者を支える時代に。2040年度には、1.5人で一人を支える。これは少子化対策ではすでに手遅れなのだ。
・祖父母の世代はプラス5000万円、孫の世代はマイナス5000万円、両者に1億円の格差が。これが経済学者のコンセンサス。
・年金財政は100年安心どころか25年安心も危うい。厚生年金は2038年度、国民年金は2040年度に枯渇する。解決策は、保険料値上げが支給年齢の引き上げ。
・本来、個人の所得把握をしっかりと行いたいのであれば、アメリカの社会保障番号のように、所得と資産を同時に把握できるような仕組みを。アメリカではこれがないと銀行口座を作れない。
・まさに、持たざる若者から持てる高齢者への逆配分が社会保障への「公費の投入」であり、消費税の引き上げ。日本ほど多額の公費を社会保険に投じている国はない。
・二本では軽減税率を低所得者対策として正当化する見方がありますが、もしそうだとすれば、これは非常に効率の悪い「最悪の低所得者対策」。なぜならば、軽減税率が適用される食品や衣料品は中高所得者層でも購入するし、むしろ所得が高いほど多く購入する。事務コストも高くつく。
・日本の譲渡益税の実効税率が高く、家屋敷を売るときに多額の課税が、その時点で一気に行われる。日本では相続税の基礎控除が手厚く、不動産の路線評価額が低いこともあり、たとえ不便でも、子どもに相続させるまで不動産を保有する方が得になる。しかし、諸外国では、譲渡益課税の「死亡時一括精算方式」として、不動産を売った時点で課税せず、死亡したときにその僧俗資産に一括課税する方法をとっている国があり、不動産を流動化させやすくしている。
・主婦が保険料を納めずに基礎年金(介護、医療の保険も)を受け取っている問題は、働く女性との間に不公平を生じさせ、女性の社会進出にペナルティーをかけていることにほかならない。
・治療成績等の評価を価格体系に反映させようとする世界的な医療改革の潮流からも、日本は取り残されている。
・特養を運営する社会福祉法人の内部留保の総額は2010年度末において約2兆円。日立や東芝並み。
・生活保護で、高齢者、障害者、母子世帯についで、近年、その他の世帯が増加している。一番多い。そこへの施策(就労収入積立制度など)が必要。
・情報インフラ、正しい政府会計の整備が必要。
・国の公費が「共有資源」になっている。公費を使う側(厚労省)がその調達コストを考えないことが公費乱獲の原因になっている。
・民営化と地方分権の利点。競争原理が働いてコスト削減に努力がなされる。民間は給付と負担の一致が原則だから。自治体会計は安易に巨額の財政赤字を作れない。 -
Posted by ブクログ
これは!必!読!
オジイちゃんオバアちゃんやみんなを守るための・・・
社会保障によって・・・
日本が・・・
生き地獄に・・・
なっちゃうよ!!
という本・・・
社会保障って・・・
年金、医療、介護、雇用などの社会保険と・・・
生活保護や保育などの社会福祉のこと・・・
ヤバイ時の公的支援制度ですね・・・
みんなのための社会保障制度なのに・・・
なぜ?そのせいで日本が生き地獄になっちゃうのか?
それは・・・
圧倒的に!収支が赤字だから!
日本は受益に見合う保険料を徴収して給付を賄う社会保険方式なのに・・・
増える一方の給付(110.6兆円)に対して、収入(62.2兆円)はカレコレずーっと、ほぼ横ばいで全然足りてない・・・
2013年度で、その差額なんと・・・
48.4兆円!
ヤバイよね・・・
賃金増えない、保険料を納める正社員が減ってる、生産年齢人口も減ってるので、保険料収入は頭打ち・・・
それに対して給付の方は高齢化で益々増えていく・・・
その額、税金の負担分も合わせると3~4兆円・・・
毎年ですよ?
毎年3~4兆円増えていくなんて・・・
ヤバイよね!?
足りていない分を・・・
国の負担分(税金)で29.7兆円・・・
地方負担分(同じく税金)で11.2兆円・・・
運用収入などで7.5兆円・・・
これらで賄ってる(ちなみに比率でいうと保険料負担が56.2%で国と地方合わせた税負担が37%で運用収入などで6.8%)・・・
で、足りてない分を補うために国の一般会計全体の31.4%(29.1兆円)が社会保障関係費となっているのだけど・・・
これは一般会計全体の比率でダントツのトップ・・・
そして一般会計は歳入が歳出に比べてこれまた圧倒的に足りてない(だいたい半分)ので、毎年国債を発行しまくっている・・・
それで毎年ドンドン国の借金が膨れ上がっている・・・
ということはつまり・・・
社会保障の収支がヤバイことになっていることこそが、日本の財政を圧迫しまくり、国の借金を増やしまくっているということになります・・・
社会保障の収支を改善しないことには財政の健全化(破綻の回避)なんてとてもできやしない、ということですね・・・
そして生き地獄とはどういうことかと言うと・・・
もし、何もせずにこのままの制度でダラダラ行くとどうなるか・・・
著者によると・・・
国民負担率(我々の給料のうち、何パーセントを税や保険料としてとられるかという数字)が大変な勢いで上昇していく、と・・・
2013年度現在は40%で、これが・・・
2025年度には49.1%・・・
2050年度には71.6%・・・
2075年度には81.2%に達するという・・・
頑張って働いて稼いでも・・・
保険料や税金で国に徴収されまくって・・・
ほとんど手元に残らない!!
頑張っても頑張っても・・・
手元に残るのは・・・
20%もない・・・
しかも、これほど負担しても、今よりもおそらく低い水準の社会保障給付しか受けられない!!という・・・
これぞまさに・・・
生き地獄・・・
すっげー頑張って働いて稼いでも手元にお金があまり残らない報われない世界・・・
こんな闇に包まれた未来が待っているやも・・・
マジで恐怖・・・
次に、何でこんなことになっているかというと・・・
諸悪の根源は、世界最速で少子高齢化が進んでいるのに、いまだに現役世代から高齢者への仕送りである賦課方式を続けているから・・・
高齢化が進めば進むほど、現役世代の一人当たりの負担が増え続けていく・・・
負担しきれない分は、赤字国債を発行して、将来にツケを回しているので、将来世代はさらに過酷になる・・・
たった20年前には5人で1人を支えていたのに・・・
あと8年もすれば2人で1人を支えることに・・・
2080年頃には1.2人で1人だそうです・・・
ハンパない負担・・・
無理・・・
ですよね?
じゃあ、どうするべきか・・・
例えば少子化対策をして、仮に奇跡が起きて今の出生率が倍になっても、赤ちゃんが成人して保険料を支払うようになるまでに20年少々かかる・・・
時間もかかるし、現実的には出生率が倍になるのも難しい・・・
もちろん少子化対策をしないよりはした方が良いのでするべきだけども、もう人口構成の変化を受け止めて、それに合わせた社会保障制度にしていくしかない・・・
その柱としては、賦課方式ではなく、積立方式を導入し移行すること・・・
負担の引き上げ、給付抑制・効率化を『今すぐ』に行って、社会保障財政を赤字から黒字に転換する必要がある・・・
そして、しばらくの間はその黒字を貯めておいて、高齢化がもっと深刻になった時期にそれを取り崩して、その時の現役世代の負担水準を少しでも和らげることに使う・・・
これです、これ・・・
でもなぜ『今すぐ』なのか?
できるだけ早い方が良いということなんですが・・・
それは日本の社会保障制度は世代間の格差がデカ過ぎるから・・・
社会保障の受益と負担の損得を各世代で比べると、遅く生まれれば生まれるほど圧倒的に損することになる・・・
例えば1940年生まれと2010年生まれを比べると・・・
1940年生まれのおじいちゃんおばあちゃんは4930万円のプラス(受け取り超過)で、2010年の孫は3650万円のマイナス(支払い超過)と・・・
その差、8580万円・・・
こんなにも!格差がある!!
さらにこれから生まれてる来る子供たちほど余計に、ドンドン不利になる・・・
ちなみに1965年生まれで社会保障プラスマイナス0・・・
ボクの生まれた年に近い1980年生まれで1680万円のマイナスと推計されている・・・
こんなのアリ?不公平すぎない?
積立方式への移行が遅くなればなるほど、若い世代の負担が大きくなり、損してしまう・・・
なので、なるべく早く、ということ・・・
世代間格差をなるべく減らしながら、社会保障制度をなるべく維持していけるように・・・
早期に積立方式に移行していくことが求められております・・・
が・・・
高齢者さまたちは・・・
自分たちの旨みを捨てる、痛みを伴う改革を・・・
はたして受け入れてくれるでしょうか?
日本を・・・
子供たちを・・・
孫たちを救うために・・・
自分の身を切ってくれるでしょうか?
もちろんボクたちも・・・
そうは言っても負担が増えることには違わないので・・・
その覚悟を持てるでしょうか?
現状維持で行く方が短期的には楽である中で・・・
はたして?
厳しいなぁ・・・
しかし社会保障純債務が1500兆円って・・・
しかも政府債務とは別に、って・・・
ハンパなく厳しいなぁ・・・ -
Posted by ブクログ
少し専門的かもしれないけど、日本で生きる人には間違いなく必読の書。
実はワタクシはファイナンシャルプラニング技能士2級なんつー
微妙な国家資格を持っております。(AFPも持ってましたが失効しました)
でもねー 社会保険は制度が本当に複雑でよー分からんのですよ。
過去の経緯をまるごと引きずって、経過措置とか段階的移行とか考慮し過ぎて
身動き取れなくなって、本当にもうバカじゃねえの?といった感じ。
で、これまで自分の中で素朴な疑問が解決してませんでした。
「自分が積み立てた以上の年金を受給してたら、絶対に破綻すると思うんですけど
なんでそんな事になってるんですか?」
本書を読んでようやく当たり前の事を理解しました。
自分が積み立てた以上の年金を受け取れるのは、1950年代後半生まれぐらいの人まで。
私の世代だと、生涯で約1700万円ほど収支マイナス。
ふむふむナルホド。まあ小学生でも分かる理屈だわな。
あー年金を脱退して個人年金を積み立てたいわー。
厚生年金なので強制加入です。。トホホ Orz
本書を読めば、日本の社会保険制度は完全に破綻しているのが分かる。
制度が複雑すぎ、考えなければならないことが多いので
政治家・行政・経済学者の間での議論が一向に詰まらない。
同じく土俵の上で議論をすることができていない。
このレベルの問題は、最終的には1人の頭で結論を出すべきなんだと思います。
有識者で徹底的に議論をして論点は出し尽くすべきだが
結論を決めるのは1人である必要がある、というか1人でないと結論に至れない。
平成の22年間で15人の首相というのは、私は決して人材の問題だけではないと思います。
決断するべきリーダーの実質的権限が弱すぎる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレGDPに対する国債費比率が突出して世界最悪の日本。ギリシャの二の舞を演じなければならない日が目前に迫っている。国債の元凶は社会保障費。医療、介護、保育産業には多額の公費が投入されており、料金の低さが国民のコスト意識を狂わせ旺盛な需要を生み出し、社会保障費は毎年1.3兆円もの自然増が見込まれている。医療費のダンピング、とりわけ児童医療費ゼロ制度は小児科に診療の大名行列を生み出し過重な労働条件が医師の小児科離れを進行させ、今、深刻な医師不足を生ぜしめている。また、認可保育所の保育料ダンピングは入所できない低所得者層と入所できる中所得者層の格差を拡大し、保育料ダンピングの根源である認可保育所の補助金漬けの高コスト体質は、新たな保育所の建設の大きな障害となっている。しかも、医療、介護、保育分野は高い参入障壁により新規参入は徹底的に拒まれ既得権益が強固に守られている。医療などは自由診療がほとんど認められていないため、効率的なサービス、より良い治療のインセンティブが働かない。多少の藪医者であれば、いつまでも世にはばかることができる。生産年齢人口が激増し右肩上がりに高度成長を遂げる日本は既に終焉を迎えている。最早これまでのような社会保障費の大盤振る舞いは望めないことを深く自覚しなければならない。将来の投資である公共事業には未来の潜在成長力を押し上げ成長の果実が実る可能性があるが、将来に借金を回しての社会保障拡大は単なる需要の先食い、基本的に刹那的消費拡大に過ぎない。少ない貯蓄をさらに食べ尽くす浪費行動である。また、日本の少子高齢化の進展スピードは世界に類のないものであり、高福祉社会の北欧は既に少子高齢化が終章に入っており安定期を迎えようとしている。即ち北欧社会をお手本にすることはできないということである。どこの国もやったことのないハイペースで社会保障改革を進めていかなければならない。年金、医療保険、介護保険までが賦課方式という安易な財政方式を選んだ当時の政府の責任は重い。業界、官僚、政治家のみならず、高齢者、一般国民までが強固な既得権益者となっていることが、日本の社会保障構造改革を難しくさせている。しかも日本の社会保障制度は中間所得層にも富の再分配が行われており、低所得層に対する再分配より大きいため、驚くべきことに、所得格差を寧ろ増幅させている。公費に塗れ自律的な成長が期待できない社会保障費の拡大は成長戦略から最もかけ離れた政策である。安易な公費投入を即刻やめるべき。高齢化に伴う自然増だからなどという希薄な根拠を理由に毎年1.3兆円もの社会保障費の自然増は絶対認めるべきではない。とはいうものの選挙が至上命題の代議士の皆さん方が大鉈を振るうことはまずないのであろう。おそらく、国債の日銀引き受けという事態を経て第二のギリシャにならなければ性根はつかないのだろう。ああ何とも嘆かわしい限りである。