鈴木亘のレビュー一覧
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ネタバレ本書を読んで
「世界一の病床大国」
「医療崩壊と無縁」
と思われていた日本でいとも簡単に医療崩壊危機に陥った謎を解き明かしています。
既得権益を守る法制度を続けることが人の命を守るという意味でとても危険なことなんやなとわかります。
コロナが一息ついた今やからこそこれまでの医療提供体制の仕組みや政策の部分をもう一度しっかり見つめ直す必要があるんやなと思います。
「医療機関の連携・協力関係が決定的に不足している」
大規模な感染症では患者の集約がいかに大切かがわかります。
中小の病院に均等に割り振っても感染の拡大を考えるとフロアで区切るなど隔離が必要になります。
隔離できないと1床も受け入れられな -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本を読むと残念ながら政府の行う対策の燃費の悪さがわかります。
もちろん何もやってないわけではなくてそれなりに効果もあるんですけど
供給が足りない時に需要を創出する金融政策をやったりだとか
コロナで物理的に供給を増やせない(緊急事態宣言で店を開けない)時に給付金を全体にばら撒くとか。
もちろん的には当たってるので全く効果がないわけではないのですが経済学的に無駄が多いことはたくさんあるのかもしれません。
「世代間不公平としてのコロナ禍」
コロナに罹患して亡くなってしまう人数と経済を止めて自殺してしまう人数がトレードオフの関係にあるというのは目から鱗でした。
コロナは確かに高齢世代や基礎疾患の -
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15年くらい前の本なので民主党政権の頃の内容になってます
ただこの問題は残念ながら今も色褪せることなく当たり前のように残ってるなあと思います。
安易で無責任な「中福祉・中負担」
少子高齢化が爆速で進んでいますが年金にしても医療制度にしても対症療法を超えてないように思います。
まあ年金制度を賦課方式から積立方式に変えるのはとても大きな痛みを伴うので現実的には不可能かなと思います。
順繰りに給付費を減らして保険料を上げるのを団塊世代がいなくなるまで続けるんでしょうね。
医療制度についても医師不足が病院とクリニックの診療報酬が同じやというところに起因しているとは知りませんでした。
まあ確かに今は差 -
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ネタバレこの本の出た10年前に西成にいてたときは直接自分ごととして意識してなかったんですよね。
どっぷり生保ですぐに異動で出てますし。
今帰ってきて外から見てた事業を中からじっくり見るとここからしっかり巻いていかないと中弛みしないかちょっと気になります
求められてるものは揃ってるのであとはどう実行していくかというところになってるように思います。
ただここでオーソライズされてることが本当に細部まで今の担当者に引き継がれているかが重要やと思います。
おそらく担当する管理職それぞれが自分の守備範囲に関わらず知識経験を持ち寄って組み立てていかないと地域とのギャップが広がらないか心配になります。
異動が重なって -
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やればできる、けれども禿げ上がるほど大変である。
という感想です。
題名で感じるより遥かに読みやすい、テンポの良い文章です。
行政の縦割りと、ごった煮状態の区民の中に入って動き回った経済学者の鈴木亘さんのお話です。
綺麗事と正統法だけでは絶対に解決しない問題を、経済学者の物の見方とフットワーク、広い人材からなるチームワークで、焦げを削いでいくように進んでいく改革が凄かった。
素晴らしいと思ったのは、自分達の話を正直に明かした上で、面倒な相手であってもしっかりと話を聞いて受け入れるという覚悟です。
会議が騒動屋にひっかき回されても、様々な立場の方達と揉めることになっても、ゴールに向けて包摂し -
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「政策実行はかくあるべし。」
そう思わせてくれる本です。橋下大阪市長時代に行われた西成特区構想の特別顧問である鈴木亘学習院大学教授が行った構想の策定・まちづくり会議の組織・運営など、構想をボトムアップで行う道筋をどのようにつけていったのかを理論的(経済学的な視点も含めながら)に整理した「政策過程本」である。実現しなければならない政策は数多くあり、その多くの政策は政治的コストの高さ、行政的コストの高さから行われていない中で、その象徴的ともいえる大阪市が抱える西成区あいりん地域(昔のドヤ街)の再生問題をいかに取り組んできたのか、その内容がしっかりと記録されている。
少し話がずれますが、この本を読 -
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至極もっともな事が書いてある良書。孫子の財産を食いつぶしている今の状態が異常なのはもっとも。
まず本書をリタイアした世代に読んでほしい。いや、おそらくかなりの数の人たちは、薄々気づいているはず。それでも、未だに、選挙になると、老人医療にしろ、年金にしろ、甘い事をささやく政党に一票を投じる。
グルになって若い世代をいじめ、この国を亡国に導こうとしているとしか思えない。若い世代はまず、しっかり選挙に行く。
論点はずれるが、政治家も今は基本的になりたい人がなっているが、別わくで、30人位は、やって欲しい人に投票するというのはどうだろうか。
方法論として、現実的には難しいが、そうでもしないと、世 -
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現状の社会保障制度のままでは日本は「亡国」するという真っ当な論。問題は最終章に書かれている、社会保障に関する財政の正確な情報・統計の不在、「共有資源」として使いたい放題の放置、の2点に尽きる。
自分の世代(40代)はかろうじて耐えられるが、子どもの世代のことを考えると本当にまずい事態だと認識した。
私は社会福祉士で、個々の社会福祉メニューには詳しいが、その裏付けとなる財政的な問題点についてはきわめて疎かった。
細かな解決策は、まだまだ知恵を絞る必要がありそうだが。
・1991年から名目GDPは全く成長していないが、社会保障関係費だけは2倍以上になっている。
・2022年度には、高齢者比 -
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これは!必!読!
オジイちゃんオバアちゃんやみんなを守るための・・・
社会保障によって・・・
日本が・・・
生き地獄に・・・
なっちゃうよ!!
という本・・・
社会保障って・・・
年金、医療、介護、雇用などの社会保険と・・・
生活保護や保育などの社会福祉のこと・・・
ヤバイ時の公的支援制度ですね・・・
みんなのための社会保障制度なのに・・・
なぜ?そのせいで日本が生き地獄になっちゃうのか?
それは・・・
圧倒的に!収支が赤字だから!
日本は受益に見合う保険料を徴収して給付を賄う社会保険方式なのに・・・
増える一方の給付(110.6兆円)に対して、収入(62.2兆円)はカレコレずーっと、ほぼ -
Posted by ブクログ
少し専門的かもしれないけど、日本で生きる人には間違いなく必読の書。
実はワタクシはファイナンシャルプラニング技能士2級なんつー
微妙な国家資格を持っております。(AFPも持ってましたが失効しました)
でもねー 社会保険は制度が本当に複雑でよー分からんのですよ。
過去の経緯をまるごと引きずって、経過措置とか段階的移行とか考慮し過ぎて
身動き取れなくなって、本当にもうバカじゃねえの?といった感じ。
で、これまで自分の中で素朴な疑問が解決してませんでした。
「自分が積み立てた以上の年金を受給してたら、絶対に破綻すると思うんですけど
なんでそんな事になってるんですか?」
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Posted by ブクログ
ネタバレGDPに対する国債費比率が突出して世界最悪の日本。ギリシャの二の舞を演じなければならない日が目前に迫っている。国債の元凶は社会保障費。医療、介護、保育産業には多額の公費が投入されており、料金の低さが国民のコスト意識を狂わせ旺盛な需要を生み出し、社会保障費は毎年1.3兆円もの自然増が見込まれている。医療費のダンピング、とりわけ児童医療費ゼロ制度は小児科に診療の大名行列を生み出し過重な労働条件が医師の小児科離れを進行させ、今、深刻な医師不足を生ぜしめている。また、認可保育所の保育料ダンピングは入所できない低所得者層と入所できる中所得者層の格差を拡大し、保育料ダンピングの根源である認可保育所の補助金