鈴木亘のレビュー一覧
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ネタバレ震災前、2010年の本。
当時のバカ菅首相の社会保障政策をテーマに、医療・年金・介護・保育といった分野がいかに持続不可能で、将来に向かって破滅の道を突き進んでいるかを、かなり噛み砕いて論じてます。やっぱり既得権益を保持しようとする層の厚さと政治的影響力って凄いのね、ということを再認識できます。
この本の出版当時は、消費税アップを謳った民主党が選挙で大敗した直後だったので、著者は「消費増税はしばらくはパンドラの箱として、与野党ともに触れずに2013年の衆院選までダラダラ行くだろうけど、それでは間に合わないぐらい状況は切迫している」と述べてます。それに合わせて、実現できそうな対策についても私見を -
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一見わかりにくい、社会保障の基本的な問題点を指摘し、今後の制度についても提言を行っている良書。著者は2011年現在、類書を出しているので、そちらの方を当たってもよいが、特に年金、医療、介護の経済学的な分析は本書が詳細に行っているので、本書を読んだ方がよいかもしれない。
年金は積立から賦課制度になっていることが問題であり、医療も医師不足とはシステムから問題が起こってきていることも指摘している。これらの指摘は冒頭にあるように、①ノウハウ本 ②資格取得のための本 ③専門書となってしまって、入門書として良い本がなかったので、この本のスタイルはよいと思う。
巻末には、参考資料を10冊上げていたので、 -
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現在の民主党政権が打ち出す社会保障制度の考え方に警鐘を鳴らす一冊。
現行の税制度や社会保障の仕組み、その変遷が分かりやすく書いてあります。
筆者は「手厚い社会保障を保ち、かつ負担の少ない税率にします!」という持続不可能な政策に異論を唱えており、その代替施策として介護・保育事業への参入規制の撤廃や、税率引き上げ、所得に応じた社会保障を唱えています。
日本の財政が危機的状況なのは周知の事実であるのに、手厚い社会保障と低い税率を掲げる政党に票が入ってしまう選挙制度、国民にも問題があると個人的には思いますが。
著者は問題提起だけではなく、その解決策まで示しており、その解決策の合理的な考え方は勉 -
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<引用など>
・所得分配という意味での格差は、小泉政権では縮小しました。むしろその後の政権で「正社員」と非正規労働者の格差が拡大しました。
・金利上昇はめぐりめぐって、設備投資の際に企業の調達コストを上げることになります。
・「骨太2006」で社会保障の自然増を抑制する議論を正面から取り上げた
・OECDの統計によると、2010年末に政府債務残高GDP比が200パーセントに達する(これはグロス)
・政府保有の金融資産にも着目し、これを相殺消去したネットの政府債務(純債務)で見ると、対GDP比は110パーセント強となります。(グロス債務に将来の年金給付債務が含まれ、金融資産には年金積立 -
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最短で日本の余命はあと3年か。
確かに個人資産の総額に国債発行額が近付いていることから、そんな感じはしてた。
粛々と準備をしておかないと。
そうならないことがもちろん良いのだけれど、
そうなってしまったときにでも大丈夫なように。
---気になった言葉---
子ども手当(年間5.6兆円)を諦めれば、現在、実効税率40%の法人税を、香港並みの17%にすることが数字上可能です。(P77)
「圧力団体は一つで頑張ると資源配分によくないことが起こるが、利権グループ同士を競わせると、よい均衡に到達できる」(P196)
社会や国家は、「幸せ」という概念について立ち入らないほうがいいと思うのです。(中略 -
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良書。
介護、医療、保育の問題点(需要>供給による医師不足、待機児童、待機老人の問題)の原因/対応策に対する著者の主張は次の通り
【原因】
?安い利用料 →過度の需要
…安易な公費投入(税金による補填)による、利用料金の不当なダンピング(サービスに対して、安すぎる)
?参入規制、価格統制 →供給を絞る
…財政(政治)上の理由(国の支出=公費負担を抑える)で、価格が安く決められる
→需要と供給のバランス調整が働かない
【対応策】
?公費負担を減らし、参入規制、価格統制を止める
→自由競争によって、需要と供給のバランス機能が働く
?自由競争で、低所得者が十分な医療、介護を受けら -
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なかなか分かりやすい。
そうか、年金は積立方式ではなかったんだ。賦課方式だったと。
創設期は戦後で被害を受けた人への救済という意味合いで支給した。
となると、積立方式は難しかったということか。なるほど。
この人も年金システムを民間へということを提案してる。
これは俺も賛成。市場で補えない部分を政府が管理すればいい。
介護にも規制があるのか。介護報酬単価。
規制する意味分からん。さっさと自由化すべき。
筆者の言うとおり、ここには情報の非対称性が与える影響は小さい。
年金原資は160兆円程度あるようだけど、どうなっているのか分からない。
100兆は国債になっているが、こ -
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『はじめに』
・誰に「だまされないための」本かと言えば,もちろん,政府,政治家,厚生労働省,社会保険庁等にだまされないための本です.
『第1章 社会保障制度の「危機」はなぜ起きるのか』
・本書では公的年金,医療保険,介護保険の三つに限定して話をします.
・深刻な財政状況の原因は,「少子高齢化」.わが国の公的年金制度の中止は,「老齢年金」で,「積立年金」ではない.団塊の世代の大量退職は「正念場」でもない.
・厚生労働省の損得負担は,事業主負担を考慮していないため,1985年以降に産まれた人でも得としている.
・諸悪の根源は「賦課方式」にある.積み立て方式にせよ!
・本書の結論.①社会保障制度の