【感想・ネタバレ】だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方のレビュー

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Posted by ブクログ 2013年08月28日

少し専門的かもしれないけど、日本で生きる人には間違いなく必読の書。

実はワタクシはファイナンシャルプラニング技能士2級なんつー
微妙な国家資格を持っております。(AFPも持ってましたが失効しました)

でもねー 社会保険は制度が本当に複雑でよー分からんのですよ。
過去の経緯をまるごと引きず...続きを読むって、経過措置とか段階的移行とか考慮し過ぎて
身動き取れなくなって、本当にもうバカじゃねえの?といった感じ。

で、これまで自分の中で素朴な疑問が解決してませんでした。


「自分が積み立てた以上の年金を受給してたら、絶対に破綻すると思うんですけど
なんでそんな事になってるんですか?」



本書を読んでようやく当たり前の事を理解しました。


自分が積み立てた以上の年金を受け取れるのは、1950年代後半生まれぐらいの人まで。
私の世代だと、生涯で約1700万円ほど収支マイナス。



ふむふむナルホド。まあ小学生でも分かる理屈だわな。

あー年金を脱退して個人年金を積み立てたいわー。
厚生年金なので強制加入です。。トホホ Orz

本書を読めば、日本の社会保険制度は完全に破綻しているのが分かる。
制度が複雑すぎ、考えなければならないことが多いので
政治家・行政・経済学者の間での議論が一向に詰まらない。
同じく土俵の上で議論をすることができていない。

このレベルの問題は、最終的には1人の頭で結論を出すべきなんだと思います。
有識者で徹底的に議論をして論点は出し尽くすべきだが
結論を決めるのは1人である必要がある、というか1人でないと結論に至れない。

平成の22年間で15人の首相というのは、私は決して人材の問題だけではないと思います。
決断するべきリーダーの実質的権限が弱すぎる。

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Posted by ブクログ 2011年03月02日

国試のちょっと前に読んだ本。公衆衛生のつまらない国試勉強に対して批判的な態度で臨めるようになりました。公衆衛生に取り掛かる前に読んでおけばよかった。複雑怪奇な保険制度の経緯がかなり理解できたかと思います。

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Posted by ブクログ 2011年11月01日

サラリーマンの年収の30%を占める厚生年金・健康保険料・介護保険料について詳しく書かれた本。
一から学べて読みやすい。

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Posted by ブクログ 2011年10月22日

一見わかりにくい、社会保障の基本的な問題点を指摘し、今後の制度についても提言を行っている良書。著者は2011年現在、類書を出しているので、そちらの方を当たってもよいが、特に年金、医療、介護の経済学的な分析は本書が詳細に行っているので、本書を読んだ方がよいかもしれない。

年金は積立から賦課制度になっ...続きを読むていることが問題であり、医療も医師不足とはシステムから問題が起こってきていることも指摘している。これらの指摘は冒頭にあるように、①ノウハウ本 ②資格取得のための本 ③専門書となってしまって、入門書として良い本がなかったので、この本のスタイルはよいと思う。

巻末には、参考資料を10冊上げていたので、列挙しておく。
<入門的な本>
①西沢和彦 「年金制度は誰のものか」(2008)
②小塩隆士「人口減少時代の社会保障改革」(2005)

<関連本>
③加藤久和「人口経済学」(2007 日経文庫)

<専門書的>
④椋野・田中「はじめての社会保障(第 版)」有斐閣アルマ

⑤高山憲之「信頼と安心の年金改革」(2007)
⑥駒村康平「年金はどうなる」(2003)

<医療・介護関係専門書的>
⑦池上直己「医療問題」(2006 日経文庫ベーシック)
⑧「改革のための医療経済学(2006)

<古くからの積立式の提言の本>
⑨西村周三「医療と福祉の経済システム」(1997)
⑩八田・小口「年金改革論:積立方式に移行せよ」(1999)

<経済学関係 ⑪が入門書 ⑫が専門書的>

⑪八田辰夫「ミクロ経済学Ⅰ:市場の失敗と政府の失敗への対策」(2008)
⑫小塩隆士「社会保障の経済学」(2005)

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Posted by ブクログ 2012年05月21日

日本の未来は「高負担・高福祉」ではなく、「超高負担・低福祉」。政府の無作為、国民の無関心(見て見ぬふり、あきらめ)による当然の帰結。人口減と超高齢化(社会福祉コストの極限化)が進む中、家族を守る為に何が必要かを今から考え、実行していきたい。

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Posted by ブクログ 2010年08月15日

なかなか分かりやすい。

そうか、年金は積立方式ではなかったんだ。賦課方式だったと。
創設期は戦後で被害を受けた人への救済という意味合いで支給した。
となると、積立方式は難しかったということか。なるほど。

この人も年金システムを民間へということを提案してる。
これは俺も賛成。市場で補えな...続きを読むい部分を政府が管理すればいい。

介護にも規制があるのか。介護報酬単価。
規制する意味分からん。さっさと自由化すべき。
筆者の言うとおり、ここには情報の非対称性が与える影響は小さい。

年金原資は160兆円程度あるようだけど、どうなっているのか分からない。
100兆は国債になっているが、これもしっかり償却されるのかなあ。
これから、どんどん国の借金が増え続けたらどうなるんだろ。
年金原資から捻出された国債が踏み倒されるという可能性はないのだろうか。

とか、考えると不安は尽きない。
とりあえず自分の老後は自分のお金で養えるようにしないといけないな。

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Posted by ブクログ 2010年06月28日

日本の年金問題を中心に社会保障制度についての本。タイトルで「入門」とうたっているが、決して軽い内容の本ではなく、きちんと問題点を指摘し、解決策を提案している。しかし国民全員が強制加入の年金に対していかに自分が何も知らないことか!この本が全てではないし、内容全てが正しいかは疑問だが、しっかり年金につい...続きを読むて考えるためのまさに入門書。
著者の経済学者としての情熱が詰まった一冊。

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Posted by ブクログ 2010年06月06日

『はじめに』
・誰に「だまされないための」本かと言えば,もちろん,政府,政治家,厚生労働省,社会保険庁等にだまされないための本です.

『第1章 社会保障制度の「危機」はなぜ起きるのか』
・本書では公的年金,医療保険,介護保険の三つに限定して話をします.
・深刻な財政状況の原因は,「少子高齢化」.わ...続きを読むが国の公的年金制度の中止は,「老齢年金」で,「積立年金」ではない.団塊の世代の大量退職は「正念場」でもない.
・厚生労働省の損得負担は,事業主負担を考慮していないため,1985年以降に産まれた人でも得としている.
・諸悪の根源は「賦課方式」にある.積み立て方式にせよ!
・本書の結論.①社会保障制度のすべてを積み立て方式にすべき.②現在の賦課方式からでも十分に積み立て方式への移行がスムーズに可能である.③積み立て方式への移行を早く行うことこそが,少子高齢化による悲惨な未来を避ける唯一の道である.

『第2章 本当に重要なことを最小限にまとめた社会保障入門』
・保険の原則:保険は,同質のリスクを抱える集団の間にかけられる必要がある,からいえば,「若い人がお年寄りを支える」という主張は間違い.
・積立方式から賦課方式に移行する理由.①人口構成が若いときは,賦課方式のほうが魅力に見える.②積立方式から賦課方式に移行する際に,宙に浮いた積立金が発生し,政府にとって魅力となる.

『第3章 年金改革の現状と論点』
・少子高齢化の進展に対する「自動安定化装置」として評判の高い「マクロ経済スライド」は,実際にはほとんどその機能を発揮しないということです.その理由は,第一に,「所得代替率50%を加減とする」という年金改正法附則第二条の規定にすぐに抵触してしまい,それ以上の調整ができないから.

『第4章 医療保険・介護保険改革の現状と論点』
・現在の「割賦方式」という財政方式を保つ場合,将来の医療保険料はどの程度まで上昇するのでしょうか?後期高齢者医療制度の保険料額は,国民年金の満額に対して2100年には23%になる.
・医療費適正化を真剣に目指すのであれば,保険者,患者に対して,医療費抑制のインセンティブを積極的に付与して,各モラルハザードを防ぐ必要があります.
・医師不足の原因は,本来,市場経済の下では医師不足として顕在化する問題ではないということです.
・介護保険料は,現在国民年金の6.2%に過ぎない額だが,2025年には11.7%,2050年には18.6%となる.
.介護においても,介護補遺集単価と言う価格統制があるため,介護労働力不足となる.価格が引き上げられないため,供給量が減少したまま放置されている.

『第5章 最初で最後の社会保障抜本改革』
・「二重の負債が生じるために割賦方式から積み立て方式に移行できない」は間違い.
・積み立て方式移行のポイントは,年金,医療保険,介護保険とも,現在の保険料率をただちに引き上げて将来に渡って固定することにあります.

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Posted by ブクログ 2011年08月07日

年金・医療・介護の仕組みと問題点、今後の解決策についてよくまとまっている。この手の本というと、表面的すぎたり専門的すぎたり、なかなかよいものがなかったが、過不足なく、内容的にも理解しやすい。・これから10年は団塊の世代の退職により、高齢者比率が高まってゆく少子化対策などしても、それで増えた新生児たち...続きを読むが保険料を支払うようになるまで二十年以上かかるので、社会保障制度への貢献は極めて限定的・'60年以降の生まれは払い込みの方が受益よりも多く、損。厚生省はこれを否定するようなデータを出しているが、その計算の根拠として、保険料の事業主負担分を「賃金ではない」として計算から除外したり、割引現在価値を算出するのに利子率の変わりに賃金上昇率を使うなど、作為的なデータとなっている。・自己負担率の増加、給付カットで対応するにしても限界が近く、根本的な解決のためには賦課方式をやめて積み立て方式に移行するしかない。移行期には、プール金の拠出などが必要になってくるが、将来のためのコストと割り切るべき・パートタイマーや外国人などの加入を促すという方策も間違い。これは一時的な増収をもたらすかもしれないが、将来の給付を増やすだけになり、トータルでは損。・医療と比較した場合、介護の分野には情報の非対称性が少ないため、民間の参入を促すような施策が有効

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Posted by ブクログ 2011年08月27日

日本の公的な強制保険(年金・健康・介護)のインチキを暴き出す本。確かによく調べてあるし、本書の主張は正しいのかも知れないけど、このことが分かったからと言ってサラリーマンには対処のしようが無いんだよね…。本書を読むと、こういうことに興味を持つこと自体が無駄だと思えてきて、ものすごい無力感に苛まれること...続きを読む必定である。どうせ公的年金だって、厚生官僚がレトリックを駆使して「100年安心」(掛金を上げて給付を減らせば、そりゃあ制度は「存続」できるでしょう)を実現してしまうんだろうし。まっとうな制度に戻すには、もはやデフォルトかクーデターくらいしか道は残っていないんじゃない?(その場合、公的保険がまっとうになったとしても、我々の生活はメチャクチャになるけどね)

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Posted by ブクログ 2018年11月25日

賦課方式から積立方式へ!
政治家等は時間的視野が狭い。
伊丹万作の言葉が印象的だった。
「戦争責任者」より、「だまされていた」で安心していてはいけない。

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Posted by ブクログ 2010年11月16日

細かいところは読み飛ばしてしまったが、あらためて、年金・医療・介護の絶望的な状況だけなんとなくわかった。積み立て方式と賦課方式の違いもなんとなくわかった。

もっと詰めてよめば面白いのだろうけど、どうせ絶望的な状況はかわらないのだから、小市民としてはイマイチ関心が持てず。

わかりやすそうで、かつ、...続きを読む良心的な著作であることは間違いなし。貯金たくさんしないと、老後は生きていけなくなるのだろうな、としみじみ。

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