竹田恒泰のレビュー一覧
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あまり期待してなかったが、内容はしっかりしていた。アメリカの、というより、トルーマン大統領とバーンズ国務長官のしでかした原爆投下に関しては弁解しようがないだろう。アメリカ兵士100万人の命を守るために2個の原爆を落とすしかなかったという理由は後付けであったようだ。日本がポツダム宣言を受託したのはソ連の参戦が大きな理由だった。トルーマン大統領はなんとしても2個の原爆を市街地に落とし、威力を確認する必要があった。30万人の民間人死者、さらには各地の空襲により、100万の民間人が命を落としている。アメリカは一貫して謝罪はしないし、今後もしないだろうが、事実は知っておくべきだろう。
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Posted by ブクログ
皇室出身であり、天皇研究の第一人者の著者が、日本について書いた本。特に、歴史と文化と天皇について詳しい。外国人には認められながらも、日本人が認識していない日本の魅力を簡潔にまとめている。印象的な記述を記す。
「東京が美食都市であることは、ミシュランの星の数だけではなく、飲食店そのものの数からも窺える。都市にある飲食店の数は、パリが1万3000軒、NYが2万5000軒であるのに対し、東京は16万軒に上る」p38
「本家本元である現代日本人は、個人主義や拝金主義の垢にまみれ、日本社会は「もったいない」とは程遠い社会になってしまった」p95
「日本人が物を大切にしてきたのは、物に神聖性を見出してき -
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原爆が先の大戦を終わらせたのか、ソ連の参戦が決定打になったのか。本著は原爆が本当に必要だったかという点を中心にアメリカの戦争責任を解き明かそうとする。
戦争行為としての原爆投下の善悪を定義づけるのは難しい。道徳観や国際法上は否と断じるべきだが、これが成されぬのは外交上の解釈、所謂国家間の政治協定による要素が大きく、ある意味では国家の意義を問うような本質的イデオロギーに繋がるからだ。その意味では、本著はこの倫理的、国際法上、原爆投下を正しく理解すべきとの視座から、その証拠を基に検証したものであり、それ以上ではない。歴史認識は、外交と内政の影響を受けずには成立せず、国家間を跨ぐ国際法の解釈など、こ -
Posted by ブクログ
竹田さんて、テレビのバラエティとかにもよく出てるし、スキャンダル的なものもあったし、何となく先入観で「たいしたことないヤツ」って思っていたのだけど、すみませんでした。私が間違ってました。
大変おもしろく、興味深く読ませていただきました。
あらためて、研究者なんだなぁと思いました。
日本史史上、「怨霊」となった人は数多くいる。
私はオカルト的な現象はあまり信じないタチなので、何かの偶然が重なったときに後ろめたい思いを抱えているヤツが怨霊を作り出すのだろうとは思っていたけれど、この本はそういった怨霊のメカニズムに加え、鎮魂の手法、いろんな天皇のエピソードまで入っており、全く飽きることなく最後ま