あらすじ
「本書はいつか通らなければならない道をあえて今、歩いてみようという試みをするものである」。戦後70年を経るなかで、これまで日本では数々の「戦争責任」が語られてきた。だが、そこで絶対的なタブーとして誰もが目を背けてきたテーマがある。それが、原爆投下の正当性に疑問を投げかける「アメリカの戦争責任」だ。そして、少しでもその問題に触れようとした人たちは、社会的に抹殺されてきた。しかし、その問題を直視することなくして、戦後の本質と真の平和を語ることはできない、と竹田氏は言う。なぜ、日米ともに原爆投下の正当性を疑うことは、タブーとされているのか。アメリカの教科書は原爆について、いかにそれを正当化し、子供たちに伝えているのか。そうした現状を踏まえながら著者は歴史を遡り、トルーマン大統領の目的が「原爆投下で日本を降伏させる」から「原爆投下まで日本を降伏させない」にすり替わった恐るべき史実を描き出していく。「ポツダム宣言」に仕掛けられた「日本が絶対に降伏できないような工作」とは、何だったのか。原爆を落とすのが先か、それともソ連参戦が先か……。終戦直前のドラマを知れば知るほど「原爆を落とすことで早く戦争を終わらせる」という「早期終戦・人命節約論」が、欺瞞に満ちたものかがわかるだろう。そうした「原爆神話」から目覚め、両国が先の大戦を反省してこそ、真の日米友好が築けるはず。気鋭の作家が自らの身を顧みることなく、戦後最大のタブーに挑んだ問題作。
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Posted by ブクログ
原爆投下までに起こっていた出来事についてアメリカ側、日本側それぞれの視点で時系列を追いながら説明し、また文献の引用元を示しながら論理的に考察されていたため途中で疑問を感じることなく読み進められたし、歴史にあまり詳しくない私でもわかりやすかった。改めて教科書で教えられたことだけでなく自分で疑問をもって調べることの大切さを感じた。
Posted by ブクログ
「原爆投下は終戦を早めた」という部分を世界中で一場 熱烈に支持したのは日本人
アメリカ人ではない
あまりにも衝撃だ
知らないことを知らないでいる事に何時の日か気付くそれが幸であれば何より
知るとさらに知らないことにでくわす それは疑うことの出来ない必然性
「武力闘争の正統性」国際法
軍事的必要性と人道的考慮
反すれば戦争犯罪
竹田さんに感謝します。直ちに
竹田学校に入学 しかし、竹田氏にも注意が必要
Posted by ブクログ
単なるアメリカ叩きではなく、歴史の1ページとしてこれからの人類が冷静な解釈をしていくとしたら、こういう手法で解釈するだろうな。とても勉強になった。
Posted by ブクログ
第二次大戦の終結時にアメリカは原爆を投下したが、その必要はあったのか、様々な資料をもとに考察して、とても勉強になった。最後に書かれた「アメリカ人が勝ったことをもって正義だと思ったら大間違いであるし、日本人も負けたからといって卑屈になってはいけない」と正にその通りと思った。
Posted by ブクログ
先の大戦のことをとても分かりやすく、簡単にしれます。今まで自分はどれだけ無知だったのかと驚きました!興味が無い人でも知っておかなければいけないことだと思います‼️ぜひ読んでみてください‼️
Posted by ブクログ
戦争責任と言うと、戦争を起こした側、第二次大戦で言えば枢軸国側の責任と捉えられる。しかし本当にそれだけなのだろうか?人類の歴史の中では、往々にして戦争に勝利した側の歴史が優先される。敗者側の歴史は排除されるのだ。
第二次世界大戦で連合国が勝利した段階で、日本の目指していた理想は瓦解し、過去は全て悪とされた。戦後マスコミも学校教育もWGIPの下、連合国側の歴史を是としてきた。その中で敢えてアメリカの戦争責任という、戦後最大のタブーに挑戦したのがこの書籍である。
事実を丹念に掘り起こし、第二次世界大戦前後の連合国とアメリカ、日本、首脳同士のつばぜり合いを追うことで、原子爆弾を落とす事が終戦の手段ではなく、目的化していたことを暴き出している。
たとえ戦争と言えど、民間人を無差別に虐殺していいわけがない。この原則に立てば、日本への原子爆弾投下は、アメリカの戦争犯罪と結論付けている。
これが歴史の真実ではないだろうか。是非日本人に読んでほしい。それはアメリカを非難し刃を向けるのではなく、過去を肯定的にとらえなおす事で、日本の芯を取り戻しより良い未来を紡ぎ出すことが出来るように思うからだ。
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これだけを読むと反米になると思うほど、米国人はひどいことをしてくれた。
しかし、日米の戦いがあったから、かつての敵が今は友。
歴史を知って真の同盟を。
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日本の都市への空襲と広島・長崎への原爆投下は、非戦闘員を殺すことを禁じた国際法違反である。
日本人が教えられてこなかった、これまで目を背けてきた ”事実” が、この本には記されている。
必読の書。
Posted by ブクログ
戦後70年という節目に、アメリカの戦争責任ということで、ポツダム宣言と原爆投下、ソ連参戦にかかわる真実を追求しようとした気合の入った作品であると思う。
しんまい大統領トルーマンと老練スターリンの駆け引き、天皇条項を入れるか入れないか、そこことが日本の降伏に重大な影響を及ぼすことを知りながらも、原爆投下に踏み切ったトルーマン。
いくらでも、原爆投下回避が可能だったわけである。
戦後、GHQの言うがままの日本。
原爆投下で、尊い命が奪われたわけである。
毅然として、アメリカ国家、アメリカ人に真実を言うべき時期が来ていると思うのだが。
そういうプロセス経て、初めて日米は大人として一体となれるのである。
Posted by ブクログ
アメリカによる原爆投下の目的と原因についてよく主張されてきた事で
①ソ連に対して優位な立場に立つため
②マンハッタン計画費用を正当化するため
③ルーズベルト政権で作られた「空気」
④人道精神の欠如
⑤人種差別意識
があります。
本書の中で著者は①~⑤のどれが正しいかというよりも、この全てもしくは一部が複合的に重なり合って、原爆投下に至ったのではないかと述べています。
民間人をも対象としたアメリカの原爆の投下という行為は間違いなく戦争犯罪だと思います。
著者が終章で述べている「日本は核兵器使用による唯一の被爆国として、アメリカのとった行動について批判する歴史的な責任がある。」という一文が印象深いです。
このことを日本人として心に銘記しておくことは大切だなと戦後70年の今日現在、私自身強く感じました。
Posted by ブクログ
終戦、しかも70年目の節目に間に合わせるべく、大急ぎでかかれたであろう本です。しかし、やっつけ、ということではなく、事実を丹念に追い、原爆投下や東京大空襲の戦争責任を淡々と追求します。
やはり終戦直前の数週間の緊迫感はわかっていても行き詰るものがあります。ポツダム宣言、原爆投下、ソ連参戦…
終戦70年を経て、太平洋戦争において日本がどこと戦争をしたかもよくわからない層が増えているということを考えると、このタイミングできちんと戦争責任を立証した本がないと、という大義のためにまとめられた本、と思います。
Posted by ブクログ
アメリカの戦争責任について考える時、勝者は歴史を自らに都合良く描き、正当化の理論を編み上げる。原爆投下もその一つだろう。「戦争終結を早め多くの命を救った」とされるが本当にそうなのか。その一方的な論理に疑問を抱くのは歴史を学ぶ者の責務だ。
敗者が声を上げにくい状況で勝者が生み出した「正義」を無批判に受け入れる危うさ。問うべきは勝敗を超えた普遍的な人間の倫理ではないか。空襲、そして原爆投下が戦争犯罪であるとする見方も根強い。
歴史を直視し検証する意味は大きい。他者の痛みに寄り添う視点を持つこと、それが未来の平和への礎となるのではないだろうか。
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原爆投下までの米国政府内での意思決定の過程を分析し、「原爆により戦争が早期終結に向かった」という米国国内で一般的な言説への反論を試みた著書。日本人として原爆投下の背景を考えるうえで非常にためになる本。情報がやや古く、特にオバマ大統領の広島訪問の前であるという点が少し残念。
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今まで誰も論じようとしなかった第二次大戦におけるアメリカの戦争責任、特に原爆使用について書いた1冊。
今日のアメリカの政府見解では、アメリカが原爆を使用したおかげでたくさんの命が救われた。だから、原爆使用は正しかったとされている。
しかし、ルーズベルトやトルーマン、その側近たちの回顧録等から原爆使用に関して様々な真実が明らかになっている今日、アメリカは本当に命を救うためだけに原爆を使用したのか?
それならば、2発目の使用はなんなのか。
日米がよりよい関係を築くためにはこの問題を解決しなければならない。
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中立の立場を維持しようとしながら、
アメリカの戦争責任について非常に論理的にわかりやすく書いてあった。
日本の戦争責任についても詳しく勉強したい。
私自身、フラットな視点で見れる人間でありたい。
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ルーズベルトに戦争に引き込まれて、トルーマンとバーンズに原爆を落とされた…大東亜戦争における国内国外の諸事情を知れば知る程、これまで教わってきたことや見聞きしてきたことが嘘ばっかりで馬鹿らしくなる。歴史を正しくみて、何故回避できなかったのか?何処に問題があったのか?誰がどう行動したのか?そういったことを知るってことが安心な未来を作っていくのに本当に大事なんだと思います。
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あまり期待してなかったが、内容はしっかりしていた。アメリカの、というより、トルーマン大統領とバーンズ国務長官のしでかした原爆投下に関しては弁解しようがないだろう。アメリカ兵士100万人の命を守るために2個の原爆を落とすしかなかったという理由は後付けであったようだ。日本がポツダム宣言を受託したのはソ連の参戦が大きな理由だった。トルーマン大統領はなんとしても2個の原爆を市街地に落とし、威力を確認する必要があった。30万人の民間人死者、さらには各地の空襲により、100万の民間人が命を落としている。アメリカは一貫して謝罪はしないし、今後もしないだろうが、事実は知っておくべきだろう。
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原爆が先の大戦を終わらせたのか、ソ連の参戦が決定打になったのか。本著は原爆が本当に必要だったかという点を中心にアメリカの戦争責任を解き明かそうとする。
戦争行為としての原爆投下の善悪を定義づけるのは難しい。道徳観や国際法上は否と断じるべきだが、これが成されぬのは外交上の解釈、所謂国家間の政治協定による要素が大きく、ある意味では国家の意義を問うような本質的イデオロギーに繋がるからだ。その意味では、本著はこの倫理的、国際法上、原爆投下を正しく理解すべきとの視座から、その証拠を基に検証したものであり、それ以上ではない。歴史認識は、外交と内政の影響を受けずには成立せず、国家間を跨ぐ国際法の解釈など、これら影響の下では安定した機能など果たせないのだろう。
Posted by ブクログ
誰もが一度は疑問に思ったテーマだと思うし、論証なくても心裏にそう思ってることを、資料をもとに論証してくれたストレス解放の清涼感がある。同論を繰り返す癖があるのは相変わらずだが、竹田ならではの、御皇室周辺の資料の提示は、他の追随を許さない「なるほど」と言わされる感。そして、少し短絡的でありながら解りやすい結論。読みごたえある一冊。
Posted by ブクログ
日本を追い込んだのはアメリカで、解体したのもアメリカだ。
原爆辺りは当然そうだと考えてはいたが、ソ連参戦やポツダムの変は考えたことなかった。
ソ連の強かさってのは相変わらずだと感じたが、本当、アメリカという国とその思想は稚拙だ。
ただ、あの国の良いところとして、きっとあと何十年、本当に歴史として考えることができる時期に、それなり評価は変わっていくのだろう。
某覇権国家が世界を蹂躙していなければ。