【感想・ネタバレ】怨霊になった天皇のレビュー

あらすじ

天皇は神にもなるが、怨霊にもなる!

125代に亘る世界最古の王室・天皇家。御簾(みす)の奥で平穏に続いてきたかに思える皇室だが、実は権力闘争や謀略など、壮絶なドラマが絶えなかった。暗殺、呪殺、憤死などで「怨霊」になったと信じられた天皇が何人もいる。歴代天皇はこれら「怨霊になった天皇」が日本国に祟らぬよう祀り、荒魂を鎮めて「神」にし、その絶大な霊力を現世に活かそうと考えてきた。ここには、天皇は民の安寧を祈り、民は皇室の弥栄を願うという他国には見られない王室と国民の近しい関係、つまり日本の国柄が見てとれる。
明治天皇の玄孫である著者が、崇徳天皇を中心に独特の視点から「天皇家の怨霊史」をひもとく。
あなたはご存じだろうか、崇徳天皇の800年式祭に昭和天皇が勅使を送られていたことを。そう、これは現在にまで続く天皇と怨霊の裏の歴史である。
発刊時、話題を呼んだ同書、待望の文庫版を電子化!
天皇は神にもなるが、怨霊にもなる!

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Posted by ブクログ

崇徳院を中心に怨霊について知りたいと思って購入。色々なことを知ることができたし、内容も面白かったので大満足。

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2013年02月05日

Posted by ブクログ

ちょうど大河ドラマも保元の乱間近となり崇徳天皇の事を知りたくなったので読んでみました。主に崇徳天皇について書かれていますが仲哀天皇から孝明天皇まで書かれており、また孝明天皇が幕末の動乱期に崇徳天皇を祀っていたことには驚きました。崇徳天皇の跡を辿って四国に行ってみたくなりました。

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2012年05月24日

Posted by ブクログ

 憤死をした人は怨霊となって祟る。それは天皇であっても同じ。祟りを避けて鎮魂の為の神社を造営したり都を移したりしていますので国史を読み解くうえで不可欠のファクターです。最強の怨霊といわれる崇徳天皇の700回忌、800回忌のエピソードは興味深いものです。

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2011年12月14日

日本史を変えた後鳥羽上皇の怨霊

「怨霊」と言う言葉を聞けば、殆どの人が「菅原道真」「平将門」「崇徳天皇」の「日本三大怨霊」を逐一連想するでしょう。しかし、僕は「承久の乱」で怨霊化して「南北朝対立」の遠因になりました「後鳥羽上皇」を逐一連想します。後鳥羽上皇が流刑先の隠岐国で崩御してから間もなく、四条天皇が12歳の幼さで、しかも不慮の事故で崩御しました。その結果、約5世紀振りの「天皇空位期間」の末に、後鳥羽上皇の孫が「後嵯峨天皇」として即位しましたが、今度はその後嵯峨天皇自身が「南北朝対立」の遠因になってしまったでしょう。ですから、四条天皇が長生きして子孫を残していれば「南北朝対立」は絶対に起こっていなかったでしょう。また、後鳥羽上皇は崩御する直前に「もし私がこの世での妄念に駆られて魔縁と化す様な事があれば、この世に災いをもたらすだろう。もし将来、私の子孫が皇位を継承したとすれば、それは私の力によるものだ」と言う内容の置き書きを残しました。こうなりますと、「四条天皇の崩御は後鳥羽上皇の祟りだ」と言う噂には、それも異常なほどの説得力がありますよね。

#ドキドキハラハラ #タメになる #スカッとする

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2025年03月31日

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ネタバレ

竹田さんの本は初めて読んだ。非常に面白かった。高田崇さんのミステリーでたびたび取り上げられている『怨霊』。歴代天皇を軸に通史として整理されている。
竹田さんはメディアへの露出のイメージが先行していて、これまでは読まず嫌いだった。今後は他の本も読んでみようと思った。

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2015年08月28日

Posted by ブクログ

竹田さんて、テレビのバラエティとかにもよく出てるし、スキャンダル的なものもあったし、何となく先入観で「たいしたことないヤツ」って思っていたのだけど、すみませんでした。私が間違ってました。

大変おもしろく、興味深く読ませていただきました。
あらためて、研究者なんだなぁと思いました。

日本史史上、「怨霊」となった人は数多くいる。
私はオカルト的な現象はあまり信じないタチなので、何かの偶然が重なったときに後ろめたい思いを抱えているヤツが怨霊を作り出すのだろうとは思っていたけれど、この本はそういった怨霊のメカニズムに加え、鎮魂の手法、いろんな天皇のエピソードまで入っており、全く飽きることなく最後まで読める。

しかし、竹田さんのパソコンや周辺のパソコンが立て続けに壊れたのはコワい…。

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2015年06月02日

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いやぁ、斬新。天皇にとって怨霊は怨霊だが、怨霊にとって天皇は怨霊。大自然を神とする日本人の原点。勉強にもとってもなりました

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2014年02月18日

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ネタバレ

恨みを持って憤死した人物が怨霊になる。
いかにして死者が怨霊となり、生者がいかにして陥れた人物を恐れたのか、そのメカニズムを論理的に解き明かしていて、大変興味深かった。
何より、日本最強の怨霊と恐れられる崇徳天皇が、もうその怒りを鎮めており、日本の泰平の一役を担う立場になっていると結んでいるのが、美しい。
怨霊が実在するかは分かりませんが、少なくとも自分は、崇徳天皇を怨霊だと安易に言葉にするのは控えようと思う。

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2013年03月30日

Posted by ブクログ

著者の竹田恒泰氏の動画コンテンツから本書の存在を知り、興味があったので購入。
著者はその出自から天皇の歴史を軸とした著書が多く、また国内には天皇家に関する書籍が数多存在するが、天皇と怨霊を結び付けた“裏の歴史”について独自の論考を展開するところが本書の特徴を際立たせている。

本書で登場する天皇の中で最も多く紙面が割かれているのは、中学や高校の歴史の教科書では「保元の乱で敗れて流罪になった天皇」程度の扱いで記載されている崇徳天皇である。
歴史の教科書ではほとんど登場することのない崇徳天皇が、地方に流罪になった後に怨霊と化し、その後800年に及び鎮魂され続けていることなど、(自分も含め)日本史を選択したとしても知っている者はほとんど居ないのではないだろうか。

本書では崇徳天皇以外にも死後に怨霊となった天皇や重鎮について詳しく書かれているが、これらの事例を通して怨霊とは霊魂や心霊現象などではなく、その存在の是非に関わらず死後に当人と深く関わりのあった人々によって作り上げられるものであるとしている。
そうしたいわば「決して表出しない社会的・文化的通念」が、古代から現代にも連綿と受け継がれているということを、本書は豊富な事例で教えてくれる。
そしてそうした事実が、鎮魂のために建立された寺社仏閣が全国に数多点在していることを改めて納得させてくれるのである。

保元の乱に限らず、兄弟間や近しい親族の間での争いは人類の歴史では至る所で起こっており、それが火種となって紛争や戦争にまで発展し、今なお繰り返されていることもまた事実である。
ただ著者は、日本の歴史の中で平和が続いた時代には新たな怨霊が生まれなかったとしており、人を憎んだり恨んだりして死ぬことのない社会が平和に繋がるということを歴史から学ぶべきだと訴える。

和を重んじ、話し合いによる問題解決を図り、時には許すことを実践してきた(と言われている)日本であるが、そんな日本の歴史においても、恨みや憎しみの連鎖により社会が混乱する危機を何度も経験し、そして乗り越えてきたということを忘れてはならないだろう。

国家間のパートナーシップに関しても、高齢となった超大国のリーダーが社会を混乱させているが、彼らが国際関係に禍根を残したままこの世を去り、その後更なるトラブルに発展させないためにも、自国が報復合戦のような短絡的手段に訴えることのないように考え・行動していくことの必要性も感じさせてくれる一冊であった。

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

怨霊(御霊)信仰が、主に天皇家·朝廷にどのような影響を与えてきたかを知ることのできる一冊。
民間信仰における、怨霊や御霊、たたりなどは他にも様々な本が出ているのが、天皇家の流れを汲む著者ならではの視点だと思う。
祭事の一環かと思ったけど、そこまで恐れていたのか…と少し驚いた。

先に怨霊が多発した中世の寺院(京都の大部分を「境内」とした寺社勢力)について書かれた『寺社勢力の中世』を読んだが、
教義や神仏をたくましく利用し、死者をも恐れず、自分たちのコミュニティを保った寺社勢力(民間)とはやはり違う。
このあたりは、どんなに困窮しても社会の上部にいた人々と、自分の身は自分で守れの庶民の違いか。

この違いで一つ思ったのが、著者の説く「和の国」だ。
戊辰戦争で矢面に立った皇族や賊軍の頭は、その後、怨霊対策?もあって許された。
これが尊ぶべき和の精神というが…。
では、彰義隊はどうか?会津戦争の会津藩幕府軍側の死者はどうか?
賊軍であるという理由で、錦の御旗を挙げた官軍はその埋葬を認めなかった。野ざらし、ミセシメの類である。
皇族や大名藩主レベルは許される。
しかし、そこいらの庶民は許されない。天子様に楯突いた賊軍。奸臣はどこまでも民である。
「和」というのは、「怨霊」というのは、「社会的影響」に左右されるのではないだろうか。
社会的影響が大きいから、国を転覆させるほどの怨霊になれる。祀らねば、許さねば。
どれだけ恨みをもって死んでも、庶民にはそんな力はあるまい。放っておけ。
結局、社会的に価値のある存在だけが強い怨霊になり、それ以外は打ち捨てられる。
和というものにしろ、上級国民に限る!じゃないの?
……なんて、ニュースサイトのコメント欄みたいなことを思ったりもした。

天皇家朝廷から見た怨霊·御霊信仰と、民間レベルの怨霊伝承を比較してみると、やはり面白いかもしれない。
怨霊の影響範囲や被害、怨霊誕生の背景は権力闘争なのか差別や蹂躙の被害なのか、祭祀はどのようになされたのか。その違いもやんごとなき人々と庶民の考え方の違いの良い考察になると思う。

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2024年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

職場の上司と日本三大怨霊の話をしてからこの手の本にアンテナが立ってます。。
本書は明治天皇の玄孫にあたる竹田氏の著書で、三大怨霊の話ではなく、怨霊と化した天皇家の方々のその原因や経緯、呪いの全容と同時に、海外との比較や呪いの先にある許しの力について語られた本でした。
怨霊から日本の歴史を追う作業はとても面白く、非科学的な解釈も含めそれが当時の世相であったと思うと、一つ歴史を深く知ったような気分になりました。

例えば、崇徳天皇の祟りによって平氏政権が成立し、朝廷から政治権力が離れたというのは当時の一般常識であったこと、そしてその後も平氏から源氏、北条、足利、信長、秀吉、徳川家と移り、700年経ってなお、政権が朝廷に戻ってきていないのは祟りが続いたせいだと孝明天皇は考えていて、「崇徳天皇の神霊を京都に奉還してこれを慰め奉るべし」との議があり京都に白峯社を創建した、とかね。

もっと非科学的な事例で言うと、南朝北朝の動乱は、南北朝合一を以って南朝は歴史の表舞台から姿を消しますが、それは完全に消滅したわけではなく、水面下で皇統を呪詛する存在となっているそうです。具体的な現在の取り組み(?)は皇室に女子が生まれるよう呪詛し続けているそうで、実際昭和天皇も5人目にしてやっと男子を授かり、その後平成18年に悠仁様が生まれるまで41年間は9人の皇族が生まれましたがその全員が女性だったんですよね。9名連続で女子が生まれる確率は2/1000だそうです。もちろんこれが呪詛の結果とは言い切れませんが、そういう南朝の存在があると知ったうえで事実を考えると・・・何とも言えない気持ちになりました。。

また、怨霊が神となるのには、日本人独特の許しの文化があると述べられていました。
それに異論はありませんが、本書ではなく別の本では(天皇家ではありませんが、三大怨霊の)道真などがたどった怨霊が神となる経緯などは仏教と密接にかかわっていて、それに深く納得感を得たのですが、本書では宗教と怨霊の関わりについてはほとんど触れられていなくて、著者の見解を聴きたいところでした。

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2023年11月21日

Posted by ブクログ

「怨霊は生者がつくるもの」
竹田さんの本は初めて読んだけど、テレビのイメージと違って(笑)落ち着いた本だった。私に歴史の知識が浅くて、当たり前に語られる歴史の話がわからなかったりして、Wikipedia片手に読まざるを得なかった。この本を入り口に、歴史について勉強したいと思う。

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2021年06月13日

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