灰原薬のレビュー一覧
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道真の成長も楽しめる
はじめは冷静な天才として描かれていた道真の、内面の成長や考え方の変化が描かれます。はじめは学問の世界に生きようとし、どこか浮世離れしていた道真も、そうすることが許されないまでに政争に巻き込まれていくことが予感されます。
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Posted by ブクログ
前巻からの続きである、道真が硯を盗んだとの疑いをかけられる話、業平が山の中に見た「隠り世」の話、そして次巻へと続く富士の噴火の話が収められています。
隠り世の話が特に(この巻だけで完結しているのもあって)印象深かったです。ほぼ破綻しているとはいえ、この頃からちゃんと税徴収の仕組みはあったんやなあ(当たり前か!?)
振りかざしすぎる正義、正論は鼻につき、時として敵も作りがちなものですが、道真のそれは見聞きしていて気持ちがいい。
それはきっと彼がまだ若いということと、学問に対してまっすぐに取り組み、より良い人間たろうとし、より良い社会たらしめんと願う姿がそう思わせるんだと思います。
ただ、弱者