灰原薬のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ本巻で印象深いエピソードは、第十七話「在原業平、京にて塩焼きの宴を催す事」。
前巻の水脈探しのエピソード同様、市井の民と道真が関わる一話となっています。
いわば「下賤の者」に何が起ころうと、離れたところで手も差し延べない貴族どもに対して、道真は静かに罵ります。
「目の前の民一人のことも救おうとせず世が政がとは片腹痛い」
前巻を読んだ今だから思うのですが、これも道真の無力なる彼自身への怒りの表れなのでしょう。
読者としては、「頑張れ!」と声をかけるのもおこがましく、歯がゆくもただただ彼の苦悶と葛藤を見ていることしかできません。彼の行く末に幸あらんことを!
その他、都大路を闊歩する百鬼夜行や道真の師にして宣来子の父・島田忠臣の怪しい動きなど、前巻からの続きであった業平受難のエピソードも霞んでしまうほど、盛りだくさんの巻でありました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ道真が、幼少の頃に亡くなった兄・吉祥丸の死に疑問を抱き、やがて、その真相が父から語られる本巻。
藤原良房を筆頭に、相変わらず反吐が出そうな藤原一族の非道ぶりが鼻につく中で、出色のエピソードは第十四話「道真、明石にて水脈を見る事」。
ひょんなことから京から離れた明石にて、市井の民の窮状を知り、その解決に手を貸すことになった道真の姿を描いています。
『「知っている」だけでは意味がない。使え!』
「正しいことを知っていても誰も聞かねば意味が無い」
「私には何も出来ないことが憎い」
これらの言葉が、僕自身の甘さを糾弾するかのように胸に刺さりました。
藤原支配の不条理、理不尽に対して「藤原憎し、藤原人でなし」と歯ぎしりするばかりの僕とは違い、その影響をダイレクトに受けている道真自身が、憎いのは藤原でもなんでもなく、何もできない自分をこそ憎んでいる…言葉も出ぬくらいの衝撃でした。
いや、「応天の門」侮れません。
最後のエピソードでは、道真の妻!?である島田宣来子(道真ばりの推理力はあるものの、まだ幼いキュートな姫君)様が出てくるわ、業平を数々の不審な災難が襲うわと、気になるところで続きます… -
Posted by ブクログ
行きつけの書店に平積みされているのを見かけて以来気になっていましたが、SNSの読書グループでも何名かが話題にされており、ついに手を出してしまいました。
主人公は菅原道真と在原業平。
かたや18歳のエリート文章生ーただし人と交わることが苦手で頭でっかちなところがあり、人情の機微にも疎く毒舌家ー、かたや帝の血筋で歌の才がある権少将ーただし女と見れば片っ端から言いより攻め落とす、平安京きっての下半身に節操のないプレイボーイーという異色のコンビが、権力の座をめぐり数多の貴族が権謀術数張りめぐらせる京の街でおきる事件に挑みます。
平安京、男二人、事件に挑むとくれば夢枕獏さんの「陰陽師」シリーズを想起させますが、本作はより平安京の貴族社会のドロドロした嫌な面(もうホンマにムカついて反吐が出ます)が強調されてます。
そんな舞台で、よく言えば歯に衣着せぬ物言いで正論を吐く、悪く言えば世間知らずで青臭い道真は、ネガティヴなキャラ設定に反してとてもとても魅力的で好ましく映ります。
反面、業平ふくめ周囲の「大人」たちの情けなさ、あざとさが目立ち、僕にとっては本巻は道真の一人勝ち!?といった印象でした。
本巻では二つの事件を解決したこのコンビですが、巷で起こる事件とは別に、大内裏内の権力争い、それとも絡んだ貴子姫(実はかつて業平が手をつけ、いまだ業平を思い続けている節がある)の入内問題が、今後どうストーリーに絡んでくるのか、楽しみな幕開けの一冊でした。 -
Posted by ブクログ
道真の兄の死の真相が語られそれを知った道真が出奔。
その先で人助けをすることが中心です。
兄の扱いもそうだけれど藤原という家は本当に修羅ですね。
権力を欲しその維持のためなら何でもする。DQNも真っ青ですよ。
道真の出奔も若者っぽくていいなと思いました。
「知っているだけではダメだ」という言葉も胸を打ちました。
道真の婚約者の宣来子がええ子で可愛い❤︎
当時としてはちょっとがさつなのかもしれないけれど純粋でそんなところも可愛い❤︎
道真のことが大好きなんだろうなぁ。
ただ読み進めるうちに業平がお笑いキャラ?化していて笑っちゃいましたwww池の水も滴るいい男だけれど女癖悪すぎンゴwwww -
Posted by ブクログ
1巻がやっぱり面白い!と思ったので読み終わった直後に買いました。
業平(と言いつつあまり出番はない)と道真が謎を解きながらも暗い過去が見えてくる巻です。
そしていよいよ高子が登場。
好きだけでは一緒になれない身分の壁がどうにも哀しかった。
しかも明らかに「人」ではなく「出世のための道具」扱い。
美貌や女性という性ばかりに注目して高子の気持ちや人格はいらぬ、とばかりなのがどうにもイラつきました。
それに下の者から気を遣われる辺り人望はあるのかな?と思いました。
道真の業平に対する扱いがぞんざいで笑っちゃいましたw一応立場は上のはずなのにww
でも兄上に対しては劣等感はないように感じました。むしろ仲は良かった?
心のどこかで長年疑問がくすぶっていたからあるとき突如ひらめいたのでしょうか?
どうして兄上は流行病ではなく殺されなければいけなかったのか?
どうして父上はその真相を話さないのか?話さないということはやはり上から何かあったのかな?
(多分女中頭は知ってるから道真は知らない)
その疑問が次の3巻で知らされるのかな?
父上はそんな事態を起こすとは思えないから兄上が何かしたもしくは頭が良く人望があり、といういちゃもんのつけようがないけれど邪魔だから殺したとか? -
Posted by ブクログ
1巻から一気に読んでしまいました。私の大好きな菅原道真公が主役とあっちゃあ、そりゃ一気にも読むわ。
平安時代ものって珍しい上に歴史的にもあまりヒーロー感のない(どちらかというと怨霊感?)道真&業平が主役ってどうなの!?と思ったけどなかなか面白かったし、もちろん自分的にはツボな配役なわけで。
平安時代一番のプレイボーイ在原業平がそれほどイケメンじゃなくておやじなのがいい!
道真公の性格がクールで現実的で、、、って自分の中のイメージとはちょっと違うけど、ちょー真面目というところは納得なので受け入れられた。
朝廷の貴族たちのドロドロもあり、藤原の横暴あり、で素敵です。
応天門の変まで行くのかしら?ゆくゆくは太宰府まで? -
Posted by ブクログ
かんさんかわいい!前々から、知識は知っているだけでは意味がない。使えなければ。といっていたけれど、はじめて、何か重いものを賭けて、それを守るために、自分の知識をを生かしたのですね。知識はもっているだけでは意味がない、というのはとても真理だな、と思います。宝の持ち腐れ、と、いいますか。
せっかく身に着けた技術も、使わなければもったいないですし、廃れてしまいますし。
かんさんは、自分の無力もわかっていて、兄上の苦悩も、父上のどうにもならない苦しみも、遅ればせとはいえ感じることのできるやさしい子だなあと思います。
それから、かんさんの許嫁もでてきましたね!とても女の子らしくて、とても聡明で、とてもかわいいです!
かんさんも許嫁ちゃんもかわいい!そして白梅もかわいい!!