灰原薬のレビュー一覧

  • 応天の門 1巻

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    ネタバレ

    史実こそが最大のネタバレ。
    これほど唐に焦がれる少年が、後に自ら遣唐使を廃止したこと。
    あれほど惹かれあっている二人が、二度と結ばれはしないこと。
    史実を知っているからこそ、この物語がこれからどう紡がれていくか目が離せず、そして未来の行く末を知らぬ物語の中の彼らを憂いてしまう。
    緩やかに、しかし着々と、事件に関する人物は揃いつつある。
    どろりとした人間関係や醜い蹴落とし合い。
    陰鬱としたそれが、かつてあの煌びやかな都の中でも間違いなく行われていたのであろう。
    時代考証がしっかりとしており、非常にリアリティがある。

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    2017年10月23日
  • 応天の門 7巻

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    多美子様入内の話。多美子様純真で素直で可愛い❤︎
    こんな子でも権力闘争に巻き込まれるのだから怖いです。
    でも結局毒はともかく呪詛は一体誰が?
    後味が悪くて怖い…。

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    2017年10月11日
  • 応天の門 6巻

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    日本は島国である、という事は外と隔絶されているのではなく、海を経て繋がっているという話。5巻後部から6巻前部はそんな物語なのだが、この巻の引きはまた藤原氏である。かの家が他氏排斥を平然と行うのならば、その苛烈さは同門にも容赦なく振るわれる訳で、長きに渡る藤原氏の栄華はそんな血と謀略に彩られている。

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    2017年09月01日
  • 応天の門 5巻

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    藤原氏の藤原たる所ここに極まれり。とはいえ、敗者もただの敗者ではなく意地と名誉がある。応天門が出てくるのならば当然出てくるだろう伴善男が生き汚くてかっこよい。そして、少しずつ歴史が前に進んでいるのが感じる。菅原道真も伴善男と同じく藤原氏に挑んで敗れた敗者なのだから。

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    2017年09月01日
  • 応天の門 4巻

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    業平が「呪われている!」と騒ぎ解決する話。
    その後、道真が業平が主催する塩焼きの宴に招待するも喧嘩し仲違い。
    仲違いしたまま百鬼夜行を解決?
    そして白梅の元同僚の皐月が使えている盲目の僧侶にしか聞こえない笛の音の招待を暴きます。
    そういえば単独で解決しちゃった回ですね。
    だから物足りないのか…。
    そして最後は夢見の悪さに悩まされる善男の頼みを解決するために業平が頭を下げて頼み道真が解決し、仲違いも解消します。

    人間関係を極力避けようとする道真が「人と関わらないなんてできない」と言うのは何だか面白かったです。
    白梅も皐月も主人思いのいい人だなぁ。

    道真のツンデレ具合も可愛かった!
    大の大人に

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    2017年07月15日
  • 応天の門 3巻

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    藤原氏が千年にも及ぶ覇権を確立するまでの歴史は血塗られているというより黒く塗りつぶされている歴史という方があっている気がする陰謀に陰謀に陰謀。それは身内ですら容赦なく、その蠱毒の果てに出来上がったのが摂関政治と呼ばれるシステムである。そこにこの物語は入ろうとするあたりであり、まだ反藤原が頑張っているというのを頭に入れて読もう。きらびやかな物語が途端におどろおどろしくなる。

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    2017年07月09日
  • 応天の門 2巻

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    在原業平が出るのならば当然出てくる藤原高子登場。愛など押し流してゆく政治というおぞましさを淡々と菅原道真視点で書いているのが凄い。そしてそれは歴史を知っているとあまりに滑稽で哀れに見えるからこの物語は楽しいのだ。

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    2017年07月09日
  • 応天の門 7巻

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    ネタバレ

    多美子様が可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて…。
    高子姉様と多美子様がキャッキャしてるだけの番外編が欲しい…。
    今回業平様と道真くんの出番少なかったですが白梅と長谷雄が頑張ってたので良かったです。

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    2017年07月04日
  • 応天の門 7巻

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    入内が成功するか最後までハラハラ…といっても多美子姫が大丈夫かどうかは読む前からわかってしまうのが歴史モノのつらいとこ。次巻が待ち遠しい。

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    2017年06月18日
  • 応天の門 1巻

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    出て来る登場人物でやられた。だって在原業平と菅原道真のコンビである。歴史が繋がっているというのをいやでも思い知らされるこの異色コンビに応天の門というタイトル。これ絶対応天門の変の事だろうなと思った私の予想をぶった切る見事な配役に乾杯。

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    2017年06月15日
  • 応天の門 5巻

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    藤原家の陰謀が着実に進んで行き、図らずも道長も関わってしまう話でした。
    間違えて4巻より先に読んじゃったのでつながっている部分があってもわかっていませんが面白かったです。

    藤原家めっちゃ怖い・・・!有利に進めるためなら毒まで盛るのか。
    伴善男が妖怪化していてそれも恐ろしい。
    魑魅魍魎とはよく言ったものです。

    読んでいる途中でBSNHKの「英雄たちの選択」で伴善男が関わってしまう事件を思い出しました。
    それを思うと彼は本当はどういう人物だったんだろう・・・本当にこういう人だったのかな。

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    2017年06月01日
  • 応天の門 6巻

    購入済み

    面白い!

    絵を見て大人買いした作品。
    作画も綺麗だし、何より面白い。
    業平と高子の過去がきになる!

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    2017年01月15日
  • 応天の門 1巻

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    次巻が待ち遠しい作品です!
    「信長協奏曲」「イシュタルの娘」「風光る」など、史実で先がわかっている作品の方が、展開が楽しみなのは不思議ですねぇ。

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    2016年12月24日
  • 応天の門 5巻

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    藤原基経のはたらきかけにより、神泉苑で催されることとなった「鎮魂めの祭」。
    本巻では、その祭の最中に起こる事件が中心に描かれます。
    祭の喧騒を嫌い、屋敷でノンビリしていたはずの道真にも、これまでとは桁違いに大きな事件が降りかかり…

    望むと望まざるとに関わらず、応天門の内部の権力争いに巻き込まれて行きつつある道真ですが、それでも彼の「目の前の出来事に全力で死にものぐるいで当たり、道を切り開いていく姿勢」に勇気がもらえます。

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    2016年07月30日
  • 応天の門 4巻

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    ネタバレ

    本巻で印象深いエピソードは、第十七話「在原業平、京にて塩焼きの宴を催す事」。

    前巻の水脈探しのエピソード同様、市井の民と道真が関わる一話となっています。
    いわば「下賤の者」に何が起ころうと、離れたところで手も差し延べない貴族どもに対して、道真は静かに罵ります。
    「目の前の民一人のことも救おうとせず世が政がとは片腹痛い」

    前巻を読んだ今だから思うのですが、これも道真の無力なる彼自身への怒りの表れなのでしょう。
    読者としては、「頑張れ!」と声をかけるのもおこがましく、歯がゆくもただただ彼の苦悶と葛藤を見ていることしかできません。彼の行く末に幸あらんことを!

    その他、都大路を闊歩する百鬼夜行や

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    2016年07月17日
  • 応天の門 3巻

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    ネタバレ

    道真が、幼少の頃に亡くなった兄・吉祥丸の死に疑問を抱き、やがて、その真相が父から語られる本巻。

    藤原良房を筆頭に、相変わらず反吐が出そうな藤原一族の非道ぶりが鼻につく中で、出色のエピソードは第十四話「道真、明石にて水脈を見る事」。

    ひょんなことから京から離れた明石にて、市井の民の窮状を知り、その解決に手を貸すことになった道真の姿を描いています。

    『「知っている」だけでは意味がない。使え!』
    「正しいことを知っていても誰も聞かねば意味が無い」
    「私には何も出来ないことが憎い」

    これらの言葉が、僕自身の甘さを糾弾するかのように胸に刺さりました。
    藤原支配の不条理、理不尽に対して「藤原憎し、

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    2016年07月17日
  • 応天の門 2巻

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    叔父や兄たちの出世の駒的にいいようにあしらわれる高子姫のエピソードを挟みつつ、本巻のメインは道真の幼い頃に亡くなっていながら、家中でも最初からいなかったように扱われる、道真の兄についての謎。
    平安の世はまさに闇だらけといったところ。

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    2016年07月10日
  • 応天の門 1巻

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    行きつけの書店に平積みされているのを見かけて以来気になっていましたが、SNSの読書グループでも何名かが話題にされており、ついに手を出してしまいました。

    主人公は菅原道真と在原業平。
    かたや18歳のエリート文章生ーただし人と交わることが苦手で頭でっかちなところがあり、人情の機微にも疎く毒舌家ー、かたや帝の血筋で歌の才がある権少将ーただし女と見れば片っ端から言いより攻め落とす、平安京きっての下半身に節操のないプレイボーイーという異色のコンビが、権力の座をめぐり数多の貴族が権謀術数張りめぐらせる京の街でおきる事件に挑みます。

    平安京、男二人、事件に挑むとくれば夢枕獏さんの「陰陽師」シリーズを想起

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    2016年07月03日
  • 応天の門 4巻

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    道真が人とのコミュニケーションについて考えるときがこようとは…(笑)
    道真の周りは、無自覚に女子のほうが強いようで、みていてほほえましくてかわいいです。
    ときつらさまイケメン…。

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    2016年06月29日
  • 応天の門 3巻

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    道真の兄の死の真相が語られそれを知った道真が出奔。
    その先で人助けをすることが中心です。
    兄の扱いもそうだけれど藤原という家は本当に修羅ですね。
    権力を欲しその維持のためなら何でもする。DQNも真っ青ですよ。
    道真の出奔も若者っぽくていいなと思いました。
    「知っているだけではダメだ」という言葉も胸を打ちました。

    道真の婚約者の宣来子がええ子で可愛い❤︎
    当時としてはちょっとがさつなのかもしれないけれど純粋でそんなところも可愛い❤︎
    道真のことが大好きなんだろうなぁ。

    ただ読み進めるうちに業平がお笑いキャラ?化していて笑っちゃいましたwww池の水も滴るいい男だけれど女癖悪すぎンゴwwww

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    2016年05月26日