高井研のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今までありそうで(あったかもしれないが)見つけられていなかったテーマ。いろんな分野の先頭を走る研究者が各々愛する論文を語るという、極めて興味深く面白かった本。各々の研究テーマが違うのはもちろん、各々の研究者の感性や語り口がそれぞれ全く違っていたのも面白かった。一般向けに少し噛み砕いてくれている人もいれば、専門用語もりもりで愛が溢れている人もいた。どちらも素晴らしいと思う。いわゆるオタク文化にも通ずるところがあると感じた。専門家から見た「私見を含んだ」サイエンス的エッセイは非常に面白かった。
大学時代を振り返ると、論文を読むのは嫌いではなかったし、面白かったがやはりどこかタスクの一つになっていて -
Posted by ブクログ
あーあ、読み終わってしまった。。。本当に面白くて、ずっと読んでいたい本だった。
前にテレビで高井さんを見た。ちきゅう、というとてつもない船に乗って、泥の塊に喜んでいた変な関西人・・・この人は面白い人だな、と思い、手に取った。
外国人が書いた本とは違う直観的な分かりやすさ、ノリの良さ、日本人びいきさ、メタン菌への不可解な愛情、臆することない自画自賛・・・どこをとっても素晴らしい内容。暗い海の底で、岩だの泥だのを取ってきては、ワクワクしている気持ちが伝わってくる。
まったく、私が高校生で、この本(に限らず、ここのところハマってる進化系の本)を読んでいたら、人生変わっていただろう。
もっと高井節を広 -
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Posted by ブクログ
地球における生命の誕生について、海中説と陸上説で異なる見解の二人が、対論を通して、生命の定義から宇宙生物の存否まで議論を進める。生命のメカニズムに自論を展開する両者は、真実が究明されない中、結着点は見出せないが、各説の説得性は読者に委ねられる。テーマが地球外生命に移行後は、太陽系内のエンケラドス(土星の衛星)やエウロパ(木星の衛星)の地表下に海の存在が可能視され、未知の生物への期待が膨らむ。さらに知的生命体の探索に向けた取り組みが紹介されているが、いずれも時間軸では、生きている間には結論を得られない虚しさが残る。この手の話題は、夢物語の範疇から抜け出せないのが残念である。
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Posted by ブクログ
LUCA(Last Universal Common Ancestor)と呼ばれる地球上の全生物の共通祖先が、深海の熱水活動域で生まれたのか、陸地の温泉で生まれた後、深海に移動したのか、それぞれの違う立場の研究者が討論する面白い本だ.p67に図示してあるようにLUCAが約38億年前にシアノバクテリア、大腸菌などの真正細菌に分かれ、約24億年前に古細菌と真核生物が分離した由.この真核生物から動物や植物が出現した.両者の対談では、LUCAの元となったものは地球にあったのか、隕石のように外からやってきたのか についても議論している.生命の定義として、幕を持つこと、代謝すること、複製・増殖すること、進
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Posted by ブクログ
生命を作ったのは自然進化なのか?
神が創り賜ふたのか?
宇宙から飛来したのか?
証拠がみつからないのでいろいろな説がありますが、本書では深海熱水孔周辺で生まれたであろうという説を素人にも分かりやすくまとめてあります。
何度も生まれては死に絶えた数多の「一発屋生命」の中から、我々人類に繋がる進化を遂げた唯一無二の「オリジン生命」がどこかに居たことは間違いありません。
専門的な単語が出てくるのでどこまで自分の知識として吸収できているか分かりませんが、少なくとも「オリジン生命」の誕生プロセスが解明される日が生きてるうちに訪れるといいな。 と考えられるようになりました。 -
Posted by ブクログ
高井先生は独立法人海洋研究開発機構で研究調査をされている方らしい。
高井先生はしんかい5600などで深海熱水活動域などというものを調査されているのだが、この熱水活動が「生命の誕生を育み、持続的な生命システムを支えた」するのである。
地球に生物が誕生した頃、地球には酸素がほとんどなかったようである。人間をはじめとする私たちの周りの生物は酸素がないと生きていけないが、基本的に酸素は生物にとってかなりの猛毒であるらしい。高濃度の酸素の元では人間も生きていけないようである。地球上では生命は無酸素の状態だから誕生できたようである。
高井先生曰く本書第2章から第4章で述べられる地球の誕生から生命誕生、 -
Posted by ブクログ
内容も、読み物としても、すごく面白かった。
これを読むと、生命の発生って意外とハードルは高くないのかもしれないという気がしてくる。
ただ、僕らが思っている「生命」よりも少し概念を広げたほうがいいのかもしれない。
初期生命というのは、ほとんど化学物質の代謝のことなんだなぁということや、
そのとき(40億年前)の岩石や海水の成分がとても重要なんだということなど、
視野が広がった気がする。
それにしても、単なる化学物質の代謝活動がこうも複雑な人間という生き物につながっていくとは。
生命の複雑にも興味があるが、その上に乗っかっている「人間活動」の複雑さにも興味がある。
これは社会や文学の領域 -
Posted by ブクログ
偉大な研究者は偉大な教育者でもあって欲しい、という願いが届いたような本。とにかく熱い。というか浮かれ加減がすごいのだ。杉田玄白の『蘭学事始』のような雰囲気がある。
・地球の誕生・46億年前→生命の誕生40億年前→光合成生命の誕生35億年前→光合成生物が地球の表層に進出30億年前
・有人潜水艇を所有、運行しているのは、米仏露日のみ。
・岩石と水の化学反応は地球だけの特別な現象ではない。
・深海底熱水活動域の周辺に、きわめて豊かな微生物生態系が形成されていた。
・特に、水素と二酸化炭素からメタンを作り出す好熱性メタン生成と硫酸還元。
・「生命が生命だけで存在することはあり得ない。生命を取り囲み、 -
Posted by ブクログ
地球上で生命がどうやって発生したのか?という疑問に対して、最新の仮説=“ウルトラエッチキューブリンケージ"仮説を使って説明する話。最終章でその仮説がサマリされているが、「深海の熱水活動によって有機化合物が化学進化し、やがてエネルギー代謝する生命が誕生する」って説明は、「生命は宇宙から来た(=パンスペルミア説)」みたいな説明よりずっと説得力があるように思えた。
個人的に残念な点は、エネルギー代謝する有機化合物の誕生を“生命の発生"としているように読めてしまい、「自己複製はどうなった??」という疑問が残ったところ。第三章で生命の定義として挙げていたので、その部分は満たして欲しか -
Posted by ブクログ
極限環境(深海とか地殻内)の生物が専門の著者が,すんごくくだけた文体で,生命誕生の謎に迫る。
子供のころ,NHKで「地球大紀行」という番組に熱中したのを思い出す。「地球大紀行」でも生命の起源が描かれていたが,今はだいぶ研究も進んでいるみたい。まずは45.7億年前に太陽系ができ,0.3億年程度で今ぐらいの大きさの原始地球が誕生。45.3億年前には巨大な微惑星が激突して一部が飛び出し月になった(ジャイアントインパクト説)。
出来立ての月は,いまよりずっと地球の近くにあって,随分とでっかく見えたらしい(見た人はいないが…)。それが潮汐力によってエネルギーを失いだんだん遠くになった。ていうか,今